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遊戯王GX 〜プロデュエリストの歩き方〜

作者:ざびー
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デュエルアカデミア編
  エピソード1 〜プロ認定試験〜

 
前書き
登場して欲しいTFキャラ、デッキ等々受け付け中です。 

 
自分以外に誰も居ない部屋。そこは自分にあてがわれた控え室。

これから始まるイベントにて、メインである自分はゆったりとを準備をする。と言っても、あてがわれた衣装を着て、バレないように簡単に化粧をしたり、カラコンで目の色を変えるだけなのだが。

そして、設置された大鏡を見てみるもどうしても自分の今の姿が好きになれない。

まず、中性的な顔立ちからどうも女性に間違えられてしまう。

そして、今着ている衣装なのだが、これも中性的なのがチョイスされているため、初めてこれを着て、公の場に立ったときは女性と間違われてなんとも言えない気分になった。

気分が重くなり、思わずはぁと溜息をつくと、コンコンとドアがノックされる。

「はい、どうぞ。」

「叢雲紫苑さん、そろそろお時間です。」
ドアが開くとイベントのスタッフが入ってくる。

「あ、今は…」
俺がそこまで言いかけると向こうも理解したようであっと頷く。

「失礼しました。では、改めてお願い致します、望月シオン選手」

「えぇ、いきましょう。」


扉が開かれ、光が溢れ出す。
それはこれからの人生を祝福するかのような…そんな光景だった。

さぁ、行こう!未来を切り開くために!

そう心の中で言うと一歩踏み出す。





溢れ出した光の中に一歩踏み出すとそこはもう異世界だった。
見渡す限り人、人、人。
観客席は全て埋まっており、まだかまだかとイベントが始まるのを待っている。

今から始まるのは、遊戯王デュエル・モンスターズの生みの親ペガサスが会長を務めるインダストリアル・イリュージョン社と伝説のデュエリスト武藤遊戯のライバル海馬瀬戸が社長を務める海馬コーポレーションが共同で開催したプロデュエリスト認定試験。

普通はプロ候補とスポンサー企業でクローズドで行われるのだが、原因は自分自身にある。原因は二つ。

一つ目は年齢。12歳という若さでプロを目指す人も出場する世界大会にて三冠を達成したためだ。

そして、もう一つは悲しいかな、自分の容姿にあるのだ。初めて、世界大会で優勝を飾った時にぱっと見、美少女であるために多くのファンができてしまい、ファンクラブまで出来てしまい、『プロ昇格の際のデュエルはオープンでやってください』という要望が多数送られてきたためだ。しかも、そのほとんどが男とか……

俺は男だっつーの!!

と叫んだら、この事を伝えるために集まっていた海馬とペガサスにニヤニヤと笑われたのは、今でも覚えている。

ゴホン!

というわけで異例ながらもプロデュエリスト認定試験が公の舞台で行われることになっとのです!




そして、ステージの中央まで歩みを進めるとスポットライトが一斉に向けられ、メインの登場に歓声が一際大きくなる。
その光景に一瞬たじろくも、すぐに持ち直し平常心を保つ。

