ハイスクールD×D 新訳 更新停止
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第3章
月光校庭のエクスカリバー
第64話 聖剣と戦います!
前書き
今回はイッセーと木場の戦いの決着を着けます。
千秋の方は次回です。
ライニー達のキャラ紹介は次回と一緒に公開します。
それから、二度あるおっぱいは三度ある、ハイスクールD×Dのアニメ三期制作決定と言う事でめっちゃ楽しみです。
「では、始めようか」
「ウフフフ」
「………」
俺達は現在、旧校舎から少し離れた開けた場所にいた。
あの後、怒り心頭の千秋や木場に売られた勝負をゼノヴィア、ライニー、イリナの三人が買い、木場、千秋、イッセーの三人と対決する事になった。
対戦カードは木場とゼノヴィア、千秋とライニー、イッセーとイリナと言うものだ。
「良いんでしょうか?勝手に教会の者と戦うなんて?」
「……これはあくまで非公式の手合わせよ」
副部長の問いに部長が答える。
教会側の三人がローブを脱ぎ捨てる。
通常の悪魔払い(エクソシスト)達が着ている神父服やシスター服ではなく、戦闘用と思われる服を着ていた。
「上にバレたらお互いマズイわね!」
そう言いながらも結構ノリノリなイリナは腕に巻いている紐を掴む。
紐は形状を変化させ、日本刀の形になった。
(あれが擬態のエクスカリバーの力か…)
かなり汎用性が高そうであった。
「殺さない程度に楽しもうか」
ゼノヴィアの持つ剣の布が取り払われる。
破壊の名前に恥じない様な破壊力重視と思われる刀身が太い剣が現れた。
さて、イリナとゼノヴィアが自分達が持つエクスカリバーを使うのに対し、エクスカリバーを持たないライニーは一体どういう戦いをするのか?
だがライニーは一向に何か武器を持とうとする様子が見られなかった。
「……素手なの?」
千秋も怪訝に思ったのか質問をする。
「いや、俺もちゃんと自分の得物はあるぜ。ただ必要が無いだけだ…」
「……そう。それで良いなら気にしない。……私は全力でやる…」
そう言い、千秋は懐から二つの指輪(リング)を取りだし、左右の手の中指にそれぞれ填める。
「?明日夏、あの指輪は?」
部長が千秋が身に付けた指輪(リング)が気になったのか、俺に聞いてきた。
「見てた方が早いと思います」
俺がそう言うのと同時に千秋は左手を下へかざすと、指輪(リング)の宝石部分が光り、千秋の足下に魔方陣が現れた。
魔方陣はそのまま千秋の全身を通過して消える。
が、この場にいる者の視線は魔方陣よりも千秋の方に集中していた。
なんせさっきまで学園の制服だった千秋が別の服装に変わっていたからだ。
その服装は以前、部長とライザーの婚約パーティーに乗り込んだ時に着ていた戦闘服であった。
「とまあ見ての通り、手軽に戦闘服に着替える為の特殊な指輪(リング)です」
まあ、戦闘服に限らず、いろんな服でも使えるがな。
原理は指輪(リング)の宝石部分に使用時に着替える服を量子化させて保存、後は使用時に今着ている服を同じく量子化させて交換すると言うものだ。
洋服交換指輪(ドレス・チェンジ・リング)と言う名で、一部の賞金稼ぎ(バウンティーハンター)でも使われている。
「なるほど、もう片方の指輪の力もだいたい想像できたわ」
どうやら部長はもう片方の指輪(リング)がどういう用途で使われるかあらかた予想できたらしい。
「フン、何をしようが関係無いがな…」
ライニーは特に気にする事も無く、構えを取る。
見た感じ、隙の無い攻防に瞬時に対応できそうな構えだった。
ライニーが構えを取るとゼノヴィアとイリナも構え、千秋も構える。
「……さて、グレモリー眷属と無名の少女の実力…いかほどのものか?…」
アルミヤと名乗った男は笑みを浮かべながら木場やイッセー、千秋を品定めする様に見ていた。
……俺の見立てじゃ、教会の五人の中でこの男が一番強く思えた。
ちなみに神田はオドオドしながら戦局を見ていた。
「……フフフ…」
「?……笑っているのか?…」
「……ああ、倒したくて、壊したくて仕方の無かった物が目の前に現れたんだからね…」
ザシュッ!
