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とある愚者の転生記

作者:冬夏春秋
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転生者のプロローグ
  第二話 俺、才能無いんじゃね?

 
前書き
主人公が念能力を修行します。
ちなみに、主人公は念能力を大事なところを間違えて覚えているうっかりさんです。 

 
 修行するといっても、現実問題、今は小学一年生。
 一応勉強する必要はないと言っても、学校を休んで修行なんてできません。さすがに、学校休んで修行とかはナイですわ。かと言って、あまり激しい修行をしたり、端から見ておかしなことをすると親に勘ぐられるだろうからそんなこともできませんしね。

 なので、学校に行く前に毎日三十分ほどのトレーニングをすることにしました。
 幼少の頃から筋肉つけるトレーニングをすると背が伸びないと聞くので、ランニング・腹筋・腕立て伏せ・ストレッチを適量する感じですね。まあ、他のトレーニング方法を知らないと言うこともあるんですが。

 普通にトレーニングが続けられるようになると、それらを「(テン)」をしながらすることにします。名付けて「纏」トレーニング。

 「纏」というのは、自身のオーラが拡散しないように体の周囲に維持する技術です。
 「纏」を行うと体が頑丈になり、身体能力も格段に上がります。念能力の基本中の基本ですね。

 ですが、最初は5分でバテました。「纏」は念ができるようになってからずっと続けて来たので、もっとできるかと思ってたのですが、「纏」をしながらトレーニングするというのはかなりキツイです。

 なので、バテたら休憩がてら「(ゼツ)」をします。

 「絶」というのは、自分の体から発散されるオーラを絶つ技術です。
 「纏」がオーラを体の外・表面に維持する技術なのに対し、「絶」は体の内でオーラを維持する技術と言えます。オーラを体の内部で維持することにより、気配を絶ったり、疲労回復を促進させることができるようになります。

 「絶」をして疲れがとれたら、また、「纏」をしながらトレーニング。
 後はまぁその繰り返しです。
 少しずつ「纏」の時間を延ばすのが目標です。

 3ヶ月ほど続けると「纏」トレーニングを「絶」つまり休まずにできるようになりました。
 「纏」で身体能力が上がるので、30分で走れる距離やスピードもかなり上がりました。

 なので、次の段階として、「(レン)」でオーラを増やすこと。
 そして、その増えたオーラで「纏」をする「(ケン)」の修行に移ります。

 「練」というのは、体内でオーラを練り上げ、通常以上にオーラを生み出す技術です。

 「堅」というのは、「練」で増幅したオーラを維持する技術です。
 通常念での攻防は「堅」で行い、この状態の維持時間が最低限の継戦時間と言えるでしょう。要延長です。

 最初の日、「練」で産み出したオーラに驚いて、そのままオーラを出し尽くして倒れてしまい「俺、才能無いんじゃね?」と凹んだのはいい思い出です。

 結局、30分間「堅」でトレーニングすることができるのに半年かかりました。

 ただ、この世界はトレーニングの効果の出方が色々おかしい。
 鍛えれば鍛えるほど効果が如実に現れます。
 前世で「運動会の日に雨が降らないかなぁ」と毎回考えていた人間が、「運動会が楽しみだ」と考えるほど、トレーニングの効果は現れています。


 学校の授業中も念の修行しています。
 やるのは、「(エン)」「(ギョウ)」「(シュウ)」の修行です。

 「円」というのは、体の周囲からオーラを広げていき、「円」内部にあるモノの位置や形状を感じ取ることができるようになる技術です。

 授業中、少しずつ「円」を広げていき、周りの人が何をやってるか、見なくてもわかってくるというのは成果がわかりやすくて、励みになりました。

 それに比べて、「凝」と「周」は………。

 「凝」というのは、オーラを体の一部に集め、増幅する技術です。
 オーラを集中させた箇所は攻防力が飛躍的に上昇し、その身体能力も上がります。「凝」を目で行うことによってオーラを見ることや、「凝」の能力が上がれば隠されたモノを見ることができるようになります。
 
 が、実際には、目にオーラを集中!
 視力が上がった!
 ただし、それだけ。
 普通の学生生活で「凝」を使わないと見えないモノなんてないものですから、結局視力が上がる効果しかわかりません。
 「凝」なのに成果が見えない感じです。

 「周」というのは、物にオーラを纏わせる技術です。
 対象物の持つ能力を強化するので、刃物なんかは切れ味が強化されます。

 が、実際には授業中に「周」できるのはシャーペンや消しゴムぐらい。
 シャーペンが丈夫になった! 消しゴムの消去力が上がった!
 で、それがなに?という感じです。むしろ気をつけないと強化されたシャーペンや消しゴムでノートをダメにしてしまいます。

