遊戯王GX-音速の機械戦士-
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―卒業デュエル―
前書き
サブタイトルは割と悩む方なんですが、この話ばかりは一瞬で決まりました。
パソコンのキーボードをカタカタと叩く手が、ふとした瞬間に止まってしまう。アカデミアの自習室においてしばし、俺はパソコンのモニターとにらめっこしていた。
「あら、遊矢?」
「……明日香?」
すると他に誰もいない自習室において、新たな闖入者の姿があった。女子用オベリスク・ブルーの制服に身を包んだ、見慣れた顔をした――明日香だ。どうやら何かを探しているかのように、キョロキョロと辺りを見渡していた。
「ねぇ遊矢。クロノス先生見なかった?」
「クロノス先生? いや……そもそも明日香、そのクロノス先生の授業じゃなかったか?」
異世界から帰ってきた折に、息子であるマルタンとともに違うアカデミアに移っていったナポレオン教頭に代わり、クロノス先生は教頭に所属することとなっていた。とはいえ相変わらず、実技最高責任者も兼任しているクロノス先生は、俺たちの授業を担当しているのだが。
「いないのよ。そのクロノス先生が」
「え?」
ため息を吐いて腕組みをする明日香に、ついつい素っ頓狂な声をあげてしまう。あのクロノス先生が授業をサボるなど、天地がひっくり返らない限りない――と思ったが、最近は腕立て伏せとか漢字の書き取りとか、よく分からない授業だったことを思い出す。
「まったく、何考えてるのかしら。……ところで、遊矢は休みの時間に何してるの?」
「ああ……これがさ、書けなくて」
明日香と違って、この時間の授業は休みだったが。興味津々な明日香にパソコンのモニターを見せると、明日香は納得したような声をあげた。
「進路希望……」
……この様々なことがあったアカデミアの生活も、もう残り僅かな期間しかない。もちろんダークネスに負ける気はないため、これからのことがまったく浮かばない。まるでもやがかかったかのように、白紙のままだった。
「明日香は卒業したらどうするんだ?」
「私は先生になるつもりよ。だからその勉強のために、留学も考えてるの」
「留学!?」
何とはなしに聞いてみた質問だったが、とてもスケールの大きな話が飛び込んできたことに、驚愕でついオウム返しで聞き返してしまう。そんなこちらの様子がおかしいかのように、明日香はクスクスと笑っていたが。
「ええ。海外のアカデミアや教えがどんなものかも知りたいしね」
「凄いな……明日香は」
――私はこのアカデミア本校流の教え方しか知らないし、と言葉を続けていった明日香に対して、心の底から感嘆の念を込めた。すると明日香は、キョトンとした表情でこちらを見返していた。
「何言ってるの。遊矢、あなたのおかげなんだから」
「俺の……?」
「そ、それに!」
こちらの疑問の声に対しては、照れたように声をまくしたてながら、明日香はデッキケースから一枚のカードを取り出した。それは彼女自身のナンバーズ、《No.21 氷結のレディ・ジャスティス》。それを彼女は決意を秘めた表情で見つめると、こちらにも見えるように掲げてみせた。
「《ダークネス》に負けない。その決意に、大きい目標を持つことにしたの」
彼女が《ダークネス》との戦いで手に入れた、彼女自身の力――《No.21 氷結のレディ・ジャスティス》にその決意を込めて、明日香は夢を叶えるために戦っているのだろう。万丈目は先のエドとのデュエルで、今からプロデュエリストの道が開けているらしいし、他のみんなもそれぞれの夢を持っているのだろう。
俺の夢は、果たして。
「明日香――」
どうしても夢は浮かばない。彼女に何か相談しようとしたところ、またもや自習室の扉が開いた。そこには、もはや珍しくなった真紅の制服の姿があり。
「あら十代。あなたもクロノス先生探し?」
「……ああ。剣山に頼まれてな」
最近は授業をいつもの崖で寝転んで過ごしているらしい十代が、あくびをかみ殺しながら部屋中を見渡した。特にやることもないのか剣山の頼みを聞いているようで、この自習室にいないことが分かると、すぐさまどこかに立ち去ろうとしていく。
「十代、ちょっと待ってくれ」
そんな十代の後ろ姿に声をかけながら、俺も明日香を倣ってデッキケースから一枚のカードを取り出した。もちろん先の明日香のような決意表明ではなく、《潜入! スパイ・ヒーロー》という、十代が使っていた魔法カードだった。
かつて俺が異世界に送られていた時、何故かこちらのデッキに混じっていたカードだ。異世界ではこのカードにも助けられたが、タイミングがなく返しそびれていた。
「十代。返しそびれてたけど……ありがとう」
「……やるよ」
