とある愚者の転生記
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第十話 閑話2 テスタロッサ家に巻き込まれた転生オリ主
前書き
四人目の転生者はレアスキル持ちの天才です。
私の名前はオリシア・シュバイツァ。オリシュと呼んでくれてもいい。まぁ、所謂転生オリ主と思ってくれれば良い。ちなみに銀髪に赤目・青目の男だ。よく美形と言われる。
第三十七管理世界ミライースに生まれた当初はわからなかったが、どうやら「リリカルなのは」の世界に生まれたらしい。
らしいというのは、自分で調べれる範囲で管理世界を調べたところミッドチルダやら管理局やら聞いたことのあるキーワードがてんこ盛りだったからだ。
前世は「リリカルなのは」を大好きだったがさすがに年代までは覚えていない。
地球に転生していれば、「なのは」の歳から逆算できるけど、原作に出てこないミライースなんて世界の年やミッドチルダの年を聞いて原作の何年前かなんてわかるわけもない。
一応、ヒュードラだったかな? 「プレシア」さんが起こしたことにされてる事件は確認したが、残念ながらそれが原作の何年前かという知識がない。
「闇の書」事件が原作の11年前だったかなぁ、という曖昧な記憶はあるが、管理局員でも事件の関係者でもない私が「闇の書」事件という危ない事件なんて調べようもなく、一応調べたらいわゆる怪談レベルの話しか出てこなかった。
地球をピンポイントで調べても何も出てこなかったので、逆に原作の事件が話題にもなっていないということで、原作前なんじゃないかな、って今は思っている。
まぁ、テンプレ通りなら「なのは」達と同じ歳なんだろう。
幸い、名前の通り今の八歳の時点でAAA+の魔力値を出しており、将来はSランクオーバーを期待されている。
事件に巻き込まれるのを前提として鍛えているので、それなりの実力を持っている。
そして、誰にも教えていないが、「自分以外の触ったモノの刻を戻す」なんていうテラチートな能力も持っている。まぁ、死んだ生物を蘇らせることはできないが………。気付いたときは「それなんてクレイジー・ダイヤモンド」とか思った。
基本使うときは、回復呪文を使った振りをして使用しているので、多分ばれていない。異様に効きが良いとは思われているだろうけどね。
で、なんでこんな長い回想をしているかというと、三日前に両親を説得して、初めて一人で次元間旅行に出たときに次元流に巻き込まれ、次元漂流者になってしまったんだ。まぁ、主人公はこういう事故に巻き込まれるモノだと考えているので別に慌てることもない。多分だが、地球に漂流するんじゃないかな? なんて思っていたりもする。主人公の宿命ってやつだな。
結果はというと、ニアミスだった。
地球ではなく、時の庭園に漂流してしまいました。
何故わかるかというと、バルディッシュであろう斧型デバイスを構えた金髪灼眼の幼女が目の前にいるからだ。
「貴方は誰?」
と聞かれたので、
「私はオリシア・シュバイツァ。少し前に次元流に巻き込まれた。ここがどこだかもわからないができれば助けて欲しい」
と素直に答えた。
「わかりました。こちらに着いて来てください」
少し時間はかかったが、色よい返事はもらえたようだ。時間がかかったのは「プレシア」なり「アルフ」なりに念話かなんかで確認していたんだろう。
ファンタジーRPGで出てくる魔王の城のような建物に入り、まさに王座に座る女王様の貫禄のプレシア・テスタロッサに紹介される。っていうか、普通に怖いです。
予定調和ですね。
もちろん、原作の「プレシア」には色々もの申すことはあるけれど、仮にも助けてもらった身なので一応自重します。
ヒステリックで怖いというのもあったりなかったり。
嘘か本当か次元通信が今はできないと言われて、とりあえず連絡が取れるまで住まわせてもらうことを了承してもらいます。
実際後ろ暗いところが色々ある(はずの)彼女は、管理局には連絡つけづらいでしょう。最悪闇から闇に葬られる可能性も考えないといけない。
なので、さっさとレアスキルをばらしました!