木場が低い声音で呟くと同時に地面から複数の剣が咲き乱れた。
「魔剣創造(ソード・バース)か。思い出したよ、聖剣計画の被験者で処分を免れた者がいたと言う噂をね」
「彼が!」
ゼノヴィアの言葉に神田は少し驚いていた。
木場が処分を免れた事は結構噂となって広まっているんだな。
「兵藤一誠君!!士騎明日夏君!!」
「……な、なんだよ…」
「……なんだ…」
「再開したら懐かしの男の子達の一人が悪魔になっていただなんて!もう一人の幼馴染みも悪魔と一緒に行動しているだなんて!なんて残酷な運命の悪戯ぁ!」
「……はぁ!?…」
「……は?…」
「聖剣の適正を認められ、はるか海外に渡り晴れてお役に立てると思ったのにぃ!ああぁこれも主の試練?でもそれを乗り越える事で私はまた一歩真の信仰に近付けるんだわぁ!ああぁ~!」
『…………』
イリナの言い分に俺とイッセーは無言になってしまった。
「………なあ明日夏…」
「………ああイッセー…」
『完全に自分に酔ってるな(っちゃってるよ)コイツ(この娘)…』
俺とイッセーの久し振りに出会った幼馴染みの印象が見事にハモった。
「さあイッセー君、明日夏君、私がこのエクスカリバーで貴方達の罪を裁いてあげるわぁ!アーメン!」
……なんか俺まで裁きの対象されてるな…。
って言うかイリナ、しばらく見ない内に……なんて関わりあいたくない奴になったんだ…。
「……ガキの頃は良い奴だったが……短い付き合いだった…」
「そ、そんなにドン引きしなくても…」
俺の言葉に神田が苦笑いしていた。
「……っ、何だか分かんねえが、赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)ッ!」
『Boost!!』
イッセーは何が何だか分からない様子で籠手を展開した。
かくして始まったグレモリー眷属+千秋と教会の聖剣使い二人+素手の戦士の対決が始まった。
最初に動いたのはイリナで、イッセーに斬り掛かる。
「アーメン!」
「イッセーさん危ない!」
イッセーはギリギリの所でかわす。
って言うか、手合わせのはずなのにイリナの奴、本気で斬り掛かってなかった?
「あっぶねッ!何が手合わせだ!全然本気じゃねえか!」
イッセーも同じ気持ちのようだ。
「イリナちゃん!これ手合わせ!手合わせだよ!」
……仲間にまで言われてるぞ…。
「ああぁ、久々の故郷の地で昔のお友達を斬らねばならない!なんて過酷な運命ぃ!」
……とうのイリナは聞く耳持たずこの有り様だ…。
「……イッセー、今のコイツに何を言っても無駄だ…」
「……え~…」
「とりあえず必死で避けろ。悪魔のお前はかするだけでも大ダメージだからな」
「……お、おう!…」
さて、他の様子は。
「赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)か。アーシア・アルジェントの聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)と言い、君の魔剣創造(ソード・バース)と言い、異端の神器(セイクリッド・ギア)がよく揃ったものだ」
「……僕の力は同士の恨みが産み出した物でもある。無念の中で殺されていった者達のね!」
木場は地面に生えた魔剣を一本手に取り、ゼノヴィアに斬り掛かる。
「この力で持ち主と共にエクスカリバーを叩き折る!」
こちらは剣の斬りあいの応酬であった。
ただ、木場は頭に血がのぼり過ぎている。
それが仇にならなければいいが…。
千秋の方はと言うと。
『………』
ドガッ!ドゴッ!ドギャッ!
木場達の剣の応酬に対し、こちらは格闘の応酬であった。
千秋の截拳道(ジークンドー)による蹴り技の応酬に対し、ライニーは徒手格闘で応戦していた。
ライニーの徒手格闘は無難な物であったが、キレや速さ、鋭さは千秋の蹴りに負けていない。
この戦い、イッセーと木場の部が悪いな。
イッセーと木場は悪魔、相手が聖剣使いと言うハンデがある。
千秋の方も少し不利だ。
千秋の戦闘服のブーツには蹴りの威力を上げる事ができる機能がある。
純粋な攻撃力で行けば何も装備していないライニーよりは上のはずだ。
だがライニーは防御(ガード)ができていた。
対して千秋は防御(ガード)ができない。
元々女でもある千秋は俺と違い、打たれ弱い。
戦闘服も防御力よりも機動性を重視してるため、回避前提仕様だ。
が、ライニーのキレや速さのある打撃の前に少しだがかすり始めていた。
ま、今のところ三人ともまともに攻撃をもらう様子は見られないがな。
「ウワッ!」
ガキィンッ!
