| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レーヴァティン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百四十九話 全土に道と港をその九

「この世界で詳しく政に携わるまではっちゃ」
「わからなかったか」
「頭ではわかっていたっちゃ」
 愛実にしてもというのだ。
「しかしっちゃ」
「肌ではか」
「実感していなかったっちゃ」
 そうだったというのだ。
「どうもっちゃ」
「そうだな」
「だからっちゃ」
 それでというのだ。
「今も言うっちゃ」
「そうだな」
「そうっちゃ、それでっちゃ」
「お前も贋金はだな」
「許さないっちゃ、貨幣を造るのは幕府のみにしていることもっちゃ」
「大事だな」
「貨幣を造るということは」 
 このことについてもだ、愛実は話した。
「政府としてっちゃ」
「確かな権限を握ることの一つだ」
「その通りっちゃ」
「だから俺もだ」
 英雄としてもというのだ。
「そこはな」
「幕府を開く時に決めたっちゃな」
「これは他の藩にもさせるとな」
「その藩が完全に独立するっちゃ」
「貨幣鋳造権は国家の絶対事項だ」
 その権限を確かにする為のというのだ。
「だからだ」
「幕府を開く時にっちゃ」
「それを定めた」
「そうっちゃな」
「これはこれからもだ」
「幕府の権限っちゃ」
「そのうちの一つだ」
 まさにというのだ。
「そのうえでだ」
「持っていくっちゃな」
「そうしていく」
「法とお金と武力っちゃな」
「その三つを備えてこそな」
「国は成り立つっちゃな」
「その三つのうち一つでもなくすとな」  
 このこともこの世界に来て肌でわかったことだ、英雄は愛実とその肌でわかったことについてさらに話していった。
「それでだ」
「国は崩壊するっちゃ」
「だから金もな」
「造っていくっちゃな」
「幕府だけがな」 
 そうしていくというのだ。
「そして良貨をだ」
「造るっちゃな」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「これからもな」
「そして蝦夷にも広めるっちゃ」
「そうだ、だがな」
「だが?」
「造幣所は二つある」
 英雄はこうも言った。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