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ロックマンX~朱の戦士~

作者:setuna
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第十六話 Energy Mine Ruins

 
前書き
ルインがオクトパルドを下し、ゼロがクワンガーを下した。
最後の特A級ハンターの元にエックスは向かう。 

 
オクトパルドをルインが下し、クワンガーをゼロが下したためにエックスは反乱軍の最後の特A級ハンター、アーマー・アルマージの元へ向かっていた。

鋼鉄の甲弾闘士…アーマー・アルマージ

元第8機甲部隊の隊長。
鉄壁の防御力を誇る装甲を纏う。
武人肌の堅物で、イレギュラーハンター部隊の指揮権を全てシグマに掌握された事から、彼を上官と判断。
“上官の命令は絶対”として反乱に参加する。
“上官の判断に対する責任は上官にあり、上官の命令について部下が疑念を挟むことは間違っている”と考えている。
蜂起後は兵器の原料の採れる鉱山を占拠した。

エックス「ストームトルネード!!」

ダチョウ型メカニロイドに向けてストームトルネードを放ち、破壊する。
途中の大型メカニロイドにもストームトルネードを放ち、破壊する。
途中の蝙蝠型メカニロイドをバスターで撃墜しながら奥へと向かう。
恐らく物資運搬用だったのだろう機械に乗ると、一気に奥へと突き進む。
鉱山を出ると崖の向こうに扉が見えた。
一気に跳躍して飛び移る。
扉を開けると1体のレプリロイドがいた。
アルマジロをモデルに作成されたであろう非人間型のレプリロイド。
全身を白銀に輝くアーマーで覆い、両腕には一際大きな盾を備える。
背丈はエックスよりも少し小さい程度。
しかし、その鋭い眼光は見るものを怯ませる凄みがある。

アルマージ「エックス…お前かルイン達が来たら倒すよう命令されている」

エックス「狂ったシグマの命令で俺と戦うのか…」

アルマージ「戦うのは自分の使命だ」

エックス「それはイレギュラーの考えだ。アルマージ!!」

アルマージ「自分は命令に従うのがイレギュラーだとは思わない。我々はどちらも間違ってはいないということだな…」

エックスの考えに理解を示しながらもシグマへの忠誠のために戦いを選ぶ。

アルマージ「これ以上は問答無用!!お前が信ずる信念を貫くが良い!!」

エックス「アルマージ!!」

バスターを連射するがアルマージの盾によって弾かれる。

アルマージ「我が盾はいかなる攻撃だろうと弾く。例えそれがルインのセイバーでもだ」

エックス「なら!!ホーミングトーピード!!」

オクトパルドのDNAデータから入手した誘導ミサイルを放ち、アルマージに直撃させる。
アーマーはミサイルの直撃に耐えられたとしても内部に走る衝撃は相当なものだ。
しかし、エックスは悪寒を感じて反射的に身体を横にずらして回避。
それと同時にアルマージの額から放たれたバスターがエックスの頬に掠る。

エックス「っ…!!」

痛みに顔を顰めるが、煙の方を見つめる。

アルマージ「成る程、やはり強いな。流石は他の特A級ハンター達を倒しただけのことはある…今度はこちらから行くぞ!!」

アルマージは丸まるとエックスに向けて突進してくる。
突進を回避するエックスだが、アルマージは壁にぶつかると反射し、縦横無尽に動き回る。
壁や地面、天井にぶつかる度に部屋が揺れ、エックスの動きを鈍らせる。
更にアルマージは転がりながら四方にバスター弾を撃つ。

