| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

死神と呼ばれた転生者

作者:正博
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第9話

 リュウイチ「さてガリア4事件がもうじきだ。どう片付けるかな」
 リズ「グレイスをサクッとやっちゃえば?」
 リュウイチ「そう何だよな。だがそれをするとシェリルの命も消える」
 リズ「『死神』がえらく大人しいね」
 リュウイチ「自分でもそう思う。それに超時空シンデレラのランカを見たい気もする」
 リズ「あんた。いつからアイドル好きになったの」
 リュウイチ「違う。あいつらと同類にするな」
 リズ「シェリルのV型感染症をペンダントで直したら」
 リュウイチ「やらなかったと思うか。1番最初に試してダメだった」
 リズ「何で?」
 リュウイチ「ペンダントに質問したら、生死の問題は神の領分ですって言われた」
 リズ「じゃランカが覚醒するまでダメって事」
 リュウイチ「だから超時空シンデレラのランカ待ち」
 リズ「ランカを覚醒も無理か」
 リュウイチ「はい、無理です」


 ガリア4でゼントラーディー基地の兵士がシェリル・ノームの生ライブを見せないと、反乱を起こすと一部の兵士が暴動を起こした。
 その為シェリル・ノーム一行と護衛にSMSのアルトが付いて行った。
 ゼントラーディー基地にシェリル・ノームのシャトルが着いた。
 だがタラップを降りる最中にV型感染症が発症し、生ライブが出来なくなった。
 アルト達は捕まり、監禁された。
 しかしアルトは見張りの隙をつき建物の裏から脱出、自分の機体に乗り込むと暴動を扇動していたリーダーを倒した。
 その時、ランカを乗せたバルキリーが到着ランカの初生ライブを見た兵士は満足し、反乱は回避された。

 ゼウスは長距離訓練の名目でスズキ、マユミ、コウタを残し俺とユーリ、他20名を連れてプトレマイオス2を出しガリア4へ転移した。

 ユーリ「ディメンション・イーター(DME)は任せて。覚えているから」
 リュウイチ「それじゃ任せた。俺達は後のバジュラの大群の時間稼ぎだ」

 俺達は光学迷彩で基地のそばに着陸し、ユーリは単独活動となった。
 ユーリは既にDMEの設置場所に居た。

 ユーリ「懐かしいな。まだ転生者戦争始めた頃だよな。設定値を変えて、はい終了」

 ユーリは茂みに隠れ潜んだ。
 そこにシェリルと一緒の筈の、グレイス・オコナーがやって来た。

 グレイス「さよならシェリル。貴方との生活それなりに楽しかったわ。でも私は見つけたの『リトル・クイーン』をだから、貴方とはここでお別れバイバイ。寂しく無いわね、お友達と一緒だもの」

 グレイスはDMEの起動スイッチを入れた。
 DMEが起動しブラックホールが形成され始め、周辺を吸い込み始めた。
 その風に乗りグレイスは空高く舞い上がって行った。

 ユーリ「思わずバイバイ、グレイスって言いそうになった。グレイス達にガリア4の崩壊した幻を見せろ」

 ユーリはペンダントに願いを込めた。

 ユーリ「さて懐かしいバジュラ戦闘をやりに行くか。転移」

 プトレマイオス2にユーリが転移して戻って来た。

 ユーリ「DMEとグレイスは終わったよ」
 リュウイチ「こっちもOKだ。後はアルトを見送ったら、しばらくバジュラにお付き合いいただく」
 ユーリ「1つだけいい。無理はしない事、疲れたら素直に艦に戻って休む事」
 リュウイチ「経験者が言っているんだ。ちゃんと休みを挟め」

