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レーヴァティン

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第二百五十五話 ヴェネツィアでの再会その九

「そしてフライにです」
「して食べますね」
「ムニエルにもします」
 こうも言うのだった。
「そうして食べますが」
「日本ひいては東の浮島の様にですね」
「お刺身に天麩羅に」
「てっちりはですね」
「ないので」
 だからだというのだ。
「河豚のそうしたお料理にはです」
「食べたいと思っていて」
「餓えていると言えば」
 そうならというのだ。
「そうなります」
「そうですか」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「てっちりが食べられるなら」
「それならですね」
「嬉しいことです」
「そうですか」
「では白子等も」
 河豚の精巣である、鱈もそうであるが河豚はこの部分も美味いのだ。ただし種類によっては毒がある。
「ありますか」
「そちらも用意してあります」
「それも何よりですね」
「そうですか」
「では味付けはぽん酢で」
 源三は目を輝かせて話した。
「それで、ですね」
「勿論です」
「有り難いです、ぽん酢もです」
 この調味料もというのだ。
「この浮島ではです」
「ないですか」
「はい、ですから」
 その為にというのだ。
「尚更楽しみです」
「河豚にぽん酢の組み合わせはですね」
「実にです」
 まさにというのだ。
「楽しみです」
「そうなのですね、しかしそちらでも河豚は」
「食べます」
「そうですか」
「本来欧州では食べないですが」
 欧州も海産物を食する、それはギリシアやイタリア、スペイン、それにフランスといった国々が有名である。
「この浮島ではです」
「食べるのですね」
「はい、ですが大豆のお醤油はなく」
 魚醤はあるがというのだ。
「そしてです」
「お鍋もですね」
「日本の味付けではないです」
「ブイヤベース等です」
「そして揚げるならです」
「フライですね」
「違うのです」
 調理の仕方がというのだ。 
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