エックス「ぐっ!!」

動きが鈍っていたエックスはバスター弾を受け、硬直する。
それを狙い、アルマージが体当たりをエックスに喰らわせる。

エックス「ガ…ッ!!」

体当たりをまともに受けたエックスは勢いよく壁に叩きつけられた。

アルマージ「我の突進を受けながらまだ生きているとはな…」

内心驚きながらも額のバスターをエックスに向ける。

アルマージ「だが、これで終わりだ。さらばだエックス!!」

バスターにエネルギーが充填されていく。
エックスに向けてバスターを放とうとした瞬間。
2つ漆黒と橙の影が乱入した。

ルイン「グラウンドブレイク!!」

ゼロ「アースクラッシュ!!」

ナックルバスターと拳が地面に叩きつけられ、火柱と衝撃波がアルマージを襲う。

エックス「ゼロ…ルイン…」

ルイン「セーフ、何とか間に合ったね!!」

ゼロ「どうしたエックス?随分と苦戦したようだな。ボロボロじゃないか」

エックス「君達だって…まさか、オクトパルドとクワンガーを倒した後、すぐにここに来たのか?」

傷だらけのアーマーを見れば、治療を受けていないのは明白。
それなのに助けに来てくれた2人に嬉しいと思う反面申し訳なく思う。

アルマージ「ゼロ…ルイン…お前達まで来るとはな」

グラウンドブレイクとアースクラッシュを同時に受けたにも関わらずアーマーが少々焦げている程度のアルマージが煙から出て来た。

ゼロ「相変わらず出鱈目なアーマーだな」

ゼロの最強の技であるアースクラッシュとパワー重視の形態であるFXアーマーの最大の技だというのにも関わらずアーマーに焦げ目がついた程度だ。

アルマージ「ゼロ、ルイン。お前達も倒すように命令されている」

ルイン「それはシグマの命令?」

アルマージ「無論」

ルイン「そう…なら言葉はいらないね!!」

チャージしたナックルバスターをアルマージに叩き込もうとするが、アルマージの盾に阻まれる。

アルマージ「温いぞ!!」

ルイン「くっ!!」

額からのバスターを受け、のけ反る。

ゼロ「離れろルイン!!」

牽制のためにバスターを連射するゼロ。

アルマージ「その程度…」

アルマージを球状のバリアが包み込み、ゼロの放ったバスターを防ぐ。
そして…。

ゼロ「!!?」

アルマージ「喰らえ!!」

バリアのエネルギーが解放され、ゼロは吹き飛ばされる。

エックス「ゼロ!!」

アルマージ「ぬうぅん!!」

ゼロに気を取られたエックスに体当たりを浴びせるアルマージ。
ダメージから立ち直ったルインはナックルバスターのバスター弾を連続で放つが、アルマージのアーマーには傷1つ付かない。

ルイン「…っ!!」

理不尽なまでの防御力に歯噛みしてしまうルイン。

ゼロ「チッ!!爆裂炎!!」

拳を地面に叩きつけ、火柱を発生させる。
この技は威力こそはアースクラッシュに劣るが、相手の足止めには絶大な効果を発揮する。
ゼロはエックスとルインの元に駆け寄ると耳打ちする。