 プトレマイオス2はアルトのフォールド・ブースターの近くで、停船し戦闘態勢を取った。
 アルトのVF-25メサイヤが上昇してきた。

 リュウイチ「いいな、アルト。デートか」
 アルト「何でゼウスがここに?」
 リュウイチ「演習しながらアルトの活躍を見に来たんだ。まあそれはいいから、フロンティア船団に連絡に戻れ」
 アルト「あんた達は?」
 リュウイチ「フロンティア船団の防衛体制が整うまでの、時間稼ぎ」
 アルト「無茶だ。数が違いすぎる」
 リュウイチ「無駄口叩いている間に行け。誰かが足止めしないと、船団がやられる」
 アルト「だが」
 リュウイチ「2度同じ事を言わすな。行け」

 アルトはフォールド・ブースターを付けると、フォールドした。

 リュウイチ「うるさい奴だ。俺達がそんなに簡単にやられるかよ」
 ユーリ「いやいや。あれが普通だからね」
 リュウイチ「『死神』は普通じゃねぇよ」
 ユーリ「うーん。納得、来たよ」
 リュウイチ「全員派手にやれ。『輝くゼウスの名の下に』」
 ユーリ「カバラプログラム『オン・マケイシヴァラヤ・ソワカ』」

 全員の機体が輝いた。

 リュウイチ「久しぶりに使える。ユーリ遠慮せず撃ち込め」
 ユーリ「縮退砲連続発射」

 ネオ・ヅダになった『マサムネ』は縮退砲を速射砲の様にバジュラの群れに撃ち込んだ。
 ブルーもバスターランチャーを展開、撃ち始めた。
 他の機体も最大火力を叩き込んでいた。

 リュウイチ「それにしても良くこんな群れと、1人と1隻で15時間遊んだな」
 ユーリ「認めたく無い物だ。若さゆえの過ちを」
 リュウイチ「誰が、赤い彗星の物まねをしろって言った」
 ユーリ「いいじゃ無い。本当に若かったんだから」
 リュウイチ「それもそうだ2000才のお爺さん」
 ユーリ「うわ。人が気にしている事を言った」

 時間が20時間を越えようとしていた。

 リュウイチ「いい加減誰か休めよ。潰れても知らねぇぞ」
 ユーリ「今は無理だね。興奮して気付かないんだ、突然に来るよ」
 リュウイチ「だそうだ。1人ずつ休みに入れ」

 更に10時間経った頃、一気に10機が気を失い艦内へ放り込まれた。

 リュウイチ「バカがだから言ったのに。これからだぞ、本当に疲れるのは」
 ユーリ「体は大丈夫でも、精神に来るんだよ。底の見えない敵と戦うのは」

 更に10時間経った頃、リュウイチとユーリとプトレマイオス2しか戦っていなかった。

 リュウイチ「流石に無理かな、これ以上は」
 ユーリ「充分でしょ。向こうも迎撃態勢を取っているよ。多分」
 リュウイチ「最後の多分が無けりゃ良かったけどな。撤退する」
 ユーリ「了解」

 一斉に転移してフロンティア船団に戻って来た。

 オズマ「ゼウス大丈夫か?」
 リュウイチ「流石にあの数を、40時間止めるのはきつかった」
 ユーリ「こっちは準備出来ている?」
 オズマ「ああ全機戦闘態勢だ」
 リュウイチ「コウタ。ウチは準備出来ているな」
 コウタ「出来ています」
 リュウイチ「プトレマイオス2の奴らを収容してくれ」
 艦長「了解」
 リュウイチ「さて何日戦うのかな」
 ユーリ「多分三日だね」
 オズマ「えらく気楽に怖い話をするじゃないか」
 リュウイチ「本当だから仕方が無い。ナイト級母艦が群れていやがるんだぜ」
 オズマ「マジか」
 ユーリ「それより準クィーンがやばいよ。ナイト級母艦の4倍の大きさだからね」
 オズマ「帰っていいか」
 リュウイチ「いいよ。帰れ」
 オズマ「帰れるか」

 マクロスクォーターでは。

 モニカ「デ・フォールド反応多数」
 ジェフリー「来るぞ」

 リュウイチ「あーあ来たのか。来なくていいのに」
 ユーリ「本当だよ。別の所に行けばいいのに」
 リュウイチ「やるぞ。お前等チームごとに、ローテーションで休みを入れろ」

