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レーヴァティン

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第二百三十七話 最後の場所その八

「道案内にもして」
「攻めていくな」
「無論そうした勢力は多いに限ります」
「戦わずして勝つでな」
「そうです、ですから」
「帝国に入る様に言うか」
「北の半島と島全体にそうしましょう」
 こう久志に話した。
「そして村単位でもです」
「声をかけていくな」
「そうしてです」
「あくまで戦うっていう連中をな」
「降していきましょう」
「その連中のことも聞いてな」
 降った者達からというのだ。
「徐々にです」
「勢力を拡大させるか」
「その様に」
「今からそれをしていいな、戦の準備もはじめて」
「取り込みもな」
 これもというのだ。
「していくか」
「はじめましょう」
「それじゃあな」
「幸い我々はバルト湖南岸にも港を持っていて」
「連合王国の方にもな」
「彼等を攻める拠点は得ています」
 このことも話した。
「そちらに艦隊を集結させ」
「軍勢もな」
「そうして攻めましょう、またバルト湖が凍ったなら」
 その場合のことも話した。
「その時はです」
「氷の上で歩いて行くか」
「そうしていきましょう」
「凄いよな」 
 久志は腕を組み首を傾げさせて少し苦笑いになってそのうえで順一に対して語った。見れば目もそうなっている。
「湖が凍るって」
「起きた世界の日本ではないですから」
「オホーツク海でもな」
「氷はありますが」
「完全に凍ることはないからな」
「そうです、こちらの世界でもです」
「あっちの浮島だとな」
 英雄たちが統一を進めているそちらはというのだ。
「それはなくてな」
「こちらでもですね」
「北湖でもないからな」
「ですがバルト湖はです」
 この湖はというのだ。
「起きた世界のバルト海と同じで」
「凍ってな」
「船が進めなくなり」 
 凍ってしまえばそうなってしまう、だからこそロシアは不凍港を求めて南下を進めて侵略を繰り返してきたのだ。
「ですから」
「その時はな」
「歩いてです」 
 その凍った氷の上をというのだ。
「進むことになります」
「そうだよな」
「事実スウェーデン軍はそうしました」 
 源三は起きた世界のことを語った。
「デンマークとの戦いで」
「バルト海が凍ってか」
「はい、これで戦はないと思いましたが」
 デンマーク側はそうだった、それで安心しきっていたのだ。
「ですがそこで、です」
「スウェーデン軍は氷の上を進んできたな」
「そうしました」
「それで俺達もか」
「いざとなれば」
 冬はというのだ。 
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