| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ハイスクールD×D 新訳 更新停止

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第3章
月光校庭のエクスカリバー
  第67話 出やがったな!

 
前書き
まずはフリードに続いてバルパーと原作敵キャラ登場です。
ちなみに敵キャラで好きなのは、何気にフリードです。
特にアニメでの真顔の「マジですか?」の場面が好きです。 

 
「よお、悪魔君。……ん?何でだい?……なるほどねぇ。急用じゃ仕方ない。……いやいや、気にしなくて結構だ。また改めて指名させて貰うよ。じゃ…」
ピッ。
「はぁ、悪魔がドタキャンねぇ……よお…」
「………」
「一人寂しい俺に…付き合ってくるかい?」
「フッ……寂しがる様なタマか?あんたが?」
「フッ…」


俺達は今、町外れの教会(レイナーレ達が居着いていた)で神父服に着替えていた。
理由はフリードとベルって奴が神父狩りを楽しんでる節が見られた為、誘きだすのに最適だと判断した為だ。
「悪魔が神父の格好なんて…」
「抵抗はあると思うけど…」
「……目的の為なら何だってするさ…」
着替え終わった所で今後の行動と行動範囲の取り決めを行う。
「全員で動くのは非効率だ…」
「そこで二手に別れる…」
「じゃあ、俺達は町の東の方を…」
「私達は西側を担当するね」
「何かあったらそちらはイリナのケータイに…」
「そっちはイッセーのケータイに連絡すると」
決まった所でゼノヴィアがイッセーに話し掛ける。
「ああ、兵藤一誠、君に言い忘れていた事がある」
「俺に?」
「多少は世話になった礼だ、教えておこう。白い龍は目覚めているぞ」
「ッ!?」
……白い龍(バニシング・ドラゴン)…二天龍の片割れ…。
いずれイッセーが戦う宿命にある存在。
「……あ、ああ、ありがとう…」
イッセーは礼を言うなり、何かを思案し始めた。
……すでにドライグから聞かされている様だな。
「では…」
♪~♪~。
っと、行動を開始しようとした直後、俺のケータイが鳴る。
兄貴からであった。
「……すまない…」
……このタイミングで…嫌な予感がする…。
「……何の様だ、兄貴?…」
『うん、実は…』
俺は兄貴から聞かされた内容に思わず仰天してしまった。
「……マジかよ!…」
『……うん。だからもし、出会う事になったら気を付けてね…』
「……ああ、分かった。すまない…」
そこで通話を終える。
「冬夜さん、何て?…」
「……ある厄介な男がコカビエルに協力しているって言う情報をな…」
「え?」
「誰だね?…」
「……俺も資料でしか知らないが…カリス・パトゥーリア…はぐれ賞金稼ぎ(バウンティーハンター)だ…」
「え?賞金稼ぎ(バウンティーハンター)にもはぐれっているの?」
「……悪魔やエクソシストよりは少ないが、いるにはいる。他人の手柄を殺してまで奪ったり、手柄の為に不必要な殺しを行ったりした奴がはぐれに認定される。もっとも、本当に少ないけどな…」
「何でだ?」
「……単純にメリットが無いに等しく、デミリットしか無いからだ。賞金稼ぎ(バウンティーハンター)の連中のほとんどがメリットが多、デミリットが少を信条にしてるからな。そして、理由は様々だが、ほとんどが金の為にしか戦っていない」
「え、そうなの!?」
イッセーがなんか驚いているが、職名からそんな連中ばかりなのは創造できると思うが…ああ、家族の為に戦っている兄貴や雲雀さんが金の為にしか戦っていないって事に驚いてるのか?
……言い方が悪かったかもしれないな…。
「金の為って事自体は悪い事じゃねえぞ。兄貴や雲雀さんだって、家族を養う為にって理由の金の為だろ…」
「ああ、なるほど…」
「まあ、お前の想像通りの奴もいるがな。そう言う奴がはぐれになりやすい。って言っても、さっき言った通り、はぐれになる奴は少ない。はぐれに認定されれば賞金を得られなくなる上、自身に高額の賞金を掛けられるからな。まあ、それでも、目先の欲に囚われてはぐれになる奴がいるんだが。さて、ここではぐれになる奴は二種類いる。一つはさっき言った目先の欲を得ようとなる奴。もっともこう言う奴らは大した事の無い奴ばかりだから、特に危険じゃない。問題はもう一つ奴らだ。コイツらは全員じゃないが共通の特徴がある…」
「特徴?」
「……金の為に戦ってない、だ…」
「え?」
イッセーがよく分からないって顔をしていた。
「さっきも言ったが、賞金稼ぎ(バウンティーハンター)の目的は基本、金だ。だが、金以外の目的で賞金稼ぎ(バウンティーハンター)になる奴も少なくないんだ…」
「金以外の目的って?…」
「例を挙げるなら……常に闘争を求めてる奴…とかだな…」
「……なるほど。金よりも戦いを求めている輩なら、はぐれになって周りから狙われる立場になるのは、むしろこの上ないメリットと言う訳だな…」
「まあ、そうなるな。他にも目的はいろいろあるがな。そして…」
「そのカリスって言う男は後者の理由のはぐれって訳ね…」
「……ああ…」
「……そいつ、一体何やったんだ?…」
「……確認できた範囲で、累計五万人以上の罪の無い人を殺した…」
『ッ!?』
「……はぐれや犯罪者の類いの奴も含めればもっとだがな…」
「な、何の為にそんなに人を殺してるんだよ!」
「……さあな…そいつの目的は未だに判明していないからな…」
「……だが、その男が厄介なのは、別の理由もあるのだろう?…」
アルミヤさんが言った事に無言で頷く。
「……とある五人組のハンターのパーティーがあった。気の合った友人同士で作ったパーティーの為か連携力が高く、総合的な実力はハンター内でもトップクラスだった…」
「……だった…」
「……ある日、そのパーティーがその男の討伐に赴いた…結果は…誰も帰ってこなかった…」
「……買収されたって可能性は?…」
俺はユウナの指摘をすぐさま否定する。
「……それは無い…そう言う事はすぐにバレる様になってるからな…」
「……つまり、殺されたと言う訳か…」
俺はアルミヤさんが言った事に頷いて答える。
「……やってる事はろくでもない物だが……実力は本物だ…会うとしたら気を付けてくれ…」



