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Blue Rose

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第三十話 幸せの影その二

「それでなの」
「夜はいいのね」
「それにちゃんぽん作るって大変でしょ」
「市販で売ってるわよ」
「あっ、スーパーに」
「だからすぐに作られるけれど」
「ちゃんぽんはお昼に食べたい感じなのよ」
 優子的にというのだ。
「それでね、夜はね」
「他のものを食べたいのね」
「長崎名物でもね」
「じゃあその長崎名物作るから」
「そうするの」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「夜は夜でね」
「そうしてくれるのね」
「楽しみにしていて、じゃあ今日も」
「ええ、長崎の街を歩いてね」
「楽しみましょう」
 二人で話す、そうしたことを話しつつだった。二人はこの日も路面電車に乗り長崎の各地を巡った。そうしつつ。
 坂道を進む中で空を見上げてだ、優子は笑顔で言った。
「いい感じね」
「お天気が」
「ええ、お天気でね」
 それでというのだ。
「何よりよ」
「長崎って結構雨が多いし」
「そうよね、九州自体がね」
「雨が多くて」
「晴れない時も多いのよね」
「それでもね」
 今日はとだ、優花も言う。
「今日は奇麗でね」
「何よりよ」
「本当にね、それでね」
「それで?」
「いや、それでね」
 また言った優花だった。
「今回は長崎市を回って」
「ええ、今度はハウステンボスよ」
「そうよね、ハウステンボスね」
「あそこに行くのも久し振りね」
「実は佐世保にはまだね」
「行ってないのね」
「そうなの、遠いから」
 だからだとだ、優花は優子に答えた。
「あそこもいい場所だっていうけれど」
「商店街がかなり長いわね」
「長くてね」 
 それでと言うのだった。
「色々とお店があって」
「いい場所よね」
「それに姉さんにとっていいことに」
「飲み屋も多いしね」
 ここで笑顔になる優子だった。
「あそこは朝まで飲んでる人もいるのよ」
「居酒屋で」
「それも中々いいわね」
「朝まで飲むのもいいんだ」
「そうしてとことんまで飲むのも粋なのよ」
「それ粋なの?」
「無頼かしらね」
 粋という言葉をここで訂正したのだった。 
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