真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
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拠点フェイズ 4
拠点フェイズ 公孫賛 荀彧 賈駆 一刀 趙雲 劉備
前書き
一日の睡眠時間が三時間の遊佐です。
不眠気味です。きついです。
そんなお話です。
―― ??? ――
「……報告を聞こうか」
――――――――――
「……そうか。引き続き、頼む」
―― 公孫賛 side 洛陽 ――
私は奮武将軍・薊侯、公孫賛伯珪である。
………………あああああああああ!
恥ずかしすぎる!
何だ、この身に余りまくる称号は!
私が将軍位? しかも薊侯!?
正直、自分自身が自分で信じられない……
私には、それだけの実力があるわけでもないのに!
昔から普通普通言われて、才能がある桃香に負けないように必死で仕事をしてきただけなのに!
北の烏丸から民を守っていたら、それを認められて北平を任せられた。
我が世の春だと思っていたら……桃香や盾二たちが訪ねてきて、よし任せろと請け負ったら、私より有名になるほど活躍して。
星との兼ね合いが難しいなと思っていた矢先に、黄巾が蠢動。
これを機に桃香たちを独り立ちさせたら、あっというまに刺史にまでなった。
桃香や盾二達の実力を考えれば当然だから、それはいい。
けど、黄巾でも大した活躍もできなかった私が。
連合でも劉虞に騙されて参加した挙句、途中で離脱して劉虞と戦った私が。
なんでこんな理不尽なほど過分な恩賞を受けているのだろうか。
私は全く何も出来なかったはずなのに……
連合で功があった曹操が、献帝陛下の後ろ盾になった。
各諸侯も、功に見合った恩賞を受けた。
それはいいんだ。
けど、桃香たちが……ほとんどなにも恩賞を受けていないのはどういうことなんだ?
汜水関を単独で落とした功績はどうなったんだ?
私が連合を離れた後に、大失態をしたのだろうか……?
私は今、献帝陛下への御礼と、朝敵とはいえ皇族の一人であった劉虞を討伐してしまった赦免の為に、洛陽に来ている。
平原の城から見つかった多数の金品を、陛下に返上するためでもある。
ちょうど私が洛陽に到着した頃、劉虞討伐軍は解散したようだ。
諸将が、それぞれの領地に帰ろうとするのと入れ違いに洛陽に入った。
その時、ちょうど麗羽の軍がいた為に挨拶しようとしたのだが……
「あ~ら。これはこれは。今をときめく薊侯、公孫賛伯珪殿じゃございませんこと。幽州のみならず平原周辺まで領土を広げられたそうですわね。おめでとうございますわ! で・す。が! 冀州は、元より私の領地! 精々、劉虞のような非道な真似をしないように、お気つけあそばせっ!」
一方的に捲し立てられて、そのまま去っていった。
私は、北平での窮地を救ってくれたことを感謝しようとしていたのだけど……一体どういうことなのか。
麗羽の付き添いの武官の二人が、ペコペコと頭を下げていたけど……
何か機嫌が悪かったのかもしれない。
仕方がない。
後で平原に戻ったら、改めて礼を言いに行こう。
何かおみやげでも持っていけば、あの麗羽のことだ。
機嫌を直してくれるかもしれない。
ともかくも洛陽に入り、温徳殿へ参内した。
献帝陛下にお会いすることが出来たのは、望外の喜びだった。
劉虞に関しては『謝罪はいらぬ。むしろ朕の身内が迷惑をかけた』と、皇帝陛下直々に謝辞を述べられた。
これにはさすがに驚いた。
略式謁見ではあったが、天子であられる陛下が私ごときに……
傍にいた曹操は、特に何も言わず平然とそれを見ていたが、それでいいのだろうか……?
むしろ周りの文官が、慌てふためいているのが普通なのだから。
ともあれ、献上品として劉虞が隠し持っていた金品の数々を陛下にお返しすることにした。
その内訳をすべて読み上げ、書き記した目録を陛下に献上する。
「そうか……ならば、その品は全て孟徳に譲り渡すこととしよう。劉虞討伐の恩賞である。公孫伯珪、よいか?」
「はっ。元よりこれは、陛下にご返上した物。陛下の御心のままに」
私が頷くと、ちらっと曹操を見る。
曹操は、渋面の顔をしていたが……そのまますんなりと受けていた。
まあ、曹操には北平を救ってもらった恩もあるし。
元々返上していたものをどうしようと構うまい。
「それにしても劉虞め。これだけの物を貯めこんでいたとは……公孫伯珪も、それを惜しげも無く返上するとは、誠に漢の忠臣よ。これは新たに官職を与えるべきではないだろうか? のう、孟徳」
えっ!?
薊侯ですらありがたいのに、この上さらに!?
