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魔法少女リリカルなのはStrikerS~赤き弓兵と青の槍兵

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プロローグ

 
前書き
凛「答えをえた男。女を守り、逝った男。二人の男の向かう先は?」

なのは「魔法少女リリカルなのはStrikerS~赤き弓兵と青の槍兵、始まります」

 

 
side アーチャー


体が消える。存在を保てるだけの魔力が尽きたからだ。ゆっくりと消滅を迎える前に、目の前にいる少女を安心させてやるのが元従者としての役目だろう。


「大丈夫だよ遠坂。俺も、これから頑張っていくから」


そう言って、(マスター)に別れを告げ、サーヴァントとしての役目を終え、座に戻る。
その途中だった。突然何かに引っ張られるような感覚。
座に戻る前に再召喚なんてのは異例だ。
しかし、それもいいか、と思う自分がいる。
これが長い物語の始まりとも知らずに………。




side ランサー


消滅を間近に感じながら、俺は言った。


「へっ、そう言うセリフは、もちっと色気つけてから言いやがれ」


嬢ちゃんを脱出させ、言峰の野郎にも一矢報いてやった。
やり残したことなんてねぇ。でも、助けるならもう少し胸のある女が良かったなぁ。 
と、俺はそんなことを考えていた。
これから待ち受ける運命(フェイト)も知らずに……… 。




side アーチャー


召還される時の浮遊感を感じながら目を開ける。


「どこだここは………」


とりあえず私は状況を確認する。ここは森の中。周りに人の気配なし。魔力は…供給されてはいるようだ。
そして最後に一つ。


「この体は確かにサーヴァントのものだな。だというのに……霊体化できんとはどういうことだ?」


霊体化出来ない英霊ならよく知った騎士王(セイバー)がそうだ。
しかし自分は違う。何故、このようなことになっているのだろうか?


「……おい」


マスターとのラインを頼りに居場所を探ると、以外と近くにいるらしいことがわかった。


「無視か?この野郎」


とにかくマスターとなった人物を探してみるか……。
聖杯関連の事にはあまり関わりたくはないがな。


「てめえ!!人の!話を!聞けー!!!」
「……いたのかランサー」


スルーを決め込んでいた私に詰め寄るランサー。
流石に真正面から胸倉を掴まれたので無視は厳しい。


「あぁ?気づいてたよなお前、こっちチラチラ見てたよな?しかも笑ってたよな?」
「何、貴様を無視したら面白そうだったからな」
「てめぇ……ここで殺るか?」
「やめておけ、自然を壊すのは関心しないぞ」
「……チッ。相変わらず生け好かねぇ野郎だ」


仕方なく合流したランサーと共に状況を整理する。
木に登って周りを見渡すと市街地と、海の近くに大きな建物が見えた。
その海の近くの建物からは複数の魔力を感じる。少し異質な感じがあるが、ラインからマスターがそこにいる可能性が高いことが伺えた。


「ランサー、近くの建物に人がいるようだぞ。君もマスターとなった人物を探しているのだろう?」
「おうよ。まぁ、とりあえず行ってみるか」


市街地を横目に私達はその建物へと向かうことにした。




side なのは


新人達の訓練を終え、隊舎に戻る途中。


「おーい、なのはちゃ~ん」
「なのは、お疲れ様」
「はやてちゃん、フェイトちゃんも。どうしたの?」


二人とも忙しいはず。なのにわざわざここまで来る理由は何だろう?


「お昼、一緒にどうや?」
「いいけど…わざわざそのために?」
「…もう一つ、別の目的もあるけどね」


私の疑問に答えながらはやてちゃんは両手の甲を見せてきた。
その両手には刺青のような模様が二つ。なんなんだろう?
と、向こうから………人が来る?なんだろう……あの人たち。
フェイトちゃんとはやてちゃんも気づいたみたい。
その人たちは赤い外套に浅黒い肌に白髪で長身の男の人と、細身の全身青いタイツみたいなのを着ている青い髪の男の人の二人組だった。そのうちの一人、青い人がこちらに話かけて来た。


「よう、嬢ちゃんたち。聞きてぇ事があるんだ」
「なんや?うちで良ければ答えるで」
「ここどこだ?」
「機動六課の隊舎や」


青い人の聞き方も悪かったけど、道を聞いてるんだろうからその言い方はひどいと思う。


「……はい?」
「……はぁ、貴様の聞き方が悪いのだよ。すまない、この街はなんという名前なのだ?」


青い人に呆れたように言いながら赤い人が聞き直す。


「ここは管理局陸上本部のある世界、ミッドチルダの南駐屯地A73区画や。」
「「…………はい?」」
「地球ですらない、だと………」
「お二人さん、もしかして、地球の人か?とりあえず気になる事もあるし、中で詳しい話聞いたるよ。それにしても、変な格好やねぇお二人さん」
「ほっとけ!」


はやてちゃんは初対面の二人の格好ににやつきながら突っ込んだ。
相当失礼だと思う。と、ふざけているはやてちゃんが念話を飛ばして来た。


(この人たち、魔力持ちやな。でも、なんか変や)


はやてちゃんはふざけていながらも気づいていた。この人たちの魔力。その異質さに。
伊達や酔狂で部隊長やってるわけじゃないね。
すると今度はフェイトちゃんも念話を飛ばして来た。


(なのは、あの人、どう思う?)
(うーん、地球から来てて、魔力持ち、しかも少し変な魔力……)
(……そうじゃなくて……ね?)


