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ロックマンX~朱の戦士~

作者:setuna
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第九話 Abandoned Missile Base

 
前書き
ナウマンダーを撃破したエックスとルイン。
次に向かうのは…。 

 
ナウマンダーを下したエックスとルインが選んだ次の攻略するエリアは、南極。

ルイン「綺麗…」

降り続ける雪を見つめながらルインは目を輝かせながら呟いた。
エックスも思わず苦笑してしまうが、シティ・アーベルを離れたことがないルインがそう思うのも無理はないと思ったし、エックスもこの白銀の世界に見取れていた。
しかし、この世界は普通の人間が生きていくには厳しすぎる場所だ。
レプリロイドであり、特別な彼らだからこそ景色を楽しめる余裕がある。

エックス「行こう。ペンギーゴを止めなければ…」

ルイン「あのペンギン君ね…」

雪原の皇帝アイシー・ペンギーゴ。
その異名通り吹雪や氷を使った攻撃方法を得意とする。
小さい身体で任務がこなせるように思考回路は柔軟に作られているらしいが、それが周囲にはひねくれ者と思われる原因となっている。
パワーばかりを誇るナウマンダーとは犬猿の仲だった。
エックスとルインはペンギーゴの戦いを間近で見たことがあるからペンギーゴの実力は知っている。
身軽な上に極低温のアイスショットが非常に厄介な相手だ。

エックス「ペンギーゴはどうしてシグマに荷担したんだろうか…」

ルイン「元々ペンギーゴはここでの生活に飽きていたからね。シグマに荷担すれば、ここから出られるというのもあるだろうし、自分の力を認めてくれたシグマを慕ってもいたから…」

エックス「………」

ルイン「とにかく、ペンギーゴを倒さないと…急ごうエックス!!」

エックス「ああ」

2人は加速装置を使い、一気に基地へと向かう。
途中で兎型のメカニロイドと蜂型メカニロイド、丸太を飛ばすメカニロイドが妨害してきたが、フルチャージショットで薙ぎ払う。
途中のダチョウ型メカニロイドは耐久性が他のメカニロイドより高く破壊に手間取る。
エックスはナウマンダーから得た特殊武器を使用する。

エックス「ファイアウェーブ!!」

高熱の火炎がバスターから吹き出し、ダチョウ型メカニロイドを瞬く間に熔解する。

ルイン「凄いね…」

エックス「(いい武器だ)」

ルインがファイアウェーブの威力に目を見張り、エックスも特殊武器の性能に胸中で呟き、称賛した。
流石は元特A級ハンターの武器だ。
これから挑むペンギーゴは氷属性の敵だ。
ナウマンダーのこの武器はペンギーゴとの戦いの切り札になる。
エックスとルインは互いに見合わせ、ペンギーゴがいるであろう最奥へ向かおうとした時。
エックスはあの時と同じ不思議な感覚がした。

ルイン「エックス?」

何かに引き寄せられるように歩くエックスを追い掛けるルイン。


































エックスとルインが向かった先には隠し部屋があり、あのカプセルがあった。
エックスにフットパーツとルインに能力を引き出させたあの老人のカプセル。
エックスがそれに触れると再びあの老人の映像が現れた。

ライト『このカプセルにはヘッドパーツを遺した…。エックスがカプセルに入りパーツを装着すれば頭上の障害物を破壊出来るようになるはずじゃ…ルインが入れば、また1つアーマーが解除されるじゃろう…頼んだぞエックス…わしの…人類の希望よ…!!』

そう言うと老人のホログラムは消えてしまった。
最初にエックスが入り、白を基調としたヘッドパーツが装着される。
次にルインが入ると橙色を基調としたアーマーに変化し、二丁のナックルバスターを背負った形態である。
ルイン・FXアーマー。
HXアーマーは雷属性のアーマーだが、FXアーマーは炎属性のアーマーである。
これでルインも戦略の幅が大きく広がる。
ルインはFXアーマーから機動力に秀でているHXアーマーに切り換えると、エックスと向き直る。

ルイン「エックス。」

エックス「ああ、行こう」

隠し部屋から出たルインとエックスは再び基地の攻略を再開する。



































一度広い所に出ると、一機のライドマシン、ライドアーマーがあった。
エックスが乗り込み、ライドアーマーを操作するとメカニロイドを殴り、破壊する。
元々ライドアーマーは土木作業用として開発されたものだが、VAVAが戦闘に転用した事を機に各地で人型機動兵器として運用され、様々な発展機が登場することとなった。
新しく創設されたレプリフォース軍においても戦闘用の機体も開発されている。
そして向こうからはペンギーゴの部下であろうレプリロイドがライドアーマーに乗って突っ込んで来る。

ルイン「プラズマサイクロン!!」

ダブルセイバーをフルチャージし、勢いよく振るうと雷を纏った竜巻が発生する。
竜巻は凄まじい勢いでライドアーマーに傷をつけていく。
そして竜巻が消滅し、エックスがとどめとばかりにライドアーマーのパンチを喰らわせ、破壊する。
小型メカニロイドから放たれる攻撃に対し、エックスはライドアーマーから下りるとライドアーマーを盾にする。
こういう敵は自身で破壊した方が早い。
そう判断してのものだった。
ルインはHXアーマーからZXアーマーに切り換えた。
エックスとルインのフルチャージショットがメカニロイドを次々に破壊していく。
そして一番奥の施設内には…。

