魔法科高校~黒衣の人間主神~
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追憶編
元部下との会話×敵襲からの避難
「防音結界を張りましたから大丈夫ですよ。玄信に繁留」
「なるほど。先程の魔法、あのサイオン波動は術式解体ですか」
「それだけでは無いでしょう。何かで、桧垣上等兵を浮かしたのですから」
「お前らも知っての通り、術式解体後は風術だ。竜巻を横に放ち、ジョーを天井まで浮かせたのさ」
「お父様はお二人も知っての通り、表は人間であり裏では神様です。魔法は何でも使えて、魔法を無効化出来る事もね」
「やはりそうでしたか。すると深雪さんも神様でしょうか?」
「『大漢崩壊』の最後に出てきた創造神黒鐵は俺で、深雪は女神雪音となっている。俺と深雪は何でも出来るが、表では人間として活動している。それと零達也とは俺の事であり、零雪音は深雪の事だ」
とまあこんな感じだったけど、俺らの話が終わった所で今度はCADについて話が来た。俺は持っていないと言うか使わない事をな。
「使わない、と言うより一真さんの魔力についていけないという事ですかな?」
「そう解釈で構わないですよ。深雪のCADは、俺らで開発した最新型ですしね。俺は拳銃型特化型CADがありますが、使う機会がなくてね」
「深雪さんのCADを見せても構わないであろうか?」
「お父様『いいよ。見せてあげなさい』はい。えーとこれです」
携帯端末型のCADを取り出してから、指パッチンにより擬態を解除した最新型CAD。姿を現した事で繁留は目を光らせてCADを見た。手に取ってたりしてたけど、俺らの最新型だからなのか観察してた繁留。
繁留が開発した試作型CADを見てもらえないか?と頼まれたので快く承諾した。深雪のデバイスを返した後、ストレージをカートリッジ化した特化型のをこちらはもう開発済みだけど見学した。俺は蒼い翼所属でFLTの会長をしているし、案内された所は綺麗にされていた研究室だった。
深雪は少し疲れていたので椅子を借りて座らせた。試作型のを見せてもらったが、俺が開発したのとは少々劣化していたがしょうがないと言えばしょうがない。
「この武装デバイスは、加速系と移動系の複合術式が組み込まれています。7.62ミリ弾で最大射程16キロですね」
「今の時点ではそこまでが限界か。俺らが開発したブツはこれと同じだが、最大射程が数十キロ離れた標的を撃つ事が可能だ」
こんな感じで説明をしていたし、繁留に俺らの技術を少しだけ見せてやった。それからまた会う事になるかもしれないが、俺と深雪に蒼太は車に戻って別荘に戻った。帰るともう夕方になっていたが、帰ったら深夜達も戻っていた。
深夜達が、着た写真のデータを見せてもらった。よく綺麗に写ってるなと思ったが、沖縄に来てから4日目になって平穏時、俺と深雪は穂波さんが見つけてきた紙の魔導書を見ていた。今はデータ化されたのが多いが、秘匿なモノについては紙で保管されているのが多い。
「それにしてもよく見つけてきましたよね?この魔導書は」
「そうだな深雪。本来これは、魔法科高校生が読む事が出来る代物だ。俺達は普通に読めるしな」
魔導書を読んでいるとあっという間に1日が経過してしまい、次の日から家族でいる事が多かった。スキューバダイビングに行ったり、海で泳いだりと8月4日に沖縄に来てからあっという間に沖縄海戦日である11日になった。いつでも行けるように、別荘で待機してたりトレミー内にいる隊員達はいつでも出撃出来るようにパイロットスーツを着ていた。
「ついに今日になったわね。いつ動くかは分からないけど」
「いつでも動けるように、海中にいるトレミーはコンディションイエローらしい。俺達は俺達で、何をするかは決まっている」
いつも通りの朝食をしていたが、情報機器から緊急警報が流れ出た。やっとか。警報の発令元は、国防軍で言う事は攻撃を受けているという事だ。俺らはその警告を見ながら、トレミーのコンディションをイエローからレッドに変わった。情報を月中基地支部から仕入れて、トレミーで分析中にテレビ画面ではこう言う事が流れていた。
『西方海域より侵攻。宣戦布告無し。潜水ミサイル艦を主兵力とする潜水艦による奇襲、現在は半浮上状態で慶良間諸島を攻撃中』
ずっとこれが流れていた。
「やっと来たようね。一真さん、私達はどう動く?」
「とりあえず真夜に電話をしてくれ。まだ俺らが動くべきではないからな」
「分かったわ。穂波、緊急通信で連絡して」
「畏まりました」
ここが戦争の対象になる事は知っていた事で、次に何をするかも知っているがあえてそうするまで。一般人なら動揺するな、と言われても動揺するだろうが俺達は違う。俺と深雪はCBメンバーであり、深夜は俺の妻になる前に四葉家の人間。穂波さんは深夜の護衛で、蒼太と桜花と沙紀は俺の部下。
