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レーヴァティン

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第二百十一話 全軍集結その八

「まずはな」
「そうしてですね」
「戦うか、それとな」
 水路、複雑に入り組んでいるというそれを念頭に置いたまま久志はさらに言った。
「水路だとな」
「船だ」
 芳直が言ってきた。
「そうだな」
「ああ、小舟でもな」
「船はもうフローニンゲンに多くある」
「水路でも進めるのがだな」
「ある、それを使ってだな」
「暴れたり移動に使うか」
「わかった、ではだな」
「そっちも用意させてな」 
 そうしてというのだ。
「アイセル湖を占領して」
「そこから川を上がり」
「それでアペルドールンの東の方に行くか」
「そうする、水路は陸から進むと障害になるが」 
 しかしというのだ。
「船で進むとな」
「道になるな」
「そうだ、だからだな」
「別動隊でな」
 それでというのだ。
「お前はそっちをやってくれるか」
「わかった」
 芳直は一言で答えた。
「バイキングだからな」
「そうしたことはだよな」
「任せろ」
 やはり一言で答えた。
「そちらはな」
「それじゃあな」
「船も使うか」
「ああ、地形を考えて戦わないとな」
「駄目だからだな」
「水路が入り組んでいるんならな」
「その水路を使うな」
 久志に問い返した。
「それを」
「ああ、そしてな」
「勝つな」
「地形は邪魔に思わず利用する」
 久志は言い切った。
「そうして勝つのがな」
「一番勝ちやすいな」
「地形に逆らって戦ってもな」
 その場合はどうかともだ、久志は笑って話した。
「苦しいだけだからな」
「そうだな、水路が複雑でな」
「それを無理して渡っていくとな」
「進みにくく」
 そしてというのだ。
「そこを衝かれるからな」
「敵にな」
「それならな」
 そうなることが目に見えている、それならばというのだ。
「やっぱりな」
「船を使ってだな」
「戦うな、それでな」
「勝つな」
「ああ、今度もな」
「そうそう、山も川もどう使うかで」
 剛も言ってきた。
「邪魔に思ったらね」
「よくないな」
「そんなのどうしようもないから」
 それ故にというのだ。
「ここはね」
「水路を船を使ってな」
「攻めていくね」
「ああ、しかしな」 
 それでもとだ、久志は剛に話した。既に頭の中に複雑な水路が入り組んだ平原地帯を思い浮かべそうして話している。 
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