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魔法科高校~黒衣の人間主神~

作者:黒鐡
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追憶編
  状況分析×反逆者

「今銃声が聞こえたな。この基地内に裏切り者がいるらしい」

「一真さんも聞こえましたか。やはり銃声・・・・」

「正確にはハンドガンではなく、フルオート出来るマシンガンかアサルトライフルだな」

この状況の中で、正確に銃の種類を理解した。

「状況は分かりますか?」

「大体はね。この部屋の壁は魔法を阻害効果があるが、俺の眼だとそんなのは関係ないですね」

「なるほど。これは、古式魔法の結界術式が施されているようね。建物全体が、魔法的な探査を阻害する術式に覆われているみたいだけど」

「部屋内で、魔法を使うのであれば支障はないでしょう」

俺が言った事により、深夜達は静かに頷いた。深夜に深雪も訓練を受けているから、どんな状況になったとしても把握出来る。

「おい。き、君達は魔法師なのか?」

不意に少し離れて座っていた男が、俺と深夜に穂波さんの会話を聞いてたみたいで声をかけてきた。仕立てのいい服を着てるから、社会的地位がある者か?俺らに文句を言う程、根性は無さそうだ。一塊になって座っているのは家族のようだ。

「それが何か?」

いきなり話しかけて来たので、そう答える穂波さん。するとその男は尊大な態度で、大部分虚勢だとは思われるがこう続けた。

「だったら、何が起こっているのか見てきたまえ」

はあー。何だその面白くない冗談は。その物言いは使用人扱いだな。深夜や深雪は、その物言いに怒りを覚えたようだ。俺は二人の肩を置いて、落ち着かせてから穂波さんは言った。

「・・・・私達は基地関係者ではありませんが」

穂波さんは、ムッとした感じで言い返した。国防軍関係者では無いし、こんな奴の為に行く訳にはいかないが、俺らの主張はこの男には通用しなかった。

「それがどうしたというのだ。君達は魔法師なのだろう」

「ですから私達は・・・・」

この男は穂波さんの言葉を聞こうともしなかった。

「ならば人間に奉仕するのは当然の義務ではないか」

くだらない奴が俺らにその発言はないと思うが、蒼太達は蒼い翼所属の者と言えばあの男の発言権はないがまだ早い。仮にも魔法師に向かってその発言はないのでは?

「本気で仰っているんですか?」

穂波さんは殺気立っているし俺もだ。だが殺気を放てばこの男の命を散らす事になるが、そうならないように最小限の殺気でこの男を見ていた。目つきは俺と穂波さんでもっとキツイ事になったが、流石の男も怯んだようだが、コイツの暴言は止まらない。

「そ、そもそも魔法師は、人間に奉仕する為に作られた『物』だろう。だったら、軍属かどうか何て関係ないはずだ」

俺達を『物』扱いするとは、コイツは死んだ方が身の為か?コイツが言った事は、口にしてはいけないタブーな事だ。俺は怒りを抑えて言った。

「確かに我々は作られた存在かもしれんが、貴様に奉仕する義務はない」

「なっ!?」

「魔法師は人類社会の公益と秩序に奉仕する存在であって、見も知らない一個人から奉仕を求められようと貴様にその権利はない」

人類社会の公益と秩序に奉仕する。と言うのは『国際魔法協会憲章』の一節であり、魔法師以外である一般人でも知らされているフレーズだ。当然この男も知っているはずだ。

「貴様、私の権限で消してやろうか!」

服が少し高価なモノで、社会的地位があるからそういう風に言える。俺達は地位が高い奴であれど、俺達に指示を出す輩はいない。いるとすれば俺の部下ぐらいだろ。

「全く同じ大人としてそれはないでしょ。子供の前で恥ずかしくはないの?」

深夜がそう言ったら、名も知らない屑はハッとなり家族の方を振り返った。屑の子供達は、子供らしい潔癖性を以て、軽蔑な眼差しで屑を見ていた。明らかに動揺する屑に向かって更に反撃を入れる深夜。

「アンタは誤解しているようだけど、この国では魔法師の出自の八割以上が血統交配と潜在能力開発型よ。それも分かってないアンタみたいなのが、魔法師というキーワードを言うんじゃないわよ」

「ついでに言っとくが、俺達は大企業である蒼い翼の関係者。いくら貴様が社会的地位があろうとも、逆に俺が貴様を消してやってもいいんだぜ?」

蒼い翼と言った途端、静かになった屑野郎。やっと静かになったので、俺はこの建物内をスキャンし始めた。そしたら爆竹のような音が鳴り響いたので、これは敵が近くに居る証拠だな。ここに近づいて来る者は敵ではないな。足音は扉の前で止まったので俺と穂波さんで深夜と深雪の前に立つ。

俺は銃火器であるハンドガンで、穂波さんはブレスレット型デバイスで起動式を展開するのに十分なサイオンがチャージ済み。即時作動が可能な状態を長時間維持は難しい事だが、穂波さんのテクニックなら大丈夫だ。

「失礼します!空挺第二中隊の金城一等兵であります!」

警戒を保ちつつも、俺と穂波さんは緊張が少し緩んだけど警戒はした方がいい。深雪もドアの外からの声でホッとした感じだ。基地の兵隊が迎えに来たようだ開かれたドアの向こうにいたのは若い兵隊のようで全員『レフト・ブラッド』だった。まあこの基地はそういうのが多いんだろうな。