 バジュラの群れが大群でやって来た、そう群れが大群なのである。

 オズマ「マジか。くそったれ!」
 ミハエル「言葉にならん」

 リュウイチ「全機最大火力攻撃用意『輝くゼウスの名の下に』」
 ユーリ「カバラプログラム『オン・マケイシヴァラヤ・ソワカ』」

 ゼウスの全機体が輝き出した。

 リュウイチ「全機撃てぇ」
 オズマ「反応弾撃て!!」

 始まったどれ位で終わるかも予想が付かない戦いが。

 リュウイチ「全機撃ち続けろ」
 オズマ「SMSは近づいたのを叩け。前に出過ぎてゼウスの火力に巻き込まれるなよ」
 リュウイチ「スズキお前のチームから休め。命令だ」
 オズマ「ウチも順番に休みと補給だ」

 ブルーがバスターランチャーを投げ捨てた。

 リュウイチ「砲身がもうダメだ」

 代わりにツインバスターライフルを構え撃ち出した。

 ユーリ「統合軍が脱落し始めたよ」
 リュウイチ「当てにしてねぇよ」
 オズマ「まあな」

 とは言え既に20時間が経過している。

 リュウイチ「まずいな。精神に来ている奴が出始めた。ゼウスに叩き込んで寝かせろ」
 オズマ「ウチも補給が間に合わん」
 ユーリ「うーん。最後の手は使いたくないんだよな」
 リュウイチ「ユーリ。何か手があるのか」
 ユーリ「ウチの兄貴達を呼べば・・・・」
 リュウイチ「お前の兄貴?」
 ユーリ「ギレン・ザビ」
 リュウイチ「ちょっと待て。お前何を言っている」
 ユーリ「この宇宙のザビ家は負けたけど。俺の宇宙は宇宙制覇したんだよ」
 リュウイチ「お前ザビ家に転生したのか」
 ユーリ「当然イレギュラーだけどね」
 リュウイチ「原作にはいないからな。でも呼ぶな、これは俺達の遊びだ」
 ユーリ「分かった」

 ユーリは嬉しかった。
 他の宇宙ではピンチになってこの提案をすると、呼んでくれ・助けてくれと言われ気持ちが萎えた。
 だがこの人は呼ぶな俺達の遊びだと主張した、それがとても嬉しかったのである。

 リュウイチ「くそが。『死神』が虫に負けるか!!」

 ツインバスターライフルも使い物にならなくなった。
 ヴェスパーもとっくに過熱して、オーバーヒートだ。
 遂に飛び道具が100mmマシンガンだけになった。
 いやもう1つ忘れていた。

 リュウイチ「ドラグーン行け¡」

 ドラグーンが近づいていたバジュラを叩き落とし始めた。

 リズ「リュウイチ! 武器コンテナを撃ち出すから受け取って」
 リュウイチ「何でもいい。寄こせ!」
 リズ「発射!」

 長い武器コンテナが撃ち出され、こちらに向って来た。
 ブルーは上手く受け止めコンテナを開け、武器を取り出した。
 バスターランチャーに似ているが口径が全然違う。
 構う物か、撃てれば何でも撃ってやる。
 ブルーはその武器を構え、引き金を引いた。
 凄まじい閃光が巨大なエネルギー弾となり、バジュラの群れを幾つか飲み込み消滅させた。

