魔法少女リリカルなのはStrikerS~青年と機動六課物語~
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第6話『機動六課始動』
さてさて、月日がたつのは思いのほか早くこの前の休暇からもう機動六課の稼働日となった。現在俺は真新しいスーツに袖を通し、はやて二佐―――――もとい、はやてさんが挨拶をしている。
その横には、なのはさん、フェイトさんなどのそうそうたるメンバーが揃っているよくもまあこんなに集めたなぁ、はやてさん。……っとまあそんなことを考えています半分寝ながら。
いや~、ゲームをやり込んでたら徹夜ですよ。
ティア「(ちょっと、あんたさっきからフラフラしてるけど大丈夫なの?)」
右隣にいるティアが肘で横腹を軽くこつく。
やめろよ、立っているだけでやっとなんだから倒れるだろ?
カズマ「(問題ない。ただ徹夜明けで無茶苦茶眠たいってだけだ)」
ティア「(問題大ありよ!あれほど早く寝ろって言ったでしょ!)」
カズマ「(小声で叫ぶなよ、器用な奴め……)」
ああ、ヤバイもう限界だ。
悪いけどティア……肩借りるぞ。
ティア「(ちょっと!寄りかかってこないでよ!重い!)」
う~ん……やっぱりバランスが悪いなぁ、それじゃあスバルよろしく。
スバル「(へ?わ、私も無理だよ)」
ちっ……使えないやつらだな。
ティア「(………あんた、あとで殺すから覚えておきなさいよ)」
スバル「(私も手伝うよ、ティア)」
両隣からもの凄い殺気をぶつけられる。
まったく恐ろしい奴らだな、真実を言っただけでこれですよ。
痛い!痛い!足を踏むな足を!!
はやて「こらー、そこの三人仲が良いのは結構やけどキチンと話しは聞かなあかんよ」
あ~あ、はやてさんに怒られましたよ……。
魔法少女リリカルなのはStrikerS~青年と機動六課物語~
第6話『機動六課始動』
sideフェイト・T・ハラウオン
稼働式が終わって、私は久しぶりに会った同じ部隊の副隊長シグナムと話しながら廊下を歩いている。
フェイト「シグナム、ホント久しぶりです」
シグナム「ああ、テスタロッサ。直接会うのは半年ぶりか…」
フェイト「はい。同じ部隊になるのは初めてですね。どうぞ、よろしくお願いします」
シグナム「こちらの台詞だ。だいたいお前は私の直属の上司だぞ」
フェイト「それがまた、落ち着かないと言いますか………」
シグナム「上司と部下だからな、テスタロッサにお前呼ばわりは良くないか…敬語で喋ったほうが良いか?」
シグナムが少しからかったように言ってくる。
こう言う時のシグナムは少し意地悪です。
フェイト「そういう意地悪はやめてください。いいですよ、テスタロッサでお前で…」
シグナム「そうさせてもらおう………ときにテスタロッサ、あいつは確かにいたな」
フェイト「あいつってカズマのことですか?」
シグナム「ああ。相変わらずなのか?」
フェイト「はい、あの時と変わってませんよ」
シグナム「また手合わせするのが楽しみだ」
フェイト「その時は、お手柔らかにしてあげてくださいね」
シグナム「……善処しよう」
sideカズマ・キサラギ
カズマ「あの…すみません、なぜ俺はここに連れてこられたのでしょうか…」
稼働式終了後スバルとティアに首根っこを掴まれそのままここ……男子トイレに連れ込まれた。
いったい何をしようと言うんだこいつらは………ま、まさかここでは書けないようなあ~んな事やこ~んな事をしようってんじゃないだろうな!?
カズマ「お前ら!そんなに欲求ふm―――――ぐふっ!」
ティア「い、いきなり何を言い出すのよあんたは!?ぶっ殺すわよ!!」
ティアの拳が鳩尾にクリーンヒットする、ふっなかなかいい拳を持ってんじゃないか……ティア、てか、女の子がそんな下品な言葉を使うなよな。
スバル「ねえねえ、ティア欲求ふm――――」
ティア「あんたは、黙ってなさい」
スバル「は、はい!」
おそらく欲求不満の意味をティアに聞こうとしたのだろうスバルは彼女の一言とひと睨みで聞くのを諦めた。
しょうがない、ここは俺が……。
カズマ「ス、スバル……欲求不満って言うのh―――――へぶっ!!」
ティア「あんたも教えようとしてんじゃないわよ!!」
先ほど、鳩尾に多大なダメージを受けて蹲って顔だけ上げて俺は懲りずにスバルに説明をしようとしたところを今度は頭を思いっきり踏みつけられた。
ああ、なんか試験の時を思い出すなぁ………てか、今足を上げた時一瞬ティアの純白の物が見えたことは黙っておこう。
◇◇◇◇◇
その後、怒り狂ったティアにボコボコにされて気絶している俺にスバルがひこずられている。
スバル「あ、ティア。あの子達かな?」
ティア「言われた場所と特徴……多分そうね」
どうやら残りのメンバーとの合流場所に到着したみたいで二人の近くに行くとスバルは俺の襟首から手を離し自由になる。
ああ、自由って素晴らしい。
だけど、うぇ………気持ち悪い。
ティア達が少年と少女と話しているあいだ俺は鳩尾辺りをさすっている。
キャロ「あの、大丈夫ですか?」
そんな中、ピンク色の髪をした少女が俺に気を使ってくれたみたいで声をかけてきてくれた。
まったく、何処かの馬鹿も見習えよな。
ティア「なんか言った?カズマ」
カズマ「イエ、ナニモイッマセン」
ティアが悪鬼修羅の如く俺を睨み付ける、っていうかティアの後ろになんか見えるんだけど、気のせいだよな……。
エリオ「立てますか?」
もう一人の少年が手を差し出してくれる。
この子もええ子や、後でお菓子あげるからね。まったくあそこの修羅も見習え。
ティア「………」
カズマ「―――――うぉ!?」
ティアが無言で俺の襟首を掴んでひこずる。
そして、再び男子トイレに連れていかれる、逃げ場のない部屋、目の前には鬼と化した少女……。
くそ、こうなったら一か八かやってやる、かかってこいや!ティア!!