「陛下……陛下のお考えには賛同いたしますが、なにぶん伯珪殿は、先だって薊侯に封じたばかり。拙速に官位を上げては、周囲からの疑心の元になりましょう。伯珪殿ご自身の為にも、今回は見送られたほうがよろしいかと存じます」
「ふむ……確かに。あまり急に官職を変更しては、混乱の元となるな。では、公孫伯珪よ。戦で荒れた北平、並びに平原をよくまとめてみせよ。その報告次第で、来年にも汝を幽州牧とする。励めよ」
「は、ははーっ! あ、有難き幸せ! 不肖、この公孫賛伯珪! 全身全霊を以って復興に励みます!」
私が……州牧!?
この私が……
ほとんど夢心地のまま、謁見の間を退室する。
本当に夢みたいだと思う。
北平の太守が、我が人生の春と思っていたのに……まさか州牧への道まで開けるとは。
私は桃香のような人望も、盾二のような才覚も、愛紗や鈴々、星のような武力もない。
ごくふつーの平凡な女のはず。
にも拘らず……私が州牧だなんて。
思わず自分のほっぺをつねる。
……………………痛くない。
やはり夢か。
「……なにしているのよ」
「うぴゃ!?」
確認の為に、さらに両手でほっぺをつねろうとして変な顔になってしまった所を、曹操に見られてしまった。
ちなみに、今度はしっかり痛かった。
「い、いやその……わ、我が身の幸運に、思わず夢かと思って」
「…………………………はあ」
うう。
盛大に溜息を吐かれてしまった。
思いっきり呆れられたのだろう。
「安心なさい。ちゃんと現実よ……ちょっと話さない?」
痛む頬を押さえていると、曹操に庭園の一角での茶席に招かれた。
まさか温徳殿で、茶の席に立ち会えるとは……
「……貴女のおかげよ。感謝するわ」
「ふえっ!? えっと……」
突然、曹操に頭を下げられた。
一体どういうことなのか。
「あの劉虞の遺産よ。あれを返上してくれなければ、我が領地は大変なことになるところだった。ほんとうに感謝するわ」
「…………よくわからないけど、私はただ、元より陛下のものをお返ししただけだ。それを陛下がどうするかは、私が口を挟むことではないだろう?」
正直、曹操に感謝されるほどのものじゃない。
むしろ、曹操にこちらが感謝しているのだから。
「それでもよ。おかげで兗州は救われたわ。本当に感謝しているのよ」
「……困ったな。私こそ貴方に感謝しているというのに」
「え?」
「北平を救ってくれたこと。私は今でも感謝しているよ、曹孟徳殿」
「…………そう」
曹操は、下げていた頭を上げ、くすりと笑った。
それに釣られて、私も破顔する。
「ならお互いに貸し借りなし、ということかしら?」
「ああ。別にこんなことで貸しだなんだと言うつもりはないさ。困ったときはお互い様、それでいいじゃないか」
「……なんか、貴女って漢らしいわね」
「そうかな?」
「そうよ?」
互いにおどけて笑う。
曹操とはそんなに接点がなかったけど、実は結構いいやつかもしれない。
結局その日は、曹操に歓待されつつ帰路についた。
―― 荀彧 side ――
あの悪夢のような日々は、今でも夢に見るわ。
兗州全土に広めてしまった『じゃがいも』。
それを回収するために邑々を回り続け、せっかく芽吹いた苗を焼き、土を掘り返して新たに種を蒔く。
だが、季節がずれていたこともあり、やはり収穫は通常の半分程度。
あの時ほど自分の迂闊さを呪ったことはないわ。
華琳様が早急に対処しなかったら、本当に兗州は多数の餓死者を出していたはず。
けど、おかげで糧食が底をつき、しばらくは大規模な兵の動員は不可能になったわ。
「でも、だからこそ、この案ができたのよね……」
私は、手に持つ竹簡の束を開く。
そこに書かれている文字は――『屯田制改革案』
「今までの屯田制度は、防衛する兵士に農耕を行わせた軍屯だった。けど、これからは一般の人民にあてがって耕作させる民屯に変更する……」
兗州全土の民を平時は農民、戦時は兵士とする案は、一見有益に思える。
でも……当然戦をすれば、兵は死ぬ。
そしてそれは、農地を耕す労働力自体を減少させる結果になるわ。
その上、農業の専門知識を有する人材を戦で失うことで、さらに農業の技術が失われかねないのよ。
今回のじゃがいもの件もそうだったわ。
今回は屯田兵による栽培だったため、連合での戦闘で死んでしまった兵士のじゃがいもの知識と経験が、新しく動員した新兵に全く伝わっていなかったのがそもそもの原因。
そのために前例に倣う様にしか対処できず、今回のような土が死んだ状態を作ってしまった。
連合で担当の屯田兵が死んでいなければ、今回の失態は防げていたかもしれない。
いや、もし起こっても被害が少なかったこともありえるのだから。
「過ちは正さなきゃ……」
兵を、民を養うには、まず安定した収穫がなければならない。
今更ながらにそのことを思い知ったわ。
「許昌周辺の邑では、これに変更して……国境周辺では軍屯と民屯を併用して、労働力を確保する。最初の耕作に最も労働力を必要とするから……」
民には子を増やすことを奨励すればいいのよ。
戦時の徴兵は、知識と経験を伝える長男でなく、次男、三男などにしていけばいい。
そして生き残った彼らは、新たな土地の持ち主にすれば……
じゃがいもの件も、もっと情報が必要よ。
梁州でのじゃがいもの豊作には、必ず裏がある。
ならば、その方法を徹底的に調べ上げなきゃならないのよ。
前回、細作千人での探索で生き残ったのは数人だったわ。
なら今度は二千、いいえ三千でやってやるわ。
それだけじゃなく、いろんなツテを使ってその秘密を暴いてやる!
