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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories

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SAO編 Start my engine in Aincrad
Chapter-8 74層攻略
  Story8-8 四剣奏でし協奏曲

シャオンside


俺たちの目の前に現れた災厄の悪魔。

「こいつ倒さねぇとこの部屋から出られねぇってか!?」

「だろうな……やるしかない」

「でも……どうやって?」



その隙に悪魔はキリトに向かっていった。

キリトは数値的には回復しているものの二刀流の疲労が抜けきっていない。

一瞬、キリトの反応が遅れた。

「キリト君!!」

アスナも剣を抜いたが……あまりにも遅すぎる。

「うぉぉぉぉぉぉっ!」

俺は二刀で悪魔の刀を弾き返した。

「下がれ!!」

俺はキリト達にそう命じ、繰り出される斬撃を弾き続ける。

しかし、力が強過ぎる。腕に力が入らない。
それでも悪魔の攻撃は止まらない。


力が抜けてく…………


「シャオン君!」

フローラが強力な技で相手をノックバックさせた。


悪魔も負けじと、フローラへ攻撃を放つ。

両腕の剣を同時に防ぐのは難しく、フローラも徐々に被弾していく。


なんとかしないと……!

その思いと裏腹に動かない俺の体。






アスナ、キリト、クライン、フローラ……みんな必死で戦っているのに俺の体は動かない。

みな、HPは注意域をきっている。


そこに迫る、非情の斬撃。



「…………」

あまりにも自分が無力で笑えてくる。確実にみなを死へと誘う斬撃を見ているしか出来ない俺に。














フレンドシッパーのみんなにも……ラフコフ討伐の時も……俺の手は届かなかった。誰にも。



そして…………今回も…………



もう二度とあんな思いしたくないんだ。



これ以上…………俺の目の前で散っていく人を…………作りたくない。



だから……俺は手を伸ばす! 皆の手を……明日を……未来を! 掴むために!


少しだけでいい…………俺に……すべてを守るだけの力をくれ……!


ここに記すよ……俺の力たちが作り上げた……一度きりの協奏曲を…………














「生きる…………そして守る!

どこまでも届く俺の手で!

SEED Mode-Acceleration!
イグニッションドライブ!」

グォォォアアアアア!!

みんなに迫っていた斬撃を押し返し、距離をとる。

「キリト! 30秒だけ時間をくれ!」

「分かった!」



ワンミスも許されない操作。



神速剣スキル特殊能力 ソードユニゾン

剣に剣を同化させる。

装備品のソードユニゾンの欄に、ムーブドミューズプレーヤーと64層LAの〔聖十字の剣〕ブレードオブホーリークロスを追加する。

「キリト! スイッチ!」

走り出した瞬間……俺の姿は変わった。

目は、右が蒼で左が翠。

もともと濃い藍色の髪の毛には橙色と白のメッシュが一房ずつ入る。


シンフォニックギアコートはこの時だけ専用防具へと名前を変える。

その名は「コートオブシンフォニックカルテット」

コートの色が蒼系統のみから翠、蒼、白、橙の4色に変わる。















フローラside

何……あの姿……


目の前のシャオン君は、いつもより強い輝きを放っている。両手に持つ剣も、いつものようでそうじゃない。

でも……その姿はきれいだった。

まるで……

「オーロラみたい……」

少し戸惑ったけど、その輝きは……きっとシャオン君の新しい力なのだと直感した。

大切な人を守るときだけ見せる表情が物語っていた。

「フローラ! なんだ、あのシャオンの姿は!?」

「私にも分からない。

でも……今のシャオン君は…………強いよ。

だって…………」

シャオン君だから…………


私たちはシャオン君の邪魔にならないように少し離れた。














シャオンside



「さあ……奏でるぜ……剣で作る旋律を!」

その言葉と共に、俺は悪魔へ駆け出すとキリトやアスナよりも速い、攻略組最速の片手剣突進技〔ヴォーパルストライク〕を繰り出す。
それは阻まれたが俺の攻撃はここで終わりじゃない。

「いっけぇぇぇぇぇぇ!!!!」

ここから悪魔が嫌がる聖なる攻撃。

神速剣スキル12連撃技〔セイクリッド・パージスラスト〕

悪魔を吹き飛ばすと連二刀流スキル突進技〔シューティングスター〕で距離をつめ、連二刀流スキル48連撃技〔エンドレス・ホーリーラッシュ〕を右手の剣にぶつける。


加速によるバーストダメージで剣がへし折れ、悪魔は左手の剣で攻撃しようとする。

「無駄だ」

神速剣スキル14連撃技〔スターライト・エンシャリオン〕で動きを止め、連二刀流スキル48連撃技〔メテオリッター・スタードライブ〕で左手の剣も破壊する。


武器のない悪魔は今度は腕を使って攻撃してくる。


俺は神速剣スキル13連撃技〔ドライブレード・フルスロットル〕で悪魔を強制的に上に飛ばした。

さらに、左右の剣を同じ方向に振りかぶり、空を舞った。

「落ちやがれ!!」

放たれる悪魔の攻撃を連二刀流スキル48連撃技〔フルアクセル・ストライクエンド〕で無理やり止めて落下させる。

そのままがら空きの胴体に今度は右の剣で袈裟斬りを決め、次に左手で多段回転斬り。

ト音記号を書くように斬る技、神速剣スキル10連撃技〔フルサウンド・クライシス〕

10連撃の最後でもう一度悪魔を上に飛ばした。



そこに、飛んでいる悪魔の翼を貫くほどの一撃をぶつける。

連二刀流スキル48連撃技〔サークリング・クレッシェンド〕 反撃ごと押し返して翼を撃ち抜いた。


グギャアアア!!


