魔法少女リリカルなのはStrikerS~青年と機動六課物語~
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第7話『第一回模擬戦 前編』
まあ、そんなこんなで今現在訓練スペースにやって来たわけなのだがここでもまた一波乱ありました。
訓練スペースに先に来ていたなのはさんと機動六課のメカニック、シャリオ・フィニーノ一等陸士、通称シャーリーさんが俺を見るなり顔色が豹変して訓練スペースの隅の方に連れて行かれ説教されています………しかも正座で。
なのはさんと他のフォワード陣はその光景を困惑した顔で見守っている。
見てないで助けてくださいよ、なのはさん……。
シャーリー「―――――ちゃんと聞いてる!カズマくん!」
カズマ「はい……誠心誠意聞かせていただいてます」
この人……キレたときのティアなみに怖いな。
シャーリー「それじゃあ、どうしてデバイスをこんな風に雑に扱うのかな?デバイスは繊細なの、こまめにメンテナンスをしないといけないのはわかるよね?」
カズマ「………はい、わかります」
シャーリー「だっ・た・ら!なんで、三年間もメンテナンスをしなかたの!!」
いたたたた!頭を両サイドからグリグリしないで!割れる!割れるぅー!!
なのは「あの……シャーリー。もうそれくらいで許してあげて。ほら、カズマくんも反省してるみたいだし……ね?」
シャーリー「まあ、なのはさんがそこまで言うなら今回はこれくらいにしておきましょう」
徐々に頭を解放される………はぁ~助かった~。なのはさん、あなたが天使に見えます。
シャーリー「だけど、今度同じ事をしたら……わかってるよねぇ?カズマくん」
カズマ「は、はい!十分肝に銘じておきます!」
ポキポキと拳を鳴らしながら俺に言う。この人、メカニックじゃなくてもやっていけるんじゃないのか?
なのは「さて、シャーリーも落ち着いたみたいだしそろそろ始めよっか」
ティア「あの……始めるってここでですか?」
スバル「なにも無いよね?」
確かに目の前には広大な海が広がる以外訓練が出来そうなものは何も見あたらない。
すると、なのはさんが軽く笑ってからシャーリーさんに向けて視線を送る。何を始める気だろうか…。
なのは「シャーリー、お願いね」
シャーリー「は~い、了解しました~」
答えてからシャーリーさんは空中に複数のモニターを出現させてパネルを叩き始めた。
シャーリー「機動六課自慢の訓練スペース。なのはさん完全監修の陸戦用空間シュミレーター……ステージは廃ビル、セットアップ!!」
最後にEnterのパネルを押す………って、おお!?海上になんか出てきた!?
ティア「なに………これ……?」
あっけにとられるティア。それもそうだろうな、いきなり海上が光ったと思ったら巨大なプレートからあんなもんが現れればな。
他3人「………」
スバル、エリオ、キャロも驚いて言葉も出ないみたいだ。
そりゃそうだろうな、俺も普通の空間シミュレーターは何度か使った事があるけどこんなに精巧で巨大なのは初めてだ、すごいな、機動六課。
なのは「今日からみんなには、ここで訓練してもらうからね。一緒に頑張ろう」
4人「はい!」
カズマ「リアルでゲーム……いいなこれ!!」
魔法少女リリカルなのはStrikerS~青年と機動六課物語~
第7話『第一回模擬戦 前編』
sideヴィータ
ヴィータ「………大丈夫なのか?あいつは……」
あたしは眼下でなんか騒いでいる新人カズマ・キサラギという名の懐かし姿を見ながら呟く。
ヴィータ「たく……本当にあいつなのかよ。確かに顔も背格好もあの時と同じだけどあんな馬鹿な性格………だったな、うん」
よくよく思い出してみたらあんな感じだったような気がする。色々思い出してきたら胸の奥がなんかムカムカしてきて今すぐ殴ってやりたくなる気持ちをグッと堪えるあたしは大人だからな。あ……ティアナに殴られた。
ヴィータ「………はぁぁぁぁぁ」
はやて、あたしはなんか心配になってきたよ…。
シグナム「どうしたヴィータ、溜息などついて」
ヴィータ「あ、シグナム。いやあいつを見ているとこの先少し不安になってな」
シグナム「あいつ?……ああ、キサラギか。奴がどうかしたのか?」
ヴィータ「10年前に逢った時の方が格好良かったなと……」
シグナム「お前はキサラギによく懐いていたからなその時の印象が強いのだろう」
ヴィータ「なっ!シグナムだってカズマの事かなり気に入っていたじゃねぇか!」
シグナム「私は、一人の騎士として奴を気に入っていただけだ別に恋愛感情など無い」
ヴィータ「ぐぬぬぬ…」
シグナムに口で勝てるわけもなくあたしは青筋をたてつつも再びカズマ達の方に視線を戻す。
あ、今度はスバルとティアナの二人に殴られてる…それを苦笑しながら見ているなのはとシャーリー、どっちか止めてやれよ……ま、あたしがあそこにいても見ていて面白いから止めないけど。
シグナム「ところで、ヴィータ。お前は教導に参加しないのか?」
ヴィータ「全員まだまだヨチヨチ歩きのヒヨっ子だ。あたしが教えるにはまだまだ早ぇよ。それに――――――」
まずは、自分をもっと鍛えなきゃならねぇ。じゃないとあいつに追い抜かれる、そうなったらあたしは、はのはやはやて他のみんなを守ってやることが出来なくなっちまう。
あの時の……なのはを守ってやれなかった時のような思いはもうしたくない。
シグナム「……お前も難儀な性格をしているな」
ヴィータ「……ウッセ」
苦笑するシグナムをさっきのお返しと睨み付ける。あたしが何をしようとあたしの勝手だろ!