これから来るであろう戦乱の時代。
それを見据えて考えれば、必ず華琳様の領土は広がっていく。
最初の耕作を軍が民と共同で行い、後に民主導のものとして、農地は貸し与える事で管理すれば。
それに併せて人口と収益を管理して、徹底した税と糧食の確保をすれば。
どんなに華琳様の領土が広がっても、安定した糧食と軍費を捻出できるはず!
「全ては華琳様の為に!」
私は、山のような竹簡の束を抱え、華琳様の元へと走る。
もう絶対に……今回のような失敗はしない。
私は私のやり方で、華琳様の軍を大陸一にするのだから!
―― 賈駆 side 漢中 ――
「と、いうわけで。君には仕事をしてもらう」
「…………わかってるわよ」
天の御遣いに呼び出された時から、こうなるのはわかっていたのだけど……
御遣いたちの執務室前で、私は天の御遣いににこやかに微笑まれた。
……若干、目の下にクマがあるみたいだけど。
「で? 仕事はなに?」
「基本は朱里と雛里のサポート……補佐だな。二人に付き合って政務・軍事の両面の取りまとめをしてもらう」
「なっ……!?」
御遣いの言葉に耳を疑う。
それって……梁州の最高機密に関われと!?
「ちょっ……わ、私が言うのも何だけど、いいの? 私はまだここでは新参者なのよ?」
「そんなことは百も承知。だけどね……」
と、がしっといきなり私の方を掴む天の御遣い。
な、なんなのよ!?
「な、なによ!?」
「そんなこと……気にしていられる余裕はないのDeath(デス)よ?」
「ふぇ!?」
い、いきなり凄まれても……
「見ろ! これを!」
バンッ、と執務室の扉が開かれる。
そこには――
「な、なによ、これ!?」
山のような竹簡が、大広間のような執務室を埋め尽くすような量で鎮座していた。
……って、こんな量、洛陽でも見たことないわよ!?
「はっはっは……何しろ仕事が山積みでねぇ。文官の半数が過労で倒れた今、例え新参者だろうが猫の手だろうが、使えるものは使う!」
「ひぃっ!?」
とんでもないことを高らかに宣言された!?
と、御遣いは山ほどある竹簡をかき分けるように中に入っていく。
「さあ、カモンカモン!」
「か、かも……?」
「いいから来る! 早く!」
「ちょっ!? アンタ、性格変わってない!? っていうか、襟首持つなぁ!?」
私はその竹簡の山を通りぬけ、奥へと通される。
と、そこには――
「…………………………」
「わかったか? これが現状だ」
二人のちみっこいのが、ものすごい形相で竹簡を処理している姿が……
「朱里! 雛里! 連れてきたぞ! 仕事押し付けて、二人は二刻(四時間)ほど寝ろ!」
「「 ふぁ……ふぁい! おねがいしましゅ! 」」
そう言うと同時に、二人共が机に突っ伏すように崩れ落ちた。
「…………………………」
思わず唖然としたまま何も言えなかった。
「ちょっとアンタ、一体何日寝ないで働かせたのよ」
「先に行っておくが、俺は何度も寝ろといった。だけど、俺が寝ないのに眠れないと意地張って寝てないんだ。だから詠を呼んだ」
「……ちなみにアンタは何日寝てないの?」
「今日で七日目だ。さすがに俺もやばい」
「な……」
ば、化け物!?
「二人は六日目だ。俺がいない時は交代で寝ていたらしいのに……俺が戻ってきたら逆に寝なくなるんじゃ、本末転倒だな」
「アンタたち……死ぬ気?」
「俺は鍛えているからまだいいけど……さすがに二人はまずいよな。もっと早めに無理やり寝かせるべきだったと反省している」
鍛えていれば寝なくて済むなら、みんな体鍛えるわよ!?