 リュウイチ「リズ。これってまさか」
 リズ「縮退砲よ」
 リュウイチ「いい仕事してくれるぜ」

 ブルーは次々と大量の群れを消滅させていった。

 ユーリ「リズさん、俺にも2本頂戴」
 リズ「あんたは自前があるでしょう。まあいいわ。受け取りなさい」

 ネオ・ヅダに向けて2つの武器コンテナが撃ち出された。
 ネオ・ヅダも上手く受け止めると、武器を取り出し両手に構えた。

 ユーリ「縮退砲乱れ撃ち」

 他の機体も欲しくなりリズに一斉に通信が来た。

 リズ「面倒だから全員の前に転送させる。受け取れ転送」

 すると各機体の前に武器コンテナが現れ、全機武器を取り出し撃ち始めた。
 大量の群れが見る間に消し飛ばされて行く。

 リュウイチ「SMS、オズマ今の内にしばらく休め」
 オズマ「そうさせてもらう。SMS全機補給に戻れ」

 SMSは本当に全機引き上げた。

 ユーリ「リズさん。凄いね、いつの間にバリオン創出へイロウを解析したの」
 リズ「時間は掛かったけど、あんたの何度も見ているからね」
 リュウイチ「何でもいい。撃てぇ撃てぇ」

 あれだけいた群れの大群が少しの間に、わずかに変わった。
 もうわずかしかいないのだ。

 リュウイチ「チィ。ゼウスへバトル・フロンティアの背後を守れ」
 艦長「はい、でもどうして」
 リュウイチ「準クィーンがデ・フォールドする。マクロス・アタック準備だ」
 艦長「マクロス・アタック準備」
 索敵員「艦長! デ・フォールド反応大きい・・・・出ます」
 艦長「マクロス・アタック!!」

 準クィーンがデ・フォールドした瞬間、ゼウスの右腕が突き刺さる。
 その右腕から自動迎撃システムが多数現れ、準クィーン内部を砲撃した。
 ゼウスが右腕を抜くと、準クィーンが爆散した。

 リュウイチ「艦長ご苦労。ゼウス攻撃中止」
 オズマ「出て来たら終わりかよ。後始末は任せろ」
 リュウイチ「悪いが頼む。フォールド・クォーツはウチはいらん。LAIにでもやれよ」
 オズマ「分かった」
 リュウイチ「ゼウス「全機帰還だ。しばらく寝るぞ」

 3日の予想が1日足らずで終わった。
 ユーリは本気で感心していた。

 ユーリ「この宇宙は来て正解だな。面白い人達と巡り合えた。そろそろと思ったけれど何処まで行くか見て見たくなった。兄貴達帰るのはだいぶ遅くなりそうだよ」

 ユーリはネオ・ヅダをヅダに戻し、ゼウスへ引き上げて行った。
 ゼウスの隊員達は、1日寝て過ごした。

 シェリル・ノームの病状が、日増しに悪くなっていった。
 それと反する様にランカの人気が急上昇し、毎日が目まぐるしさでいっぱいだった。
 しかしフロンティア船団に、被害が出なかった訳では無い。
 フロンティア政府は、物資統制を始めようとした。
 しかしそれを聞いたゼウスが、残り10基のアイランドを無償提供してくれた。
 それと近くゼウスの補給部隊が、アイランド30基を運んで来ると言う。
 これも復興に使って欲しいと、提供を約束され物資統制は回避された。
 1週間後ゼウスの補給部隊が到着して、約束通りアイランド30基事受け渡しが行われた。


 リュウイチ「さてそろそろ、ネズミが動き回る警戒しろ」
 ユーリ「おかっぱの事だね」
 リュウイチ「ああ、グラス大統領には隠密部隊を付けたから大丈夫だ」
 リズ「後はアイランド内に出るバジュラと、ミハエルの救出ね」
 リュウイチ「バジュラ退治は小型機に任せる。ミハエルは30人程救出部隊が行く」
 リズ「大統領は」
 リュウイチ「俺とユーリで行って来る」
 ユーリ「ランカは可哀そうだけど、攫われてもらおう」
 リュウイチ「そうしないと完全覚醒出来ずに、シェリルが死ぬ」


