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オズのモジャボロ

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第八幕その五

「それであの国の王様にも招待状を届けるよ」
「わかった、では次は」
「エメラルドの都で会おうね」
「あの都で」
 王様は笑ってでした、今は一行とお別れするのでした。そうしてその話をしてからでした。
 一行は狐さん達に別れを告げて今度は驢馬の国に向かいました。その道中においてです。
 カルロスは陽気に歩きながらモジャボロに尋ねました。その尋ねることはといいますと。
「次に行く国ですけれど」
「驢馬の国だね」
「はい、狐の国と仲が悪かったですよね」
「今は仲直りしているよ」
 このことも安心していいというのです。
「それでお互いに仲良く付き合ってもいるよ」
「そうなんですね」
「うん、それとだけれどね」
「それと?」
「あの国の食べものだけどね」
「草、ですか?」
「ははは、それもあるけれどね」
 それでもだとです、モジャボロは笑ってカルロスにお話しました。
「他にも沢山の食べものがあるから」
「僕達は草は食べないんですね」
「食べなくていいよ、人参や他のお野菜とね」
「その他にもですか」
「オートミールもあるよ」
 このお料理もあるというのです。
「だから楽しみにしていてね」
「驢馬の国のお料理もですね」
「そう、お野菜もいいものだね」
 食べるにあたって、とです。モジャボロはこうカルロスにお話します。
「だから今度はね」
「菜食ですね」
「それを楽しもう」
「わかりました、それじゃあ」
「お野菜も沢山食べないとね」
 ここでこう言ったのは神宝でした。
「よくないからね」
「お野菜ねえ」
 ジョージが神宝に応えます。
「僕日本に来て相当食べるようになったよ」
「というかアメリカではだよね」
「ファーストフードが多いね」
「お野菜はレタスとかフライドポテトばかりだね」
「だから日本に来てからなんだ」 
 アメリカにいた時より遥かに、というのです。
「お野菜をかなり食べるようになったよ」
「そうなんだね」
「いや、お野菜もいいね」
 しみじみとして言ったジョージでした、この言葉を。
「美味しいよ」
「しかも身体にいいよ」
「君の国の八宝菜なんかいいね」
「ああ、あれだね」
「うん、あのお料理はお野菜もたっぷり入っていてね」
 それでだというのです。
「いいね」
「他にも中国にはお野菜を使ったお料理が沢山あるよね」
「どれも美味しいね」
「中華料理はね」
 それこそ、というのです。神宝にしてみても。
「美味しいものばかりでね」
「そうだよね。あとお野菜を食べるには」
 さらに言うジョージでした。
「お鍋なんかもいいんだよね」
「この前すき焼き食べたね」
 神宝はすき焼きのことを思い出してにこにことしました。
「あれはよかったね」
「うん、お葱がよかったね」
「他にも水炊きとかね。河豚とか鮟鱇とか」
「そうそう、どっちも外見はまずそうだけれど」
「実際に食べるとね」
「凄く美味しいんだよね」
「あれでね」
 お鍋に入れるお魚のお話もするのでした。
「いいんだよね」
「そうだよね」
「あとお野菜を食べるにはシチューもいいね」
「スープはいいよ」
 実際にお野菜を食べるにはというのです、神宝も。 
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