「アンタたち、いつもこんな仕事量を……?」
「いや、今が特別忙しいんだ。連合参加のために色んな所に無理をかけた。その予算の再編成から子午道を突貫工事で開通させた資金の工面、連合参加のせいで中断してしまった定軍山の砦の建設、新規建設予定だった街道駐屯地の資金の捻出、新規開拓地の人員と資金と食料の手配、まだまだあるけど全部言う?」
「……………………」
「わかっている。ちゃんと睡眠時間は取らせる。俺はいいから、せめて朱里や雛里と三交代で休めるようにしてほしいんだ。頼むよ……」
「…………………………はぁ」
こんな状況で、よくもまあ……
でも、これだけのことをしているからこそ、この梁州は急激に発達できたわけなのね。
……でも、自己管理できていない時点で、上に立つものとしては失格な気もするけど。
「わかったわよ、もう……ともかく、手を離して降ろして」
「あ……悪い」
いつまでも襟首掴んでいるんじゃないわよ、もう。
私は乱れた衣服を整えて、そばにある竹簡をとった。
「……なによこれ。開墾地の問題とその解決案? こっちは……定軍山の砦建築計画の再編要項? こっちは、じゃ、じゃがいも? の栽培における、今年度の問題一覧……本当に最高機密の山じゃないの!」
こんなものをあからさまに見せるなんて……よほど余裕が無いってことじゃない。
……
…………
………………
ああ、もう!
「わかったわよ! 月の件もあるし! やるって言った以上、しっかりやってやるわ! アンタも手伝いなさいよ!」
「……ありがとう、詠」
まったく……誰よりも赤い目で、誰よりも目の下にクマ作っているくせに……
そんな、屈託のない笑顔で笑うんじゃないわよ!
まったく……しょうがないやつらね。
私が手伝ってやらなきゃダメなんだから……
「あ、ちなみに……前言った通り、軍の方も見てもらうから」
「あ、アンタ! この上、まだ仕事振る気!?」
「大丈夫! 一日一刻ぐらいの睡眠時間は守るから!」
「ギャーッ!?」
前言撤回!
やっぱ逃げればよかったわっ!
―― 一刀 side 漢中近郊 ――
「というわけで。今日から第三軍でお世話になる事になりました、北郷一刀です。みんな、よろしく!」
俺の言葉に、その場にいた千人隊長たちが盛大に拍手してくれる。
いやいや、どーも……
「ごほん! では、一刀殿には副将として働いてもらいます。ご主人様の兄君とはいえ、あくまで武将として扱うように、とご主人様から申し渡されています。よろしいか?」
「ああ、うん。それはもちろん。元々、アーカムで部隊やっていた時もそうだったし。新参者だしな。俺は趙雲さんに従うよ」
「よろしい。皆もそのようにな。では、まずは第三軍として部隊を率いて調練を行ってもらいます。一刀殿は、第一から第五までの千人隊長とその配下を率いてください。私は第六から第十までを率います。まずは隊列運動から行いまして、移動。陣形の変更をいくつか繰り返してから、実際に模擬戦闘となります」
「第一から第五って、鎧の胸と背中に書いてある数字の隊だよね。で、隊長さんが兜に馬乗っている人、と。理解したよ」
戦国時代みたいに旗を背中に挿したほうがわかりやすいんだけどなー……
「ふむ……では、質問はありますか?」
「んー……いや、特には」
「ほう……ふふふ。では、始めましょうか」
?
なんで趙雲さんはニヤニヤしているんだろうか?
ともかく、俺は千人隊長たちに担当する兵をまとめるように指示して、馬に乗る。
正直、ここ一ヶ月でだいぶ馬に乗れるようになったけど、まだまだ慣れていない。
さすがにバイクや車と同じようにはいかないか。
「では調練を開始する! 各自横陣のまま、二里(一km)先まで行軍! 駆け足!」
「「「 オオオオオオッ! 」」」
趙雲さんの号令に、向こうの兵が動く。
一万の人が動くその姿は壮観だ。
「一刀殿、号令を」
「おっと、そうだった」
見とれている場合じゃないね。
今じゃ俺もその指揮官なんだ。
「横陣のまま追随し、行軍する! 駆け足!」
「「「 オオオオオオッ! 」」」
先導するように馬を軽く走らせる。
現代のサラブレットほどのスピードは出ないようだが、それでも乗っている俺の装備が軽いせいか、徒歩で走る兵よりは多少早いようだ。
スピードは出ないが、その分体力はあるのだろうな。
ずんぐりした体躯の馬は、ポニーを連想させる。
体感で十分程度の後、目的の場所まで移動する。
その後は、何度か陣形を変更しながら移動を繰り返す。
こうやって陣形変更時の自分の位置を、兵の体に覚え込ませるんだそうだ。
なんとなく集団行動のパフォーマンスの練習みたいだ。
……本当にそれだけで済むなら平和なんだけどな。
「よし。では半刻後に模擬戦闘を行う! こちらは赤軍! 一刀殿は白軍である。双方準備せよ!」
趙雲さんの号令により、兵たちが各々で装備を確認している。
兵たちが装備しているのは真剣ではなく、木剣や尖端に布をくるんだ棒だ。
弓も矢の鏃を外し、代わりに綿を詰めた袋が付いている。
以前は刃引きした銅剣や鉄剣を使っていたそうだが、訓練中の死亡事故や怪我の重症が多いため、盾二が取り入れたらしい。
結構これには趙雲さんを含め、武将側から反対があったそうだ。
いわく、訓練とはいえ危険を伴わないと真剣味が薄れると。
だが、実際に二万や三万の軍勢に、訓練用に刃引きした武器を用意するのは多大な軍費がかかる。
その上で、調練が元々不足がちな一般兵で構成される第三軍だ。
なので、第一軍と第二軍では従来のまま、第三軍の調練時のみ木剣ということになった。
俺はどのみち木刀で訓練していたし、それが当然と思うんだけど……趙雲さんに言わせると不満があるらしい。
以前は馬正さんがそれを諌めていたそうだ。
あの趙雲を諌める存在か……すごい人だったんだな、馬正って人は。
俺も負けてられない。
「一刀殿。白軍の戦法はいかがします?」
聞いてきたのは、第一番隊の千人隊長さんだった。
「へ? 模擬戦闘なら、剣をあわせる程度じゃないの?」
「は? いえ、実際に相手を叩きのめしますが」
げげっ!?