イリナの攻撃をイッセーは咄嗟に籠手で防いだ。
本来なら神器(セイクリッド・ギア)越しでも聖剣の聖なるオーラで悪魔は身を焼かれる…。
「え!?」
「ウソ!?」
「ほう」
だがイッセーはなんとも無かった。
その事にイリナや神田は驚き、アルミヤって人だけは興味深そうにしていた。
「ドラゴンの腕が幸いしたな」
イッセーの籠手を装備している左腕はドラゴンの物になっている。
見た目は普通でも本質はドラゴンの為、ライザー戦の時に十字架を持てた様に聖なるオーラの効果を受けなかった訳だ。
「……ドラゴンの腕…」
「なるほど」
「イッセー君のクセに生意気よォ!」
さっき反応した三人が事実を知り、それぞれの反応をしていた。
「こうなったらやるしかねェ!いや!やっておかないと気がすまねェ!いやッ!やら ねえと損だァ!!」
『Boost!!』
どうやらイッセーも真剣(マジ)になった様だ。
「………ニヒ♪……」
が、真剣(マジ)な顔から途端にニヤケ面になった。
……これはアレだな…。
「……な、なあにぃ、そのいやらしい顔ぉ?…」
イリナも警戒していた。
……さて、どうしたモンか…。
「……気を付けてください。イッセー先輩は手に触れた女性の服を全て消し飛ばす事ができます」
あ、塔城がネタ明かしをした。
『服をッ!?』
その事実にイリナと神田が驚愕し、神田にいたっては反射的に自分が着ている服を守る様に抱いていた。
「小猫ちゃん!?何故に敵にネタバレしますか!」
「……女性の敵です」
「……痛烈なツッコミ…」
「なんて最低な技なのイッセー君!悪魔に堕ちただけでは飽きたらず、心までもが邪悪に染まってしまうなんて!」
「……いや、そいつの性欲の強さは悪魔になる前からそんな状態だ」
「……お、お多感なんだね…」
「神よ!この罪深き変態をお許しにならないでください!」
……そこまで言うか…。
とりあえず気を取り直して木場達の方を見る。
木場が手持ちの剣を地面に差し、別の剣を二本掴む。
「燃え尽きろ!そして凍り付け!ウオォォォッ!!」
片方から炎、もう片方から冷気を発生させ、二刀流で斬り掛かる。
「甘いッ!!」
が、ゼノヴィアの一振りで二本の魔剣は呆気なく砕かれた。
「フゥゥゥッ!ハァッ!!」
ゼノヴィアは剣を高々と持ち上げ、地面に突き刺す。
ドゴォォォォンッ!!!!
