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レーヴァティン

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第百九十一話 東国のことその十二

「随分とだ」
「隅から隅までやな」
「俺達の密偵に見られているが」
「それな、それがしも伊賀と甲賀、雑賀、そして上田のな」
「腕利きの忍達を送ったか」
「要所はな、それでや」
「これだけのことがわかったか」
「敵も結構優れた忍群がおる」
 東国にもというのだ。
「やっぱりな、しかしな」
「お前が選んだ忍達か」
「鍛えた連中の中からさらにや」
「腕利きを選んだからな」
 それだけにというのだ。
「これだけのことがわかったんや」
「そういうことか」
「小田原城もな、それに銭もな」
「買収か」
「幕府のモンとは言わずな」
 そうしてというのだ。
「商人が商いで使う」
「そう言ってか」
「そこでよおさん銭を送ってな」
 耕平は笑って話した。
「そしてや」
「ここまで調べたか」
「その土地のモンから話を聞けば」
 それでというのだ。
「忍で調べるのよりもな」
「よくわかるな」
「それで色々とな」
「聞いてか」
「ここまでわかった」
「成程な」
「それと使役している魔物に偵察させたっちゃよ」 
 愛実も言ってきた。
「それは今もっちゃが」
「人とは違う目で様々な場所を見てだな」
「それでわかったっちゃ、一見猫に見えてもっちゃ」
 それも野良猫である、何処にもいる様な。
「それが猫又ならっちゃ」
「様々な場所に潜り込めてな」
「見ることが出来るっちゃな」
「その通りだな。縁の下でも天井裏でもな」
「そうもしたっちゃからな」
「ここまでわかるな」
「そうっちゃ、それと」 
 愛実はさらに話した。
「空からも見たっちゃからな」
「余計にだな」
「わかったっちゃよ」
「鳥が空を飛んでいるが」
「その鳥がっちゃ」
 実はというのだ。
「こちらの手の者っちゃ」
「魔物や獣にはそうした使い方もあるな」
「そうっちゃ、それでっちゃ」
「戦の時はな」
「手に入れた情報をふんだんに使って」
 そしてというのだ。
「戦うっちゃな」
「そうする、その手筈も整っている」
「戦になれば」
「まずは関東だ」
 東国のこの地域だというのだ。 
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