FAIRYTAIL~霧の魔導士達~
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仲間だろうが!
前書き
ルーシィ視点です。
あたしたちは今ユウトに問いかけようとしていた。
ユウトは出身地を知らない。
そしてウェンディに言った、
(人には知って欲しくねぇことがある。俺の過去を聞かないでくれ。)
つまりユウトは過去に何かあった。
あたしたちはそれを今聞き出そうとしているんだ。
「何だよ………。みんなして。俺に何か用か?」
ユウトが不機嫌そうに話す。
顔からして少しヤバい。
「ユウト、話してはくれんか。お前の過去について。」
エルザ、ストレートに聞きすぎ!!
「聞いてどうする。お前等には何も得がねぇだろ。」
うわ~。これは話す気無いんじゃないかな?
「仲間のことは知っておきたい。この先何があるか分からないからな。」
「話す気はない、一人にしてくれ。以上。」
「何で話してくれねぇんだよユウト。」
「お前等に話したところで何も変わらないからだよ。第一、話したくねぇんだよ。」
「変わらないことは無いだろう。心の鎖が解けるかもしれん。」
確かに抱え込むよりは話した方が良いわね。
「変わんねぇよ。第一お前等には関係ない。だから話す気はない。」
本当に話す気が無いんだ……。
仲間なのに…あたしたちは。
あたしがそう思った瞬間、ナツがユウトの胸ぐらを掴んだ。
「黙って聞いてりゃ何だ……。俺達には話す気はねぇだと……。話しても得する事がねぇだと……。終いには俺達には関係ねぇだと……?」
「よさんか!ナツ!」
「関係ねぇ訳ねぇだろ!!仲間だろうが!!!」
「ナツの言うとおりだぜユウト。俺達は仲間だ。話してもいいじゃねぇか。」
「お前等が知る必要はねぇんだろ!!いい加減分かれ!!」
ユウトが怒鳴るなんて珍しい!
「ユウト。もう、わしらに話してくれてもいいんじゃないか……。」
やっぱりマスター聞いてたのね……。
「苦しみというものは一人で抱えるものではない。その苦しみを仲間と共有するものじゃ。そして苦しみを仲間と消し去る。だからわしらに話してくれんか。」
「…………………分かったよ。」
ユウトが承諾し、ギルドのメンバーのほとんどが話を聞きにくる。
ユウトは9年前、7歳の時に魔法開発局にいたらしい。しかもそこは魔法開発局を追放された言わば、闇の魔法開発局。
ユウトはそこの実験材料だったらしいの。
それは毎日が地獄のような日々で、何人もの子供が死んでいったらしい。
そんな中、ユウトを含めた7人が魔力の底上げに成功したらしいの。
子供ながらこの国屈指の魔導士の魔力に匹敵する力を得たユウト達は反乱を起こした。
「で、俺達7人は魔法開発局を脱走した。」
ユウトの過去がそんなに壮絶だったなんて………。
「その時の7人で誓ったんだ。」
「誓ったって、何をだよ。」
「俺達は子供ながらこの力は危険だと分かっていた。だから俺達は″この先この力を悪いことには使わない。もし悪いことに使ったらそれに気づいた奴が止める″。そう誓い合った。そして散り散りとなった。」
みんな何も言えない。
当然だ。こんなに辛い過去をあたしたちは無理やり聞き出したんだ………。
ユウトの気持ちも考えずに………。
「私その話聞いたことあるよ…。」
「レビィ本当かよ!」
「うん。ある魔法開発局を脱走した、7人の子供たち。この子供たちはどれも一国を消せるほどの魔力の持ち主。だけど、誰もその存在、素性を知らない。本当に存在しているかも分からない、7人の子供たち。通称霧の魔導士達。」
「霧の魔導士達?聞いたことあるぞ。」
「ジュビア、都市伝説かと思ってました………。」
みんな驚いた顔をしている。
当たり前だ、霧の魔導士達の名前は誰もが一度は耳にしている。
「俺はその一人だ。一応な。」
「他に誰がいるんだよ。」
「霧の魔導士達は7人。つまりユウトが存在しているから他もいるって事なのね。」
「霧の魔導士達は俺以外に………」
キリベル・アヴローラ
レオン・バティス
レイカ・ナナミヤ
アヤノ・ミリティ
アイル・ヴィスト
ハジメ・ウィング
「この6人だ。」
「ちょっとまて………キリベルって言ったよな?」
「あいつも霧の魔導士達なのか!?」
「通りであの魔力、納得がいくな。」
そんな奴とあたしたちは会っていたの!!
よく無事で帰ってこれたわね…あたし。
「ふむ、大体理解出来たわい。最初から話しておけばもう少し心が楽になってたんじゃないのかのう。」
ユウト…顔が辛そう…。
過去を思い出しちゃったんだ…。
「みんな!!大変だ!」
ジェットが慌ててギルドに入ってくる。
「何だよジェット。何かあったのか?」
「魚の群でも来たとか!!?」
「あんたよくこの状況で冗談が言えるわね…。」
「ウェンディが誰かに襲撃にあった!」
「なんじゃと!!?本当か、ジェット!」
「あ、あぁ。今すぐ来てくれ!」
瞬間、辺りの風が吹き荒れてきた。
振り返るとユウトが今までにないぐらいに怒っていたんだ………。
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