「皆さんを地下シェルターにご案内します。付いて来て下さい」

予想通りのセリフだが、俺の勘ではそこはヤバいと感じたので俺は言った。

「折角の申し出だが、俺らはこのままここに居させてもらう。俺らよりあちらの家族を地下シェルターに連れて行け。俺達は魔法師だから問題はない」

「しかし既に・・・・」

彼がそう言おうとしたが俺が手で止めた。

「基地内に敵がいる事は知っているが、俺達が敵を倒すしかない。関係ない者達の命まで散らせたくないし、あの屑とその家族を連れて行け」

と言ったら屑野郎は先に案内をしろとの事。そしたら4人の兵士達は小声で相談を始めた。

「一真さん。ここにいるのも時間の問題と思われますが?」

「俺の勘が告げている。コイツらと行くよりここにいた方が安全だと」

「勘ですか。なるほど」

「私もそう思うわ。これは私と一真さんの直感だと思うわ」

詳細省くが、俺らはコイツらを信用するなとの直感が働いている。深夜は『忘却の川の支配者』の異名で畏怖された深夜の『直感』だ。俺は神の勘、的中率は十割当たるし外れた事はない。なので深雪と穂波さんは緊張感を取り戻した。

深夜の得意魔法は知覚や予知などではなく、精神干渉の魔法で『精神』に関わる魔法の使い手は『アカシック・レコード』と密接にリンクしてると言う仮説がある程だ。高い直感的洞察力を有している傾向があるし、四人が相談を終えたのは丁度その時だった。

「申し訳ありませんが、やはりこの部屋に皆さんを残しておく訳には参りません。魔法師であってもです。なので一緒について来て下さい」

言葉遣いは変わらないが、脅しのような感じをしたのは俺だけだろうか。

「ディック!」

新たな登場人物がこの一幕に急展開となった。金城一等兵が、声の主であるジョーに対していきなり発砲した。廊下側の壁に窓はないから当たったかどうかは分からんが、今の声は間違いなくジョーの声だな。

金城一等兵は、声をした方へアサルトライフルを乱射した。悲鳴が上げたのは、あの屑と家族の者だった。同じ『レフト・ブラッド』で、金城一等兵の仲間が室内へ銃口を向ける。俺は魔法を無力化する事で厚い壁にして放つ。

俺は問題ないが、穂波さんが起動式を展開後魔法式の構築を妨害する電波というよりサイオン波だ。これはキャストジャミングと言われたもんだが、シールドビットで防いでいる桜花と沙紀により銃撃は何とかなったがこれは不味いな。

4人の内の1人は、真鍮色の指輪をはめていた。本来だと深夜が、このジャミングにより苦しむはずだが、サイオン波による悪影響は出ないようにしてある。俺が渡したお守りの効果により、サイオン波を中和させる事が出来る。つまりサイオン波に対する抵抗力があるモノだ。

「ディック!アル!マーク!ベン!何故だっ?」

キャスト・ジャミングを無効化する防御膜を深夜達に纏わせてから、ジョーの怒鳴り声が聞こえる。弾は当たっていないようだが、俺からの狙撃も出来るが今はまだの様子。

「何故軍を裏切った!」

「ジョー。お前こそ何故、日本に義理立てする!」

一発ずつ発砲する合間に、アサルトライフルを一発ずつ撃つ。金城一等兵が怒鳴り返す。

「狂ったかディック!日本は俺達の祖国じゃないか!」

「日本が俺達をどう扱った!こうして軍に志願し、日本の為に働いていも結局俺達は『レフト・ブラッド』じゃないか!俺達はいつまで経っても余所者扱いだ!」

「違うぞディック!それはお前の思い込みだ、俺達の片親は紛れもなく余所者だった。何代も前からここで暮らしている連中にすれば、少しくらい余所者扱いされて当たり前だ!それでも軍や部隊は上官も同僚も皆、俺達を戦友として遇してくれる!仲間として受け容れてくれている!」

「ジョー、それはお前が魔法師だからだ!お前には魔法師としての利用価値があるから、軍連中はお前に良い顔を見せる!」

「ディック、お前がそんな事を言うのかっ?『レフト・ブラッド』だから余所者扱い、と憤るお前が俺が魔法師だから、俺はお前達と別の存在だと言うのか?俺は仲間でないと言うのか、ディック!」

銃撃音が途切れたのでチャンスだ。俺は空間から剣を取り出して、まずキャストジャミングを持つ者を斬り倒した。と同時に穂波さんは攻撃態勢をするが、俺は脳量子波で待てと言ってから、俺に銃口を向ける者達をシールドビットで盾にしながら次々と剣で斬った。

「ジョー!もう説得は無駄だ。なので射殺しろ!」

「分かった一真!もう容赦しないぜ!」

と言ってから残りの2人は俺が斬り倒してから、ジョーの銃弾で倒した所で敵兵が次々と来る。おいおい、4人だけじゃなかったのか。俺はジョーがいる壁に行った。

「ジョー。残弾は?」

「まだあるぜ!こちらに向かってくるのは、ここにいる戦友達だらけだ」

「なら迷う事なく撃て。じゃないと次はお前が死ぬからな」

ライフルビットで攻撃後に味方が到着した。風間大尉と真田中尉。とりあえず残った敵全員は、深雪の精神系コキュートスで精神が凍結され肉体に死を命じることも出来ず、停止・硬直をする。その間に俺らによる狙撃をした。 
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