マジで実践的なのか……そりゃそうか。
訓練だと甘い考えを持っていた俺が馬鹿だった。
「そっか……じゃあ、勝ちにいっていいの?」
「というか、そのつもりでないと困ります。ヘタしたら趙雲将軍に本気で殺されますよ」
「あ、そう……実践と変わらないってことか」
んー……特に聞いていなかったんだけどな。
でもまあ、本気で倒しに行けって言うならやるしかないか。
「寸止めでなく、倒していいの?」
「一応、一撃入れたらそれまでです。倒れた相手への攻撃は禁止。急所は狙わない。一撃入ったらその兵は死亡としてその場に座ること。巻き込まれないように逃げるのは許されています」
「勝敗は?」
「動けない、あるいは倒れたものが多いほうが勝ち、ですね」
「そっか……」
もうちょっと、こう……指揮官倒したら勝ちとかじゃないの?
まあ、軍内の模擬戦闘だし、勝敗云々競い合わせるんじゃなくて鍛える目的ならこんなもんか?
「例外として、趙雲将軍を倒したら調練報酬二倍らしいですが……」
「えっ!?」
「ちなみに、こちらは一刀殿がやられたら向こうが二倍です」
「聞いてないんだけどっ!?」
それって俺狙われるってことじゃん!?
って、まて。
最初にニヤニヤしていたのは、それか!?
「くっそ、ハメられた……」
「しかし、一刀殿がやられることはまずないでしょうな」
「え? なんで?」
「なんでって……御遣い様と同じ力をお持ちなのでしょう?」
「……まあ、このスーツはそうだけどさ」
……そういや俺、スプリガン候補だった。
ははは……関羽さんや趙雲さんに負けっぱなしで忘れてたよ。
「御遣い様の力は、梁州中に知れ渡っていますからね。それに立ち向かおうなんていうのは、将軍たちでもなければいやしませんよ」
「うーむ。そう言われると嬉しいのか悔しいのか微妙だな……まあいっか。ともかく作戦だけど、なにか意見ある?」
「意見……ですか? そうですね……趙雲将軍は、戦況に応じて的確に対応する器用な方です。第三軍自体、一軍や二軍ほどの戦闘力がありませんので、普段は遠距離からの弓攻撃を行い、半方位陣形で防戦から開始することが多いです」
「へえ……防御主体なんだ。なんか盾二みたいだな」
「趙雲将軍は、黄巾以前から御遣い様と親しかったようですから。御遣い様の戦い方に影響されておいでなのかもしれません」
虎威将軍といわれた趙雲に影響を与えるか……なんか悔しいな。
演義でも趙雲って、武力も知力もある秀才って感じだし、どっちにしろ侮れない。
防戦から入るってことは、相手の出方を見るってことか……やっかいだな。
だとするなら……
「うーん……………………よし、決めた」
「はい」
「えっと……アンタ、臨時に俺の代わりやってね」
「…………………………は?」
―― 趙雲 side ――
さてさて楽しみなことだ。
一刀殿の戦の才、存分に見せていただこう。
「そろそろ半刻! そちらの準備は良いか!?」
私が叫ぶと、相手の集団から一人の騎馬がやってくる。
どうやら千人隊長の一人のようだ。
「こちらの準備は整いました。私が戻りましたら、開始の銅鑼をお願い致します!」
「承知!」
騎馬を翻して自軍へと戻っていく千人隊長。
ふむ……一刀殿は先陣には立たぬのかな?
ご主人様の話では、攻撃力に特化しているとの事だったが……まあよい。
「よし、銅鑼を鳴らせ! 模擬戦を開始する!」
「ハッ!」
ジャンジャンジャーーン!