感謝の言葉とともにカードを差し出したものの、十代は背中を向けたままそう呟いた。それから何の興味もないように、自習室から出ようと扉を開けると、俺の制止の声が届くよりも早く。
「オッソレミーヨー――!」
――何かのコスプレをしていたクロノス先生が、廊下を爆走していった。あまりにも高速すぎたために、何のコスプレをしていたかも分からないほどだった。
「……は?」
『待てぇー!』
十代の口から勝手に出たような声をBGMに、アカデミアに暮らすメンバー一同がクロノス先生を追って走っていた。授業をボイコットされた生徒たちはともかく、何故か鮫島校長やトメさんまでもが。
「えっと……私たちも追いましょう、遊矢!」
「あ……ああ! 十代も!」
「お……おう」
そうしてアカデミア中のクロノス先生を追いかけ回し、ようやく追い詰めたと思った場所は、普段に授業で使うデュエル場。十代がデュエル場で追い詰めて、他のメンバーはそれぞれ取り囲んで逃げ場をなくしていた。
「かくなる上は……ドロップアウトボーイ! あなたを倒して見逃してもらうノーネ!」
コスプレを脱ぎ捨てたクロノス先生――トメさんの格好だった――は、普段のデュエルコート姿へと変貌していた。どうやってトメさんの格好の下から、あの使いにくそうなデュエルディスク付きコートが出て来るのか、原理はよく分からないがともかく。
「……懐かしいな、その呼び方」
「先生にとって、生徒はいつまでもドロップアウトボーイなノーネ!」
ともかくデュエルが始まりそうな雰囲気に周囲を取り囲んでいた俺たちも、とりあえずデュエルがよく見える観客席に移動していく。今ならクロノス先生は逃げられそうだが、デュエルディスクを展開する二人を見るに、その気はないようだったが。
「オレが勝ったら授業してもらうぜ!」
「むむむ……」
『デュエル!』
十代LP4000
クロノス先生LP4000
どことなく十代の調子が、異世界に行く前に戻ってきていると感じながら。何はともあれ、十代とクロノス先生のデュエルが始まっていくクロノス先生のデュエルは授業の一環ではよく見ていたが、それはもちろん試験用のデッキ。クロノス先生自身のデッキである、【古代の機械】と戦ったことのある生徒はそう多くない。
「ワタシの先攻。今度こそ叩き潰してよるノーネ!」
「確かに、随分と久しぶりだな。クロノス先生とのデュエル!」
その多くない一人というのが、当の十代のことだったりするけれど。クロノス先生が先攻の権利を勝ち取ると、五枚のカードを手札に加えた。
「ワタシはモンスターをセット。リバースカードを二枚伏せてターン終了ナノーネ」
「オレのターン、ドロー!」
大型モンスターによるフィールドの制圧を得意とする【古代の機械】において、クロノス先生の初手は不気味なまでの沈黙。だが、その程度で十代が怖じ気づく訳ではなく、勇猛果敢にカードをドローする。
「オレは《E・HERO プリズマー》を召喚!」
対する十代の最初のモンスターは、全身が結晶に包まれたような英雄。そのガラス張りの結晶で構成された身体は、あらゆる英雄へと姿を変えていく。
「プリズマーの効果、E・HEROを墓地に送ることで、そのE・HEROとして扱う! バトルだ!」
プリズマーの姿が一瞬の後、デッキから墓地に送られた《E・HERO ネオス》へと変わっていく。とはいえネオスを墓地に送ること自体が目的だったのか、十代は即座にネオスとなったプリズマーへ攻撃命令を下す。
「ラス・オブ・ネオス!」
ネオスの姿と攻撃名をかたどったプリズマーが、クロノス先生のフィールドにセットされた守備モンスターに攻撃を加えていく。攻撃力は変わらないものの、ネオスらしい一撃はあっけなくクロノス先生の守備モンスター――《古代の機械騎士》を破壊した。
「……?」
とはいえ、破壊した十代の表情は浮かない。破壊された《古代の機械騎士》の攻撃力は1800、守備力は僅か500という、典型的なアタッカーだ。デッキの正体を見破られたくない訳ではあるまいに、守備表示で召喚した為にプリズマーに破壊されてしまった。
「ダブル・リバースカード・オープンにょ!」
クロノス先生らしからぬミスか、と思った瞬間、その理由が明らかになるリバースカードが発動される。それも伏せられていた二枚が同時に発動されたと思えば、クロノス先生のフィールドには、先程破壊されたはずの《古代の機械騎士》が再び現れていた。
「まずは永続罠カード《古代の機械蘇生》! フィールドにモンスターがいない時、このターン破壊された古代の機械モンスターを、元々の攻撃力を200ポイントアップさせ、特殊召喚出来るノーネ」
よって《古代の機械騎士》の攻撃力は2000となり、下級モンスターらしからぬ攻撃力となる。同時に発動された二枚のうち一枚が、あの《古代の機械蘇生》であるのならば、二枚目のリバースカードだったカードは。