そして、またカズマの方を見ると今度はティアナに思いっきり蹴られて思いっきり吹っ飛んでいった。
シグナム&ヴィータ「………はぁぁぁぁ」
あたしとシグナムは肩を落としながら溜息をついた。不安という言葉を頭に過ぎらせながら…。
sideカズマ・キサラギ
色々………本当に色々あって現在シミュレーターまで移動していた。
そして俺たちは今なのはさんから渡されたマップに目を通しながらティアと共に作戦を立てている。
ティア「とりあえず私は、バックス組が陣取るのは……ここがいいと思うんだけど?」
カズマ「駄目だな、そこは死角が多すぎる。それならこっちの方がいい」
ティア「でも、それだとここが死角になるじゃない」
カズマ「確かにそうだが。お前が言った場所は俺たち三人なら問題無いだろうが今回からは初めて組むエリオとキャロがいるからなできるだけ死角は少ないに越したことはない」
ティア「……それもそうね。わかったわ今回はあんたの意見に従う事にするわ」
カズマ「オーケー。それで、俺たちそれぞれの役割分担だけどな……」
ティア「……なるほどね、それなら文句はないわ」
どうだ、俺のナイスな戦術は、俺を崇めよ、奉れ!
ティア「調子に乗らない」
カズマ「あいたっ!」
コツンッと軽く頭をこつかれる。
まあ、いつもよりはましだから良いけどなんでこいつは俺の考えている事が解るのだろうか……。
ティア「あんたの考えてる事なんて簡単に解るわよ」
……だそうです、はい。
カズマ「お~い、お前ら説明すっからこっちに来い」
こつかれた頭をさすりながら少し離れた所に居るスバル達を呼ぶ。その時にスバルが顔を赤くしていたのだが……どうしたのだろうか。
まあ今はいいか、とりあえずキチンと説明して上手くいく事を祈ろう。
side高町なのは
なのは「シャーリー、準備はできてる?」
シャーリー「はい、なのはさん。バッチリいつでもいけますよ」
シャーリーがモニターから目を離して私の方を見ながら親指をグッと上げる。
なのは「みんなも大丈夫?」
フォワードのみんなに訓練用の無線で呼びかける。
カズマ『はい、こっちも準備は整いました』
なのは「うん、じゃあ始めようか。まずは軽く8体から、シャーリー」
そうカズマくん達に告げて、シャーリーに振り返り合図を出す。
シャーリー「はい、動作レベルはC攻撃精度Dってところですかね」
なのは「うん」
シャーリーに返事を返しながらフォワード陣に視線を向ける。ちょうど、ターゲット出現用の魔法陣が浮かび上がっているところだった。
なのは「私達の主な仕事は捜索指定ロストロギアの保守管理。そしてそのために戦わなくちゃいけないのが……これ」
魔法陣からターゲット………ガジェットドローンのホログラムが出現する。ホログラムって言っても触れるし攻撃もしてくるしあたると痛いし科学の進歩って凄いよね。
シャーリー「自立行動型の魔導機械。これは近づくと攻撃してくるタイプね」
カズマ『どっから見てもただの雑魚って感じですね…』
そんなこと言ってると痛い目見るよ。
なのは「見た目はともかく攻撃は鋭いよ?多分今のみんなにとって手強い相手じゃないかな」
カズマ『マジですか……?』
カズマくんは信じられないといった感じでガジェットを見る。まあ、見た目があれだから仕方ないけど油断しないように。
なのは「とりあえず言葉で言うより実際に戦ってそのガジェットの手強さを直接肌で感じてみよう」
5人『了解!』
なのは「それじゃあ、第一回模擬戦訓練。ミッション目的は15分以内に逃走するガジェットを捕獲又は破壊―――」
みんなの顔が真剣になる。ふふ、いい顔。
なのは「いくよ!ミッションスタート!」
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