銅鑼の激しい音と共に、我軍は後退する。
中央を下げ、半月陣形となり、弓隊が前に出る。
相手の足を止め、出血を強いる半包囲陣形。
これで向こうの出方を見ることにする。
「よし、弓隊構……」
「将軍! 敵から単騎が突進してきます!」
「なにっ!?」
兵の声に前線を見れば、疾風のように駆けてくる黒い影。
その姿を見た私は、思わず叫んだ。
「ご主人さっ……い、いや、一刀殿かっ!?」
その姿はまさしくご主人様に瓜二つ。
攻勢の時は一兵士となって敵陣へと飛び込む、先駆けそのもの。
いや、むしろご主人様よりもわずかに速い!
「まずい! 弓隊下がれ! 槍隊! 前に出て足を止めよ!」
「無駄ぁっ!」
なっ……!
こちらが対応するよりも早く、そのまま跳躍して飛び込んでくる。
そして陣形が入れ替わろうとするその中央に飛び込まれた。
「しまっ……」
「ハァァァァァァァァァッ!」
瞬く間に周囲の兵の木剣や棒を叩き壊していく。
その動きは、訓練の時とは見違えるような疾さだった。
「ちぃっ! 下がれ! 私が相手をする!」
兵ではご主人様と同じ攻撃力、防御力を持つ一刀殿には敵うまい。
なれば私が相手をするしかない。
「一刀殿! 私が相手を……」
「だが断る!」
「はいっ!?」
あろうことか、一刀殿はそのまま跳びはねるように私から下がり、こちらの軍の兵達の中へと潜り込んでいく。
「なっ、なにを……はっ! しまった!」
ぬかった!
一刀殿は、私以外が自分を倒せないことを知っている!
案の定、兵たちは武器を壊され、まともに競り合うこともできずにその場に座り込んでいく。
当然だ。
ご主人様の強さを知っている梁州兵なのだ。
それに対抗する術がない事を、大陸の誰よりも自覚しているのだから。
「くっ……み、道を開けよ! 私が……」
「将軍! 白軍が突撃してきます!」
「なにっ!?」
見れば白軍が、各千人隊長の指揮で突撃してくる。
くっ……一刀殿は囮かっ!
「うろたえるな! 一刀殿を相手にせず、前方の白軍へ当たれ! 弓隊は下がり、槍隊前に出よ! 槍隊は六七八番の隊長が指揮! 敵の足を止めよ! その間に弓隊は九番、十番の隊長が指揮して、左右に展開! 前線の外より矢を浴びせよ!」
「「「 御意! 」」」
「一刀殿は私が追う! 向かってきても避けて通れ! できないものは足止めに徹せよ! 相手はたった一人! できることは限られている!」
私は周囲に叫びながら、走る一刀殿を追う。
いくら一刀殿がご主人様と同じ力を持っていても、所詮は一人。
万を相手に短時間で相手にすることはできない。
であれば、徹底的に兵には無視させれば良い。
案の定、一刀殿はなるべくこちらの兵の固まっているところに飛び込もうとするが、それを見た兵たちが蜘蛛の子を散らすように散っては前線へと走って行く。
「ちぃっ!」
「さすがはご主人様の兄君! だが、私とて梁州第三軍を率いる者! そして私だけが、本気で逃げるご主人様を追い詰めたことがあるのですよっ!」
「どんな状況だ、それは!」
ははははは!
「くっ……思ったよりも効果がなかったか! けど、それなら!」
一刀殿は、足を止めてこちらを見た。
「指揮官を足止めすればどうなるっ!?」
「私に勝てるとお思いかっ!?」
「悪いけど……」
一刀殿の体が膨れ上がる。
どうやら服の力を開放したようだ。
おもしろいっ!