 結局、両方とも持続時間が延びるぐらいしか成果がわからず、微妙な修行です。

 家に帰ると「纏」「絶」「練」「円」「凝」「周」に加えて「(イン)」「(コウ)」「(リュウ)」の修行です。

 「隠」というのは、自分のオーラを見えにくくする技術です。

 「隠」の修行は1人だとできてるのか、できてないのかがわかりません。
 なので、パートナーとしてぬこを選びます。
 「堅」により身体能力を上げ、そのオーラを「隠」で隠し気配を絶ち、日なたぼっこをしている猫を捕まえるのです。
 モフモフしたり、肉球をさわったり、精神が癒され「こうかはばつぐんだ」。

 ちなみに、授業中に「絶」や「隠」をし続けると先生から当てられるのを回避できます。

 「硬」というのは、練ったオーラを全て体の一部に集め、特定の部位の攻防力を飛躍的に高める技術です。
 「練」でオーラを増やし、「纏」でオーラを維持し(「堅」)、「硬」で集める以外の箇所に「絶」をし、「凝」以上にオーラを集中させる発展形の技術です。

 「硬」は、「堅」「絶」「凝」の複合技術ですが、順に時間をかければ、割とすぐにできました。
 「俺って才能あるんじゃね?」と思った瞬間、「硬」が切れました。
 つまり、「硬」は時間をかければすぐにできる技術で、できるできないではなく、「硬」を発動する時間をいかに短くするか、「硬」で発動するオーラの量をどれだけ増やすかが重要なのでした!
 ………、要修行です。

「流」というのは、オーラを体の各部に意識的に振り分ける技術です。
 不必要なところの不必要な量を必要なところに加えることによって、必要なところのオーラの量を増加させます。残す量や箇所、増やす量や箇所、増減の速度など基本であり、最終ともいえる技術です。

 原作のようにオーラの量を○%とかがわからないので、オーラをスムーズに動かすというのを目標にして、「凝」の塊を体に這わせて動かす修行をしています。
 亀のように動くオーラを感じるのはかなりせつないデス。
 最初は動かすだけで「凝」が切れました!

 念能力も少しはカタチになってきたかなと思う頃には、8歳になっていました。ホント月日は早いものです。
 ちょうど良いので、7月の誕生日に「水見式」を行います。
 
 「水見式」というのは、グラスに水を入れ、その上に葉っぱを浮かべ、両手をグラスの脇にかざし「発(練)」を行い、グラス内で起きた変化によって念能力者の自身の系統を判断する方法です。

 念の系統には、強化系・変化系・操作系・具現化系・放出系・特質系の6種類があります。
 自分にあった系統の方が当然伸びやすいので、系統別の修行を行う前にそれを把握します。

 強化系は、自分自身を含め、モノの持つ働きや力を高める能力です。
 水見式では、原作主人公のゴンがだばだば水をこぼしたシーンがあった。

 変化系は、オーラの性質をゴムや電気や糸等に変化させる能力です。
 水見式ではキルアがなめて「甘い」って言ったシーンを覚えてる。

 操作系は、オーラによって物質や生物を操る能力です。
 水見式ではそのものずばり葉っぱが動くはず。

 具現化系は、オーラを物質化する能力です。
 水見式ではクラピカが水の中になんか出てきて残念がってたシーンだな。

 放出系は、オーラを体から離した状態で維持する能力です。
 水見式では色が変わるんだっけか。原作では後になってレオリオが放出系らしいが、水見式のシーンはなかったはず。

 最後の特質系は、それ以外、と。






 さて、ちょっと洒落たワイングラスに水を入れ、葉っぱを浮かべて、満を持しての「水見式」です。
 一応、念のため、水道水ではなくアル○ス天然水を使います。

 テンション上がってきました!

 さぁ、どうなる!?

 水が!



 水が!






 何も変わっていません。

 水の量も増えなければ、葉っぱも動かず、水の色・味・中身にも変化ありません。

 あっれー?

 才能無いのはあきらめてたけど、失敗するとは思わなかった………。

 とりあえず、もう一回やるか………。

 今度は表面張力いっぱいにワイングラスに水を入れ、そっと葉っぱを浮かべます。

 そして、両手をグラスに掲げて、「練」!



 むぅ。やっぱり変化がない。






 いや、これは水が減っているのか?

