| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

魔法少女リリカルなのはStrikerS~赤き弓兵と青の槍兵

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

本編
  0.5話~槍兵と執務官 改定版

 
前書き
なのは「新たな出会いと始まり」

士郎「その中で、今回はフェイトとランサーの関係に迫ってみよう」

なのは「0.5話槍兵と執務官、始まります」 

 
side はやて


ある程度の説明が終わり、士郎は部屋の方へ。ランスは六課の隊舎を回るそうだ。
だが…………まだ終わっていないことがある。


「二人とも、そのままの格好で居る気か?」
「着替えがない以上、そういうことになるな」
「…もう少しだけ行くのは待っててや」


私はある人物に通信をする。私の家族の中でもいたずらと料理以外の家事をよく手伝ってくれる………シャマルに。




…………………………………………………………………


そうして連絡をとってから5分後。


「はやてちゃ~ん、お待たせ。あなた達が士郎さんとランスさん?」


頼りになる相棒、シャマルが到着。


「衛宮士郎だ。よろしく頼む」
「衛宮ランスだ。よろしくな、綺麗なおねーちゃん」


二人から自己紹介されるシャマル。


「綺麗だなんて、嬉しいわ。でもね、そんな格好だと引いちゃう女の子もいるかもしれないわよ?」
「確かにこれではな」


にやつく士郎に対してランスはというと。


「うっせえ!」


との対応。


「そんなわけで、お二人の制服を持ってきました~!」
「さっそく着替えや!」


さあ!レッツ、お着替えた~いむ!



side 士郎


とりあえず着替えたが……言いたいことがある。


「なぜサイズがぴったりなのだ………」
「私の目をなめたらあかんでえ?伊達に目だけでおっぱいのサイズがわかる女、と呼ばれてへんのや!」
「へぇー、そいつはすげえな」
「せやろ?ちなみになのはちゃんは」


そこまで言ったところでマスターがぶっ飛んだ。
後ろには顔を真っ赤にしたなのはが。フェイトも同様にしていた。そしてぶっ飛ばしたマスターの所に行き、声の限り叫ぶ。


「また!はやてちゃんは!そういうことを!」
「勝手に!男の人に!教えるんだから!」


そしておもいっきり踏みつけていた。


「ギブ!ギブ!中学の時のこと引きずらんといてや~」
「まあまあいいじゃねえか、今はともかく中学生の時ならよ」


フェイトが赤くなった顔のままランサーに突っかかっていった。


「良くないよ!文化祭の一般のお客さんに勝手に言いふらすんだよ!」
「………ええやないか、中学生ですでにDカップの美少女が給仕してくれるメイドカフェ、大盛況やったやんか………学校の内外にシャマルとビラ配るの大変やったんやで!」
「準備の時いないと思ったら、そんなことしてたの!?」
「一人一人人柄とスリーサイズを書くのはしんどかったわ~。あ、なのはちゃんのコピーは『天使の笑顔で癒しをくれるCカップ美少女!』やったんやで!」
「いかがわしい店みたいに見えないこともないな………」


私のつぶやきに同意するフェイト。


「でしょ?はやてはこんなことばっかりするんだよ!」
「男としては嬉しいかぎりだな。で、フェイトは今どんくらいなんだ?」


そんなことを言ったランサー。後ろのフェイトが震えている。
これは展開が予想できるな。


「す、す、す」
「す?」
「スケベー!!!!」


バチーン、と小気味良い音が部屋中に響いた。
昔、自分もこんな風に叩かれたことがあったなぁ、と物思いにふける私であった。




side ランス


「全く、いい一撃だったな」
「ご、ごめんなさい………」


フェイトは見るからに落ち込んでいる。


「ったく、気にしてねぇからあんまり顔曇らせねえでくれや。美人が台無しだぜ?」


浮いた台詞を言うが、頬に紅葉がしっかり浮かんでいるため、全然格好がつかない。


「はわわ………び、美人!?」


しかし気が動転していたフェイトは真っ赤になってしまった。


「おいおい、大丈夫か?」
「だ、だいちょぷ、れす」


………全く大丈夫ではなかった。と、都合よく一つの部屋を見つけたので話題をそのことに移す。


「お?ここはなんだ?」
「ふぇ!?………えっと、ここは管制室です。戦闘時にロングアーチが指示を飛ばすための部屋になります」
「ほー、指令室、ってとこか。それよりもよぉ」