「今回は本気だぜ!」
―― 盾二 side 漢中 一刀私室 ――
「で、こてんぱんに負けた、と」
「うぐぐ……」
目の前で全身打撲の上、顔を腫れあがらした一刀を前に、俺は溜息を吐いた。
先ほどまで女官に傷の手当をさせ、今は寝台に横になっている。
「あのな……俺だって『スーツの力を使って』星と戦っても負けるって言ったよな? 訓練でも負けたのに、なんで勝てるって思ったんだ?」
「いや、なんていうか……体にだいぶ慣れてきたし、思った以上に動けたしさ。それに俺、本番に強いから……」
「実戦経験ではるかに負けるお前が、どうやって百戦錬磨の星に本気でやって勝てると思えるんだよ……」
「だって、趙雲さん倒す以外に方法思いつかなかったし……」
あのなぁ……
「これは『兵の調練』なの! お前が一人暴れたって意味ないの! 兵に実践の感覚をつかませるためのものなのに、お前が一人頑張ってどうするんだよ!」
「………………むぅ」
まったく……
俺は言い訳をする一刀から目をそらし、床に正座している人物を見る。
誰であろう、その加害者だった。
「ま、まあご主人様。一刀殿の力も分かりましたし、決して無駄とは……」
「……君も同罪だぞ、星。なんでちゃんと説明しなかった?」
「うっ……」
どうせ一刀の指揮能力が見たいとか思って、わざとフリーハンドで好きにやらせた結果、収拾つかなくなったってことだろうに。
「はぁ……まあ、さすがに一刀がゼロバースト使うような馬鹿じゃなかったからよかったものの……」
「いや、さすがにそれは使わねぇよ……」
「こいつはまだ、部隊を率いる経験値が圧倒的に足りないんだ。俺が一刀を第三軍の副将にしたのは、星からそれを学んでほしいからであって、自分一人で突っ込めばいいってことじゃないんだよ。星はそのことを肝に銘じてくれ」
「……はっ。申し訳ございませぬ」
こっちが本気で怒っているのをわかっているのか、珍しくはぐらかさずに謝罪する星。
いつもこうならやりやすいんだがなぁ……
「お前もだぞ、一刀。いつまでもA級チームで名ばかりの副官やってた状況じゃない。あの頃は三十人程度だが、今度は万単位の指揮をとるんだ。一兵士としての力より、指揮官としての力が必要とされるんだ。自分が突っ込めばいいってのは、時と場合によるんだよ」
「けどな、俺を含めてスプリガンはあくまで『兵士』だぜ? 優先輩や大槻もそうだけど……てか、指揮官適性があるお前やティアさんが、ある意味異端じゃねぇか」
「あのな……お前がそれじゃ、困るんだよ。この世界では力あるものが兵を指揮するんだ。鈴々だってあんなナリでも日々、人を指揮することを学んでいるんだ。お前ができないとは言わさないぞ」
「………………」
「俺だって下地があったとはいえ、最初からできたわけじゃない。白蓮……公孫賛っていう人のところで数千人単位の兵を率いて転戦しまくった結果だ。最初から完璧にやれって言うことじゃない。ただ、自分だけでなく、人を動かすことを学んで欲しいんだ。それが必要な世界なんだから」
「………………ああ」
さすがにへこんだ一刀。
その様子に、盛大に溜息をこぼす。
「ともかく、今後のことだが……まず、一刀は調練時の戦闘参加は禁止。星から将としての指揮のやり方、その技術を覚えろ」
「……わかった」
「あと、第三軍の副将にはもう一人つける。一刀は、その人物から副将の役割を学んでくれ」
「もう一人、ですと?」
俺の言葉に、星が眉を寄せる。
千人隊長の誰かを思い浮かべているのかもしれない。
「一体誰を……」
「もうすぐ来る」
さっき一刀の治療した女官に伝言を頼んだからな。
と、扉の外からその女官の声がした。
そして案内され、入ってくる人物は――
「あ、アンタねぇ……まだ向こうの仕事中なんですけど!?」
「紹介しよう。第三軍の副将になった、賈駆改め、賈詡文和だ」
「無視!?」
いや、どうせ相手にしてもギャーギャー騒ぐだけだし。
「というわけで、詠。喜べ、軍事の現場にも携われるぞ」
「嬉しくないわよ! アンタのおかげで仕事が増えるだけじゃない! 朱里や雛里の仕事の補佐だって大変なんだから!」
「おお、もう真名交換したのか。それは重畳。ついでに上官になる星ともしておくといいよ。あ、一刀は真名がないからそのままで」
「鬼っ! 鬼畜! こんな事なら、アンタの提案なんか乗るんじゃなかったわ!」
ははは。
ブラック企業、梁州へようこそ。
……あんまり面白くないな。
「……盾二。お前、一体何やった」
「いや、普通に仕事頼んでいるだけ。大丈夫だって、詠。大変なところは、同じ副将の一刀に押し付ければいいんだから」
「ちょっ!?」
「ただ、副将の仕事とかそもそも人を率いるのに慣れてないから、その辺を教え込めば後は任せて大丈夫。こいつ、体力は俺並だから」
「………………へぇ」
あ、詠の目が捕食者の目になった。
「じゅ、盾二……? い、いくら何でもその説明は、俺に対する死刑宣告に聞こえるんだが」
「普通に仕事覚えろよってだけだよ。なに、星もいるし大丈夫だって。な、星………………?」
「……趙雲さん、いねぇじゃん」
ち、逃げたか。
「………………まあ、うまいことやってくれ。詠、副将の仕事で空いた時間は休憩に回していいから、よろしく」
「そう……私の睡眠時間は、コイツの仕事次第ってわけね。朱里や雛里じゃ無理でも、この男なら……」
「ちょっ、まっ、おい、盾二!」
