社会人共がクトゥルフやった時のリプレイ
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大神村の怪異
Part.Extra2
それでは以上をもちまして、COCシナリオ【大神村の怪異】を終了とさせていただきます。皆さん、お疲れ様でした。
「「「「「お疲れ様でした」」」」」
……あー、ようやっと終わりました。どうでした、今回のシナリオ。お借りしたものをアレンジしまくってアドリブで繋ぎに繋いだ結果こんな感じになったんですけど。
「面白いことは面白かったんだけどね、これ要は咲夜が完全にキーマンになるわけよね?」
「そうですよ。私がこのシナリオのエンド要因だったなんて思ってもいませんでしたよ」
いや、一応咲夜が覚醒しなくても迎えられるエンディングもあったんですよ? ただまぁ、あなた達のプレイングからしてそれはないと思っていましたけどね。
「どんなエンディングだったんだ?」
食屍鬼たちを説得させる、という方法です。
「は? どうやったらそんなこと出来んだよ。向こうはこっちを殺す気満々だったんだぜ?」
真実を突き止めた後に《言いくるめ》なり《説得》なりを繰り返せば可能でした。白夜もいましたし、不可能ではなかったかなと思います。
「白夜が? おまえの秘密って確か、継続探索者だったって設定じゃなかったか?」
「うんにゃ、それ嘘。俺は狂信者だったぜ? 生物学のマッドサイエンティストだ」
「は?」
「あとフランス語版の『屍食教典儀』を持ってた。呪文もいくつか使えたし、確かにここで食屍鬼と接触して仲間に誑し込めば何もしなくても全員生還できたかもな」
「なんてもんPCに渡しているのよ」
元のシナリオにもそういう設定の秘密がありましたよ。ネクロノミコンの部分写本持ってるっていう。
「マジか」
それをさらに弄ったのが白夜の秘密ですね。並の神話生物程度だったら《SAN》チェックしても1しか減りませんし。
「そういえばあなた、全然《SAN》値減らなかったわね。ダイスが冴えているのかと思ってたわ」
「振りだけはちゃんとしてたからな」
「というかもう1つ疑問があるぞ。三尋木、おまえはなんなんだ? 物凄い身体能力を発揮してたじゃないか」
「《DEX》20ってなんなんですか? びっくりしましたよ」
「私かい? まぁねい。だって私人間じゃなかったし」
「やっぱりか。なんの神話生物だおまえ」
「んな大したもんじゃないよ。しがない化け狐さ。人間に化けてひっそり暮らしていたんだ。だから身体能力なら人間以上なんだぜ」
「これも元のシナリオに?」
ありました。ただし元のシナリオではこの特徴が2つに分割されていました。『孤高のヒーロー』と『不死身の怪人』って設定で。今回はその2つを合体させて、それから人狼を彷彿させるような生物として『化け狐』という秘密を設定しました。
「なるほどね。じゃあ、まぁ、ある程度全員の秘密がわかったところで、ぶっちゃけトークをしましょう。みんなどうせチャットでGMと秘密裏に何かやってたでしょ? みんな何やってたの? ちなみに私は本当に何もやってないわ。最初のバスシーンでNPC全員に《心理学》仕掛けた程度よ。あとは味方になりそうな人がいないかを様子見してたわね」
「私も特には何も。お嬢様と情報を共有したかったですし、『記憶喪失』って設定だったので隠す必要もなかったですしね」
「俺も特に何もしていないな。そういえば白夜。なんで俺が拳銃持っているのを知ってた? そんな仕草見せてないだろ」
「バス紹介の時に公務員っておまえが言った瞬間に、おまえのことを警察って悟ったからな。《隠す》と《目星》を併用してロールしたらGMから情報を貰った」
「そういうことか」
「私はレミリアのことをずっと警戒してた。私、肉体面じゃ最強だけど呪術系には弱いんだ。人狼だったら狐は占い師に占われたら死んじまうだろ? だから秘密公開するまではあんまり関わらないように徹底してた。それに私のクリア条件は誰にも秘密を悟らせずに無事生還だからな。目立たないように戦闘以外は大人しくしていたんだ」
咏の場合は正体がバレたら食屍鬼たちの良い的でした。生け贄用のNPCを無視してあなたから殺しにかかっていましたよ。加えて村長の持っていた薙刀には呪文【刀身を清める】が掛かっていましたので貫かれたらお終いでした。
「あっぶねえな」
「俺の目的は神話的な物質や生物を持ち帰ることだったから最後に食屍鬼の死体を回収したんだ。最初は咲夜のペンダントを盗もうと思っていたんだよ」
「え? そうだったんですか?」
「俺もレミリアか咲夜が神話生物じゃないかと思って警戒していたんだ。占いとかやっているし、吸血鬼って設定でそのキャラにしたんじゃないかなってな。ほら、昼食のシーンでおまえたちの、特に咲夜のことを結構訊いてただろ?」
「言われてみればそうだったわね。あなただけは私たちに結構グイグイ質問していたかも」
「ああ。ペンダントの話題を持ち出したときに《クトゥルフ神話》技能使ってみて失敗しちまったから結果はただの石ころ止まり。断念せざるを得なかったよ。ちなみに成功していたらどうだったんだい?」