ペンギーゴ「エックス!それにルイン!?」

驚いたようにエックスとルインを見つめるペンギーゴ。

エックス「ペンギーゴ…何故こんな…」

ペンギーゴ「何故…か…きっとお前がそんな風だからだ。」

エックス「………」

ペンギーゴ「その顔さエックス…自分だけが何か分かったようなその顔クワ!!」

ルイン「ペンギーゴ…」

ペンギーゴの口から放たれたアイスショット。
エックスは1段階のチャージショットを放つが、それは弾かれる。
ルインが間に入り、ZXセイバーでアイスショットを砕く。

ルイン「(硬い…)」

アイスショットの硬度に驚きながら利き腕の右から左に持ち替える。

ペンギーゴ「喰らえ!!」

アイスショットをエックスとルインより少し上の壁に向けて放つ。

エックス「…?」

見当違いの方向に放たれたアイスショットにエックスが訝しむが、バスターをペンギーゴに向けた瞬間。
エックスの左肩が凍結した。

ルイン「エックス!!?」

エックス「なっ!!?」

何が起こったのか分からないエックスとルインは目を見開いた。

ペンギーゴ「ショットガンアイス…壁に当たると分裂して跳ね返るのさ…どうだ?早く何とかしないと左肩が使い物にならなくなるぞ?」

エックス「くっ!!」

エックスはファイアウェーブの出力を抑え、凍結した左肩に放つ。
凍結した左肩が瞬く間に正常に戻る。

ペンギーゴ「その技は…」

ルイン「ナウマンダーの技さ、エックスが倒した…」

ペンギーゴ「ナウマンダーを…」

ペンギーゴはエックスを見つめると高らかに笑いはじめる。

ペンギーゴ「クワックワックワッ!!あいつ死んだのか!!たかがB級に!!今まで大口叩いておいてエックス程度にやられるなんてなあ!!」

ルイン「…………」

そういえばペンギーゴとナウマンダーは仲がよくなかったな。
属性が正反対なのもあるが、小さい身体で任務がこなせるように思考回路は柔軟に作られているペンギーゴと何も考えずにパワーばかりを誇るナウマンダーとはソリが合わなかったのだろう。

ペンギーゴ「クワーーーーッ!!!!」

エックスに向けてスライディングタックル。
かつてのエックスなら避けられなかった一撃。
しかし、フットパーツの恩恵で機動力が格段に向上した今のエックスならかわすことが出来る。
ペンギーゴはスライディングから跳躍し、壁を蹴り上げ、エックス達と距離を取りながらアイスショットを放つ。
分裂弾かと警戒したルインだったが、壁が凍結しただけ。
ペンギーゴはエックスに向けて勢いよくスライディングタックルを喰らわせる。

エックス「ぐっ!!」

直撃を受けたエックスは勢いよく吹き飛ばされた。

ルイン「エックス!!」

エックスに注意が逸れたルインにアイスショットを数発。
上半身、下半身を凍結させた。

ルイン「っ!!?」

ペンギーゴ「これで終わりだなルイン。よくも今までチビだのペンギンもどきだのチビペンギンなんて言ってくれたな」

ルイン「ペンギーゴ…!!」

ペンギーゴ「これで終わりだクワ!!」

エックスに繰り出したのよりも遥かに速いスライディングタックル。
直撃を受ければ凍結している部分が間違いなく砕け散るだろう。

エックス「ルイン!!」

駆け寄ろうとするエックスだが、間に合わない。
ペンギーゴがルインに接触する瞬間。
ルインの身体から炎が上がり、アーマーの形状が変わったかと思うと、チャージされたナックルバスターの一撃。

メガトンクラッシュ。

FXアーマー時に使える技。
その威力はペンギーゴのスライディングタックルの勢いもプラスされ、ペンギーゴのボディの表面を破壊し、内部機関を露出させた。

ペンギーゴ「ア…ギギ…ル、ルイン…お前…何だその、能力は…」

自分の知るルインにそんな能力は無かったはずだ。

ルイン「アーマーチェンジシステム。私には状況に応じて属性を持つアーマーに切り換えてあらゆる局面に対応出来るんだ。とは言ってもこれはつい最近出来るようになったんだけどね」

ペンギーゴ「な、んだとお!!?」

一体どういう改造を施したのだ?
エックスとゼロもそうだが、ルインもブラックボックスがありすぎて、パワーアップパーツを作ることもままならないというのに。

エックス「うおおおお!!」

追撃のフルチャージショット。
今までのエックスなら戸惑ったかもしれない。
しかし今のエックスは迷いを振り切っている。
エックスのフルチャージショットが動力炉に直撃し、ペンギーゴは機能停止した。

エックス「すまないペンギーゴ…」

機能停止したペンギーゴにエックスは謝罪した。
返答はない。
エックスはペンギーゴのDNAデータを回収し、バスターの端子にDNAデータのデータを組み込んだ。
エックスのアーマーが水色に変わる。
ペンギーゴの特殊武器を得た証拠である。
ペンギーゴに占拠された施設を解放したエックスとルインは南極を後にし、ハンターベースへ帰還するのであった。 
 

 
後書き
エックスはヘッドパーツとショットガンアイスを入手。
ルインはFXアーマーを入手。

ルイン・FXアーマー

二丁のナックルバスターを装備する炎属性のアーマー。
通常弾でもエックスとZXアーマーの通常弾の2倍の威力を誇る。
尚、弾の軌道の変更が可能。

一段階・二段階チャージ

メガトンクラッシュ

二段階チャージでナックルバスターから炎を伴うパンチを出す。

二段階チャージ

グラウンドブレイク

地面を殴りつけ、火柱を生み出す火属性攻撃。

ゲームではエディットバスターや二丁のナックルバスターによるダブルチャージ、メガトンクラッシュの吹き飛ばし等の能力を駆使して突き進むという、元があの戦闘馬鹿とは思えない程に頭を使う操作を要求される形態ではあるが、この作品では全形態トップのパワーを誇る形態である。 
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