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I want BRAVERY

作者:清海深々
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19話 Teo dora


女視点3連続。

だんだんサブタイトルが適当になってきた。
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19話 Teo dora

 開けた扉の先に待っていたのは、青い空間だった。

「お待ちしておりました」

 とこか特徴のある声。
 鼻。
 目。
 髪型。
 眉毛。

(改めてみると・・・キモイわね)

 イゴールは語りはじめた。

「今から挑まんとする塔は・・・」

 イゴールは話続ける。

「残念ながら、現在のあなた様では無理でしょう」

 それにしても目がデカイ。

 てか充血しすぎだろう。

「ご自身の力の性質というものを・・・」

「もう知ってる」

「老人の言うことは黙って聞け」

「ぇ?」

「あなたはペルソナを使い分けることが〜」

 語り始めた。

「私どもの本当の役割を〜」

 長い。

「あ、そういえばもう一人の住人」

 スキップスキップ。

「さて、あなたにはどのような」

「男」

 即答。

 どこからともなく、青色の服を着た男が出てくる。

「テオドラと申します。テオ、とお呼びください」

(キター!イケメン!やばい!イケメン!!)

 何故だろうか。

 イケメン過ぎる。

 やはり、人間ではないというのが大きいのか。

 この溢れんばかりの魅力。

(テオテオテオテオテオ!!!)

「以後、お見知り置きを」

「この者も、あなたの手助けをすることとなりましょう」

(逆ハーの?逆ハーの手助け?)

「・・・ごきげんよう」

「テオ、またね」

「はい。またのお越しをお待ちしております」

 気力を振り絞りテオに挨拶をすると、心地良い声音で返事が返ってくる。



「ぼーとしちゃって、どうしたの?」

 やはり、ベルベットルームに入るのは精神だけなのだろう。

 あきらかに一瞬ではない時間、ボーッと突っ立ている人。

 私なら近寄らない。

「ま、ここは一つオレっちに頼ってもらっても」

「うん。頼りにしてるよ?順平」

「お、おう!任せとけ!!」

 普段、こういったセリフを言われなれてないのだろうか。

 若干赤面しながら答える順平。

「とにかく、行くよ!」

 ゆかりが私達を急かす。

 しかし、エントランスに時計はあるが、セーブ機能はないようだ。

 これは結構苦労しそう。

 今まではないことに疑問なんてもちろん抱かなかったが、いざ原作が始まると、ないと困る。

 これでは最短ルートで逆ハー完成、という新たな目標がっ

「準備はいいな?もう、いいだろう。行け」

 おい、なんでこんな強引なんだ

「え、えっと桐条先輩・・・」

「そんなことより、彩。お前最近・・・」

「は?あぁ・・・まぁ・・・」

 何イチャコラしようとしてるんだ。

 彩君、気づいてないし。
 どういうこと?
 ハーレム目指してるんでしょ?
 てか、けっこう鋭いってきいたよ?
 『女の子に告白させて、恥をかかせるくらいなら、誤解でもいいから自分が恥をかく』
 とかいったんでしょ?

(※言ってません)

「じゃ、行くよ!」

 何故ゆかりが号令をかけるのだろうか。

(リーダー、私なのに)



