伝説の船乗り
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第2章
家に帰ると、中から誰かが出迎えてくれた。
飛翔「誰だ!?」
「刀をお納め下さい。私は、飛翔様のお世話をさせて頂くロベルタです」
飛翔「!?」
名前を聞いて驚く。ロベルタと言えば、ブラックラグーンのキャラで、女版ターミネーターと言ってもいい。
飛翔「・・・何でロベルタがここにいるんだ?俺が頼んだ覚えはないけど?」
ロベルタ「地上での生活をサポートするために、私は呼ばれました」
飛翔「確かに・・・女版ターミネーターがいれば、無敵だわな。取り合えず、これから宜しく」
ロベルタ「宜しくお願いします飛翔様」
取り合えず、これからロベルタと一緒に過ごす事になりそうだ。翌朝、俺は通うことになる白鳳女学院にやって来た。
飛翔「ここか~」
建物を見ながらそう言う。
飛翔「けど・・・視線が辛い」
そうなのだ。さっきからすれ違う生徒はもちろん、離れたところからの視線も辛い。俺はさっさと職員室に向かった。
飛翔「すみません。今日から通うことになりました有里飛翔です」
「君がそうか。今回のテスト生に選ばれた男子生徒は」
飛翔「はい。宜しくお願いします」
「宜しく。なら、君の教室に行こうか。君の事は、入学式や始業式に校長が説明してくれてるから。質問攻めになると思うが、頑張って」
飛翔「あっ・・・はい」
そして俺と担任は、教室に向かった。
「ここが今日から、君の教室の1年雪組だ。私が呼んだら入ってきなさい」
先に担任が教室に入っていく。
「席につけ~!早速だが、転校生を紹介するぞ。噂になってる、男子生徒だ。入ってきなさい」
呼ばれたので、教室に入る。入ると同時に、女子生徒の視線が一気に此方を向く。
飛翔「え~、先程紹介されました男子生徒の有里飛翔です。白鳳女学院を共学にするためのテスト生に選ばれました。男子が来て戸惑うと思いますが、仲良くしてください。宜しくお願いします」
『は~い!!』
「自己紹介も終わったし、有里はあの席に座れ」
端末を弄り、俺が座る席に矢印を出して言う。俺は指定された席に座る。
「さて、一時間目の授業は、有里に質問コーナーにする」
それから一時間、質問攻めにあった俺はグッタリしていた。
飛翔「は~・・・ようやく解放された」
「大丈夫?」
俺に声を掛けてきたのは、この世界の主人公である加藤茉莉香であった。
飛翔「そう見えるなら、いい眼科に行くことをオススメする」
茉莉香「だよね~。私は加藤茉莉香。よろしくね」
「私は、茉莉香の友達の遠藤マミだよ」
飛翔「俺の自己紹介はいいよな?」
茉莉香「そうだね。気軽に茉莉香って呼んでね。私も飛翔君って呼ぶから」
マミ「私も同じく♪」
飛翔「別にいいけどさ」
俺は、未だグッタリしながら答える。
茉莉香「ところで、飛翔君って部活に入るの?」
飛翔「それもさっきから言われたよ。色んなとこからの勧誘を」
茉莉香「確かにね~。ただでさえ男子生徒は珍しいしね」
マミ「差し詰、客寄せパンダみたいだね」
飛翔「ほっとけ!」
俺は、少し声を張り上げながら言う。
茉莉香「私は、ヨット部に入ってるんだ。もし興味あれば見学に来てよ」
飛翔「いずれな」
そしてチャイムがなり、二人は自分の席に戻っていった。休み時間になる度に、他のクラスからも生徒が来たが、何とか乗りきり放課後になる。
飛翔「やっと放課後か。さて、どうするかな」
俺はどうするか考えてると、遠藤がやって来た。
飛翔「どうした遠藤?」
マミ「マミだって。飛翔君今から時間ある?」
飛翔「あるけど?デートのお誘いか」
マミ「ち、違うよ///私が働いてる《ランプ館》に茉莉香も働いてるから、来てみない?」
飛翔「部活もしててバイトもしてるのか。頑張り屋だな」
マミ「でしょ~♪」
飛翔「茉莉香がだよ」
俺は、直ぐに訂正しておく。
飛翔「けど、暇だし別にいいぞ」
マミ「なら決まり♪」
こうして、俺は遠藤と一緒に二人がバイトしてる《ランプ館》にやって来た。
茉莉香「いらっしゃいませ♪って飛翔君!?」
飛翔「ここが、お前らがバイトしてる所か」
マミ「私が連れてきました♪」
敬礼をしながら言う遠藤であった。
飛翔「いい雰囲気だな。けど・・・客層が随分と濃いな」
周りを見ると、サングラスを掛けてる連中や、サイボーグっぽい連中。しかも全員黒服だ。
茉莉香「あはは・・・何時もはこんなんじゃないんだけどね」
マミ「皆茉莉香の知り合い?」
茉莉香「んなわけないじゃん!」
飛翔「取り合えず、コーヒーとサンドイッチをくれ」