『ッ!?』
たったそれだけの動作でゼノヴィアを中心に巨大なクレーターができあがっていた。
「破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)の名は伊達じゃない!」
破壊力に特化してるとは思っていたが、ここまでとはな…。
「……七つに分けられてなおこの破壊力……フッ、七本全部消滅させるのは修羅の道か…」
「……木場…お前…」
木場の衰える事の無いエクスカリバーに対する執念を見て、イッセーは言葉を失っていた。
「はあ~、ゼノヴィアったら、突然壊すんだものぉ…」
クレーターができた時の衝撃で尻餅を着いていたイリナが土を払いながらぼやいていた。
ちなみに千秋達はそんな衝撃など関係無く、何事も無い様に戦っていた。
「さてと、そろそろ決めちゃいましょうか!でぇやぁぁぁッ!!」
イリナは決着を着けようと畳み掛ける。
『Boost!!』
「今だッ!!」
『Explosion!!』
そのタイミングでイッセーは倍加を止める。
……ここで攻めるか…。
「ドレスゥゥゥッ!!ブレイクゥゥッ!!」
「ッ!?卑猥な!」
イッセーが何をしようとしているのか察したのかイリナは慌てて避ける。
「まだまだッ!」
「イヤッ!」
「フッ!」
「止めてッ!」
「ッ!!」
「ダメーッ!!」
……なんか、イッセーが一方的に攻めていた…。
「イッセー君の動きが急にしなやかかつ機敏に!」
「イリナちゃんが一方的に!」
副部長と神田がイッセーの動きの良さに驚いていた。
「あの動き、赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)によるものだけでは無いな」
「人は何かに熱中すると、自然と集中力が高まる…」
「集中力が高まれば動きのパフォーマンスも良くなる…兵藤一誠のあの動きの良さにはそれも含まれているという事……なのだが…」
「……その理由がな…」
「……単なるスケベ根性です」
……まさに塔城の言う通りであった。
「何なのもうッ!!…ッ!?」
イッセーがイリナの逃げる方向に先回りしていた。
「……俺のエロを……甘く見るなぁぁッ!!」
イッセーがイリナに向かって飛び掛かる。
「あ」
が、イリナは寸前のところでしゃがんで避ける。
そしてイッセーの勢いは止まらず、俺達観客…鶇、燕、塔城の三人の下にダイブ、鶇と塔城に手を触れ、燕を押し倒した(もちろん手を触れている)。
そして燕を押し倒した直後、いつでも鳴らせるようにしていたのか指を鳴らす。
結果、イリナの服を消し飛ばすはずが鶇、燕、塔城の服を消し飛ばされ、三人とも全裸になり、さらに燕は全裸の状態でイッセーに押し倒されていた。
ちなみに鶇は自分が全裸になった事などそっちのけでイッセーと燕の光景を見て、目を輝かせながらテンションを上げていた。
燕は顔どころか全身を真っ赤にしていた。
イッセーは慌てて起き上がる。
「わぁーッ!?ごめん燕ちゃんッ!!でも!ありがとうございますッ!!」
謝りながらも合掌してお礼を言うイッセー。
「イヤ違う!これは…」
ドゴォンッ!
「グワァァァァァッ!!!!」
ドサッ!
「……ドスケベ…」
イッセーは塔城によって宙に殴り飛ばされ、そして重力に従ってそのまま地面に激突した。
「あのね、これは天罰だと思うの。だからこんな卑猥な技は封印する事。良い?」
イリナがイッセーにその辺の木の枝で突っつきながら言う。
「………だ……」
「はぇ?」
「……いや…だぁ!…」
イッセーが起き上がりながら喋る。
「……魔力の才能を…全て注ぎ込んだんだ…女子の服が透明に見える技とどっちにするか…真剣に悩んだうえでの決断だったんだぞ!…もっと…もっと…女の子の服を弾け飛ばすんだ!…そして…そして!…そしていつか!見ただけで服を壊す技に昇華するまで俺は戦い続ける!!」
「……そんな事でここまで戦えるなんてどうかしてるわ…」
「……ある意味凄いね…」
「エロこそ力!エロこそ正義だぁッ!!」
再びイッセーが一撃入れようとするが、イリナは避ける。
「でやぁぁぁッ!!」
そこへアッパー気味に攻撃するが、それも跳んでかわされる。
「フッ!」
「ッ!」
ガキィンッ!
そこへ今度はイリナが横一線に斬り掛かるが、イッセーも籠手で咄嗟に防ぐ。
今のは籠手で防いで正解だな。
避けようとすればおそらく掠り傷はできていた。
今のイッセーでは聖剣の攻撃は掠り傷でも大ダメージだっただろうからな。
……もっとも自分の意思じゃなく体が反射的にやったんだろうが。
「貴方を少し見くびっていた様ね。良い動きだわ。でも…」
『Reset!!』
「ッ!?」
赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)の能力解放の時間切れが来たようだ。
イッセーは突然の脱力感に襲われグッタリしていた。
「フフ、残念ね。もう力を上げる時間なんてあげないから…」
「……へへ…」
「……?…何が可笑しいの?…」
「悪いが!ただじゃ転ばないぜッ!!洋服破壊(ドレス・ブレイク)ッ!!」
そう叫び、指を鳴らすとイリナの服が消し飛んだ。
「へ?………ッ!?キャアァァァァァァッ!?!?!?」
イリナは数秒だけ膠着した後、悲鳴を挙げ、慌てて投げ捨てていたローブを羽織る。。
「何で!イッセー君の手には触れなかったのに!」
確かにイリナはイッセーに触れられて無いはずだが?