「ふぅん、さすがに気圧されると思ったが耐えるか。」

「殺気を向けられるより、これくらい余裕ですよ。」

と言って見るものの、実際結構きていたりする。要するに強がりだ。


ステージに立つのは、海馬瀬戸。このデュエルのスポンサーの一人であり、プロデュエリストの伝説の一人だ。
そして、今回は望月シオンの査定人だ。

「ふん、それでいい。お前のロードは自身で切り開くものだからな。」

「そうですか。で、ここに居るってことは僕の相手はあなたですか?」

「いや、お前の相手は俺ではない。今回は貴様の為に特別に呼んだ相手だ。」

海馬がそう言うと壇上に上がってくる人物が見える。その人は自分もよく知る人物だった。

「マスター"鮫島"……ですか。しかも、サイバー流…」

「いやはや、ご存知でしたか。あなたのような方に知っていただけるとは、光栄です。」

「いや、こちらこそ。どうも。」

「しかし、10代とは思えない振る舞いですね。これで子供とは思えませんね。」

「まぁ、普段はもっと普通の少年ですよ。
しかし、今は"ここ"に立つということはそれなりの
ことが求められますからね。」

「なるほど。人としてもプロデュエリストとしては十分ですね。」

「ありがとうございます。……っと、そろそろですか。」

そう言って、海馬社長を見る


「顏合わせは終わったようだな。」

「えぇ」

「では、始めるとするか。」

「はい」

「今回のデュエルは望月シオンのプロ認定試験ということになっている。勝利は必須ではないが、それなりのタクティクスを見せてもらわねばならない。」

「わかってます」

快く頷いたもののこのデッキでいいのかと少し不安になってきた。いや、タクティクスを見せるという点では、いいのだが……
今回の相手は【サイバー流】。特徴は一瞬で超高攻撃力モンスターを召喚できるところと機械族という点でサポートカードが充実しているところだろう。
運が良くても悪くてもこのデュエル一瞬で終わる気がしてならならい…





「では、これより望月シオン対サイバー流師範マスター"鮫島"によるプロデュエリスト認定試験デュエルを始める。」

「「決闘(デュエル)」」

デュエルが始まり、観客も鎮まり返り、異様な雰囲気が周り一帯を包む。

「先行は挑戦者であるシオンさんに譲りますよ。」

「どうも…じゃあ、僕のターン、ドロー。」
いや、サイバー流だから後攻必須だろ、と心の中で突っ込むと思考を切り替えデュエルに集中し、今できる最善の手を考える。
後攻一ターン目からのパワーボンドからのサイバー・ツイン・ドラゴン又はサイバー・エンド・ドラゴンの融合召喚さえ凌げばなんとかなる。だから、今は守る。

「モンスターをセット。さらにカードを二枚伏せてターンエンド」

「ほう、なかなか堅実な動きですね。」

「はは、一ターン目から普通に攻撃力8000のモンスターを出してくるデッキに対して、迂闊に展開なんてできませんよ。」

「そうですか。では、わたしターン、ドロー。「このスタンバイフェイズ時に、手札から【増殖するG】を捨てて効果を発動します。」むむ、わたしは【強欲な壺】を発動して、二枚ドローします。
わたしの場にモンスターが存在せず、あなたの場にモンスターが存在するとき手札から【サイバー・ドラゴン】を特殊召喚します。」

サイバー流の代表といっても過言ではないモンスター【サイバー・ドラゴン】が早くも登場する。

「この時、増殖するGの効果が発動されます。よってカードを一枚ドロー」

「G?……聞いたことのないカードですね。」

それもそうだろう。今のデッキの傾向はパワー重視さらに、強欲な壺や天使の施しなどノーデメリットで発動できるドローソースがあるため、相手に依存性の高く、タイミングが難しいこのカードはあまりというか滅多に使われることがない。



カサカサと何処からともなくGの大群が押し寄せ、消えてゆく……



さらにこの演出のキモさである。傾向云々よりこの再現のせいで使われなくなったんじゃ…
案の上、客席からも悲鳴が上がり、対戦相手の鮫島も苦虫を噛み潰したような顏をしている。

全くもってデュエリストへの嫌がらせとしか思えない。

「Gって、ゴ○ブリでしたか……」

「なんか…すいません…」

多少罪悪感があるので、頭を少し下げ謝っておく。

「いや、シオンさんが悪いわけでは。」

「いや、なんかこっちはこっちで罪悪感があるので…」

「そうですか。まぁ、デュエル続行といきましょう。」

大量のGの出現により、緩みかけていた雰囲気が一気に引き締まる

「魔法カード【パワーボンド】を発動します。このカードは手札または場に存在する機会族融合モンスターによって決められた融合素材モンスターを墓地に送り融合召喚扱いとして、そのモンスターを特殊召喚できます。さらにこのカードによって融合召喚されたモンスターの元々の攻撃力は二倍になります。。わたしは手札の二体の【サイバー・ドラゴン】で融合召喚します。
現れよ!【サイバー・ツイン・ドラゴン】。」

予想はある程度していたもののやはり実際に出されると少し焦る。

(たっく、初手に全部揃ってるとかどんな引きだよ。しかも、エンドもだそうと思えばだせるのかよ。)