「そしてもう一枚の同じく永続罠カード《古代の機械閃光玉》は、墓地から古代の機械モンスターが特殊召喚された時、元々の攻撃力の半分のバーンダメージを発生させるーノデス!」
「うわっ!」
十代LP4000→3000
《古代の機械蘇生》と《古代の機械閃光玉》のコンボにより、攻撃に成功したはずの十代がダメージを受け、クロノス先生のフィールドは変わらない。いや、《古代の機械騎士》が攻撃力を上げて特殊召喚された以上、十代としては状況が悪化したと言える。
「流石クロノス先生……カードを一枚伏せて、ターンエンドだ」
「……ふん。ワタシのターン、ドロー。メインフェイズ、《トレード・イン》を発動することで、さらに二枚ドローにょ!」
十代も負けじと、リバースカードを一枚伏せてターンを終了し、クロノス先生は攻勢に出ようと動きだす。手始めに、手札のレベル8モンスターを墓地に送ることで、二枚ドローする魔法カード《トレード・イン》で手札の交換を果たし。
「フィールド魔法《歯車街》を発動し、《古代の機械騎士》をリリースすることで、《古代の機械巨竜》を特殊召喚ナノーネ!」
デュエル・アカデミアのデュエルフィールドから、クロノス先生のフィールド魔法によって、全てが歯車で出来た街――文字通りの《歯車街》へと変わっていく。さらに《歯車街》から伸びたマジックアームにより、フィールドの《古代の機械騎士》が改造されていき、クロノス先生の切り札に並ぶ主力たる《古代の機械巨竜》へと姿を変えていった。
「《歯車街》が発動している時、古代の機械モンスターのリリースは、一つ少なくなるノーネ。バトル!」
《古代の機械巨竜》のレベルは8と最上級モンスターだったが、そこは《歯車街》の効果でカバーしながら、クロノス先生は十代のプリズマーに目標を定めた。十代のフィールドにはリバースカードはあるものの、《古代の機械巨竜》が動き出した今、そのカードを発動することは出来ず。
「《古代の機械巨竜》で《E・HERO プリズマー》に攻撃! アルティメット・ブレス!」
「ぐっ……」
十代LP3000→1700
その攻撃によって十代のライフは半分以下となり、まるで無傷なクロノス先生は対照的に余裕の笑みを見せる。まだデュエルは序盤も序盤であるが、このままの勢いで押し切られてしまえば。
「ワタシはさらにリバースカードを一枚伏せて、ターンエンドナノーネ」
「オレのターン、ドロー!」
しかして、十代もこの程度で終わるデュエリストではない――といっても、なかなか彼にとっては辛い状況だ。まずは攻撃力3000を誇る《古代の機械巨竜》を打倒しなくてはならないが、下手に破壊してしまえば《古代の機械蘇生》と《古代の機械閃光玉》のコンボにより、十代のライフポイントは風前の灯火となる。
ともなれば、先に《古代の機械閃光玉》と《古代の機械蘇生》から破壊したいところだが、クロノス先生のフィールドには破壊された時に発動する《歯車街》が存在する。破壊の仕方を間違えれば、クロノス先生に更なる展開を許してしまう。
「オレは《N・グラン・モール》を召喚!」
袋小路の十代が出した答えは、ネオスペーシアンが一種である《N・グラン・モール》。戦闘した相手モンスターを手札に戻す、強力な効果を持ったモンスターであり、手札に戻したならば《古代の機械蘇生》と《古代の機械閃光玉》のコンボは発動しない。
「さらに《O-オーバーソウル》を発動し、墓地の《E・HERO ネオス》を特殊召喚!」
さらに先のターンに墓地に送っていた《E・HERO ネオス》が特殊召喚され、フィールドにいた《N・グラン・モール》と並び立った。クロノス先生のフィールドにある、一枚のみ伏せられたままのカード――それをどう見たのか、十代はコンタクト融合を選択せず。
「バトル! 《N・グラン・モール》で《古代の機械巨竜》に攻撃!」
ステータスの差を比べるのが馬鹿馬鹿しくなる程だが、クロノス先生の顔は苦々しい。その原因は全て、《古代の機械巨竜》にも恐れず立ち向かっていく、《N・グラン・モール》の効果にある。
「《N・グラン・モール》の効果! このモンスターと相手モンスター一体を手札に戻す!」
ダメージ計算前に効果を発揮するため、十代にはダメージもなく。グラン・モールの効果によってバウンスされた今、永続罠《古代の歯車蘇生》のモンスターがいない時、という発動条件を満たすためか、クロノス先生は他のモンスターを召喚していない。
「バトル! クロノス先生にネオスでダイレクトアタック! ラス・オブ・ネオス!」
「やはり甘いノーネ! 伏せていた《リビングデットの呼び声》を発動し、墓地の《古代の機械巨竜》を特殊召喚しますーノ!」
「何!?」
