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魔法少女リリカルなのは 世界を渡りあるく者

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第三章 孤独だった者たち 〜海鳴 闇の書事件〜
  第七話 裏切り者捕獲作戦 下拵え

臨時のオペレーター室に俺たちは向かっている。現状の把握をする為だ

「恐らくはシグナム達だろうが...問題はどの世界に現れたのかだよな」

「上手く行けば結界魔導師を呼べるんだけど...」

「上手く行けば、ね」

そんな簡単に事が運ぶとは思えない。第一向こうはこの手のスペシャリストと言ってもいいだろう。どのような世界なら管理局の邪魔が入りにくいか、その傾向くらいはつかめていてもおかしくはない

オペレーター室についた俺たち、モニターにはシグナムとザフィーラが映っていた。いる場所は、砂漠か

「文化レベル0、人間は住んでない砂漠の世界か...」

「無人世界ってことは管理局員が到着するまでに時間かかるんじゃ」

エイミーさんがキーボードをたたき高速で調べる

「結界がはれる管理局員の到着まで最速で45分。あ~、まずいなー」

エイミーさんがキーボードに指を走らせ解決策を考えている間、フェイトは食い入るようにモニターを見ていた

やがて腕に抱えたアルフと目配せして

「エイミー、私がいく」

「私もだ」

前の戦闘に思うところがあったのだろう。その目には確固たる決意があった

それにフェイトは保護観察処分中とはいえ嘱託魔導士、管理局員だ。エイミーさんもそれらを感じたのか

「うん。お願い」

「うん」「おう」

許可をだした

「なら俺となのははバックスとしてここで待機かな」

「そうだね。お願いね」

「はい」

フェイトはスピードローダーを取りに自室に戻った後、すぐに次元転送でシグナムの元に向かった

俺はシグナムとフェイトの勝負自体に心配は無かった

心配なのはこの間の謎の人物だ。それの介入によって何が起こるかわからないというのが懸念事項だ

一応対策も考えてきたが....俺もむか「ウィーン ウィーン」

「もう一カ所!?」

またエマージェンシー音がなり今度は別の場所がモニターに映し出される

そこには夜天の書を抱えて飛翔しているヴィータが写っている

「本命はこっち!?なのはちゃん。蒼炎君!」

「はい」「了解した!」

こっちに夜天の書があるってことは例のやつはこっちにくる可能性が高いな。だったら

「よし、じゃあ転送ポートに」

「いや、俺の魔法で転送する。少し考えがあるんだ」

そういうとエイミーさんは少し悩んでいたが、許可を出してくれた

「よしなのは、そこから動くなよ」

(アカシック・レコードとのリンク、位置情報のみ開始/相対位置確認)

「ほえ?」

なのはの下にミッド式ではなくベルカ式の魔法陣が浮かぶ

(転送術式確認/種別 古代ベルカ/補助術式 隠蔽術式を展開)

「飛ぶぞ!」

星のバックアップを受けて比較的感知されやすいミッド式ではなくベルカ式を使って転送する

転送している間になのはに念話で

[なのは、俺はちょっと調べたいことがある。隠れてるけどいいか?]

[大丈夫。それにヴィータちゃんとは一対一でお話したいしね]

なんかお話の意味が違う意味になる気がするが、まあいいか

[頼んだ、もう着く]

転送完了と同時に俺は姿をステルス魔法で隠しながらあるものを複製した

(うまくいけばこれで証拠が手にはいるはずだ)

2種類の槍を1つずつ、これが俺の考えた戦法だ

クロノを信用していないわけじゃない。でもこっちで打てる手があるなら打つべきだと思った

(なのはは、心配だけど大丈夫だろう。あいつも強くなってるからな)

もう戦闘は始まっている。最初こそデバイスを待機モードのままで対話しようとしていてヒヤッとしたが今はもう大丈夫かな

ヴィータが逃げようとしているからそれを超長距離砲撃で落とすっていう算段か

悪くないな、でもさカートリッジ二発はやりすぎじゃない?

そして、なのはがディバインバスター・エクステンションを射った瞬間、俺の予想は現実となった

(転送反応!ヴィータの近くか!)

俺はばれないであろうぎりぎりの速度で移動した

これは相手にばれてしまえば意味がないのだ

いつもよりも格段に遅いがまだ煙は晴れていない

これが煙幕となっているのでもう少し早く動いてもいいだろう

ベストは煙が晴れる前に着くことだが...ちっもう晴れたか

蒼炎はそのまま速度を下げてステルス性を高めた

といっても目的地はもう直ぐだ、その速度でも十分だろう

ヴィータの姿と、なのはの砲撃を受け止めた人物、仮面の男と思われる女がいる

仮面の男は後ろでぽかんとしているヴィータに対して

「行け」

と言ったのだが、その瞬間に邪魔が入った

破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)!!」

蒼炎が右手に持つ槍で仮面の男に攻撃する

シールドが間に合わず、腕で払おうとしたが少しの間だけ槍に触れてしまった

それにより変身魔法が一時、ほんの一瞬だけ解除されたのだがそれに相手は気がつかなかった

相手が片方の槍を除けたことにより体制が若干であるが崩れた

そこを狙って行く

必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)!」

今度こそ相手は槍を完全に躱すことはできなかった

それでも体を捻り、最小限のダメージに抑えたのは意地の成せる技か

「くっ」

相手は痛みに苦しんでいた

それはそうだろう、基本的にこの世界で物理的ダメージを負うのは少ないだろう

非殺傷設定のおかげで相手を傷つけずに無効化できる、そして模擬戦でも容赦無く本気で相手と戦える

もちろん、凶悪な犯罪者と相対することがあれば話は別だろうが

それでも彼女はそういう機会が無かったのだろう

痛みというのは集中を阻害する要因の一つだ

痛みに苦しんでいる状態では俺にどころかなのはにすら勝てないだろう

まあ、俺の目的はべつに殺すことじゃないからな

逃がしてもいいか、その方が色々都合がいいだろう

ヴィータには逃げられたしな

そう思っていると仮面の男は逃げ出した

恐らく転移、したと思われる

追跡は可能だが要らないだろう

それよりも

「なのは、大丈夫か?」

「うん。ちょっと悔しいけれど....」

砲撃が通用しなかったことか、まああいつらはかなり格上と見て問題ないだろう

「そこまで心配することはないさ。お前らはまだまだ伸びるんだから」

「ありがとなの」

なのはに笑顔が戻ったか、女性は笑ってるのが一番だよな

「帰ろう、フェイトが心配...ではないけどなにが有るか分からないしな」

「うん!」

そうして俺たちは帰った。本当になにか起こっているとは知らずに


 
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