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レーヴァティン

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第百九十二話 港を見てその二

「そこは面白い、そのことも頭に入れておく」
「そうされますか」
「上様としては」
「その様にされますか」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「ことを進めたい、そして交易だが」
「これからもですね」
「進めていく」
「そうしていきますね」
「東国とも」
「そして東国をこちらの商いなくして立ち行かなくすることもな」 
 このこともというのだ。
「進めていく」
「東西の商いを一つにする」
「船を通じて」
「そうしていきますか」
「これからは」
「戦をするよりもな」
 それは避けられないにしてもというのだ。
「それ以上にな」
「商いですか」
「そちらを進める」
「そうして国を豊かにして」
「また浮島を一つにもしていきますか」
「商いは正直なものだ」 
 英雄は言い切った。
「銭はな、動けば動くだけだ」
「世が豊かになり」
「そして世を一つにする」
「そうしたものですね」
「そうだ、俺はただ西国を武で一つにしただけではない」 
 それだけでなくというのだ。
「商いも盛んにさせてだ」
「そちらでも国を一つにする」
「それを進められてきていますね」
「ただ武によってするのではない」
「商いでもですか」
「銭は嘘を吐かない」
 英雄はこうも言った。
「そして離そうとしてな」
「離れない」
「それが銭だからですか」
「銭を使う商いでも一つにする」
「そのことを進めてきましたか」
「これからもな、そして思うことだが」
 英雄はさらに言った。
「この浮島も西の浮島も銭は同じだな」
「はい、同じ貨幣です」
「紙幣も使っています」
「かなり特殊な紙幣も使い」
「そして商いをしています」
「そして度量衡も言語もな」
 こういったものもというのだ。
「西の浮島と同じだな」
「使っている文字も」
「確かに服や食べるものは違いますが」
「それでもです」
「そういったものは同じです」
「このことはかなり大きい」 
 非常にだ。こう言った言葉だった。
「やはりな」
「そういったものが同じであるなら」
「国は一つになりやすい」
「そういうことですね」
「貨幣や度量衡、文字が同じなら」
 それならというのだ。
「統一しやすい」
「左様ですね」
「商いや他のことも楽に出来ますし」
「計算についても」
「そして言葉のやり取りも」
「全てな、どうもこの世界は全てが同じだな」
 貨幣等そうしたものがというのだ。 
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