この事実に部長達や神田も驚いていた。
(まさか!この短時間で洋服破壊(ドレス・ブレイク)を見ただけで発動できる様にしたのか!?)
イリナや神田、部長達も同じ事を考えてる様子だった。
が、すぐにその考えはアルミヤさんの発言ですぐに否定された。
「いや、ちゃんと触れていたぞ。イリナが斬り掛かった時、兵藤一誠は籠手で防ぐ前に一瞬だが彼女の手に触れていた。まあ、本人も無自覚だったのだろうがな。気付いたら発動条件が成立していたので発動したが、本人も何故発動条件が成立していたか分かっていないだろう」
「……えっと、まさにその通りです」
「……つまりたまたまか」
……驚いて損した。
……しかしこの人、良く見てるな。
……俺よりは確実に強いな。
「……とりあえずイリナ、お前その状態でまだ戦えるか?」
「戦える訳無いでしょ!!」
「だろうな。イッセー、お前もこれ以上戦う気無いんだろう?」
「まあ、個人的には言いたい事を言えた訳だしな。ぶっちゃけそれで良い様な気もしてたし。何より良い物を見られたしな!」
「……そうか」
という感じでイッセーとイリナの勝負は無効試合となった。
一方、木場の方は…。
「ハァァァァァッ!!」
自身の身の丈以上の巨大な剣を作り出していた。
おそらく聖剣の破壊力に対抗するための破壊力重視の魔剣なのだろう。
「……こちらも勝負が着いたな…」
アルミヤの言う通り、木場の敗北で決着が着きそうだった。
「その聖剣の破壊力と僕の魔剣の破壊力!どちらが上か勝負だッ!!デェァァァァァッ!!!!」
「……残念だ…」
ゼノヴィアは酷く落胆していた。
ドゴッ!
「ッ!?」
ゼノヴィアは木場の剣撃を難無く避け、剣の鍔の部分で腹部を強打する。
「………カハッ!?……」
それだけでもかなりの威力があるのか、木場は血を吐き、倒れ伏す。
「……君の武器は多彩な魔剣とその俊足だ。巨大な剣を持つには力不足な上に、自慢の動きまで封じることになる。そんなことすら判断出来ないとはな」
ゼノヴィアの言う通り、木場はエクスカリバーを折る事に固執し過ぎた為、自慢の武器を全て捨てると言う愚行を犯した。
この戦いは最初から決していたようなものだ。
ゼノヴィアはローブを取りに踵を返す。
「……ま、待てぇ…」
「次はもう少し冷静になって立ち向かってくるといい…先輩」
「……ッ!!…」
さて、残るは千秋達か…。
ドガッ!
「ッ!」
ライニーの一撃で千秋が吹っ飛ばされていた。
が、直撃を受けた訳じゃないのかすぐに体勢を立て直す。
「……もう観念したらどうだ?」
「………」
ライニーがほぼ無傷なのに対し、千秋は所々に掠った後があった。
どう見ても千秋の方が劣勢に見えるだろう。
……が…。
「………」
千秋が駆け出す。
「………」
ライニーはどんな動きにも対応ができる様な構えを取り、千秋を睨む。
あの目は完全に千秋の蹴りを見切ってる目だった。
体の方も完全に蹴りに反応できる様になってるのだろう。
もっとも、それが仇になるかもしれないがな…。
案の定…。
ドガッ!
「ガハッ!?」
ライニーは千秋に吹っ飛ばされていた。
後書き
イッセーとイリナの決着ですが、アニメのOPの影響でこうなりました。
一応、この小説のイッセーは明日夏との特訓で原作よりも回避力が高いと言う設定ですから、こうなっても大丈夫かなぁと。
後、観客の洋服破壊(ドレス・ブレイク)の被害者は本来は燕の押し倒しネタをやる為、アーシア、燕、小猫だったんですが、鶇は性格上必ず燕の隣に立つだろうと思い、アーシアの代わりに鶇にしました。
ページ上へ戻る