十代の驚愕の声とともに発動されたリバースカードは、汎用的な蘇生罠カード《リビングデットの呼び声》。しかし問題なのは、その《リビングデットの呼び声》から蘇生されたモンスター――手札にバウンスしたはずの、《古代の機械巨竜》の存在だった。
「一体しかいない訳が無いーノ。油断禁物ナノーネ」
それは先のターンでクロノス先生が発動した、レベル8モンスターを墓地に送って二枚ドローする魔法カード《トレード・イン》による。既にフィールドにいる《古代の機械巨竜》とは別に、もう一体を墓地に送って破壊以外の除去を対策していたのだ。
「……ネオスの攻撃を中止するぜ」
「しかしこちらの《古代の機械閃光玉》の効果は発動するノーネ!」
古代の機械モンスターが墓地から特殊召喚された時、そのモンスターの攻撃力の半分のダメージを与える、永続罠《古代の機械閃光玉》はまだ健在だ。十代のグラン・ネオスが攻撃を中断した代わりのように、《古代の機械巨竜》が永続罠のサポートを受け火を噴いた。
「カウンター罠《フュージョン・ガード》! エクストラデッキから融合モンスターをランダムに墓地に送り、相手の効果ダメージを無効にする!」
とはいえ、十代もただでやられてばかりではなく、効果ダメージは何とかカウンター罠で防ぐ。その代償として、融合モンスターが一体墓地に送られ、さらに十代はまたもこのターンの攻撃を失敗する。
「……ターンエンドだ」
「ワタシのターン。ドロー。魔法カード《トレード・イン》を発動し、さらに二枚ドローするノーネ」
もう一度発動される魔法カード《トレード・イン》。そのコストに必要なレベル8モンスターは、十中八九、十代の《N・グラン・モール》によってバウンスされた《古代の機械巨竜》であろう。
「バトル! 《古代の機械巨竜》で、ネオスに攻撃ナノーネ! アルティメット・ブレス!」
「ネオス! ……くっ!」
十代LP1700→1200
これでネオスは破壊されるとともに、十代のライフポイントはさらに落ち込んだ。クロノス先生のライフポイントは無傷にもかかわらず、十代はもはや《古代の機械閃光玉》の効果が発動するだけで危ういほどだ。特に《古代の機械巨竜》を破壊してしまえば、《古代の機械蘇生》と《古代の機械閃光玉》のコンボが炸裂し、すぐさま十代のライフポイントは尽きる。
「ワタシはターンエンドナノーネ!」
「オレのターン、ドロー!」
不幸中の幸いというべきか、発動条件のある《古代の機械蘇生》のために、クロノス先生が追撃のモンスターを召喚しないことか。……それはどこか、『このコンボを打ち破ってみせろ』と、チャンスを与えつつ十代に宣言しているようにも感じられて。
「オレは《コンバート・コンタクト》を発動! デッキと手札から一枚ずつネオスペーシアンを墓地に送り、二枚ドローする!」
フィールドにモンスターがいない時のみ使用可能な、強力なネオスペーシアンのサポートカード《コンバート・コンタクト》。手札にあるネオスペーシアンと言えば、先程自身の効果で手札に戻った《N・グラン・モール》であり、十代はクロノス先生にもうバウンス戦術は通用しないと考えたらしい。
「さらに《ミラクル・コンタクト》を発動! 墓地のネオスペーシアンで、コンタクト融合する!」
手札の《N・グラン・モール》とデッキのさらに一体を墓地に送りつつ、十代が引き当てたのは逆転の可能性を秘めた魔法カード。墓地融合の《ミラクル・フュージョン》のコンタクト融合バージョン、といったその名の通りの魔法カードにより、フィールドに半透明のネオスとネオスペーシアンが現れ、時空の穴とともにコンタクト融合をしていく。
《コンバート・コンタクト》によって墓地に送っていたネオスペーシアンのうち一体は、手札にあった《N・グラン・モール》。ならばグラン・モールをコンタクト融合素材とする、グラン・ネオスかマグマ・ネオスか。そしてその予測をしていた観客とクロノス先生を裏切り、宇宙に繋がる時空の穴から、コンタクト融合体が特殊召喚された。
「トリプルコンタクト融合! 《E・HERO ストーム・ネオス》!」
「何ですート!?」
ネオスに蒼色の鎧と鋭利な爪が装着された、トリプルコンタクト融合体が一体。水《N・アクア・ドルフィン》と風《N・エア・ハミングバード》が組み合わさり、嵐となってフィールドに顕現した。《ミラクル・コンタクト》の効果は手札にまで及ぶものの、手札を融合素材とした様子はない……となれば。
その答えは《フュージョン・ガード》。効果ダメージを無効にした際、墓地に落とされた融合モンスターは、《N・マリン・ドルフィン》――《N・アクア・ドルフィン》と同名モンスターとして扱う、融合モンスターとなった進化体である。《フュージョン・ガード》によって墓地に送られていた《N・マリン・ドルフィン》、《コンバート・コンタクト》によって墓地に送った《N・エア・ハミングバード》を素材とし、その奇跡のトリプルコンタクト融合を可能とした。
