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精霊使いの剣舞~剣舞の女神《ヴァルキリー》~

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火猫少女
  ☆4  魔女との会話

 
前書き
ちょっと章名を変えました

 

 

 それから1時間後僕たちはアレイシア学院に戻っていた

「しかし、いきなりひどい目にあったな」

「僕はそんなにひどいとは思ってないよ」

「でも俺は森の中で迷ったり、〈封印精霊〉と契約するわ、おまけにあいつに目つけられたんだし。いいことないな」

僕たちはクレアの話を聞いて精霊のいる祠へと行った。そしてクレアが失敗してカミトが契約することになった。でもクレアは諦めてないらしく、カミトが精霊を横取りしたことでクレアはカミトを契約精霊にしたがっている

僕以外の男の精霊使いを始めてみて少しは驚いていた。少しなのは、グレイワースからこいつの話を聞いたことあるからだ。名前は聞いてないけど

カミトは今自由に動けるのは、クレアは今トイレにいるから

「そういえば、カミトはグレイワースんとこに行くんでしょ。案内するよ」

「ああ、助かる、ありが―――――うわ!!」

「リンちゃーーーーーーん」

テンは僕に抱きついてきた

「きゃっ!!」

僕は女の子のような悲鳴をあげる

そしてテンは僕を押し倒した、もちろん僕が下

ふにゅ  やわらかい感触が僕を襲った

「ちょっとテン、早くリンさんから離れなさい」

「えー、やだーー」

「僕もお願いするから離れてテン」

「はーい」

テンはちょっと残念そうな声で僕から離れた

「あんたもちょっと大変そうだな」

カミトは呆れたように言う

「あ、そこがグレイワースのいる部屋だよ」

「案内サンキューな」

「どういたしまして。また何かあったら聞いてね」

僕が行くときカミトはまた声をかけてきた

「リン」

「なに?」

「やっぱり一緒に来い、いやな予感がする」

「わかったよぅ」

僕は仕方なくついって行った

「学院長、渡しは納得できません!」

カミトがドアを叩こうとするとき部屋から声がした
ややトーンの高い、少女のアルトボイス
僕はこの声に聞き覚えがある、確か騎士団長の声だ

「なぜ、神聖なる姫巫女(ひめみこ)の学舎に、お、男などを迎えなくてはならないのですか!」

(いや、もういるから)
と僕は心の中でつっこむ

「この私が必要だと言っているんだ。理由はそれで十分だろ?」

今度はグレイワースの声だ

「何者だ!」

カミトと僕はあわてて離れようとすると―――
バンッ―――突然に執務室の扉が乱暴に開いた
そこに現れたのはすらりとした美脚を高々と振り上げた、ポニーテールの美少女
切れ長の双眸(そうぼう)凛々しい端正な顔立ち
制服の上に銀の胸当てを身に付け、まるで騎士のようないでたちだ
この少女はエリス・ファーレンガルト、〈風王騎士団(シルフィード)〉の団長だ
めくりあがったスカートの中、レース付きの下着が目に飛び込んできた

