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レーヴァティン

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第百九十一話 東国のことその十一

「是非やるべきね」
「そうだな」
「あんたの考えでね」
「正しいか」
「私もそう思うわ」
「ならな」
「そちらも進めていきましょう」
 こう英雄に話した。
「これからも」
「優れた人材も育てる」
「国だけじゃなくてね」
「雑草という草はない」
 英雄はこの言葉も出した。
「そしてそれぞれ育てるとな」
「いい草になるわね」
「何もしないと何でもない草になるが」
「どんな草も丁寧に育てたら」
「立派な草になる、だからな」
「人材も育てるわね」
「そうする」 
 まさにというのだ。
「これからはな」
「そうね、では今は腰を据えて政を行いましょう」
「先の先を見据えてな」
 こう言ってだった、英雄は今は実際に軍を動かさず内政に専念した、そしてそのうえで国を豊かにし人材を育て。
 そしてだ、暫くそれに専念して言った。
「さて、敵のこともな」
「わかってきたであります」
 峰夫が応えた。
「東国のことが」
「関東も東北もな」
「そして蝦夷地も」
「全てな」
「もう攻めても」
「敵がわからないことはない」
 それで打つ手を誤ることはというのだ。
「これからも調べていくが」
「今の時点で、でありますな」
「かなりだ、まるで手に取る様だ」
「東国の地形やそれぞれの勢力の状況に」
「おおよそだが民の数までな」
「わかっているであります」
「城のことまでな」
「これは大きいであります、特に」
 峰夫は相模の地図を見て言った。
「関東で最初で最大の難関の小田原城でありますが」
「この城のこともだ」
「全てわかったであります」
「それも大きい、ならだ」
「小田原攻めは」
「巨大な城だ」
 それ故にというのだ。
「囲んでな」
「豊臣秀吉公の様に」
 尚この秀吉というのは諱である、また豊臣というのも源氏や平家と同じ本来の姓であり当時はそのまま使われていなかった、言うなら羽柴藤吉郎となっていたのだ。
「その様にでありますな」
「籠城させてな」
「そこから仕掛けていたでありますな」
「そうしていたが空船も大砲もあるしな」
「攻めてでござるな」
「落とすことも出来る」
 それも可能だというのだ。
「無論戦をせずに手に入れたいが」
「それでもでありますな」
「攻めることは出来る」
 そして攻め落とすことがというのだ。
「だからな」
「それで、ありますな」
「このことは大きい、だが東国の警戒は緩いか」 
 ここで英雄はふと思って言った。 
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