茉莉香「かしこまりました」
茉莉香と遠藤は、カウンター裏に引っ込んでいく。そして、注文の品を持ってきてくれた。
茉莉香「お待たせしました」
飛翔「どうも」
俺はサンドイッチを食べ、コーヒーを飲んで一息つく。すると、店の扉が開く音が聞こえた。入ってきたのは、一人の男だった。
「加藤茉莉香さんですね?」
茉莉香「はい」
「私は、新奥浜空港の者です。管制官の加藤梨理香さん、貴方のお母様から緊急保護の要請がありました。中継ステーションで問題が。詳しくは車内でお話しします」
男は、茉莉香を連れて出ていこうとするが、俺がそれを止める。
「・・・何か?」
飛翔「少しいいですか?先程の話が本当なら、本人に何かしら連絡やそういう書類があるはずですが?」
俺の言葉に、男は黙っている。そして、懐から武器を取り出した。しかし、俺がはいち早く刀を取り出して茉莉香を守る。
「グアッ!!」
飛翔「弱っ!そんなんで、よく連れ去ろうとしたな」
「クソッ!」
飛翔「さて、誰がこんな事をしたんだ?」
俺は刀を突きつけながら聞く。すると、店にいた連中が銃を撃ち始めた。
飛翔「マズイ!逃げるぞ!!」
茉莉香「えっ?ええっ!?」
俺は茉莉香の手を握って、裏口から逃げ出す。
「こっちよ!!」
すると、裏口から出た時に黒い制服を着た女性がいた。
飛翔「茉莉香!アイツについていけ!!」
茉莉香「飛翔君は!?」
飛翔「俺は、中の連中を片付ける!!」
そして俺は、ロベルタに連絡をいれて、茉莉香達を護るよう伝える。俺が店に戻ると、既に倒された後だった。
飛翔「何が起きたんだ!?」
「『何が起きたんだ』じゃないわよ」
「そうですね。一人で行くのは無謀ですよ」
飛翔「クレア!?それにチェキータも!?」
そこにいたのは、俺の船員であるクレアとチェキータであった。
飛翔「何でここにいるんだ?」
チェキータ「当然でしょ?船長を護るのも私達の役目よ」
クレア「もっとも、船長には必要ないかも知れませんけどね」
そんな話をしてると、一人の女性が話し掛けてきた。
「ちょっといいかしら?」
クレア「はい。何でしょうか?」
「そちらの船長と言われている貴方と話したいのよ」
飛翔「ん?」
振り向くと、白衣に身を包んだ女性が立っていた。
飛翔「俺に何か用ですか?」
「ええ。お互い自己紹介しましょう。私はミーサよ」
飛翔「有里飛翔です」
ミーサ「よろしく♪ところで、貴方は何者なの?」
飛翔「何者・・・とは?」
ミーサと言われる女性は、俺から視線を外さない。
ミーサ「見たところ、茉莉香と年齢は代わらない貴方が、あそこまで強いのにも驚いたけど、後ろ二人の女性の強さ。そして、先程の知り合いから連絡があったけど、ロベルタと言うメイドが茉莉香を護ってたそうよ。あれも貴方の知り合い?」
飛翔「ええ。ウチのメイトですが?」
ミーサ「なるほど。そして極めつけは、船長という言葉。何処の船なの?」
飛翔「・・・・・・」
俺はどう答えたらいいか考える。すると、チェキータが言う。
チェキータ「悪いけど、それは教えれないわ」
ミーサ「何故かしら?」
チェキータ「見ず知らずの奴に、教える必要はないわ」
クレア「そうですね。ですが、私達は貴方達と敵対するつもりはありません」
ミーサ「それを信じろと?」
クレア「そうですね」
チェキータ「それに、私達に手を出せば・・・まずい事になるわよ♪」
チェキータは、わざとらしくウチの紋章を見せる。
ミーサ「!?その紋章は!!」
気がついたのか、ミーサは驚きの表情をする。ウチの艦は、銀河帝国をも恐れるのである。神様がそう設定してくれている。
ミーサ「まさか、本当にいるとは思わなかったわ。先程の無礼をお詫びします」
飛翔「別に気にしてませんよ。何かあれば、手助けをしますので」
そして俺達は、艦に戻るのであった。
飛翔「ってか、この紋章始めて見たぞ」
クレア「そう言えば、教えていませんでしたね。でしたらこれを渡しておきます」
クレアは、ウチの紋章がはいった懐中時計を渡してきた。
クレア「これは、この世界の通信機になっています」
飛翔「そう言えば、茉莉香も使ってたな」
束「ぶ~!束さんだったら、もっといいのが作れるのに」
ココ「束さん。この世界の基準に少しは合わせないと。ただでさえ、ウチの艦は規格外なんですから」
じゅり「そうだよね~。医療具もウチの艦は違うからね。束ちゃん様々だね♪」
そんな会話をブリッジでしていた俺達であった。
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