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ドリトル先生と伊予のカワウソ

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第二幕その四

「紅茶も飲むしね」
「コーヒーだって飲むしね」
「あとココアも」
「紅茶一つでも一杯種類があるし」
「凄いよね」
「だからサラもびっくりしているよ」
 日本のそのお茶の種類の多さにです。
「僕にこれだけお茶の多い国はないって言ってるよ」
「そうだろうね、そりゃサラさんも驚くよ」
「日本のお茶は多いから」
「それは当然だね」
「本当にね」
「そうだね。さてまずはお昼だけれど」
 先生はこの時のことも言うのでした。
「何を食べようかな」
「オムライスとかどうかな」
 このお料理を勧めてきたのはチーチーでした。
「あれね」
「あのチキンライスをオムレツで包んだ料理だね」
「うん、あれはどうかな」
「いいね、あれは美味しいよ」
 オムライスについてもです、先生は唸る様にして言いました。
「まさかあんな食べ方があるなんてね」
「想像もしなかったよね」
「確かに日本人の主食は御飯だよ」
 ここがイギリスとは違います。
「けれどね」
「それでもだよね」
「うん、洋食でああしたチキンライスを作って」
「それをオムレツで包むなんてね」
 薄いオムレツで、です。
「誰も考えつかないよね」
「凄い発想だよ」
 もう手放しで褒める先生でした。
「そのオムレツの上にケチャップをたっぷりかけて食べるのがね」
「いいんだよね」
「日本人はアレンジの天才だよ」
 まさにというのです。
「あんなものを作られるなんてね」
「全くだよね」
「よし、決めたよ」
 先生はチーチーと話してでした、明るい笑顔で言いました。
「お昼はオムライスだよ」
「それだね」
「オムライス食べるんだね」
「うん、食べるよ」
 こう言うのでした。
「オムライスを食べられる面々の分を頼んでね」
「僕達はいつも通りだね」
「草だね」
「それだね」
 馬とオシツオサレツは自分達から言ってきました。オシツオサレレツはこの時も二つの頭でお話をするのでした。
「それも用意してくれているのかな」
「用意していなかったらお野菜でもいいよ」
「そっちでもね」
「君達の草は用意してもらっているよ」
 微笑んで、です。先生は馬とオシツオサレツに答えました。
「だからね」
「それじゃあだね」
「僕達はその草を食べて」
「船旅も楽しめるんだね」
「そうだよ、その辺りの手配はね」
「僕がしたよ」
 トートーが言ってきました。
「そこはね」
「そうなんだ、有り難うトートー」
「いつも悪いね」
「そうした手配をしてもらって」
「いいのよ。だって先生そうしたことには疎いから」
 とにかくです、世間のことには弱い先生です。 
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