「ここが・・・タルタロス・・・学校みたい」

 床のタイルのせいだろうか。

 私は直感的にそう思った。

「気持ち悪いわ・・・」

 うぇ〜、とか言っているゆかり。

「これって・・・血?」

 水溜りを踏むような感覚で血溜りを踏んでしまった。

「おぉ・・・不気味だな、これ」

「戦闘中に踏んじゃうと、血が跳ねるのよね」

『バックアップ?私が?誰の?』

『稲城達のに決まっているだろう』

『私、彩君以外の人にこの力使いたくないんだけど』

 すでに通信入ってるんだけど。

「・・・大丈夫なのか?」

 不安そうな声を出す順平。

 私も不安だ。

『聞こえているか?』

「あ、はい」

 通信機から女帝の声が聞こえる。

『ある程度なら私と暗超の力でタルタロス内部の情報を伝えることができる』

「へぇ〜、スゴイッスね」

『当たり前だろう。私を誰だと思っているんだ』

 いつからそんなナルシストキャラになったんだ。

『タルタロスの内部構造は毎日変わる。だから、こういったバックアップが欠かせないんだ』

「ナルホドね〜」

『ところで、今君たちのいる場所はいつシャドウが出てもおかしくない。岳羽がいるから、ある程度は大丈夫だと思うが、注意していけよ』

 岳羽さんって結構レベル高いのかな。

『習うより慣れろだ』

「うっす」

「了解です」

「わかりました」

 タルタロス内部なら、割としゃべりやすい。

「ったく・・・勝手なんだから・・・もう慣れたけど」

 早速、さっきの言葉を実行してやがる。

「ゆかりも苦労したんだね」

「まぁ・・・ね」

「おうおうおう!どこからでも掛かってこいやぁ!!」

 順平が気合を入れて叫んでいる。

『前方にシャドウ!』

「えぇぇぇ!?」

 順平が呼んだようなものじゃないか。

「これが私の初陣!」

 私は、薙刀を強く握る。

「違うよ!?前やったよね!」

「そんなの忘れた!」

「おぅい!遥は実戦経験でリーダーになったんじゃないの!?」

「視界に入った!私は後衛するから!」

 一気に下がるゆかり。

 もしかしたらレベルが高すぎて、敵が逃げることを考えたのだろうか。

 それにしては下がりすぎだろう

『説明はいるな?いるよな?』

「いや、いらん」

「え?」

「私の直感を信じて、順平」

「お、おう!!」

 ていうかこれ、バトル指示できないんじゃないだろうか。

「うわっ!」

 飛んでくる黒いスライム。

 なんだこれ。

 怖いんですけど。

「うわぁぁぁ!キモイ!キモイ!グチュグチュ言ってる!!」

「ちょ、遥!?」

「おぉぉぉ!!近づきたくねぇ!あれ、絶対剣効かないだろう!」

『大丈夫だ』

「やっばい!オルフェウス!!」

 引き金を引けばいいんだ、こんなもの。

 これが、私の力。

 温存したりなんてしない。

「アギ!!」

———ボォォン!

 1More

 なんだかそんな文字が見えた気がする。

「順平!今!」

「お、おう!!」

 走っていく順平

「てりゃああ!!」

———ザシュゥ!!

「やった!」

「よ〜し。こんなもんだろう」

 無駄にドヤ顔の順平。

『右方向にジャドウ!』

「また!?」

『属性についての説』

「いらん」

 今度は2体。

「順平!こいつらきっと火に弱いよ!」

「お、おう!俺のペルソナで・・・」

 そう言った順平からは、ペルソナ召還の音が聞こえない。

(ビビってるの!?)

 やはりゲームとは違う、か。

「オルフェウス!アギ!」

 とりあえず一体。

 1More

「順平!」

「わ、わかってる!」

 しかし、順平は召還しない。

「順平ならできるよ!!」

「・・・っ、いくぞ!!」

———パァァン!

「おぉぉぉ!」

 黒いスライム相手に全力で叫ぶ順平。

 なんかちょっと格好悪い。

「ふぅ・・・お?」

———チャキィィン

 なんだかちゃちい音が鳴った気がする。

 どうやらレベルUPのようだ。

 いささかテンポが早い。

「よし・・・次、行くよ!」

 声を上げるゆかり。

(リーダーは、私だ!)

 しばえらくの間探索をする。

 そして気づいたことがある。

(シャッフルタイムないじゃない!!)

 こんなことがあっていいのだろうか。

 ゲームで効率良くレベル上げる、効率良く(?)金を稼ぐ、それらはシャッフルカードの恩恵であったはずだ。

 それが、ない。

 それゆえのさっきのレベル上がりの速さだろうか。

 よくわからない。

『どうやら、今日はこれくらいのようだ。近くにポータ』

「ポータルはさっき見つけたよ」

 なかなかに役に立つ女である。

『・・・脱出してこい』

———フォォン

「おぉ!すげぇ!」

「・・・」

 ジトっとした目でゆかりを見ている女帝を放って、私は帰ることにした。

 それにしても疲れた。

 思った以上にきついものだ。

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