その刹那、悪魔は唐突に消えた。


俺の背後に立つ悪魔。

「星の光よ……すべてを越えて降り注げ!

スターライト……ライジングアクセレア!!」

背後に現れた瞬間に発動させた連二刀流スキル最強75連撃技〔スターライト・ライジングアクセレア〕

 
悪魔から繰り出される転移後の変幻自在の攻撃をソードスキルで押し返していく。

その間俺の知覚はフルスロットルで稼働し続け、攻撃速度をさらにあげていく。






神速剣も、SEEDも、連二刀流も『俺の手がどこまでも届くように』願って使うスキル。
誰かを守り、笑顔を守り…………すべてを守り、未来を斬り拓くスキル。

この三つを総動員して使ったとき…………俺は誰も見ない速さへたどり着ける。



速さへの渇望が俺の速度を上げていく。

仲間への思いが速度を上げていく。



剣が奏でる旋律は鋭く……そして美しく流れていく。




俺は……フローラを、キリトを、アスナを、クラインを守るために……最後の扉を開ける!


すべてのスキルを越えた手数を持つ連二刀流スキル。


それをさらに越えて放つ。今奏でている四剣の協奏曲が書かれた楽譜のピリオドを打つために。


「うぉぉぉぉぉぉっ!!!」

俺が先程放った〔エンドレス・ホーリーラッシュ〕〔フルアクセル・ストライクエンド〕〔メテオリッター・スタードライブ〕〔サークリング・クレッシェンド〕
が24連撃ずつ入っているため、SAO内最多連撃数を誇る。



俺の持つユニークスキルをすべて合わせた…………連二刀流、SEED、神速剣スキル融合最強96連撃技〔ライトスピード・ホーリーカルテット〕

光速で放つ……聖なる四重奏。


ガァァァァァアッ!!

吠えていたのは俺だけで無かった。悪魔も最期の抵抗に青い炎を纏った拳を振りかざす。

「いっ…………けぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」

俺は96連撃最後の一撃である二連上段斬りを繰り出した。


容赦なく悪魔を頭から切り裂き、体を二つに割った。

それに一瞥し、後ろを向き左右の剣を交互に振った。

次の瞬間、悪魔はその存在全てをポリゴン片へと変え、爆散した。



その瞬間……俺の体がその場に崩れ落ち、4つの剣が転がった。















◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆















数分後……俺は目を覚ました。

「シャオン君!!」

「…………フローラ?」

「よかった…………もう、無茶しすぎだよ」

「みんなを守るために必死だったから」

「はい、ポーションあげる」

「おう」


そこにキリトたちがやって来た。

「やっと目ェ覚めたか…………

そういや、お前、あのスキルはなんなんだ?

まだ隠してたスキルがあるのか!?」

「俺も知りたい」

「さっきのは…………SEED Mode-Accelerationとイグニッションドライブ、神速剣スキル特殊能力 ソードユニゾンを同時に使った…………

言うなれば最強モードみたいなもんかな」

結局、神速剣スキル隠し通せんかった…………

「神速剣スキル…………シャオンの三つ目のユニークスキル…………か」

「やっぱりシャオンはチートだったな」

「でも…………防御力の低下で-50だろ?

ソードユニゾンはHPを1/6削る。

完璧なスキルじゃないよ?」

「え…………」

「よほどの能力がない限り使えないシステムだからな。

俺が片手剣を4本持ってるのはソードユニゾンを使うためなんだ。

エターナリィアクセル、スターライトクリエイター、
ムーブドミューズプレーヤー、ブレードオブホーリークロス。

俺が使う剣だ…………っ」

「そんなに持ってたのか…………て、おい! シャオン!?」

「…………ダメ…………疲れが残ったまま…………」

俺はフローラの膝の上に倒れこむ。

「え、ちょっ…………



もう…………お疲れ様」

「くー…………!! いいねえ彼女持ちは!

キリト、俺はアクティベートしてくる!」

「俺もいくよ」

「私も」

「またな、フローラ」

「うん」





少しして……意識が少し回復した。

「ごめん……フローラ……俺もう動けねぇや」

「謝ることなんてないよ♪ 今日のシャオン君、一番かっこよかった。


だから、今日だけは…………気が済むまで休んでね」















Story8-8 END
 
 

 
後書き
シャオンの真の力がついに出ました。
3つのユニークスキルを同時に使うというチート能力を発揮して
一人で倒しました。

カラーリングは…………あまりよくないかも。

次回は、この決戦の後の男二人を書きます。

じゃあ……

フローラ「次回も、私たちの冒険に!」

シャオン「ひとっ走り……付き合えよな♪」
 
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