――そしてその効果は、まさしく逆転の一打という言葉が相応しく。
「《E・HERO ストーム・ネオス》の効果! フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する!」
「ぬぬぬぬ!?」
『ストーム』の名に相応しいその効果によって、クロノス先生のフィールドの魔法・罠カードは全て破壊され、《古代の機械蘇生》と《古代の機械閃光玉》によるバーンコンボは瓦解する。さらに《リビングデットの呼び声》が破壊されたことにより、特殊召喚されていた《古代の機械巨竜》も破壊される。
「タダより高いモノはナイノーネ! 破壊された《歯車街》の効果を発動! 墓地から《古代の機械巨竜》を特殊召喚ナノーネ!」
クロノス先生もフィールドをがら空きにされて甘んじることはなく、破壊された際にデッキか墓地から古代の機械モンスターを特殊召喚する、という効果を持つフィールド魔法《歯車街》の効果を適応する。墓地から《古代の機械巨竜》が特殊召喚されるが、永続罠《古代の機械閃光玉》が存在しないため、もはやバーンダメージは発生しない。
「フィールド魔法《ネオスペース》を発動し、バトル!」
《E・HERO ストーム・ネオス》と《古代の機械巨竜》。その攻撃力はどちらも3000であり、そのまま睨み合いに持ち込まれるかと思いきや、十代が発動したフィールド魔法で均衡は崩れていく。アカデミアのデュエル場は《歯車街》の次は《ネオスペース》となっていき、自らの生まれ故郷たる宇宙に帰ってきたネオスの攻撃力は、500ポイントアップする。
「ストーム・ネオスで、古代の機械巨竜に攻撃!」
「ぬぅっ!」
クロノス先生LP4000→3500
クロノス先生に初ダメージを与えながら、強風が叩きつけられ《古代の機械巨竜》はバラバラとなっていく。もはや蘇生されることはなく、クロノス先生のフィールドはがら空きとなっていた。
「ターン終了だ!」
「これくらいはやってもらわなければ困るノーネ。ドロー!」
フィールド魔法《ネオスペース》の効果により、《E・HERO ストーム・ネオス》がエクストラデッキに戻る効果が発動することもなく、完全にクロノス先生と十代の状況は逆転した。ライフポイントだけは変わらず十代が圧倒的な不利だが、フィールドががら空きなクロノス先生に比べれば、その程度は不利でもなんでもない。
「ワタシは《カードガンナー》を召喚しますーノ!」
そんな逆転された状況でもクロノス先生はニヤリと笑い、これくらいはやってもらわなければ困る、と新たなモンスターを召喚する。そのモンスターは、十代の使用するモンスターとしても馴染み深い、機械族モンスター《カードガンナー》。
「シニョール十代。別にアナタ専用のモンスターという訳ではないですーノ。効果を発動し、カードを一枚伏せてターンエンドナノーネ」
「ヘヘ、先生。呼び方がドロップアウトボーイからシニョールになってるぜ。ドロー!」
「……うるさいノーネ!」
《カードガンナー》の効果を発動し、デッキからカードを三枚墓地に送ると、リバースカードを一枚伏せてターンを終了する。《カードガンナー》には攻撃力を上げる効果はあるが、その上がった攻撃力が維持されるのはエンドフェイズ時まで――つまり、ストーム・ネオスの前にクロノス先生を守るモンスターは、攻撃力が僅か400の《カードガンナー》のみ。
ともすれば、あのリバースカード。いかにも攻撃を誘っている中でのあのリバースカードは、ストーム・ネオスの効果で破壊すればいい、という単純な話でもなく。
「さあ、どうするノーネ」
何故ならストーム・ネオスの効果は、その名の通りに《大嵐》。ひとたび発動してしまえば、自身を維持する《ネオスペース》までも破壊してしまう。それでもストーム・ネオスの効果を発動するか、クロノス先生の嫌らしい笑みとともに問われた質問に、十代は一瞬だけ沈黙し。
「……ストーム・ネオスの効果発動! フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する!」
十代が選択したのは効果の発動。ストーム・ネオスの発した嵐は、先のようにフィールドの魔法・罠カードを全て破壊していき、フィールド魔法《ネオスペース》が崩壊していく。そしてクロノス先生が伏せていたリバースカードにも、例外なくその旋風は迫っていき。
「チェーンしてリバースカード《ハイレート・ドロー》! 自分の機械族モンスターを全て破壊し、その数だけカードをドローするノーネ!」