「ということで、俺は十日ぶりに半日ほど寝る。夜にまたなー」
あー……眠い。
さすがに死にそうだわ。
でもこれで、予定が早まる……といいなぁ。
頼むぜ、一刀。
全てはお前の出来次第なんだから……
―― 劉備 side 漢中 共同墓地 ――
あの連合軍の戦いから、一年の時が過ぎました。
この一年、いろんなことがありました。
東西南北に急激に拡張した開拓計画。
そして打撃を受けた梁州軍の再編成と調練の日々。
そんな中でも、みんな毎日を忙しく仕事をして、騒いで、笑い合う。
私が夢見た、誰もが笑って暮らせる世の中。
その縮図が、ここにあります。
ご主人様は、相変わらず朱里ちゃんや雛里ちゃんと梁州の総指揮を取る毎日。
増産したじゃがいもや米を担保に資金を調達したり、新しい作物の栽培を試したりと寝る間も惜しんで働いています。
愛紗ちゃんは、最近第一軍の中から有望そうな人材を選抜する仕事が忙しいみたい。
加えて私の補佐までやってくれている。
鈴々ちゃんは、補充された第二軍の調練に毎日駆け回っている。
同じように梁州中を駆けまわる警邏隊から引き抜いたけど、前の補充兵より見劣りするからと一生懸命になっている。
時折暴走しがちだけど、それは第二軍の古参の人たちが止めてくれているみたい。
星ちゃんは第三軍の調練だけど……ちょっと驚いた事に真面目にやっている。
以前はよくさぼっていたんだけど……馬正さんがいなくなったこともあって、人が変わったように調練に身を入れているみたい。
そしてその馬正さんの代わりに、ご主人様のお兄さんの一刀さんが調練に参加している。
元々副官みたいなことをしていたというけど、実際は部隊の先端で突撃して鼓舞する武将みたいな形になっているらしい。
星ちゃんに言わせると、鈴々ちゃんに近いらしい……ただし、鈴々ちゃんほどの突撃力はないとのこと。
ご主人様とは対極なんだね、お兄さん。
その第三軍には、新しい副将がついた。
それは賈駆、改め賈詡……詠さん。
一刀さんが副将のような仕事が苦手だということで、急遽第三軍の臨時副将としてご主人様が詠さんをつけることになった。
但し、あくまで詠さんは臨時。
副将の仕事をお兄さんに教えることを目的にしているらしい。
なにしろ詠さんの本職は、朱里ちゃんや雛里ちゃんの補佐なのだから。
そして、その主であった董卓さん……月ちゃん。
私達みんなの身の回りの世話をしてくれている女官さんたちの一員として、毎日働いてくれている。
偽名である『トントン』ちゃんとして、結構人気が高いみたい。
すでに文官さんや武官さんから告白もされたりしているみたい。
でも、どこからともなくやってくる詠さんに蹴り飛ばされるまでが、日常茶飯時になっている。
そして私は、相変わらずいろんな人に会って、意見を聞いたり、重要な案件を決めたりする毎日です。
誰もが忙しく、けど楽しみながら笑い合って生きている毎日。
これも全部……馬正さん、そして戦いで命を落とした兵隊さんたちのお陰です。
だから、私はここで手を合わせて祈ります。
ご主人様や一刀さんが、よくそうしているように……
でも……
私の胸には、段々と湧き上がるような不安がある。
戦いの記憶は、民の間から徐々に薄れていっているはずなのに。
誰もが笑い合える平和が訪れているのに。
何故か、私の胸を締め付ける何かがある。
まだ終わっていない――そんな、漠然とした何かが。
「……風が」
不意に吹いてきて、私の髪を凪いでいく風。
その風は、なぜか異様に………………冷たかった。
後書き
ええと……梁州軍の軍の特色とか書いているんですがいまいちわからないと意見を頂きました。
別に感想でくださればそこでも良かったんですが、メールできていたのでここに書いておきます。
梁州軍の内訳
第一軍 将軍関羽
近衛兵のようなエリートの意味合いを持つ。しかしやることは雑用に近い。
偵察・伝令・兵の指揮・管理など、多岐にわたる仕事をなんでもこなせる人材を育成している。
火消しや警邏隊などへのまとめと伝令、内城の警備と火消しなども行う。
将来の武将候補もここから選出されるため、仕事の内容にもかかわらず希望者が多い。
警邏隊の東西南北の隊長や、警官隊の警視、第三軍の百人隊長や千人隊長はここから選出されている。
第二軍 将軍張飛
とにかく持久力が要求される特殊な軍。
近隣の見回り、漢中外周の警備、強行偵察など軍の先陣をきる強襲隊。
元々、鈴々のとんでもないスタミナについていける人材を求めたら、特殊な軍になってしまった。
毎日、フルマラソン以上の距離を走るため、脱落者が多い。
それに耐え切れた人材が正規兵であり、その数は反董卓の章終了時で二千人足らず。
補充兵は、まだ完全に鈴々の要求レベルに達していない。
第三軍 将軍趙雲
第一軍、第二軍に漏れた一般兵で構成されている。
他の国での通常兵にあたる。
警官隊 責任者(警視)馬正(故)
漢中内の警備・防犯・火消しの監督・住民との折衝などを行う。
警邏隊 責任者 馬正(故)
東西南北の四つに分けられた領内警備を行う。
盗賊への対応、報告、開拓地の巡察や街道警備など。
簡易的ではありますが、現状はこんな感じです。
章ごとに設定してありますが、あんまりばらすと面白く無いのでこのへんで。
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