最初は機械の時間を戻し修理することから始め、怪我の治療(そのためにフェイトを傷つけたのはちょっと許せませんでした)を見せ、プレシアさんの病気を治すことを提案します。
当然、治療に時間はかかるので、プレシアさんは難色を示しましたが、勢いで押し切りました。まぁ、治療に時間を充てるなら研究したいんでしょうが。
そんなこんなで、一週間ぐらいフェイトやアルフと生活しています。
彼女らは他人と生活したことがないので、なかなか距離感が難しいですが、少しは仲良くなれた感じです。
いや、二人とも良い子ですね。
天然だけれども。
天然だけれども。
大事なことなので2回言いました。
ちょうど少し前にリニスがいなくなったタイミングだったようで、その辺も関係あったかもしれませんね。
プレシアさんとは治療の最中に少しずつ話します。
研究の話しなんかは、グレーなとこを外して話しますが、さすが、大魔導師と呼ばれるほどの研究者です。深く広く研究されたその知識はただただ脱帽です。
ちょっとしたきっかけから出たアリシアちゃんの思い出話しは延々と長くて閉口しましたが!
レアスキルによる治療が進み、体が癒されてくると段々ヒステリックな言動もおさまってきます。
そういう状況で話しを交わすとただの母親なんだなぁ、とか思ったりします。
原作では、「アリシア」が自分の力不足?のせいで起きた事件で死に、狂気の研究に走り、それすらも満足いかない失敗と考え、進む不治の病から残された少ない時間を、あるかどうかもわからないアルハザードの研究に使い、死んでいくラスボスでしたが、会って話せば情もわきます。
実際のアリシアも見せてもらい、フェイトのことも、プロジェクトFATEのことも聞き出します。
「それじゃぁ、アリシアは貴方の能力では治らないのね………」
「残念ながら私の能力では無理です。死んだ人間は二度と生き返りません」
「でも、アルハザードなら………」
「アルハザードなんておとぎ話し………」
「アルハザードは本当にあるわ!」
久しぶりにヒステリックなプレシアです。最近おさまってきたのになぁ………。
意外とと言ったら大魔導師の二つ名に対し失礼か。
アルハザードについても、しっかりと研究されています。
って、「無限の欲望」とかかなりダークなところの研究資料とかあるんですが!
原作の「ジェイル・スカリエッティ」の出自なんかから考えると確かにアルハザードはあるのかも知れません。
ハッ、洗脳されてないか? 私。
「フェイトのことはどうするの?」
「はっ。あんな人形」
「フェイトはプレシア、貴女の娘だよ」
「私の娘はアリシアだけよ!」
「違う。アリシア「も」娘。フェイト「も」娘。貴女には二人の娘がいるのよ」
「いいえ、私の娘はアリシアだけよー!」
うわい。地雷踏んだか。でも言っとかないといけないことだしな。
「でも、プレシア。アリシアにアルハザードでもう一度会えたとき、なんて言うの?」
「うるさい! 出てってー」
「ごめん。でも最期にね。アリシアがフェイトのことを知ったらどう思うのかな………」
うん、卑怯だね。アリシアのことを持ち出すなんて卑怯極まりないや。
それでも、主人公としてはプレシアを救うために伝えとかないといけないことだからな………。
「ありがとう、オリシュ。母さんから全部聞いたよ」
プレシアとの大喧嘩の後、一週間ぐらいたってフェイトから声をかけられました。
どうやら、フェイトはアリシアのこと、クローンのこと、プロジェクトFATEのこと、全て聞いたようです。
そのうえで、ぎこちないながらもプレシアからもう一人の娘としてわかってもらえたようです。
アルフも嬉しいのか、隣で尻尾をちぎれんばかりに振っています。
よかったですねぇ。
原作の流れは壊れますが、新たに家族として暮らせていけるようです。
「だから、姉さんのためにみんなでアルハザードへ行くんだ!」
あれ?どうしてそうなった!?
後書き
ここまでで、閑話は終了です。
オリシュの能力は、実際にはプレシアを丸ごと若返らせていて、管理局にばれるとかなりまずいレベルのレアスキルです。もちろん、気付いてないだけでオリシュにも能力の対象にもデメリットはあります。本作品で語られる前に退場する予定ですが!
次回から、本編を進めます。
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