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港町のポークル日記

作者:Mimimi
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たこやきの試作

 
前書き
あるところに3姉妹が暮らしていました。
その町は、イルファーロという港町でした。 

 
「第一回!たこやき試作せんしゅけーん!」
どんどんどん!パフパフパフ!
「今のパフパフって何よ。」
三姉妹末っ子のゆゆゆが、二番目におねえさんのみみみに言いました。
「え、そりゃー、この豊満なおむねで・・・」
「ないでしょ!」
「いたっ!」
こちん、とゆゆゆがグーで、みみみのおでこを叩きました。
プレッツェルを口でパキンと折って、一番おねえさんのねねねが、
「たこやきって、何にゃ?」
口を開きました。
「よくぞ聞いてくれましたですわー。」
みみみが答えました。
「ちょっと前にセリスさんに1個食べさせてもらったのですわ。うまうまでしたわー。
そのときにたこやきのレシピを作ってくれたから、たこやきをたくさん作ってーたくさん食べてーついでにたくさん売ってーしたいのですわ!」
ゆるんだほっぺたに、両手をあてて、みみみは言いました。
「ほへーうちも食べてみたーい!」
「シェールさんのオススメでしたら、期待できそー。」
おなじように、ほっぺたに両手をあてたねねねとゆゆゆが、言いました。
「でしょでしょー?という事で、まずはー、たこやきを試作してー、上手にできるようになったらー、たくさん作るのですわー。」
「なになにー?用意するもの・・・小麦粉とー?たまごとー?キャベツとー?タコ?!・・・調味料とかは、うちにあるので大丈夫そうだけどー。」
レシピをしげしげと眺めながら、ゆゆゆが言いました。
「タコは売ってないかもーって、セリスさんも言ってましたわ。」
「うーん・・・タコ以外は、普通にお店で買えるかなー。タコはなかなか見ないかも。」
みみみとゆゆゆはちょっと困り顔です。
「タコって海にいるかりゃー、お船の人に聞いたらいいのにゃ?」
ねねねの問いかけに、ゆゆゆは、なるほどと頷いて言いました。
「漁師さんならご存知かも。後で行って見るね。」
「おし、じゃじゃー、うちがぱぱっとお買い物してくるかりゃー、ふたりはタコさん探してきてみてにゃ!」
「それなら、ねねねのほうでも、お魚やさんもちょっと覗いてみて欲しいですわ。」
「うぃうぃ。ではーごめん!」
ぼふっ。
音とともに、部屋中に白い煙が舞い広がりました。
真っ白になった部屋で、煙に咳き込みながらゆゆゆは、いなくなったねねねに叫びました。
「小麦粉えんまくやめなさーい!」


「おおータコにゃ?」
首をよこに傾げながら、あごに指をあてて、ねねねは聞きました。
「これはタコ足ね。3本もおすそ分け貰っちゃった!」
嬉しそうにゆゆゆは、ゴム製の袋からタコの足を3本取りだました。
「うえー!この丸いのきもちゃぃ!」
見るのが初めてだったねねねは、鳥肌をたてて、いやそうにタコの吸盤を指差します。
「ちょっとねー。」
苦笑いしながら、ゆゆゆはタコ足をゴム袋に入れ直してテーブルに置きました。
そして、三人で台所と居間のテーブルを往復して、調味料をテーブルに広げていきました。
「これで材料揃いましたですわー。」
「はやくー!はやくー!もうおなか減ってきちゃったにゃー。」
そう言うと、ねねねは、たこやきのレシピを開いて読み始めました。
一通りの材料を揃えたテーブルを囲んだ、3人のお腹の虫がなきはじめています。
「なになにー?準備のー1ばん!たこやきプレートを火にかける。」
テーブルを囲う三人の首が、仲良くよこに傾きました。
「・・・たこやき」
「・・・プレート?」
「・・・って何だにゃ」

-おわり- 
 

 
後書き
読んでくれた人、ありがとうございます。 
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