オズのモジャボロ
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第十二幕その八
その少年と生きものを見てです、ナターシャは言いました。
「幸運なオジョとウージィね」
「そうね、あの子達も来たのね」
「そうなのね」
「遅れて御免なさい」
ポリクロームは虹から降りて出てきました。
「オジョの今の居場所がわからなかったから」
「実はマンチキンの国に戻ってたんだ」
オジョがこう言ってきました。可愛らしいマンチキンの男の子です。
「そのことをポリクロームにお話してなくて」
「それで少し探したの」
そしてというのです、ポリクロームも。
「遅れたのよ」
「御免、言ってなくて」
「いいわ、だってそこにウージィもいたから」
それで見つけられたからというのです。
「それにね」
「そう、私も誘ってもらったからね」
もう一人虹から降りてきました、黄色い軍服とスカート、ブーツを着たその女の子は誰かといいますと。恵梨香が言いました。
「あっ、アン=アンナコレヤ女王」
「私を知ってるのね」
「ベッツイさんと一緒にノームの国に行ってた」
「そう、あの時からオズの国に行ったね」
そしてだというのです。
「そのウーガブーの国の女王よ」
「そうでしたね」
「ええ、それで私もね」
「ポリクロームさんにですね」
「パーティーに呼ばれたの」
彼女もだというのです。
「ポリクロームは他の人も一杯呼んでくれたから」
「それじゃあその人達も」
「今から」
「そう、降りてくるから」
虹からとです、その言葉通りです。
虹からオズの国の名士達が次々と降りてきます、そうしてです。
そのうえでなのでした、オズマが皆が揃ったところで。
蒲萄のジュースが入ったグラスを手に取ってです、そのうえで。
右手に大きく掲げてです、こう言いました。
「それでは今から」
「はい、今からですね」
「パーティーを」
「そうしましょう」
それをはじめようというのです。
「それではね」
「はい、では」
「私達も」
皆もそれぞれです、今来た人達も。
それぞれのグラスを手にしました、他の人達もです。
それからでした、皆で。
「乾杯!」
「乾杯!」
こう言ってでした、そして。
皆でパーティーをはじめるのでした、その中には五人のそれぞれのお国のお料理もあって。
勿論柿もありました、ナターシャはその柿、ナターシャの世界と同じ色の柿を食べつつドロシーに笑顔で言いました。
「美味しいです」
「そうよね、美味しいわよね」
「それに」
ここで、です。お皿の上に置かれているオズの国の柿達を見ますと。
オズの国のそれぞれの色の柿があります。その柿達もです。
ナターシャだけでなく皆も食べました、そして柿も他の果物も楽しんで、です。
五人はパーティーが終わるとオズの国の皆と笑顔で手を振り合って別れてまた自分達の世界に戻りました。そしてまたオズの国にお邪魔しようと思うのでした。
オズのモジャボロ 完
2014・3・16
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