 言っていた事が、同時に起きた。
 バジュラがアイランド内に現れ暴れ出した。
 ゼウスから小型機がやって来て、バジュラと戦闘になった。
 アルト達もバジュラに追い詰められ、危険を承知でクランがマイクロン装置に入った。
 バジュラがそれを襲おうとするのを、ミハエル達がバジュラに攻撃した。
 爆発で空いたアイランドの穴にミハエルが吸い込まれて行く所へ、ゼウスの救出部隊が到着間一髪で助け出した。
 ゼントラーディー化が済んだクランが、怒りを爆発させバジュラを駆逐していった。
 アイランド内の混乱を鎮めるべくバトル・フロンティアへの秘密通路使った、グラス大統領はレオン三島の暗殺部隊に撃たれ死んだ。

 レオン三島「これでフロンティア船団は私の思うままだ」
 グラス「そうかね」
 レオン三島「大統領! 貴様は今殺した筈」
 グラス「これで証拠は揃った。任せるよ」
 リュウイチ「『死神』のお仕事だ」
 レオン三島「貴様はゼウスの撃ち殺せ」
 ユーリ「誰に言っているの?」

 暗殺部隊20人は倒れていた。

 レオン三島「いつの間に」
 リュウイチ「残念だ。時間切れ、オズマやれ」
 オズマ「すまんな」

 遅れて駆けつけたキャサリンとオズマが到着し、レオン三島がオズマに気を失うまで殴られていた。

 リュウイチ「最近『死神』の仕事が出来ない」

 そしてランカはアルトの前で、ブレラの乗るVF-27に乗り込み去って行った。
 アルトとルカの2人は統合軍に編入されて行った。


 リュウイチ「さてラストだ。ギャラクシー船団の陰謀をぶち壊す」
 ユーリ「アルト達がグレイスを撃った後を調べた方が良いよ。俺の時生き残っていたから」
 リュウイチ「問題はアルトがどれだけ早く、ランカを見つけるかに掛かっている」

 統合軍の索敵機が、ランカの歌声を捉えた。
 その声をたどって行くと、居住可能な惑星を見つけた。
 だがそこはバジュラの本星と判明した。
 フロンティア船団の政府と軍は、この星をバジュラから奪い取る最終決戦を実行する事に決めた。

 作戦が開始された。
 LAIから提供されたDMEミサイルで、統合軍も最初は活躍していた。
 DMEミサイル、反応弾が無くなると、いつもの役立たずに戻った。
 SMS,ゼウス共にいつもの精彩を欠いていた。
 SMSはランカの事が心配で、攻撃に集中力を欠いていた。
 ゼウスはランカの救出が済むまで、大きな攻撃を控えていた。
 ある意味まともに戦っていたのは、V型感染症が酷くなりその為フォールド・ウェーブを出せるようになった、シェリル・ノームの歌とアルトのVF-171EXのみ。

 だがそれもランカの歌声が流れて来るまでだった。
 宇宙に巨大なランカが現れ歌い出すと、シェリルの歌声はかき消されてしまった。
 しかもアルトのVF-171EXの墜落、シェリルのV型感染症の悪化で倒れ形勢は悪くなるばかり。

 リュウイチ「アルト生きているな」
 アルト「ああ」
 リュウイチ「それでランカの居場所は、分かったのか」
 アルト「あれは映像だ。だが中にランカが囚われている」
 リュウイチ「じゃ早く救いに行け」
 アルト「無理だ、俺は機体をもう」
 リュウイチ「機体ならあるじゃねぇか。後ろを見ろ」
 アルト「俺のVF-25」
 ルカ「先輩乗ってください」
 ミハエル「運んで来てやったぞ」
 リュウイチ「それじゃ早く行って来い」
 アルト「ああ行けるぞ」
 オズマ「スカルリーダーよりスカル4へ。ランカは任せる。だが傷一つでも付けて見ろ、反応弾でお前を消してやる。行けぇ」
 アルト「隊長。了解」

 巨大ランカを目指し飛んで行くアルトのVF-25に、ブレラのVF-27が並んだ。

 ブレラ「こちらブレラ・スターン、これより貴様を援護する」
 アルト「ブレラ! どう言うつもりだ」
 ブレラ「俺はランカの実の兄だ」
 アルト「何!」
 ブレラ「この前のお前との戦闘で、グレイス達の洗脳が解けた。グレイス達に借りを返す!」
 アルト「そうだったのか・・・よし、行くぞ」
 ブレラ「ああ」