俺達は現在、町の東側でフリード達を探していた(正確には誘ってるか)。
「……出てこねえな…」
「……ああ…」
わざと見えやすい様に歩いていたが、現れる気配は無かった。
ちなみに千秋には狙撃による援護に徹してもらうため、俺達のいる位置からざっと数百メートル離れた場所にいる。
そして、燕には念の為に千秋の周りの見張りをしてもらっている。
「……場所を変えるか…」
そこで、もっと人気の無い場所に行くと言う事になり向かった場所は、以前はぐれ悪魔であるバイサーと戦った廃屋だった。
「……ここなら人気がほとんど無いからかっこうな場所な上、奴らが潜伏する場所としても妥当だろ…」
……さて、どうなる…。
「……祐斗先輩!…」
「……うん…」
「……何だ、この悪寒?…」
「……いるな………ッ!上だッ!!」
「イヤッホォォォォッ!!!!」
木場の頭上から一人の男が木場に斬り掛かってきた。
「グッ!」
「ガキィィィィン!!!!…っとぉ!」
木場は即座に魔剣で防ぎ、斬り払おうとするが、男はその力を利用して宙返りを行い、廃屋の高所に着地した。
「……よっと……この間はど~も~!」
「お前は!」
「例のはぐれ神父!」
「フリード!てめえ!」
「……正直、その面は二度と見たくなかったな…」
現れた男は探していたフリード・セルゼンだった。
「おんやぁ、いつぞやのガキ二人とチビ…アワワ!小柄なお嬢さんッ!」
塔城をあの時と同じくチビと呼ぼうとしたが、塔城に睨み付けられて慌てて訂正していた。
……って言うかガキって、お前、俺達とそんなに変わんねえだろうが!
「ったくぅッ!今夜も楽しく神父狩りっと思ったのに、クソ悪魔共のコスプレかよぉ♪ペロ~ン♪」
効果音を口にしながら自身が持つ剣を舐めっていた。
……相変わらずふざけた奴だ…。
おまけに油断できない相手だから達が悪い。
「……気を付けてください!…あの剣…」
「ああ!この感じ、イリナが持ってたのと同じ!」
『Boost!!』
「……エクスカリバー!…」
イッセーは赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を出し、俺は洋服変換指輪(ドレス・チェンジ・リング)で戦闘服に着替え、武装指輪(アーム・リング)で雷刃(ライトニングスラッシュ)を取り出す。
「おやぁおやぁ、四人掛かりぃ?いやいやぁ、人気者は辛いっスねぇ♪」
「誤解するな。僕一人が相手だ!」
「ああぁ♪」
木場が一人でフリードに向かって行った。
「ま~、クソ悪魔共が何人来ようとぉ、このエクスカリバーちゃんの相手にはぁ、なりませんぜ!」
「ッ!?」
フリードが突然消えやがった!
……いや、アレは消えたんじゃなく、速く動いたのか!
「貰ったぁぁぁぁッ!!!!」
「グッ…」
ガキィィィィン!
「これが!聖剣エクスカリバー!人呼んで!天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)!俺呼んで!ちょっぱやの剣!」
木場は騎士(ナイト)の特性のスピードで戦うが、フリードも木場と同等クラスのスピードで戦っていた。
「チッ、木場と同じ速度で動いてやがる!」
「これじゃ、騎士(ナイト)のスピードが封じられたも同然だ!」
「……かなりマズイです!…」
「は~ん♪待ってろよ~♪ギャラリーも纏めてぶっ殺してやるからさッ♪」
「何をッ!」
『Boost!!』
「……クソォ!なんとか奴の足を止められれば、木場に力を譲渡してやれるのに!…」
「……一瞬でも止まってくれれば、後は俺が動きを封じてやれるんだが…」
「……一瞬止めれれば良いんだな?…」
俺は千秋に合図を送り、バーストファングを手に投擲の構えを取る。
数秒後、林の間を縫って、一本の矢がフリードに向かって飛んで来た。
「なんですかぁいきなり!!」
フリードは慌てながらも矢を避けた。
ドゴォォォン!
「にょわッ!?」
が、突如爆発がフリードを襲った。
俺は矢が飛んで来ると同時に矢の延長線上に向けてバーストファングを投げ、バーストファングに矢が当たって爆発した訳だ。
爆風によってフリードはバランスを崩した。
「今だ!ラインよ!」
匙が叫ぶと同時に右手首に蜥蜴の頭の様な物が装着された。
「行けぇ、ライン!」
そう叫ぶと今装着された蜥蜴の頭の様な物から光る舌の様な物が伸び、フリードの足に絡み付いた。