そう言いながらフェイトを見ると無意識かはわからんが胸を隠していた。
腕でつぶれて逆にいい光景だ。


「なんでしょう?」
「敬語は止めてくれねえか?これから俺はあんたの部下になるんだぜ?」
「で、ですが………」


煮え切らないフェイトにこちらもカードを切る。


「あいつには敬語じゃねえのにか?」
「う、うう………わ、わかりました」
「既に敬語じゃねえかよ……ククッ、はははははっ!」


わかったといいつつも敬語の抜けないフェイトのテンパりようがおかしくて思わず笑ってしまう。


「何が可笑しいんですか?」
「いやなに、俺に苦手意識でもあんのかなってよ」
「そ、そんなことは……」


その反応。あるって言ってるようなもんだよな。


「あるのか。ま、初対面からあんなだもんな。ねぇほうがおかしいか。お、ありゃなんだ?」
「ああ、あれは……デバイスの調整室です。ここでデバイスマイスター達がデバイスの調整を行っているんですよ。覗いて見ます?」
「いや、邪魔になるだろ」
「いえ、今の時間はそんなに忙しくないはずですから」
「そうか。そんならちょっくらいってみるか」


そういって俺たちは調整室に入った。




side フェイト


クー・フーリンさん。又の名?を衛宮ランス。第一印象は格好は変だし、ちょっと怖かった。歴史に名を残す程の人なのにスケベな人。だけど、物珍しそうに隊舎の中を見る姿が子供っぽくて可笑しかった。
調整室に入った私たちを出迎えてくれたのはシャーリーだった。


「あ、フェイトさん。あの、そちらは……」
「今日付けでここに配属になった衛宮ランスだ。よろしくな」
「ええ。こちらこそ。シャリオ・フィニーノです。シャーリーって呼んでください」


お互いに自己紹介も終えたようで話題がデバイスに移る。


「で、ここにいるってことはアンタがデバイスマイスターか」
「ええ。衛宮さんはデバイスは?」
「持ってねえんだ。だからいろいろと教えてくれると助かる。それと、俺の事はランスでいいぜ」
「わかりましたよ、ランスさん。それでですね、デバイスというのは………」


シャーリーの説明を聞いて表情がコロコロ変わっている。
悪い人じゃないみたい………と、思っていた私は不意にバランスが崩れるのを感じた。


「フェイトさん!危ない!!」
「え?」


足元にあった部品に気が付かずに私は転倒していた。
ぶつかる、と思い身構えたが、衝撃は軽かった。呆然としていた私にかかる声。


「全く、気をつけろよな」


それはランスさんのもの。しかも私はランスさんに抱きとめられていた。
それもお姫様抱っこで。


「……………ごごご、ごめんなさい!!」
「いや、気にするな」
「そ、それより………」
「ん?なんだ?」
「お、降ろしてください……」
「ああ、ほらよ」


乱暴な口調とは違い、優しく降ろしてくれる。こういうことには慣れている様だ。


「いや~すごい反射神経ですね~」
「まあな」
「あ、あの……」


お礼を言おうと話しかける。
だが、苦手意識が抜けきってないためかたどたどしくなってしまった。


「なんだ?」
「ありがとう、ございました……」
「いや、いーって。それより、怪我はねえか?」
「は、はい。おかげさまで」


一連の会話を聞いていたシャーリーが話に入ってくる。


「そういえばフェイトさん、なんで敬語なんですか?」
「あ~なんかよ、俺に苦手意識があるみたいなんだ」
「え!?こんなに面白くていい方なのに……」
「おう、ありがとよ。でもなぁ、初対面でちょっと………」
「何かあったんですか?」
「ビンタされた」
「………………え!?」


その言い方じゃあ私が悪者みたい……。


「そ、そんな言い方しなくても……」
「事実だろ?」
「はうう……」
「まあフェイトさん、男性に免疫ないですから……」
「そ、そんなことないよ!」
「ほー、初心なのか?」
「そうなんですよー、この間も……」
「シャーリー!!もう!次行こう!日が暮れちゃうよ!」


彼の手を引いて強引に部屋から出る。
ある程度進んだところで彼が口を開いた。


「お前、意外と強引なんだな」
「え?はわわわわ!」


その言葉で手を掴んでいることに気が付く。


「ははははっ、シャーリーの言うとおり、マジで初心なんだな。大人びてると思ってたが、可愛いとこあんじゃねえか」
「あ、あなただって子供っぽいところあるじゃないですか!」


