獣篇Ⅰ
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
5 人間は、人間らしく。
前書き
注:途中で何か、設定がおかしくなっている時があるかもしれません。その時は、ご指摘願います。
食卓を囲みながら、身の上話をする。
特に神楽ちゃんとは、初日ながら、もう仲良くなった。
「殺し」の技が、こんないい方向で使えるとは…
ご飯が済んだ後、寝る時間まで、神楽ちゃんとお話ししていた。
_「みおちゃん、紅桜の時、鬼兵隊にいたアルか?」
答えに迷う。
_「…うん。いたよ。でも、できる限り高杉らの計画を阻止しようとしてたんだ。
江戸を火の海にされては困るもの。」
_「へぇ…具体的には、何してたアルか?」
_「ヅラの潜入の手引きをしたり、武器庫から武器を頂戴したり、
いろいろと。あと、真選組に情報を流したりしてた。」
_「へぇ。いろいろやってたアルね。でも、バレなかったの、そんなことして?」
_「何回もバレそうになったよ。でもね、なんとかだまして、少しずつ、計画をぶち壊してた。
でね、鬼兵隊の時の上司が、あの来島また子だったの。
1回、紅桜のときに、夜に女の子が鬼兵隊に潜入してきてね。
『また子のパンツは、染みつきパンツ!』 って言い放ってた子がいてね。
あの時は、私は物陰に隠れてたんだけど、つい吹き出しそうになって、
大変だった。
それ以降、私は彼女に、『染みつきパンツ先輩ィ』って言ってた。
特に、高杉の前であれを言うと、むちゃくちゃ怒ってたけど 笑」
_「そうそう。そういえば、私がそう言った時、
『…なっ…毎日履き替えてるもん。晋助様、違うんス、信じないでくださいッス!』って、
超必死になってたもんな。」
爆笑ものだった。
_「そうそう。もう我慢の限界だったから、顔を海に向けて、ずっと笑いをこらえてたわ。
でもその女の子が、まさか神楽ちゃんだったとは…。
すごい偶然ね。」
_「そうアルな。」
そう言って、話が進んでいると、
銀時が、寝間着を着て、こっちに顔を出した。
_「おい。もう寝るぞ、娘さんたちよォ。」
と言うので、私も、
_「そうね。夜更かしは美容の大敵 って言うし。そうそろそろお開きとしましょ、神楽ちゃん。
そして、あなたもね、銀時。じゃ、おやすみ。」
と言った。
_「ああ、おやすみ。」
_「おやすみアルネ。」
そう言って、私たちはそれぞれの寝室へ向かった。
私の部屋は、神楽ちゃんの隣。つまり、押し入れの上の段だ。
なんか、ちょっとした秘密基地みたいで、ちょっとワクワクする。
_こんな生活が続けばいいのにな…
そう心から願える場所だった。
多分これは、一生で最高の思い出になるだろう。
いや、そうであってほしい。
_決して、高杉に知れて欲しいところじゃない。
確かに、鬼兵隊では、戦闘も多く、私の獣も好きなように、暴れられるだろう。
だが今は、やっと人間らしい生活ができるようになった。
もう誰にも、私の邪魔はさせない。高杉にも。
誰かを本気で守りたくなった瞬間だった。
さて、明日は、どんな日々が待っているのだろう…
楽しみだ。
ページ上へ戻る