 2機は長年組んだことがある様に華麗に、戦闘の中を切り裂いて飛んでゆく。

 リュウイチ「よし。もうじきだ、ゼウス砲撃準備!」
 艦長「了解。ゼウス強攻モード、マクロス・キャノン準備」

 それから10分程した頃。

 アルト「こちら、スカル4.ランカ・リーを無事救出に成功した」

 フロンティア船団側に歓喜の声が沸き上がり宇宙に響いた。
 そしてアルトのVF-25がマクロスに着陸、ランカを連れてシェリルの元に急いだ。

 リュウイチ「艦長! 撃てぇ」

 ゼウスからマクロス・キャノンが、巨大ランカに命中映像が消えて真の姿を現した。

 オズマ「バトル・ギャラクシーだと!」
 リュウイチ「どうやら一連の騒動は、ギャラクシー船団の陰謀って事だな」
 オズマ「やってくれたな! SMS倍返しだ」

 その時宇宙に2人の歌姫の歌声が流れて来た、するとバジュラの攻撃色が消えて行った。

 リュウイチ「どうやら歌姫達も復活したようだ。ゼウス各機もう押さえる必要は無い」

 バトル・ギャラクシーから大量の、VF-27とGゴーストが飛び立ち始めた

 リュウイチ「全機バジュラはもう敵では無い。ギャラクシーを潰せ」

 ブルーはシシオウブレードを抜き、迫りくるGゴーストをぶった切った。
 コウタのVF-25もVF-27の、機動性を上回り次々と撃墜していく。
 ユーリはサイコブラスターを連発し、周囲の敵を一掃していく。

 そしてバトル・フロンティアがマクロス・アタックを敢行、バトル・ギャラクシーを貫いた。
 ギャラクシー部隊が全滅した時、惑星から巨大なバジュラ・クィーンが上昇してきた。

 全機、全艦が攻撃をするが、直前で攻撃が消えてしまう。

 リュウイチ「チィ。次元断層をバリアにしているのか」

 だがバジュラの一部が不思議な行動を取った、次元断層に張り付き円を描いたのだ。

 リュウイチ「アルト、ブレラ。あそこだ、バジュラ達がトンネルを作ってくれたぞ」
 アルト「了解」

 アルトとブレラはその中へ飛び込んでいった、そしてブルーも。
 アルトはランカからバジュラ・クィーンは、首から上が無くても生きて行けると聞かされていた。
 アルト達は首を集中攻撃し、頭を切り離した。

 グレイス「何故分からない。これが人類の進化だという事が」
 アルト「人の人生を滅茶苦茶にしておいて何が進化だ」
 ブレラ「今までの借りを返すぞ」
 リュウイチ「俺にも一撃やらせろ」

 3機は揃って、バジュラ・クィーンの頭部を破壊した。

 リュウイチ「おっと。全部消しておくか」

 ブルーはバスターランチャーを展開、引き金を引いた。
 巨大なエネルギー弾がバジュラ・クィーンの頭部を完全に消し去った。

 バジュラ・クィーンはそのままバジュラ達を連れて何処かへ行ってしまった。
 ランカが言うにはこの星を人類にくれて、別の銀河へと旅立ったという事だ。
 フロンティア船団は無事に惑星に着陸、居住惑星を手に入れた。
 ゼウスは降りなかった。

 リュウイチ「契約終了ですので、ゼウスはまた客探しの旅に出ます」
 オズマ「少しぐらいゆっくりしていけよ」
 リュウイチ「あまい、オズマ。商売人は儲けていくらなんだ」
 オズマ「そうか。じゃ又逢えたら、酒でも飲もうぜ」
 リュウイチ「そうだな。楽しみにしておく。ではこれで」

 ゼウスは消えて行った。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