ゼロ「エックス、ルイン…“あれ”をやるぞ」

エックス「あれを…?」

ルイン「で、でもあいつにあれが通じるの!!?アースクラッシュやグラウンドブレイクが同時に当たってもびくともしないのに!!」

ゼロ「分からん…しかしこれが通用しなければ俺達に勝ち目はない。それに俺とエックスのバスターも強化されているんだ…以前以上の威力を見込める。一か八の賭けだ」

ルイン「…分かった。」

エックス「やろう」

ゼロ「エックス、ルイン。構えろ!!」

ルイン「うん!!」

エックス「行くぞ!!」

ゼロとエックスがバスターを構え、ルインがZXアーマーに切り換えるとバスターを構える。
火柱が消えるのと同時にアルマージが突っ込んで来る。

ルイン「エネルギー、フルチャージ!!」

ゼロ「行くぞエックス!!ルイン!!」

エックス「ああ…トリプル!!」

エックス、ゼロ、ルイン「「「クロスチャージショット!!!!」」」

3人のバスターから放たれたフルチャージショットが1つとなり、想像絶する破壊力を誇る砲撃となりアルマージに向かう。

アルマージ「っ!!」

その凄まじい熱量に戦慄したアルマージはバリアを張り、防御体勢に入る。

アルマージ「ぬぐぐぐぐぐぐぐ…」

砲撃はバリアを打ち破り、クロスチャージショットはアルマージに直撃し、吹き飛んだ。

ルイン「やった!!」

喜色を浮かべるルイン。
しかしアルマージは即座に立ち上がる。

エックス「そんな!?クロスチャージショットでもアルマージには通じないのか!!?」

ゼロ「いやダメージは受けている。だが、流石にもうあれを喰らってはくれないだろう…」

ルイン「どうすればいいの…?」
エックス「奴のアーマーさえ何とか出来れば…」

アルマージの異常とも言える防御力は全身に纏っているアーマーの恩恵があるからこそ。
アーマーさえ破壊出来れば、アルマージの戦闘力は大幅に減少する。

ルイン「アーマー…いくら異常な強度のアーマーでも金属であることには変わらない…なら…ゼロ!!」

ゼロ「?」

ルイン「もう一度あの火柱を出す技を!!」

ゼロ「何?あれはアルマージには通用しないぞ」

ルイン「私に考えがあるの!!お願い!!」

アーマーをLXアーマーに切り換えるとハルバードをフルチャージする。

ゼロ「爆裂炎っ!!」

拳を地面に叩きつけ、火柱を発生させるとアルマージを飲み込む。
アルマージはアーマーが熱されていくのを感じたが戦闘に支障が出る程ではないと判断し、火柱が消えた瞬間。

ルイン「フリージングドラゴン!!」

氷龍がアルマージに喰らいつく。
アルマージはアーマーの防御力なら耐えられると判断したのか防御体勢に入っていた。
しかし氷龍がアルマージに喰らいついた瞬間、アルマージのアーマーが砕けた。

アルマージ「何!!?」

ルイン「いくら頑丈なアーマーでも金属であることには変わらない!!熱されたアーマーを極低温で冷やした事で脆くしたんだ!!」

ゼロ「今だエックス!!撃て!!」

エックス「スパイラルチャージショットッ!!!!!!!!」

自慢のアーマーを失い無防備となったアルマージに最大出力のスパイラルチャージショットを放つ。
全身が砲撃に飲まれ、苦悶の表情を浮かべながらもアルマージは嬉しさを覚えた。
思考回路が暴走し、視界にノイズが走る。

アルマージ「いい…戦いだった」

満足感に満ちた呟きにエックス達は悲しげにアルマージの残骸を見つめる。

ルイン「…悔しいね…ゼロ、エックス。これ程の人でさえ…敵として戦わなきゃならなかったなんて…」

力なく座り込み、ポツリと呟くのはルインであった。
その想いはエックスもゼロもまた同じなのだろう。

ゼロ「逆だ。これ程の奴だからこそだ。一度意見を違えればもはや決して相容れることは出来ない。本物の戦士であれば尚更だ。…とにかく俺達は漸くここまできた。これで残るはシグマだけだが…」

正直今のままでシグマに挑むのは余りに無謀過ぎる。
エックスもゼロもルインも満身創痍。
とてもじゃないが史上最強のイレギュラーハンターとまで呼ばれたあのシグマと戦うだけの力は残っていない。

ゼロ「今は一度ハンターベースに引き上げるべきだな」

エックス「そうだな…」

バーニン・ナウマンダー

アイシー・ペンギーゴ

ストーム・イーグリード

スティング・カメリーオ

スパーク・マンドリラー

ランチャー・オクトパルド

ブーメル・クワンガー

アーマー・アルマージ

シグマについた特A級ハンター達を全て倒した今、シグマが何らかの動きを見せるはずだ。
そしてアルマージのDNAデータを回収すると、鉱山を後にしようとした時。
ハンターベースからの通信が入り、シグマのアジトを発見したとのこと。
“シグマの本拠地を見つけた。エックス、ルイン、ゼロはハンターベースに戻り次第指定された座標へ赴き、可能ならば、これを殲滅せよ。”
これが上層部からの命令。
エックス達は表情を引き締めると鉱山を後にした。 
 

 
後書き
アルマージ撃破。
パワーアップしたエックス達三人掛かりでようやく勝てるってどんだけ強いんでしょうね。
 
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