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港町のポークル日記

作者:Mimimi
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3姉妹の食卓

 
前書き
あるところに3姉妹が暮らしていました。 

 
「お醤油とってー」
いちばん年長の『ねねね』が、2人の妹たちに声をかけます。
「はい。」
末っ子の『ゆゆゆ』が、返事をし、
卓上の小瓶を、ねねねの手の届く場所に、ことんと置きます。
「ありまとー!」
お礼を言うと、ねねねは醤油を、
目の前でおいしそうに湯気をあげ続ける、焼き魚にツツツとさしました。
「うふっ、おいしそー。」
ねねねは、醤油の香ばしさが加わった焼き魚の匂いに、満面の笑顔を浮かべます。
木製のナイフを魚に差し入れて、
「あ、おソースとってー」
妹たちにまた声をかけました。
「えー?」
今度の返事は、ねねねの次に年長の『みみみ』から返ってきました。
「意味がわからないれすわー。」
2口目の焼き魚を口に入れたまま、姉の発言に不平を返す。
「えーなんでにゃー?」
そう返すねねねですが、みみみは口の中のもぐもぐ動かします。
ゆゆゆから、抗議の視線を一瞬感じて、みみみは飲み込んでからしゃべろうと思ったのです。
「なんで醤油かけて、さらにソースですの?意味がわかりませんわ。」
そう言ってみみみは、ソースの入った小瓶をねねねの近くに置きました。
「えーだってねー、両方かけたらねー、おいしくなる気がするかにゃー。」
ねねねは香ばしい醤油の上に、トクトクと、ソースをさしました。
すぐにねねねは、木製のナイフとフォークを使って、一口目を口に運びます。
「うまーい!」
「えっ、うそ!一口ちょうだい!、ですわ。」
「うんうーん。」
ねねねは、ひざ立ちになったみみみの口に、一口分の欠片をフォークに指して運んであげました。
「あーむ。・・・これは、おいしいですわ!」」
両方のほっぺたを手で押さえて、みみみは嬉しそうに言います。
「でしょでしょー?これ新発見だにゃー!」
ねねねも、嬉しそうに言いました。
「ねーねー、ゆゆゆも食べてみるのですの?」
「食べてみりゅのにゃ?」
なぜか期待のこもった顔をゆゆゆに向ける2人ですが、
「やめておきます。」
ゆゆゆは、にっこりと笑顔を浮かべて、断りました。
「・・・ショボーン。」
「・・・ショボーンですわ。」
2人はうなだれました。
ですが、すぐにねねねは立ち直り、
「じゃじゃー、そこのタバスコとか蜂蜜とか、ジャムとか、ワサビとかあるやつ、色々試してみよー!」
と、元気に提案します。
「おー!」
意気投合したねねねとみみみは、いそいそと調味料をテーブルに並べはじめました。

「ごちそうさまでした。」
ひとり食器とお皿を手に持ち、ゆゆゆは席を立ちました。
「あぅ・・・ゆゆゆちゃん。この辛いやつもう無理…。」
「うえーん!イチゴでも魚でもないこれなにこれ~。なんか変なトロみが…うぷっ。」
ワサビタバスコを試したみみみと、ジャムやら蜂蜜やらたくさんの調味料ミックスを試したねねねは、今日の料理を作ったねねねに救いを求める目を向けます。
「お残しは、ゆるしませーん。」
ゆゆゆはそう言って、洗い場に行ってしまいました。
「・・・ねねねちゃん。」
少し青ざめた顔の2人でしたが、みみみがねねねに声をかけます。
「せめて、半分ずつ交換してみませんこと。」
「・・・う、うん。」

-おわり- 
 

 
後書き
読んでいただいた人ありがとうございます。 
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