「今度はなんですかぁ!!」
「見たか!俺の神器(セイクリッド・ギア)、黒い龍脈(アブソープション・ライン)だ!」
「お前も神器(セイクリッド・ギア)を!やるじゃねえか!」
匙はフリードと繋がったラインを引っ張り、フリードの足の自由を奪う。
「クソ!クソッ!クソォッ!!」
フリードは剣でラインを斬ろうとするが、ラインはびくともしていなかった。
かなり頑丈なラインの様だ。
「う、うわぁぁぁぁッ!?!?」
……イッセーが塔城に持ち上げられていた。
……まさか…。
「……いきますよ!…」
「え、え、ちょ、ちょっと……うわぁッ!!小猫ちゃぁぁんッ!?」
……案の定、イッセーは投げられた…。
「……なんだぁ?…」
フリードも流石に呆気に取られていた。
「イッセー君!?」
イッセーは弧を描きながら真っ直ぐ木場に向かって行った。
……見事なコントロールだった…。
「木場ぁぁぁぁッ!!!!」
『Transfer!!』
「ドラゴンの力!確かに送ったぞ!」
イッセーの高めた力が木場に譲渡され、木場のオーラの質が上がった。
「……受け取ってしまった物は仕方無いな…ありがたく使わせてもらうよ!魔剣創造(ソード・バース)ッ!!」
無数の魔剣が足を封じられたフリードに一気に襲い掛かる。
フリードも聖剣の速度アップによる斬撃で対処するが、その表情は焦りに満ちていた。
……このまま行けば押し切れるか!
「フッ、魔剣創造(ソード・バース)か…」
突然、第三者の声が聞こえた。
「誰だ!」
周りを見渡していると、廃屋から一人の初老の男が現れた。
「……使い手の技量次第では無敵の力を発揮する神器(セイクリッド・ギア)……フリード、まだ聖剣の使い方が十分では無い様だな?…」
「おおぉ!バルパーの爺さん!」
『ッ!?』
「それじゃあ、コイツが!?」
「……ゼノヴィア達が言っていた…」
「……聖剣計画の首謀者…」
……まさか本当にフリードと行動を共にしているとはな…。
「バルパー・ガリレイィィッ!!!!」
木場が憎悪に満ちた声で老人の名を呼ぶ。
「いかにも」
当のバルパーはどこ吹く風っと言った感じだった。
「そうは言うがねぇ、爺さん!このクソ蜥蜴のベロベロが邪魔で邪魔でぇ!」
「身体に流れる因子を刀身に込めろ」
「流れる因子を刀身にねぇ…」
「ッ!?」
言われた事を実行したのか、聖剣の波動が強くなりやがった!
「気を付けろ!ヤバイぞ!」
悪魔であるイッセーには特にヤバく感じたのだろう。
「おお!オッホォォォォッ!!!!」
ズバッ!
「うわッ!?」
さっきまでびくともしていなかったラインがあっさり斬られ、抵抗力を失ったせいで匙は後ろに倒れてしまう。
「な~る♪聖なる因子を有効活用すれば、さらにパワーアップ…てか…それじゃあ…」
フリードの視線が木場を捉える。
(マズイ!)
今の奴の力はさっきとは比べ物にならない!
「俺様の!剣の餌食になって貰いやスかぁぁぁッ!!!!」
フリードが木場に跳び掛かる。
「はぁッ!!死ねぇぇぇぇッ!!!!」
ガキィィィィン!
「ありぃぃぃ?」
誰かが木場とフリードの間に割って入り、フリードの剣を止めた。
「ゼノヴィア!」
割って入ったのはゼノヴィアであった。
「ヤッホー!」
そして、俺達の後方からイリナを先頭に残りの教会のメンバーが現れた。
「ハーイ!連絡貰ったから駆けつけたわよ!」
「……そう言う手筈でしたから」
どうやら塔城が戦闘の合間にイリナに連絡していた様だ。
「叛逆の徒、フリード・セルゼン、バルパー・ガリレイ!神の名の下、断罪してくれる!」
「ハッ、俺達の前でその憎たらしい名前を出すんじゃねえ!このビッチがぁ!」
「だぁぁぁぁッ!!!!」
「ッ!?」
ゼノヴィアと鍔迫り合いになっているフリードに木場がすかさず斬り掛かる。
「うっほほ~!」
が、フリードは跳んで避け、バルパーの隣に着地する。
「フリード…」
「んあ?」
「お前の任務は潜入してきた教会の者を消す事だ。まして、聖剣を持った者が二人も現れては部が悪い。ここは引くぞ…」
「合点承知の介!」
すると、フリードは懐から何かを取り出した。
(マズイ!アレは…)
「はい!ちゃらば!」
カッ!
『ッ!?』
フリードが地面にそれを叩き着けると、辺り一面を閃光が包んだ。
光が止むと、フリードとバルパーがいなくなっていた。


