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レーヴァティン

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第二百十一話 全軍集結その七

「それでこうして一つの天幕の下で話してるな」
「帝国を動かす人間としてね」
「だったらな」
 それでというのだ。
「連携も全然違うさ」
「一つになっているわ」
「帝国としてな、一つになった軍隊がな」
「ばらばらの軍隊に対してどうか」
「やっぱり強いだろ」
 一つの方がというのだ。
「どうしてもな」
「ええ、その通りよ」
 清音は久志に微笑んで答えた。
「まさにね」
「そうだよな、それじゃあな」
「これからね」
「どう戦うかの軍議を開こうな」
「そうしましょう」
「敵はアムステルダムに集結していっているよ」
 淳二が言ってきた。
「そしてね」
「その街を拠点としてだな」
「おいら達との決戦に入るつもりだよ」
「そうか、じゃあ俺達はな」
 久志はその話を聞いて言った。
「まずはエンスヘーデに入るか」
「そしてそこからだね」
「西に向かってな」
「アムステルダムから来た連合軍とね」
「雌雄を決するか」
「相手の望み通りに、いや」
 淳二はここで笑ってこう言った。
「おいら達の望み通りにね」
「そうしような」
「そういうことだね」
「敵さんも決戦を望んでるけれどな」
「相手さん以上にね」
「俺達の方が望んでるからな」
「決戦はね」
「だからな」
 それでというのだ。
「ここはな」
「おいら達が望む様に」
「そうしていこうな」
「それじゃあね」
「ああ、エンスヘーデに入ってな」
「そこから西進だね」
「そして戦いはな」
「ユトレヒト、アペルドールンはまだ騎士団領だよ」
 この二つの街はというのだ。
「だからこちらの進撃速度も考える魯」
「アペルドールン東の平原でか」
「決戦となるね」
「そうなるな」
「あの場所は平原いえ干拓地です」
 夕子が言ってきた。
「多くの水路もあります」
「あの辺りの特徴だな」
「その水路が障害になりますね」
 進撃の際のそれにというのだ。
「戦場においても」
「そうだよな、水路か」
「それが複雑に入り組んでいるので」
 それでというのだ。
「どうするかですね」
「水路か、守るにはいいけれどな」
「攻めるには厄介です」
「ああ、決戦って言っても立場があるな」
「攻め手と受け手ですね」
「常に変わるな、それで最初は」
 久志は夕子の言葉を聞きつつ言った。
「どうするか」
「それですね」
「ああ、受け手に回るか」
 こう言うのだった。 
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