目つき

「私目つき悪いわよ」
「目つきじゃないよ、花楓さんの性格もスタイルも顔も好きだし」
「性格？こんなのよ」
「そのクールなのがいいんだよ」
「ふうん、変わってるわね」
「変わってないよ、そのサバサバした感じがいいから」
「あっさりしてて？」
「そうよ、それがいいから」
　だからだというのだ。
「それに今言ったけれど」
「スタイルもなの」
「正直に言うけれどね」
「青少年じゃなくて性少年ってことね」
「いや、それ言ったら」
「というか付き合いたいってそれもあるでしょ」
　やはりクールに言う花楓だった。
「何だかんだで」
「まあそれはね」
「私の身体もいいのね」
「個人的にかなり好みだし顔も」
「この目がいいの？」
「目気にならないし」
　恒興的にはだ。
「お鼻もお口も好きだから。髪型も」
「好きなの」
「そう、好きだから」　
　それでというのだ。
「今こうして言ってるんだよ」
「それで返事聞きたいのね」
「そう、そうしていい？」
　恒興は必死の声で花楓に尋ねた。
「これから」
「ええ、じゃあね」
「うん、返事は」
「お願いするわ」
　これが花楓の返事だった。
「正直応えられるかわからないけれど」
「応えられるって」
「あんたの気持ちに。けれど私も断る理由ないし」
「いいんだ」
「私誰かと付き合ったことないけれど」
「僕もだよ」
「はじめて同士なんだ」
「それでもね」
　まさにというのだ。
「いいなら」
「それじゃあ」
「私今から部活行くから」
　ここでも花楓は花楓でありこうも言った。
「だからね」
「これでだね」
「今日はね」
「一緒に帰るとかは」
「一緒にってあんた部活あるの」
「バスケ部にね」
　そこにとだ、恒興は花楓に答えた。
「結構好きだよ」
「じゃあそっちに行って」
「帰り待っていていいかな」
「卓球部が先に終わるかも知れないわよ」
「その時がどうするのかな」
「帰ってるかも知れないわよ」
　やはりサバサバとして言うのだった。
「その時は」
「その時はまだだよ」
「そうなのね」
「次の機会にね」
「じゃあね」
「うん、またね」
　恒興は花楓に微笑んで応えた、そうして二人は今は別れてだった。