「追うぞ、皆!」
ゼノヴィアを筆頭に教会の五人がこの場から駆け出した。
おまけに木場まで着いて行きやがった!
「お、おい!?待ってくれ木場ぁ!?」
「あのバカ!イッセー、木場は俺に任せろ!お前らは一旦引け!」
おいおい、明日夏まで行っちまったよ!
「お、おい明日夏!たくぅ!なんなんだよ、どいつもコイツも!」
「……全く、困ったものね…」
『え!?』
……聞き慣れた女性の声…。
振り返ると、それぞれの女王(クイーン)を引き連れた部長と生徒会長がいた。
「部長!?」
「会長!?」
……お二人共、物凄く不機嫌な顔をしていた。
「……これはどう言う事なのかしら?…イッセー?…」
「……説明してもらえますね?…匙?…」
『ヒェヤァァァァッ!?!?』


千秋と燕ちゃんと合流した俺達は現在、廃屋の中で正座をさせられていた。
「いくら不干渉とは言え、事態の把握だけはしておきたいから、教会の五人を朱乃達に見張らせていたのよ」
「え!?」
それじゃ、最初から俺達の計画、部長にバレてたって事じゃねえかよ!
「匙!」
「ヒィッ!?……ハ、ハイ…」
「……貴方はこんなにも勝手な事をしていたのですね?」
「ヒッ!?」
「……本当に…困った子です」
「ウアハァァァッ!?!?……す、すみません…会長ぉ…」
あぁ、匙の奴、顔が物凄く青くなってやがる…。
「それじゃあ祐斗はそのバルパーを追い、明日夏は祐斗のブレーキ役として祐斗を追って行ったのね?」
「はい。ゼノヴィア達五人と一緒に。何かあったら、連絡くれると思うんですが…」
「そうね、復讐で頭がいっぱいの祐斗はともかく、明日夏は連絡をくれるでしょうね」
確かに、木場のあの様子じゃ、悠長に連絡なんて寄越さないだろうな…。
……そうなると、ブレーキ役として明日夏が着いて行ったのは正解だったのかもしれない。
「小猫」
「……はい」
「貴女までどうしてこんな事を?…」
「……私も…祐斗先輩がいなくなるのは…嫌です…」
「千秋、燕、貴女達や明日夏も?…」
部長の問い掛けに二人とも頷く。
「……木場先輩を放っておけませんでしたし…木場先輩の為に頑張るイッセー兄のお手伝いをしたかったです…」
「……私や明日夏も同じです…」
「……ふぅ、過ぎた事をあれこれ言うのもね…ただ、明日夏や千秋、燕はともかく、貴方達がやった事は、悪魔の世界に影響を与えるかもしれなかったのよ。それは分かるわね?」
「……はい」
「……はい。すみません、部長…」
「……すみません…」
スパァァァン!
「ヒィィィアァァァッ!?!?」
「ッ!?」
突然の轟音と匙の悲鳴が聞こえ、そちらを見ると、会長に尻叩きされている匙がいた。
「貴方には反省が必要ですねッ!!」

