美しき異形達
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第四十三話 街道での死闘その七
「ハンバーガーもピザも巨大でして」
「それこそ牛丼がか」
「ダイエットフードになる位です」
実際にそこまでだというのだ。
「ですから日本人もです」
「アメリカ人に比べると痩せてるんだな」
「勿論そうではない方もおられますが」
この辺りは個人差である、日本人でもアメリカ人の肥満の様に極端に肥満している人がいる。健康によくないことは言うまでもないので注意した方がいい。
「日本人はです」
「太っていてもか」
「そうです、肥満の内容が違います」
「そうなんだな、相当なもの食ってるんだな」
「私はロサンゼルスに家族で旅行に行ったことがありますが」
その時に、というのだ。
「実際に食べてみましたが」
「相当なものか」
「味はそこそこでしたが」
「美味かったのかい?」
「それなりに」
そうだったというのだ。
「最近はあちらもお料理のレベルがかなり高くなっている様です」
「そうか、噂じゃまずいっていうけれどな」
「かなり変わった様です」
「そうなんだな」
「スパゲティもコシがありました。ただ」
そのスパゲティが、というのだ。
「ミートソースの中にミートボールがありました」
「挽肉じゃなくてか」
「ミートボールでした」
それが中に入っていたというのだ。
「最初に見て驚きました」
「そりゃ驚くだろうな」
「他のお料理もサイズが違いまして」
「量も違うんだな」
「しかもカロリーの高いメニューばかりです」
これ程の要素が揃っているからだというのだ。
「ですから」
「アメリカはすげえ太ってる人が多いんだな」
「はい、最近は中国やオーストラリア、メキシコもその様です」
肥満している人が多いというのだ。
「肥満も極端になりますと健康によくないので」
「注意しないとな」
「はい」
「太ると動きが鈍るだけじゃなくて」
「何といってもまずはです」
「健康だよな」
「そうです、様々な病気の素になりますので」
桜が注意しているのは特にこのことだった。
「多少位なら大丈夫ですが」
「脂肪もないと駄目なんだよな」
「極端に脂肪率が低いですと」
それはそれでなのだ。
「あまり身体によくありません」
「そうらしいな」
「お水にも浮きませんし」
「だよな、あたしにしてもな」
薊にしても水泳は得意だ、このことから言えた。
「泳げるってことは」
「薊さんも極端な筋肉質、痩せ方ではないです」
「だよな、痩せ過ぎもかえってよくないか」
「そうですね、ただ本当に極端な肥満は」
アメリカ等にいる様なだ。
「健康によくありませんので」
「どっちも気をつけろか」
「少なくとも牛丼がダイエットフートになる状況では」
「まずいな」
「私もそう思います」
こうした話をしてからだった、三人で街の吉野家まで来た。そして実際に吉野家で三人で牛丼の特盛を食べてだった。
そのうえでだ、薊は唸ってこう言った。
「いいねえ、やっぱり」
「薊ちゃん物凄く美味しそうに食べるわね」
薊の右隣にいる裕香が言って来た。桜は左隣にいる。
「いつも思うけれど」
「ああ、あたしってそうなんだよ」
「食べる時はね」
「何でも美味そうに食べるってな」
牛丼を食べ続けながらの言葉である。
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