一瞬の沈黙の後、彼はまた笑い出した。


「くっくっくっく、そうかよ、はははははっ!」


本当におかしそうに笑う。つられて私も笑い出してしまった。


「ふ、ふふふ、はははははっ!」
「お、やっと笑ったな」
「え?」
「ずっと真面目な顔ばっかしてたからな。ああ、怒ってもいたな。でもよ、笑ってた方がずっといいじゃねえか」


簡単にそんなことを言う彼に私は不信感を抱く。
だからか、つい口を開いた。


「……あなたは誰にでもそんなことを言うんですか?」
「誰にでも、って訳じゃあねえな。こういうふうに言うのは気に入った女にだけだ。まだまだ青いところもあるけどよ、お前はいい女になるさ」
「今日会ったばかりでどうしてそこまで?」
「そりゃ、いろいろあったからねぇ………」
「う………」


確かに今日はすごくいろいろあったけど……。


「まあ、俺はこれからお前がどう成長していくかを見てるさ。よろしくな、フェイト」
「はい………いや、わかったよ。ランス」
「おや?どういう風の吹き回しだ?」
「あなたが私の事を見るというなら、私もあなたの事を見る。貴方がどういう人なのかをこの目で確かめる。だったら立場は対等な方がいいでしょ?」
「なるほどな、そういうことか。でもよ、一つだけ言っておくぜ」
「なに?」
「俺に惚れるなよ?」
「この……………バカー!!!!」


この後騒ぎを聞きつけたなのはと士郎に止められるまで、私とランスの追いかけっこは続いた。




side なのは


私ははやてちゃんの使い魔?になった衛宮士郎君を彼の部屋へ案内している。彼ら二人の部屋ははやてちゃんがシャマルさんに頼んで用意したらしい。はやてちゃんはというと。


「シャマルってジェバ■ニみたいやろ?」


っていってたけど、ジェ■ンニって誰なんだろう……。


「そういえば、私は君の部下になるのだったな。配属されるのはどのようなところなのだ?」


と、考え事をしていたら彼……士郎君がそんなことを聞いてきた。


「士郎君が配属されるのは、この機動六課のフォワード部隊の一つ、スターズ分隊だよ。私が隊長で、副隊長にははやてちゃんの守護騎士のヴィータちゃんがついてるんだ。残りの二人、スバルとティアナには明日紹介するね」
「一つ、という事はほかにも部隊が?」
「うん。フェイトちゃんが隊長をしているライトニング分隊があるよ。ランス君はそっちに配属だね」


納得したのかふむ、と呟いてそれ以降は静かにしている士郎君。しかし、こうしてみていると………。


「む?何か私の顔についているか?」
「え!?ううん、違うの。士郎君ってホントに背が高いなあって」
「まあ確かに私の身長は比較的高い部類に入るが………」
「それに、さっきもだけどとっても苦労してきたみたいに見えるんだ」
「苦労か。確かに子供のような自称保護者、妹のような姉、傍若無人な師など周りにまともな人がいなかったから苦労はしたな」


な、なんかすごい人たちだね…………。


「な、なんていうかお疲れ様……。士郎君、はやてちゃんにいたずらされそうになったら言ってね。フェイトちゃんと私で助けるから!」
「そうか、ありがとう」


そんなことを話しているといつの間にか士郎君達の部屋についていた。


「それじゃあ、明日は訓練が………」


そこまで私が言ったところで私たち二人は固まった。その理由はというと………。


「待てー!!!」
「とりあえずその光ってんの出すのはやめてくんねえかな?」
「じゃあ大人しくつかまって!!」
「それは無理だ!」


バインドを乱発しながらランス君を追いかけるフェイトちゃんがいたからだ。


「……アレは止めたほうがいいのか?」
「………う、うん」


その後、二人がかりでフェイトちゃんを止めるのに30分かかった。




side はやて


「ほほう、なかなかおもしろいことになってきたなあ?」


何か面白いことが起きそうな予感がした私はシャマルと共にフェイトちゃんとランスを追跡していた。
結果はフェイトちゃんのあわてた姿など中々見れないものを見せてもらった。


「今後の展開が楽しみやな~シャマル」
「そうね。フェイトちゃんとランスさん、いいコンビじゃない?」


これはなかなかの掘り出し物を捕まえたみたいやな~。今後が楽しみや!




この掘り出し物二人は、いい意味でも、悪い意味でもこれからの六課に影響を与えていくことを、このときは誰も知らなかった………。 
 

 
後書き
外伝です。次回から本編に戻ります。

六課襲撃編までに幕間をできるだけ書きたいなぁ~と思ってます。


それでは今回はこの辺で~

11/6 改定完了 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