クロノス先生のフィールドに伏せられていたのは、ストーム・ネオスを迎撃するためのカードではなく。自分フィールドの機械族モンスターを破壊し、その数だけドローする罠カード《ハイレート・ドロー》であり、そのカードにより《カードガンナー》は破壊される。
「さらに《カードガンナー》は破壊された時、カードを一枚ドロー出来るノーネ」
さらに破壊された際に発動される《カードガンナー》の効果も併せて、クロノス先生は二枚のカードをドローしてみせる。またもやフィールドががら空きにはなったものの、フィールド魔法《ネオスペース》を代償としての発動が正しかったかは……
「……バトル! ストーム・ネオスでダイレクトアタック!」
「墓地の《超電磁タートル》の効果! このモンスターを除外することで、バトルを終了させるーノデス!」
そして肝心のストーム・ネオスによる攻撃も、《カードガンナー》によって墓地に送られていたモンスター《超電磁タートル》により、バトルフェイズを終了させられる。つまるところクロノス先生は最初から、ストーム・ネオス対策のカードは、ストーム・ネオスの効果の届かぬ場所に用意してあったのだ。
「メインフェイズ2……ストーム・ネオスに《インスタント・ネオスペース》を装備して、カードを二枚伏せてターンエンド」
そのままストーム・ネオスがエクストラデッキに戻る、という最悪の結果に終わることはなく。十代は《インスタント・ネオスペース》をストーム・ネオスに装備し――このカードが手札にあったからこそ、ストーム・ネオスの効果を発動したのだろう――カードをさらに二枚伏せる。クロノス先生が次のターンに攻勢を仕掛けてくる、というある種の予感故か。
「ワタシのターン。ドロー!」
十代のその予感は、おそらく正しい。《カードガンナー》と《ハイレート・ドロー》によって稼いだ手札を眺めながら、クロノス先生はまず一枚の魔法カードを発動した。
「ワタシは《狂った召喚歯車》を発動。墓地の攻撃力1500以下のモンスターを、その同名モンスター二体とともにフィールドに特殊召喚するノーネ」
俺も多用する魔法カード《狂った召喚歯車》。簡単に三体のモンスターをフィールドに並べられる代償に、相手プレイヤーは自分のモンスターと同じレベル、種族のモンスターを二体特殊召喚出来る――のだが、十代のメインデッキに、ストーム・ネオスと同じレベルのモンスターはいない。
「そして三体のモンスターを対象に、《魔法の歯車》を発動!」
よってメリットはクロノス先生にのみ与えられ、クロノス先生のフィールドに《古代の機械箱》というモンスターが三体並ぶ。しかして、どんな効果を持ったモンスターかも分からぬまま、クロノス先生が新たに発動したカード《魔法の歯車》によってリリースされていく。
「《魔法の歯車》はフィールドの古代の機械カードを三枚リリースすることで、デッキと手札から《古代の機械巨人》を二体、条件を無視して特殊召喚するノーネ!」
「何!?」
十代の驚愕の声とともに、三体の《古代の機械箱》が分解されて再構築されていき、気づけば二体の《古代の機械巨人》となっていく。クロノス先生の代名詞とも言えるそれらは、古ぼけた歯車を動かしてフィールドに顕現した。
「まだまだナノーネ。《古代の機械整備場》で《古代の機械箱》をサルベージしますート、手札に加えた《古代の機械箱》の効果が発動しますーノ」
このモンスターが通常のドロー以外で手札に加わった時、デッキから攻撃力か守備力が500以下の機械族モンスターを手札に加えられますーノ――と、クロノス先生は《古代の機械箱》の効果で、《古代の機械砲台》を手札に加えつつ。
そして、クロノス先生の最後のカードが発動される。
「アナタにはこのカードを見せるのに、相応しいデュエリストとなったノーネ。魔法カード《融合》を発動!」
「融合!?」
クロノス先生が《融合》を使うという話は聞いたこともなく、十代だけでなく俺や観客席のメンバーからも戸惑いの声があがる。クロノス先生の手札にあった《古代の機械巨人》に、先程手札に加えられた《古代の機械箱》と《古代の機械砲台》。それらの素材を組み合わせていき、最強の古代の機械モンスターが融合召喚される。
「融合召喚! 《古代の機械究極巨人》!」
かの《青眼の究極竜》を彷彿とさせるその機械仕掛けの巨人は、下半身をケンタウロスのように歯車を回し、二体の《古代の機械巨人》とともにフィールドを席巻する。同じく三体を融合素材にした《E・HERO ストーム・ネオス》の攻撃力を遥かに越えており、十代の残る1200のライフでは一撃すら耐えられない。
「《古代の機械究極巨人》は、《古代の機械巨人》の効果を受け継いでいますーノ。リバースカードは無意味なノーネ! バトル!」
