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レーヴァティン

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第百九十二話 港を見てその三

「最初にこの世界を統一した者がそうしたとのことだが」
「それが今も続いてです」
「そして今に至ります」
「ですから西の浮島とも楽に商いが出来て」
「また言葉のやり取りも出来」
「あちらの文や書も普通に読めます」
「そうだな、思えば始皇帝がそうしてだ」
 秦の始皇帝である、言うまでもなくそれまで多くの国に分かれていた中華を一つにした人物でその国家元首として皇帝になった。
「それから国が一つになったな」
「ああ、始皇帝たいな」 
 香織はその名を聞いてすぐにこう言った。
「色々言われているたいが」
「その政はな」
「万里の長城や驪山陵を築かせたたい」
「阿房宮もな」
「そして急に法治を進めてたい」 
 民達の反発も招いていたのだ、それまで秦でなかった国々の民達から。
「それでたいな」
「その死後国は滅んだ」
「そうなったたいな、しかし」
「それでもだ」
「そうしたものを一つにしてたい」
「中華は確かに一つになった」
 このことは事実だとだ、英雄は香織に話した。
「そしてそこからだ」
「中華がはじまるたい」
「封建国家から中央集権国家になり」
「そしてたいな」
「何度か動乱の時も迎えたが」
 そして分裂も経たがだ。
「それでもだ」
「中国は中国だったたいな」
「それからな」
「そう思うとたいな」
「始皇帝の功績は大きい」 
 貨幣や度量衡、文字を統一したことはというのだ。
「実際に中華を一つにしてだ」
「それが今も続いているたい」
「それは事実だからな」
「そしてそれを見てもたいな」
「やはり貨幣等が同じだとな」
「統一もしやすいたい」
「そうだ、そして東国ともそうしたものは同じだ」
 貨幣等もというのだ。
「それならだ」
「それをたいな」
「使っていってだ」
「東国を商いからもたいな」
「掌握していく、今すぐではないが」
「徐々にたいな」
「戦だけが統一ではないからな」
 それで勝って済む話ではないことを英雄はまた話した。
「だからだ」
「そうしていくたいな」
「そうだ、ではな」
「これからもたいな」
「商いは盛んにする、変に保護するよりもな」
「自由にやらせるたいな」
「商いはな、そして勿論陸からもな」 
 湖からだけでなくというのだ。
「させる」
「そうしてたいな」
「そちらからも東国を掌握していく」 
 商いつまり経済からもというのだ。
「是非な」
「それがいいわね。そういえばね」 
 ここで桜子がこんなことを言った。
「昔日本がそうして世界と貿易をしてね」
「自由経済を推し進めることだな」
「それを経済侵略とか言う学者さんとか漫画原作者がいたわね」
「馬鹿だな」
 英雄はそうした知識人達について一言で切り捨てた。 
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