しっかり情報を渡していました。あのペンダントからは豊穣神の力の波動に近い力が込められていると。
「じゃあ間違いなく盗んでたな。夜寝静まり返った時にでも。《隠れる》も《隠す》も《忍び歩き》も技能取ってたし。盗んでたらどうなってたGM」
咲夜の身体から100メートル以上離れた瞬間にシュブ=ニグラスの力が暴走し、咲夜は邪神シュブ=ニグラスに変貌して、大神村の生物全てを滅ぼしていました。恐らくクトゥルフ史上尤も腑に落ちないバッドエンドに直行です。
「失敗してよかった」
確か内藤さんが殺害されているのを発見後、レミリアと咲夜は村長の家に向かっていましたよね? その道中で咲夜はシュブ=ニグラスになっていました。
目の前で大切にしていた従者が化け物に変貌した様を見たレミリアは1D100/2D100の《SAN》チェックが、宿にいたあなたたちはなんだかよくわからないままに全滅するという愉快な結末を迎えていました。
「本当に失敗してくれてよかったわ」
「白夜に続くけどな、俺も正直おまえのこと疑ってたぞ。咲夜もだ」
「え? なんで?」
「咲夜が記憶喪失って言ったからだ。本当に記憶喪失だったならじゃあ咲夜の正体はなんだ?って感じになって、人狼伝説の話で裏切り者の役職だけ省かれてただろ? じゃあ咲夜は実は食屍鬼で敵側に渡るかもって思ったんだ」
「なるほど。ではなぜお嬢様を疑いに?」
「咲夜を都合のいい駒にするために何かの魔術を使って記憶を消したんじゃないかってな。咲夜が余りにもレミリアに絶対服従過ぎたから猶更だ。それにレミリア、夕食に出された肉を何も疑わずに食べてたし」
「大体見当はつくがGM、あの肉って何の肉だ?」
人肉です。遊星と白夜はあの記録帳を読んだ際にその肉の話題を出したら《アイデア》チェックを挟んで成功したのち《SAN》チェックが待っていました。
「だろうな、知ってたぞ。で、そんな得体のしれない肉を普通に食べてたおまえが怪しく感じないわけがないだろう。あのロールプレイも俺たちに信用させておいて裏を掻くためのものなんじゃないかとギリギリまで悩んだ」
「それは私も考えたねい。なんていうか、おまえの行動の1つ1つが怪しすぎた。露骨に村長を敵視するような行動取ってたし、バスの中で不吉な占い結果を出すしでな」
「食屍鬼と戦闘するまでの下りまでずっと疑っていたぞ。霊媒師の能力持ってるとか言った時点でもう怪しかったしな」
ちなみにレミリアの夢での出来事はGMとの個別チャットによって行われていたため、他のPC性質にはどんなやり取りが行われていたからわかりませんでした。食屍鬼との戦闘は咲夜がいたので公開としてました。なんというか、レミリアと咲夜のチャットルーム新しく作るの面倒くさかったので。
「そんな……私は能力貰っただけで特に目的とかなかったから、味方が欲しくてああいうロールプレイしてたのよ? 私のみんなからの信用低くない?」
「「「いや、日頃の行いのせいだろう?」」」
あなたのロールプレイっぷりには感服されますけどね、そこまでの域に達すると味方だと頼もしいんですけど敵側に回ると一番厄介なんですよ。
「おまえアレだよな。人狼やって役職なしになったら間違いなく最初に吊るされるタイプだよな」
「面倒くさいから吊っちゃえってノリでな」
「酷いわ……」
「私も同じ穴の狢ですから気を落とさないでください、お嬢様」
「いや咲夜はただのロールプレイヤーだからそいつと違うぜい? そいつはただの和マンチだから」
咲夜は咲夜で違うベクトルの和マンチ化してますけどね。レミリアに感化されていませんか?
「ロールプレイヤーの行きつく先が和マンチなだけよ。咲夜ももう少しで私のいるところまで来るから大丈夫よ」
「それはまぁ……」
あと他に訊きたいこととかありませんか?
「あ、そういえばなのですが、私が神になる前に《幸運》判定挟みましたよね? あれに失敗したらどうなっていましたか?」
もう1回《幸運》判定に移行していました。
最初の《幸運》が記憶を取り戻すか取り戻さないかの判定、2回目がペンダントを落とすか落とさないかの判定です。
2回目の判定に失敗してしまうと咲夜はペンダントを落とし、クリティカルを出すともう一度記憶を取り戻すかの判定を、ファンブルを出すと落とした石を偶然食屍鬼が踏んでしまって粉々に。邪神になってバッドエンドでした。
「一発でクリアしてよかったです」
「んー……あとは特に訊きたいことはないかしら?」
そうですか? 他の人は?
「俺はない」
「私も特には」
「私もないねい」
「俺もないな。というか裏でいろいろして他の俺だけだったみたいだな」
わかりました。それじゃあ今日はこれでお開きということで。また集まれたらセッションしましょう。
改めまして、お疲れ様でした。
「「「「「お疲れ様でした」」」」」
――Extra end…
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