もちろん古代の機械モンスター共通の、攻撃する際に相手の魔法・罠カードを封じる効果も持っているらしく。十代のフィールドに伏せられている、二枚のリバースカードがフリーチェーンでない限り、クロノス先生の攻撃を止めることは出来ない。
「《古代の機械巨人》で、《E・HERO ストーム・ネオス》に攻撃――!?」
クロノス先生が声高に宣言したその一撃は、十代とストーム・ネオスに届くことはなく。《古代の機械巨人》の一撃は、ストーム・ネオスの前に現れた青いシールドに阻まれていたからだ。
「オレは《ヒーローバリア》を発動していたのさ! E・HEROが存在する時、攻撃を一度だけ無効にする!」
――先述の通りに、古代の機械モンスターの前には、攻撃宣言時に発動する魔法・罠カードは通用しない。ただし十代が使う《ヒーローバリア》は、その効果の仕様上発揮されることは少ないが、発動タイミングが限定されていないフリーチェーンのカードだ。よって《古代の機械究極巨人》が効果を適応するより早く、十代は《ヒーローバリア》を発動させていたのだ。
「……防ぐとは思わなかったノーネ。しかし! まだワタシの攻撃は残っているーノ!」
予想もしていなかったという表情で、クロノス先生が静かに感嘆する。ただしクロノス先生にはまだ、二体の《古代の機械巨人》の攻撃が残っていて。
「《古代の機械巨人》でストーム・ネオスを攻撃! アルティメット・パウンド!」
「迎え撃て、ストーム・ネオス!」
その攻撃力はどちらも3000。どちらにもコンバットトリックはなく、拳をぶつけ合わせてどちらも破壊される。ただしフィールドには、小さな宇宙だけが残されていた。
「装備魔法《インスタント・ネオスペース》の効果! 装備モンスターが破壊された時、デッキから《E・HERO ネオス》を特殊召喚する!」
「しゃらくさいノーネ! 最後の《古代の機械巨人》で攻撃! アルティメット・パウンド!」
ストーム・ネオスに装備されていた《インスタント・ネオスペース》により、がら空きとなっていた十代のフィールドに、デッキから《E・HERO ネオス》がギリギリのところで特殊召喚された。守備貫通効果を持った《古代の機械巨人》に守備表示は意味はなく、攻撃表示で十代を守る盾となったものの、《古代の機械巨人》の一撃に破壊されてしまう。
十代LP1200→700
「……ターンエンド、ナノーネ」
それでも十代のライフポイントは残り、《古代の機械究極巨人》を含む三体のモンスターの攻撃に、十代はギリギリとはいえ耐えてみせた。もう手札を使い切ったクロノス先生は、何もすることもなくターンを終了した。
「オレのターン、ドロー!」
しかしクロノス先生のフィールドには、《古代の機械究極巨人》と《古代の機械巨人》が健在のまま。ネオスを失った十代の取る手段は――
「オレは《フュージョン・バース》を発動! デッキの上から五枚めくり、その中に融合素材モンスターがいた時、融合召喚出来る!」
――もちろん、融合である。E・HERO専用の変則的なデッキ融合カード《フュージョン・バース》により、十代が五枚のカードをデッキの上から捲る。あの中に融合素材モンスターがあれば、それらのモンスターを素材にして、融合召喚を可能とする。
「融合召喚!」
その五枚の中にあった二体のE・HEROは、《E・HERO フェザーマン》に《E・HERO バーストレディ》。その二体から融合召喚されるモンスターは、十代に限って言うならば――あのヒーローしか存在しない。
「《E・HERO フレイム・ウィングマン》!」
融合召喚されるは、十代のフェイバリットモンスター。融合召喚されるは、かつて《古代の機械巨人》を倒したヒーロー。融合召喚されるは――ずっと十代と戦ってきた、戦友とも言うべきカード。
「さらにフィールド魔法《摩天楼-スカイスクレイパー》を発動!」
さらにアカデミアのデュエルフィールドに、高層ビルが立ち並んでいく。ヒーローの戦うべきフィールドであるその場所に、フレイム・ウィングマンは腕を組んで鎮座していた。摩天楼の屋上、その中心点から、翼をはためかせて飛び立った。
「フレイム・ウィングマンで、《古代の機械巨人》に攻撃! スカイスクレイパー・シュート!」
「――バカの一つ覚えだけでは、これからは通用しないノーネ! 墓地から罠カード《仁王立ち》を発動!」
《摩天楼-スカイスクレイパー》の効果により、攻撃力を上げた《E・HERO フレイム・ウィングマン》が、その効果によって相手に直接ダメージを与える――そんな十代の必勝コンボを、クロノス先生は『バカの一つ覚え』と断じて。《カードガンナー》の効果によって墓地に送っていた、最後の一枚たる罠カード《仁王立ち》が発動した。
「このカードは墓地から除外することで、攻撃対象をある一体のモンスターに限定するノーネ。もちろん対象は《古代の機械究極巨人》!」