場にはサイバー一体と強化されたツインが一体。今後の展開もキッチリ考えた布陣である。伊達に師範を名乗ってるというわけではなさそうだ。

「特殊召喚されたので墓地のGの効果で一枚ドローします。あっ……」

しまった…。またあの演出を見なければならないのか…


カサカサとまた害虫が湧いてくる。


客席からはデュエルを見に来ていた幼い少女がトラウマになったのか泣いていた。

罪悪感から俺の精神LPは尽きそうです……

「いきますよ。バトルフェイズ!ツインで裏守備モンスターを攻撃!《エヴォリューション・ツイン・
バースト》!!!」

「【ナチュル・ビーンズ】の効果発動!このモンスターは一ターンに一度戦闘での破壊をまぬがれる。」

【ナチュル・ビーンズ】 ☆2 DEF1200

「サイバー・ドラゴンで攻撃します、《エヴォリューション・バースト》」

「ビーンズは表側表示の時に攻撃対象にされたとき、相手に500ポイントのダメージを与えます」

サイバー・ドラゴンが発射したレーザーがビーンズに当たると砕け散り、その破片が相手を襲う

鮫島LP 4000→3500

「戦闘耐性にバーン効果持ちですか。しかし、サイバー・ツインは二回攻撃できます。これで終わりです!やりなさい!ツインでダイレクトアタック!《エヴォリューション・ツイン・バースト》!!」

「トラップ発動!【ガード・ブロック】!戦闘ダメージを無効にして、一枚ドロー。」

「ぐぬぬ、防がれましたか。私は【サイバー・ジラフ】を召喚、リリースして効果発動します。このターン受ける全ての効果ダメージを0にします。よって、【パワーボンド】によって発生するダメージは受けません。さらにカードを一枚伏せてターンエンドです。」

シオン
LP:4000
手札:四枚
魔法・罠:一枚
場:無し


鮫島
LP:3500
手札:無し
魔法・罠:伏せ一枚
場:
【サイバードラゴン】☆5 ATK2100
【サイバー・ツイン・ドラゴン】☆8 ATK5600


「僕のターン、ドロー。」

旗から見れば、シオンの方が圧倒的に不利……のように見えるがそうではない。
手札をみると鮫島は0なのに対し、シオンは今ドローしたのを含め五枚。手札が多ければ多いほどやれることが多くなる。
さぁて、どうやって反撃しようか…

ニヤリと不敵な笑みを浮かべるシオン

「まず、手札から魔法カード【強欲な壺】を発動して、二枚ドロー。さらに手札から【ナチュル・モスキート】を召喚します。」

【ナチュル・モスキート】☆1 DEF300

子供向けの絵本のように可愛くデザインされた蚊が召喚される

あははと客席から笑い声が聴こえてくる。恐らくは低ステータスのこのカードを見て笑ったのだろう…
そして、対戦相手である鮫島も少し期待外れという表情をみせている。

だが、しかし、知る人ぞ知るこのカードを凶悪効果を見せてやる!この蚊が巨大機会竜を上回る様を!!

「永続トラップ【リミット・リバース】発動!これは攻撃力1000以下のモンスターを墓地から攻撃表示で特殊召喚できるしかし、この効果で特殊召喚したモンスターが守備表示になった時、そのモンスターは破壊される。これにより、僕は【ナチュル・ビーンズ】を特殊召喚します。」

【ナチュル・ビーンズ】 ☆2 ATK100

「バトル!ビーンズでツインに攻撃!」

「な、なんですと!?そんなことをすれば、あなたの負けですよ!」

「これでいいんですよ。ここでモスキートの効果発動!このカード以外の【ナチュル】と名の付いたモンスターが戦闘を行い、発生するバトルダメージは相手が受けます。高い攻撃力が仇になりましたね。」