「黒!?」

先に声を出したのはカミトだ

「リンちゃん見ちゃだめ!!」

「リンさん、見ちゃいけません!」

テンとペストは手で僕の目をふさいだ

「なっ......お、おのれっ、不埒物(ふらちもの)!」

「ぐおっ!!」

受身を取れず吹っ飛ぶカミト
エリスは一瞬で距離を詰めると、カミトを床に組み伏せ、腰に差した剣を抜き放つ

「...」

全員沈黙

「貴様...まさか、お、男!!」

そのときに―――

「ふん、ずいぶん遅かったじゃないか。カゼハヤ・カミト。それにリン、ちょうど良かった君にも話しがあった」

黄昏の魔女(ダスク・ウィッチ)――――――グレイワース・シェルマイス
姿は妖艶な美女だが、彼女は帝国の十二騎将(ナンバーズ)に名を連ねていた歴戦の精霊騎士だ

「――――三年ぶりだな、カミト。ずいぶん人相が変わったようだ」

「......あんたが変わらなすぎるんだ。」

「カゼハヤ・カミト・・・こいつが」

「エリス、下がれ」

「し、しかし!」

「同じことを言わせるな、エリス・ファーレンガルト」

「・・・失礼します」

「あと、おまえの精霊もだ、リン」

「は~い」

「わかりました、黄昏の魔女(ダスク・ウィッチ)さま」




      ☆★☆


 
一連のやり取りの後カミトは解放された

「そういえばその傷は?どうしたのだ?」

グレイワースはカミトの右手を凝視していた

「こいつは―――」

「カミトjは封印精霊と契約したんです」

カミトが答える前に僕が答えた

「まあ、なんつーか、なりゆきでな。そいつはめちゃくちゃな暴れ馬でな、契約に失敗してたら、いま俺たちはここに立っていない」

「ほう、いったいどういう心境の変化だ。おまえが彼女以外の精霊と契約するとは」

眼鏡(めがね)の奥で灰色の()が鋭く光った

彼女??カミトはさっきの精霊以外にもうひとつ契約していたなんて...カミト、なかなかの資質を持っているな。

「ようやくあの亡霊(ぼうれい)と決別できた、ということか?」

「......っ!」

話についていけない、この人たち何を言っているの?ぜんぜんつかめない

「亡霊なんかじゃない!あいつは――――」

カミトはポケットから便箋(びんせん)を取り出した

「それより、あんたのよこしたこれは、本当なんだろうな?」

「ああ、本当だとも。魔女は嘘をつかない」

「そうだ。たしかにあんたは嘘をつかない。だが、決して真実も口にしない」

ぜんぜんわかんない!!イライラしてきた

「僕を忘れないでください!!何を言っているのかさっぱりわかんないの!!!つまらな過ぎて死にそうだーーーー!!!」

僕の気持ちが爆発した

「ああ、そうだった、本題に入るぞ。リン忘れてすまん」

「もういいですよ...」

「カミト、ここに署名(サイン)してもらう」

「何でだ」

問い返すカミト

「したら彼女―――レスティアの情報をあげよう」

とカミトに一枚の紙を渡した

「なんの冗談だ、これは?」

「今日から学院に編入してもらう。各種手続きはすでに済ませてあるから安心しろ」

「安心できるか!どういうことだよ、説明しろ!」

「おまえが必要だ。以上」

「は?」

「え?」

カミトと僕は一斉に声おあげた

「二ヶ月後に元素精霊界(アストラル・ゼロ)で(精霊剣舞祭(ブレイドダンス))が開催される。カミト、リンそれに出場(エントリー)しろ」

精霊剣舞祭―――
数年に一度、元素精霊界でおこなわれる最大規模の神楽(カグラ)の儀式
大陸中から精霊使いが集い、五大精霊王(エレメンタル・ロード)に剣舞を奉納する
勝利チームの擁する国には、数年にわたって精霊王の加護が与えられ国土の繁栄を約束される。そして、大会の優勝者は――――
望む(願い)を、ひとつだけ叶えることができるのだ

「優勝しろ、カミト、リン。もっとも、いまのカミトでは無理だろうがな」

「僕はお断りします。‘この国の代表’として出場しません」

僕はきっぱり断った

「ほう、なるほど、‘この国の代表’としてか...カミトおまえは?」

「俺は......」

「俺は、二度と(精霊剣舞祭(ブレイドダンス))には出ないと決めたんだ」

「いや、おまえは出場するさ。リンが出ない以上そうでなければ困る」

グレイワースは執務机の上に手を組み、静かに首を振った

「おまえ以外だれも、あの最強の剣舞姫(ブレイドダンサー)には勝てないのだから」

「え!?」

「な...に...!?」

僕はちらっとカミトを見た
その名前を聞いた途端、彼の顔が凍りついた

僕はその名前に聞き覚えがある...この大陸に聞いたことない人なんているはずがない
三年前、彼女はわずか十四歳にして精霊剣舞祭の個人戦を制覇した少女
彼女だけに最強の名前が付いた

「...そうだ。彼女がもどってきたんだよ」

グレイワースの灰色の双眸(そうぼう)が、カミトの目をじっと覗き込む

「最強の剣舞姫―――――レン・アッシュベルが、な」

 
 

 
後書き
「魔女は嘘をつかない、決して真実も口にしない」
僕この言葉けっこう好きなんですよ、皆さんはどう思いますか?

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