カズマ「あああぁぁぁぁーーーーーーっ!!!!」
スバル&キャロ&エリオ「…………」
トイレから響く断末魔の声。
さらにその後、ボロボロの状態でティアにひこずられて出てきた俺を見て後に、少年は「あの中で何があ起こったKかは知りたくないです……」っと語っていたらしい。
side高町なのは
なのは「えっと………大丈夫?カズマくん」
集合場所にはちんと整列している4人とボロボロの状態で床に投げ捨てられているカズマくん。
しかも、声を掛けても全然反応が無い。これは訓練より先に治療が必要かな…。
なのは「みんなは先に着替えてきてカズマくんはあとで行かすから」
4人「はい!」
みんなが更衣室に向かったのを確認してから床に腰を下ろしてカズマくんの頭を膝の上におく。
なのは「レイジングハート、ヒーリングウェーブ発動」
レイジングハート[OK my master]
sideカズマ・キサラギ
なんか暖かい………それに体中の痛みが徐々に引いていくし後頭部になんか柔らかいものが。
なのは「あ、気がついたかな?」
カズマ「…………」
な……なんで、なのはさんの顔がこんなに近くに?
しかも、この後頭部に感じる柔らかいものは………ひざ!?膝枕ですか!?
あの、全世界の男子が愛して止まないあの膝枕ですかー!?
なのは「あの、大丈夫かな?カズマくん」
カズマ「へ?あ……はい」
しぶしぶ、なのはさんの膝から頭を起こす。
ああ、残念だ。
なのは「とりあえず外傷は治療しておいたけど私は、治療は専門じゃないからあとで医務室に行っておいてね」
カズマ「あ、はい。初日から色々迷惑を掛けてすみません」
なのは「ううん、大丈夫。それじゃあ、カズマくんも訓練着に着替えて来てね」
カズマ「はい。……あ、なのはさん」
なのは「ん?なに?」
カズマ「えっと……目の下が少し赤いですよ」
なのは「え!?あ、本当だ……」
どうやら自分では気がついていなかったようだ。
この反応、なんか可愛いなぁ。
◇◇◇◇◇
エリオ「あ、カズマさん。もう大丈夫なんですか?」
更衣室に入ると先ほどの少年―――――確かエリオ・モンディアル三等陸士って言ってたかな?
カズマ「ああ、なのはさんのおかげでな。エリオも気をつけろよ、あいつを怒らせるとああなるからな」
エリオ「はい、肝に命じておきます。それにしても、カズマさん達はとても仲が良いですね」
カズマ「う~ん……まあ、訓練校時代からの付き合いだからな」
一年以上も一緒にやってるからなぁ…まあ、仲が良いと言えば仲はいいか。
カズマ「でも、エリオにもそれぐらいの奴いるだろ?」
エリオ「いや……僕には……」
まずい、地雷踏んだか。とりあえず謝っておこう。
カズマ「………悪い」
エリオ「いいんですよ、気にしないでください」
カズマ「そうか?なら、そろそろ行かないと怖い鬼がさらに怖くなるぞ」
そして下手をすれば俺は三度目のトイレに………考えただけでも恐ろしいし、さっきのことは思い出したくない。
エリオ「そうですね、カズマさん準備出来ましたか?」
カズマ「問題なし。行くか」
エリオ「はい」
杖を肩に担ぎ更衣室をあとにする。さて、鬼が出るか邪が出るか…。
ティア「遅い!!」
鬼が出ましたよ。それも、とっても怖い鬼が…。
ティア「まったく、いつまで待たせる気よあんたは」
誰のせいか胸に手を当ててみろってんだ。
ティア「何?あんたまた、あそこに行きたいの?」
クイクイと親指でトイレを指す。
カズマ「………ごめんなさい」
速攻土下座で謝る………え?プライドは無いのかって?
そんなもん!昨日生ゴミと一緒に捨ててきたわ!
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