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リメイク版FF3・短編集

作者:風亜
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私の子猫

「 ────ルーネス、ちょっといいか。……入るぞ」


「 みゅっ………? 」


 インビンシブル内船室………ある用があったイングズが、ルーネスの居る部屋へ行くと────

そこには、鏡に向かってネコみみフードを被った導師姿の─────


「何してるんだ、独りで」


「………うにゃ~?! いきなり入って来るなっ、ノックくらいしろぉ!?」

 ルーネスは慌ててネコみみフードを後ろへ払い除ける。


「したんだがな、一応。……まぁ、返事も待たずに入った私も悪いか。────というか、何故導師に? 今はアルクゥが導師だろう、お前はこれまでシーフを………」

「う、うるさいな! レフィアがアルクゥのネコみみ姿かわいーかわいー云うから、おれも独りで隠れてなってみたとかそういう話じゃないからな!?………あっ」


「 ────フ、成る程な。お前はそうやって鏡の前でフードを被り、自分も結構可愛いなどと………」


「んなわけあるかー?! い、イングズは旅の始めからどんだけ赤魔のままなんだよ! 自分が1番かっこつくとか思ってんだろ、このナルシっ!!」

「 ────僻みにしか聴こえんな」

「うはっ、どんだけ自信家……! へっへ~ん、けどさすがに導師はムリだろ? カッコよすぎなイングズ様にはカワいすぎるのは似合いませんもんな~っ」

「そうだな、心配しなくともなるつもりはない」

「おーい! そこは挑発に乗っとけよっ。ネコみみ割といけると思うぞ~? サラ姫に見せたら、かなり食い付くはずだぜ! にゃあにゃあ云って甘えればさぁ、サラ姫をさらにメロメロに……!」


「お前……、何をさせたいんだ私に。寧ろ幻滅されるに決まっている」

「いやいや、おれには見えるぜその情景が……!『や~ん、ネコみみイングズかあいすぎ~♪』つって、なでなですりすり~されて最終的には、巨乳に顔うずめられたりして……!?」


「 ────今何と云った、ブリザガで氷付けにされたいのか?」


「 わ……悪い、今のナシっ。つーか、今レフィア魔人だろ? アルクゥとレフィア逆でもよかったのになぁ」


「ルーネス……、お前そんなにレフィアのネコみみ姿が見たいのか? なら私が代わりに願い出てやろうか」

「よけーな事すんなっつの!? なんてぇかレフィア、アルクゥをネコみみにしてペット扱いしてるっぽいよなぁ……?」

「 ────ほう、ではお前もレフィアにペット扱いされたいと」

「云ってないだろ、そんな事!……イングズだって、どうせサラ姫に玩具扱いされてんだろーっ?」

「そうだな………姫様の趣味で着ぐるみやら何やら着せ替えられたり、さらに色々強要されたりと───── 」

「うへ~………けどそれ、イヤじゃないんだろっ?」

「さぁ、な。……それよりフードを被った姿、レフィアに見せてきたらどうだ。アルクゥより、お前に目が行くかもしれんぞ」


「そ、そうか? んじゃ早速────いやっ、やっぱやめとく。アルクゥはともかく、オトコとしてのプライドがっ……!」


「何を今更。……先程まで鏡の前で独りネコみみフードを被り、ネコの口をしていた奴の云える事か」


「げっ、ネコ口も見られてたのか……?!」


「ペット扱い────してやろうか、私が」

「は? 何云って………ちっ、近づくなよ……!?」


「ほら────フード被り直せ」


「わっ、勝手に被らすな……! まさかイングズ、そういう趣味……っ」

「ふむ………アルクゥに劣らず、こうして間近に見るとお前も悪くないぞ」

「わ………わるくないって、どう悪くないんだよっ……」


「それを私に云わせるのか? ────可愛らしいと云ってるんだ」


「 に゙ゃ………?! 」


「私の子猫にしてやりたい──── 」


「うにゃあっ、耳元で囁くにゃ!?? おみゃあがご主人さまなんて、まっぴら……っ」

「私が子猫の御主人様────ほう、それも悪くない。………なら御主人様の云う事を聴いて貰おうか、私のペットな子猫─────」

「にゃ……? にゃにを、しろと……っっ」



「さっさと熟練度99のシーフに戻れ。最終戦も近いんだ、ふざけている場合か」

「 ────へ? さっきの、展開は………??」

「何の話だ、勝手に真に受けるな」

「はぁ?! 今思いっきりふざけてたのイングズの方だろぉ!?」


「いや、────半分本気だった」


「 にゃにっ……?!?」


「そんな訳あるまい、気にするないちいち」

「おみゃあ、おれをアソんでるだろー!?」

「 ……いつも姫様に遊ばれていたからな、遊ぶ側に回ってみたくもなる」

「にゃんだそりゃー! おれはイングズの玩具になるつもりにゃいぞ……?!」


「 ────なっているじゃないか、既に」


「ちぎゃ~~うっ!!?」


「ちょっと……、さっきからうるさいわよルーネス! イングズと二人で何して………? はっ、ルーネス、その導師の姿 ────!!」

「うにゃっ、レフィア……!?」


「 ────バカじゃないの? アルクゥの方がよっぽどかわいいわよ。……さ、もう行くわよ次の場所!」


「 ───── 。なぐしゃめて、イングズっ」

「ん、あぁ………よしよし。(用事の内容忘れたな────まぁ、いいか)」



End 
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