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レーヴァティン

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第二百二十話 ハイランダーの影その十一

「これは」
「そいつもちょっと見たいな」
 その後詰めの指揮官もというのだ。
「後詰めで見事に戦える奴はな」
「欲しいでござるな、帝国に」
「撤退の時が一番難しいんだ」
 戦の時よく言われることである、この時に追撃を受けて多くの損害を出すのが戦の常なのは古来より変わることはない。
「そこで見事に戦えるならな」
「いいでござるな」
「ああ」
 実際にというのだ。
「本当にな」
「そうでござるな」
「だからな」
「帝国にもでござるな」
「欲しいな」
 その人材はというのだ。
「ここで捕らえられるならな」
「会って」
「そして配下に加えたい」
「そうでござるか」
「優れた人材はな」
 是非にと言うのだった。
「欲しいな」
「それでは」
「ああ、そいつを捕らえることも念頭に置いてな」
 そしてというのだ。
「いいな」
「攻めていくでござるな」
「この宮城を制圧するな」
 こう言ってだった。
 久志は自ら陣頭に立ちそのうえで攻めていった、そして部屋は残る一つ玉座のある王の間宮城の最深部だけになったが。
 その部屋の扉は閉じられていた、久志はその扉を見て言った。
「どうやらな」
「鍵をかけているわね」
「ああ、そしてな」 
 そのうえでというのだ。
「俺達が開ける間にな」
「もう逃げてるわね」
「そうだろうな」
 清音に対して答えた。
「敵は」
「私達が扉を開ける間に」
「というか鍵をかけた時点でな」
「もうね」
「ああ、今の自分達の状況を理解してな」
「残るお部屋はここだけで」
「残る兵もな」
「いないから」
「後はな」
「鍵をかけて」
「逃げに入ってるな」
「そうでしょうね」
「そうだな、しかしな」
「鍵を開けてね」
「抜け道はな」
 これはというのだ。
「しっかりとな」
「確めて」
「それで出来ればな」
「抜け道を進んで」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「敵を追うな」
「そしてどういった抜け道かも」
「何処に出るかもな」
 抜け道の出口もというのだ。
「確めるな」
「そうするわね」
「ああ、じゃあな」
「扉を開けるわね」
「そうするな」
 こうしてだった。
 シーフの淳二が何でもないといった感じで鍵を開けると久志達は部屋の中に入った、するとそこにはだった。 
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