俺はトレミーと繋げて、いつでも最新情報を知る為に国防軍のコンピューターにハッキングした。そんで詳細な情報を手に入れていた所、俺の通信端末が鳴ったのだった。
「はい織斑です・・・・まあこちらも情報集めてますし、落ち着いていますよ。基地にですか?とても有り難い申し出ではありますが・・・・まあ妻と相談してみます。後程連絡をしますので」
と俺が通信を終えた後、俺は立ち上がり深夜に言った。
「深夜。恩納空軍基地の風間大尉より連絡があった。基地内のシェルターに避難してはどうか?との申し出があったがどうする?」
「シェルターか。それは有り難いけど、トレミーに避難した方が良いのではないのかしら?」
との事だったが、一度会っただけで普通はこんな事にはならない。だが風間大尉は、俺達の知っている者だしな。すると穂波さんが深夜に受話器を取り出した。相手は真夜からで、しかもこちらが連絡しようとしたらあちらから連絡して来たからだ。本来だったら仲が悪いはずだけど、今回の深夜と真夜の関係は良好で俺らが介入をしたからな。
「もしもし真夜?・・・・今一真さん達もいるわ。基地内のシェルターに入るという提案が来ているけど・・・・なるほど、真夜が手を回してくれたのね。でもそっちよりトレミーの方が安全だと思うんだけど?・・・・そう分かったわ。一度は避難するけど、何かあれば一真さん次第ね。それじゃ私達も避難するけど、トレミーに避難したらまた連絡するわ」
深夜が通話を終えた受話器を穂波さんに差し出す。
「奥様。真夜様は何と?」
穂波さんは受話器を受け取りながら当然のように質問をした。
「国防軍のシェルターに匿ってくれるよう手配したそうよ」
「では先程一真さんが受けた電話は・・・・」
「そう言う事でしょうね」
「しかしシェルターより、プトレマイオス2改に乗ってた方が安心なのでは?」
「私もそう思ったけど、一度目だけは国防軍に頼ってみるのも良いのでは?と真夜がそう進言したらしいわ。一真さんが基地内が危険と判断したら、即座にトレミーに避難するとの事。いいかしら?」
「了解した。トレミーは海中から空中に出て、沖縄空中にて待機。その間、隊員達の出撃準備を完了させるさ。一度は国防軍に頼るのもいいが、軍内部に裏切り者が出るはずだからな。とりあえず真夜の言う通りにしてみるから、俺は風間大尉に連絡をする。その間に準備をしてくれ。蒼太達はいつでもビットや銃での攻撃が出来るようにな」
俺は風間大尉に連絡したら、迎えの車がそちらに向かったと聞いた。一度目はそちらで頼るが、二度目は俺らが介入するからと付け足した。迎えの車が来る間、蒼太達は戦闘服に着替えた。とはいえ半袖にジーンズだけど、防弾防刃で帽子を被っていた。ISのヘッドギアを応用した物で、量子変換でビットを操る事が出来るしISの兵器も使用可能。基地から迎えの者はジョーだった。
「一真、待たせたな!」
「タイミングがいい。さっさと行くぞ!ジョー」
数回しか会っていないのにこんなに打ち解けているのは、拳と拳で語り合った仲みたいな感じだ。俺を見た後、深夜や深雪達を見たら姿勢を正しくしていた。
「風間大尉の命令により、皆様をお迎えに上がりました!」
「ご苦労様です。案内をお願いします」
「ハッ」
必要以上に張り切った声で、口上を述べた上等兵に深夜が応えた。俺達は、ジョーが乗ってきた車に乗って発進した。荷物はトレミーに送ってあるから問題ない。道路は避難する市民で溢れ返り、立ち往生した車のクラクションと人々の怒号で混沌の坩堝かしている。
島中がひっそりと息を潜め、道を行き交うのは俺らが乗っている軍用車両ばかりであった。俺らは見慣れている。半世紀前での事で、まだ国連軍時代にな。敵襲警報中というより、戒厳令発令中という感じだ。俺らの車両は、国防軍の連絡車両に乗った俺達だから検問スルーで敵の攻撃を受ける事なく基地に到着。
戦端が開かれて、一時間が経過している現時点で未だに国籍も特定出来てない完全な奇襲だった。海軍と空軍は何してるんだ?と思ったが、敵を何とか食い止めている様子だと聞いた。本島以外の状況は、国防軍の発表を信じる以外に知る術が無いけど俺らは知る術がある。
現在空中にて、待機中のトレミーから情報が入ってくる。意外だったのは、基地に避難している民間人は俺達だけではなかった。俺らは表は民間人だが、百人近くが逃げ込んでいた。俺らがいる部屋に、民間人5人が地下シェルターの案内を待っている。
敵が攻めているのに、無関係な人を招き入れて大丈夫なのだろうか?俺達も戦うが準備完了である。内ポケットにハンドガン持っているし、空間には数々の兵器をしまっている。戦闘魔法は深雪や深夜と穂波さんは出来るし、深雪と深夜は精神系統で攻撃する。深夜は『忘却の川の支配者』という異名が付いている。
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