「ごめんなさいッ!!会長!許してくださいッ!!」
「ダメです!お尻叩き千回です!」
よく見ると、会長の手に魔力が帯びていた。
「尻叩きにまで魔力を!?効きそ~…ハッ、まさか…部長も!!」
俺は再び部長の方を見る…。
「……イッセー、小猫…」
「はい!?…」
やられる!
なんて思っていたら、部長が r俺と小猫ちゃんを強く抱き締め出した。
「……バカな子達ね…本当に心配ばかり掛けて!…」
……うぅ、部長ぉ、そこまで俺達の事を心配してくれたんですねぇ!
俺は優しい主様に心底感動していた。
「うわはぁぁぁぁッ!?!?会長ぉ!あっちは良い感じで終わってますけどぉ!!」
「他所は他所!家は家です!」
……悪いな匙よ…。
だはぁぁぁ、俺、本当に部長の下僕でよかったぁぁぁ!
「さて、イッセー、お尻を出しなさい…」
「へッ!?部長ぉ!許してくれるんじゃあぁッ!?」
「そうはいかないわ。下僕の躾は主の仕事。貴方もお尻叩き千回よ」
「せ、千回ぃッ!?」
部長は手に魔力を帯びさせ始めた!
「さあイッセー!お尻を出して!」
「ギィヤァァァァッ!?!?」
その日、俺のお尻は死んだ。  
 

 
後書き
次回、敵オリキャラが本格的に登場します。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