墓地から発動された《仁王立ち》の効果は、攻撃対象の固定。十代が狙っていた《古代の機械巨人》の前に《古代の機械究極巨人》が立ちはだかり、フレイム・ウィングマンの攻撃が妨害される。その攻撃力の差は2300と、《摩天楼-スカイスクレイパー》の効果を持ってしても、その攻撃力は超えられない。
「……先生はやっぱり凄いな。だけど先生、バカの一つ覚えだって役に立つってこともあるんだぜ! リバースカード、オープン!」
「むっ……!?」
ただし、フレイム・ウィングマンの攻撃が止まることはなく。十代のフィールドに残された最後のリバースカード――その効果が発動する。
「《ヒーローズ・バックアップ》! 墓地のE・HEROを除外することで、自分のモンスターの攻撃力を、そのモンスターの攻撃力分アップさせる!」
墓地から除外される《E・HERO ネオス》。その攻撃力は2500を加えられたフレイム・ウィングマンの攻撃力は、4600となり《古代の機械究極巨人》を超える。永遠のフェイバリットモンスターとエースモンスター、十代の二体のモンスターの力が加えられ、炎を伴ったフレイム・ウィングマンの体当たりは《古代の機械究極巨人》の身体に風穴を空けた。
「ラス・オブ・ネオス・シュート!」
「……やっぱりバカの一つ覚えナノーネ」
クロノス先生LP3500→0
そしてフレイム・ウィングマンの、相手モンスターを破壊した際に、そのモンスターの攻撃力分のダメージを与える効果が発動し。《古代の機械究極巨人》の攻撃力、4400ポイントのバーンダメージが、クロノス先生に直接加えられた。ライフポイントにかすり傷しか負っていなかったとはいえ、それだけのダメージを直接くらえば逆転されるのも必須だったが――敗北したはずのクロノス先生は、どこか晴れ晴れとした笑顔を見せていた。
「なぁ、クロノス先生。何で授業をいきなりしなくなったんだ?」
「……みんなが卒業するのが、寂しかったノーネ」
そう、クロノス先生がふとこぼした。その言葉は、もう少しでアカデミアを去ることになる俺たちにも重くのしかかり、誰からともなく卒業生となる者たちは顔を見合わせた。誰かからやろう、と言った訳ではないけれど、それから顔を見合わせたみんなで立ち上がると。
『ガッチャ!』
クロノス先生に指を突きつけながら、これまでお世話になった感謝の言葉を。……どうしてこの言葉を選んだのかは、自分たちにもよく分からないけれど。半ば勢い任せの言動だったが、不思議と後悔はなかった。
「しかし、今のデュエルで分かったノーネ。もう生徒ではなく、みんな一人の大人となるート……ならーば!」
突如として行動を開始したクロノス先生は、目の前にいた十代を人間とは思えぬ動きで捕獲する。十代は驚愕に逃げる間もなく、呆然と辺りを見渡していた。
「だけどまだみんなワタシの生徒ですーノ! お望み通りみっちり授業してあげますノーネ!」
そのままクロノス先生は万力のような力で十代を引っ張っていき、逃げようとする十代を離すまいと本校に向かうのを、そのまま俺たちはデュエル場で見送った。明日からはしっかり授業を受けさせてもらおう、と決意しながら。
「特にシニョール十代は最近サボリ気味だったノーで、このままでは単位なんてあげられないノーネ! じっくりみっちり授業するノーネ!」
「うわぁぁぁぁぁ!」
久しぶりに聞いたような気もする十代の悲鳴。俺に明日香もつられて笑ってしまったが――内心では、そろそろ始まるのだろうと確信していた。
……ダークネスとの、決戦。
――どこかのビル。ヘリコプターの準備が出来たと連絡を受けて、彼は、デュエルモンスターズの創始者ことペガサス・J・クロフォードは、対面のソファーに座っていた人物に声をかけた。
「これからアカデミアに向かいマース。……私が話をする間、アナタは友人たちに挨拶していても……?」
「ありがとうございます会長。しかし、多分……俺の友人たちは、その話に居合わせているでしょう」
アカデミアの制服に身を包んだ青年が、ペガサスの申し出を断りながらソファーから立ち上がる。もはや相手の心を読む能力など、随分と昔の話になったペガサスだったが、彼からは友人たちへの信頼が感じられた。それは能力など使わずとも分かるほどで、少し彼と友人たちに微笑んで。
「これは余計なことを言ってしまったようデース……では、参りましょう。三沢ボーイ」
「――はい」
後書き
今回の機械戦士、三つの出来事!
一つ、遊矢「おい知ってるか、夢を持つとな、時々すっごい切なくなるが、時々すっごい熱くなる ……らしいぜ。俺には夢が無い、でもな(ry
二つ、MISAWAさん来た! これで勝つる!
三つ、
『ガッチャ!』
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