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レーヴァティン

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第百五十六話 一騎当千の者達その十

「もう」
「割り切ってか」
「そう、モンスターはそうでしょ」
「いきなり出て来て襲って来るな」
「軍勢を動かしていてもね」
「連中普通に出て来るな」
 進軍中でもだ、実際帝国軍は今回の進軍中に全体でモンスター達との戦を何万も行なっていて巨人達とも戦闘を行っている。
「何時でも」
「それと同じと思えばね」
「いいか」
「ゲリラ戦術を仕掛けてきたら」
「そうしたらいいか」
「そう、だからね」
 留奈はさらに話した。
「ここはね」
「ゲリラはモンスターと思えばいいか」
「それでね」
「それでいいか、じゃあな」
 久志は留奈と話して言った。
「スパルタ軍がゲリラ戦術できてもな」
「迎え撃つわね」
「そうするな」
 モンスター達との戦闘の様だとみなしてというのだ。
「そうするな」
「それじゃあね」
「ああ、まあ巨人が来るよりましか」
 久志はこうも言った。
「正直」
「あの連中の強さは半端じゃないから」
 それでとだ、留奈も巨人達にはこう言った。
「だからね」
「巨人と戦うよりましか」
「連中はもっと急に出て来るでしょ」
 ゲリラよりもというのだ。
「煙みたいに出て来て」
「ああ、何の前触れもなくな」
「そして大暴れするから」
「本当に災害だな」
「何でこの世界で巨人が神出鬼没なのかは不明でも」
 それでもとだ、留奈はさらに言った。
「連中はそうした存在だから」
「この世界じゃな」
「もうそうした連中だと割り切ってね」
「それで考えていくとな」
「スパルタ軍がゲリラ戦術採ってきてもましでしょ」
 その巨人達よりもというのだ。
「そうでしょ」
「確かにな」
「だからね」
「ここは深刻に考えなくていいか」
「警戒はしても」
 それでもというのだ。
「心底嫌に思うことはないわ、むしろうんざりしたら」
 ゲリラ戦術、それにというのだ。
「それこそがね」
「敵の思うツボだよな」
「ゲリラ戦術の本領は心理戦でしょ」
 そこにあるとだ、留奈は看破した口調で言った。
「そうでしょ」
「何時何処から誰から攻撃されるかわからない」
「敵軍をそうした状況に追い込んでね」
「心理的に追い詰めるのが目的だな」
「もっと言えば追い詰められた敵がもう一般市民を誰彼なく攻撃する様になって」
 こうした事態はナポレオンがスペインに攻め込んではじめてゲリラ戦術が行われた時から生じている、悲劇と言うより惨劇と呼ぶべき事態がだ。
「市民の怒りを買って統治が困難になる」
「そして親戚を殺された市民がまたゲリラになる」
「そしてまた敵軍を攻撃してね」
「敵軍はさらに追い詰められてまた市民を殺す」
「その悪循環に陥らせることこそがね」 
 まさにというのだ。 
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