フェイトちゃんの困ったような視線の先には、青い方の男の人……なんかフェイトちゃんを見て笑ってる……楽しそうに。


(はやて、本当にこの人たちの関わるの?)
(魔力持ちの地球出身者。上手く行けば協力者として引き込めるかも知れんやろ?)
(あ、あはは……なるほどね)


相変わらずはやてちゃんはこういうときの行動が早かった。



…………………………………………………………………


所変わって部隊長室。二人の男性と対面して座る私達。


「とりあえず、何から話そか?」
「先に、私たちの方からいいか?」
「ええよ」
「根源、聖杯、英霊、サーヴァント、魔術師、令呪、宝具。いずれかに聞き覚えはあるかね?」


聖杯と魔術師以外は全く聞いたことが無かった。聖杯なんてものも御伽噺の中のものしか知らないし、この人達は一体……?


「うーん、魔術師、ねぇ……長いこと魔導師やっとるけど御伽噺でしか知らんなあ」
「成る程……。君達も魔に関わりを持つようだな。ならばこちらの情報を開示しよう」


魔に関わりを持つ、と言っているが、地球に魔法技術は無いはず…。


「まず最初に、私達は英霊と言う人を超越した存在だ。まあ英雄が精霊化したものとでも思ってくれ」
「へー。お兄さん、もしかしてあれな人か?」
「はやて。真面目に聞こうよ……」


まあいきなり人を超越してる、とか言われても訳がわからないよね。


「まあ証拠となるものなど……ああ。あるか。ランサー、ゲイボルグを」
「なんでてめーに命令されなきゃなんねーんだよ。……まあいいぜ。ほらよ」


そうして青い方の彼は莫大な魔力の込められたら赤い槍をどこからともなく取り出した。
はやてちゃんはそれを見て目の色を変える。


「ゲイボルグ……クー・フーリンの槍やな」
「お、嬢ちゃん俺のこと知ってんのか?」
「……と、こいつ自身が証拠だ。アルスターの大英雄クー・フーリン」


アルスター伝説のことははやてちゃんに聞かされたので知っている。……まさか本人と会うとは思わなかったが。


「わかった。これだけの物を見せられたんや。信じるで」
「わかってもらえて何よりだ。それで、私達は今魔力を供給してくれているマスターを探している。そのつながりから見つけたのが君達なのだが……最近刺青のようなものが体のどこかにないかね?」
「もしかしてこれかな?」


はやてちゃんが両手の甲を見せる。


「……そうだ。どうやら、君は私たち二人とものマスターのようだ」
「そんなら、うちの元で働いてもらうで?マスターの言うことは聞くもんなんやろ?」
「……やることがあるわけでもなし、構わんが具体的には何を?」
「うちの所有する個別戦力として、この機動六課に入隊してもらう。雑用や戦闘などいろいろやってもらうで」
「戦闘やるなら俺らの力見せた方がいいよな?」
「その前に赤い人の名前、教えてもらえへんか?」
「私はア「こいつは衛宮士郎。士郎って呼んでやれ」……」


なんか赤い人…士郎君がクー・フーリンさんの事すごく睨んでる……


「……衛宮士郎だ。よろしく頼む」
「で、クー・フーリンさんの方はそのまま呼んでたら色々とまずいことなりそうやし、なんかいい偽名とかないかな?」
「なら衛宮ランスとでもするか」
「兄弟ってことにしとくんか?」
「おい、なにをかっ「ああ。それでいいぜ」…」


またもや士郎君がランス君?って呼べばいいのかな……の事睨んでる……。


「ちなみに、俺が兄貴な」


士郎君、諦めた顔してる……なんかランス君に遊ばれてるのかな?
と、はやてちゃんから念話が入る。


(なのはちゃん、士郎の方ばっかり見て、惚れたか?)
(な、なな、はやてちゃん!)
(士郎って、長身、イケメン、引き締まった体と外見はええし、性格もよさそうやからなぁ~。)
(そんなんじゃないってば~)


「とりあえず、これってなんなんや?」


上手く話をそらされた。はやてちゃんは相変わらず絶好調だった。



「それは令呪。令呪は契約の証にして私たちへの三度のみの絶対命令権だ」
「そうなんか!よーし、なら“二人とも、うちの言うことには絶対逆らうな!”」


そう言うと、はやてちゃんの両手の甲から模様が一つずつへった。


「命令権と言っても、そのような漠然とした命令は効果が薄いのだ。まったく、私のマスターはその命令をしなければ気がすまないのか?君も彼女に似ているところがあるし……」
「確かにマスターの声は嬢ちゃんににてるな、シロウ?」
「貴様にその名で呼ばれるとイラっとするな」
「まあまあ、二人ともその辺で、ね?」


フェイトちゃんが二人をなだめ、話は終わる。


「うちの言いたいことは大体今の話の中で出てもうたからな。あとはミッドチルダや管理局について、聞きたいことに答えるで」


はやてちゃんがそう言うと、それぞれが返事を返す。


「そこいらについては、明日でもいいか?俺は日が高いうちにこん中を見て回りたい」
「そか。なら、フェイトちゃんとなのはちゃん、二人の案内をお願いね」
「私は結構だ。部屋に案内だけしてもらえば、あとは休んでいたいからな……」
「なら、なのはちゃんが士郎、フェイトちゃんがランスでええ?」
「う、うん。私は大丈夫」
「俺はそっちの方がいいぜ」
「私も大丈夫」
「了解だ。マスター」


二人とも納得したみたい。フェイトちゃんは若干嫌そうな顔はしていたが。


「そうか。なら、二人とも……」
「「「機動六課にようこそ」」」


こうして、平穏とは程遠い運命の入り口に立った二人であった…………。 
 

 
後書き
六課メンバーとは 次回以降から絡んで行きます

大幅な話の流れの変更をしました。

誤字修正しました。

2回目の修正しました。

10/30 改定終了 
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