 表面張力いっぱいの水が少しだが減ってるな………。

 ナニコレコワイ。

 水見式を行ったら、水が減りました。
 念のため、数回行いましたが毎回水が減りました。
 回数を重ねる度に減る量が増していき、10回目には見てわかる程度には減っているのがわかりました。
 なにこれ?

 まぁ、落ち着け、俺。
 そう、KOOLだ、KOOLになるんだ。違う、COOLになるんだ。

 水見式の結果から見ると、え? 特質系?

 うわぁ~、まいったなぁ。
 そっかぁ、特質系かぁ。
 あれだよね。六性図で、強化系の相対。
 特殊な能力を創れるけど、基本能力が強化系の四割。
 困っちゃうなぁ。
 ニヤニヤ。
 というか、笑いが止まりません。
 そう、特質系ならば、欲しかった能力が創れる(かもしれない)。
 そう思うと笑いが止まりません。
 重要だから二度言いました。

 さぁ、創ろうか。



 って、どうすれば創れるんだ?



 むむ。とりあえず、創りたい能力を思い浮かべながら「発」を毎日繰り返すか。ていうか、それぐらいしか特質系の能力の作り方なんて思いつかん。



 ちなみに創りたい能力というのはこうだ!

『四次元ポケット』
 この能力は、さわった対象を四次元ならぬ念空間にしまい込み、能力者がポケットと認識したところに手を突っ込み、そこからしまい込んだ対象を取り出す。
 ド○えもんのポケットのように、念空間にしまう対象の重さや大きさは無視される。
 念空間に入っている間は、対象の時間は停止する。

 制約と誓約
 能力者が生きているモノと判断している対象はしまうことはできない。
 この能力で念空間に入れるモノは最大99個であり、入れている間は能力者の最大オーラ量の50パーセントを消費する。つまり、1個につき約0.5%の最大オーラ量を消費する。
 この能力でモノを出し入れするのは「絶」状態の時でしかできず、出し入れ中は「絶」状態となる。

 原作で出てきたノヴさんの「4次元マンション(ハイドアンドシーク)」の変形版だからきっとできるはず!



 この日から毎日寝る前に「発」の修行をする小学二年生が誕生しました。



 系統別修行を始めるようになってからは、学校から帰った後、「纏」「絶」「練」「発」「円」「凝」「周」「堅」「隠」「硬」「流」の基礎修行の前に1系統を1度だけします。
 特質系の修行の仕方がわからないので、満遍なく他の系統修行をすることにします。

 強化系の修行は石割り。石を持ち、持った石に「周」と「硬」をして、延々とその石で別の石を割って行きます。「周」と「硬」の発動時間の短縮と持続時間の延長を目指します。
 変化系の修行は掌の上で数字をオーラで表します。その後、数字を切り替えていきます。変化させる形と変化速度の向上を目指します。 
放出系の修行はオーラを身体から切り離します。ぶっちゃけ「かめ○め波」の再現です。放出量の増加と放出にかかる時間の短縮と放出箇所(掌から指先・足先まで)の増加を目指します。
 操作系の修行は水を詰めた風船を掌に載せ、水を操作し風船を割ります。これまたどこかの「螺旋○」の再現です。操作する量と動きと速度の向上を目指します。
 具現化系は特になにもしません。というか、具現化したいモノがないのでクラピカみたいにすることがないのです。

 ちなみに最終目標は、強化系は「周」と「硬」で「武装色の覇気」。
 変化系でオーラを刃物状や盾状に変化させ「霊波刀」「サイキック・ソーサー」。
 放出系で両手から出して「かめはめ波」、指先から出して「霊丸」、足裏から出して「縮地」。
 操作系で「螺旋丸」。
 後は、放出系+操作系で「操気弾」、放出系+変化系で「気円斬」かなぁ。「操気弾」ができれば「堅」のオーラを操作して「舞空術」みたいに空を飛べないかな? という感じです。

 うわぁ、夢が広がりまくりだ。 
 

 
後書き
「武装色の覇気」・・・・・・・・ワンピース
「霊波刀」「サイキック・ソーサー」・・・・・・・・GS美神極楽大作戦
「霊丸」・・・・・・・・幽々白書
「縮地」・・・・・・・・ネギま!
「螺旋丸」・・・・・・・・NARUTO
「かめはめ波」「操気弾」「気円斬」「舞空術」・・・・・・・・ドラゴンボール

実は主人公は勘違いしており、自身は「強化系」であり、「四次元ポケット」は具現化系能力になります。 
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