ツインの発射したレーザーがビーンズに当たるが跳ね返り、鮫島を襲う


「わたしはトラップ【体力増強剤スーパーZ】を発動します!ダメージ計算前にライフを4000ポイント回復します。」


鮫島LP :3500→7400→1900


「流石ですね。」

内心、これは防がれないだろうと思っていたが、やはり元プロだけある


「ここはナチュル達にとって、居心地が悪いですね。だから、もっといい環境にしてあげましょう。
メインフェイズ2でフィールド魔法【ナチュルの森】を発動します。」


ステージ上が絵本の森のようになると次々とナチュル達がやってくる。


「さらにカードを一枚伏せて、ターンエンドです。」


シオン
LP:4000
手札:二枚
魔法・罠
フィールド魔法【ナチュルの森】
永続罠【リミット・リバース】
伏せ一枚

場:
【ナチュル・ビーンズ】 ☆2 ATK100
【ナチュル・モスキート】☆1 DEF300


鮫島
LP:1900
手札:一枚
魔法・罠:無し
場:
【サイバードラゴン】☆5 ATK2100
【サイバー・ツイン・ドラゴン】☆8 ATK5600


状況は僅か一ターンで逆転し、しかもそのきっかけが観客があざ笑った小さな蚊なので、皆唖然としている。

「わたしのターン……ドロー。わたしは神に見放されてないようですね」

鮫島にも若干焦りの色が見えていたがドローをした後、表情を一転させる。
ここで考えられるのがモスキートもしくはビーンズの破壊。恐らく、今そのカードを引いたのだろう。

「わたしは【プロト・サイバー・ドラゴン】を攻撃表示で召喚します。このモンスターは場に表側表示に存在している時、【サイバー・ドラゴン】として扱います。」

【プロト・サイバー・ドラゴン】☆3 ATK1300

「いきますよ!二体のサイバードラゴンを生贄に速攻魔法【フォトン・ジェネレーター・ユニット】を発動!「カウンタートラップ発動!」な、なんですと!?」


「カウンタートラップ発動!【エクストリオの牙】。自分の場にナチュルが存在する時、相手の発動した魔法・罠を無効にし、破壊できる。その後手札を捨てる。
これでフォトン・ジェネレーター・ユニットを無効、破壊し、その後、手札から【ナチュル・コスモビート】を捨てます。」

「ぐ、ぐぅぅぅ」

「相手のコントロールするカードの効果を無効したので【ナチュルの森】の効果が発動され、デッキからレベル3以下のナチュルを手札に加えられます。よって、【ナチュル・マロン】を手札に加えます。」


相手の行動を封じると共にカードアドバンテージを取る!これがナチュルのおはこだ!

「わたしはターンエンド……です」

「ドロー。ビーンズでツインに攻撃。終わりですね。」


鮫島LP:1900→-3600


WINNER:シオン

デュエルが終了し、負けた鮫島はどこか憎むような視線をシオンに対しておくっていた。




さて、ここで終わりなのだが、俺の手札には【ナチュル・クリフ】が居る。こいつは場から墓地に送られるとデッキからレベル4以下のナチュルを特殊召喚できる。よって自爆特攻を繰り返すと……
クリフ →クリフ →クリフ →ビーンズの順に出して行くと

-3600→-7700→-11800→-15900→-21400

と、後4回デュエルを終わらせれる程のオーバーキルができたりする。
まぁ、後で何言われるかわかったもんじゃないからやらないけどね。

 
 

 
後書き
鮫島「今回、活躍したカードはわたしのデッキの一角!サイバー・ツイン・ドラ
シオン「ナチュル・モスキートです」
鮫島「な、なんですと!?」
シオン「ナチュルの代表カードの一つデスね。戦闘耐性を持つ豆やリクルーターの塗り壁と合わせれば、相手のライフを一瞬で消し飛ばせます。」
鮫島「わたしのツインがぁぁぁぁぁ!」
シオン「モスキート…恐ろしい子…」


えー今回はナチュルデッキ。モスキート軸の反射デッキですね。今回のように相手がパワーデッキだと恐ろしい程威力を発揮します。サポートカードも豊富なので、キーカードを揃え易く、ナチュル専用のカウンター罠やナチュルの森などサーチカードも有るので一度態勢を整えると崩されにくいです。
まぁ、崩されると立ち直しにくいのと展開力が低いという弱点がありますがなかなかの強デッキだと思います。
 
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