リメイク版FF3・短編集
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飲んじゃった話×2
「ふぃ~、やあっと宿屋着いたー! あ~ノド渇いたっ。……お? こんなとこに飲み物が!いただき~♪ ぐびぐびっ」
「ちょ……、何やってんのルーネス! 人様のかもしれないでしょ?」
「い~じゃんレフィア~、テーブルに誰もいないんだしさー」
「席を外してるだけかもしれないよ、しょうがないなぁルーネスは」
「にゃんだよアルクゥ! おとーとが兄ちゃんに口答えすんじゃにゃい!………ひっく」
「お、弟って……? そりゃ僕と君は幼なじみだけど、何で今さら」
「 ────おいルーネス、そのコップをこちらに渡せ」
「イヤじゃー! いんくずの云うことはききましぇ~ん、ひっく!」
「いいから渡せッ。(クンクン)────やはり、入っていたのは酒だ」
「はぁ?! そういえば瓶も置いてあるわ……、どうりで口調もおかしくなってるわけねっ」
「ふにゅ~、みんなも飲むくぁ~? ぐびぐびっ」
「あぁ、瓶の中身まで……!」
「馬鹿者、それ以上よせッ」
「なんだお~、ひったくるなお~、いんくずも飲みちゃいの~?」
「"くず"じゃないだろう………」
「あぁルーネス、顔紅くなっちゃってる……。と、とにかく宿の主人に事情説明して、戻って来るかもしれない人にお金渡しといてもらおうよ」
「それがいいわね、飲んでた人に鉢合わせしない内に部屋に入っちゃいましょ!……ほら、行くわよルーネス!」
「わかったぜぇレフィア~、"はぐ"してほしいんだな~? そおれぇ、はぐはぐ~♪」
「 ─────何でそうなるのよ!!」
「 ぐはぁっ 」
「今のは蹴り飛ばされても仕方ないね……」
「とりあえず、酔いが醒めるのを待つしかないな」
宿部屋で落ち着こうとする4人だが────
「アル~、兄ちゃんがおまえをずぅーっと守ってやるからにゃ~?」
「うわぁ?! ルーネス、抱き付いてこないでよ…! それに僕、もう君に守られなくたって大丈夫なくらいになってるんだからね!」
「 ───ゔぅ、アルは兄ちゃんをキラいになったんだな……! 弟の成長を素直に喜ぶべきなんだろうけど………兄ちゃんさびしい!!」
「わっ、く、くるし……?! 抱き締めないでぇ~! レフィア、イングズ、助けてよー!」
「………ただでさえおバカなのに、拍車掛かってるわねっ」
「ほら………アルクゥから離れろ、ルーネス」
「 ────あ、じゃあおれ、アルクゥの兄ちゃんやめてインクズの弟なる! 兄しゃ~ん♪」
「……クズじゃないと云ってるだろッ」
「はぁ、助かった……。でも僕のお兄ちゃんをやめられるのは、ちょっとさみしいかも……?」
「アルクゥったら、こんなおバカなお兄ちゃんなんて持たない方がいいわよ? せっかく頭いいのに、どんどん悪くなっちゃうわよっ」
「なんだとぉ~? じゃあレフィア、おれのねーちゃんなってよ! それとも妹がいい~?」
「どっちもあり得ないし、ごめんだわ!!……あたし、別室で休むわね。あとは勝手にして頂戴っ」
「僕も読みたい本あるし………失礼するね」
「なんだお~レフィ、アル!一緒の部屋で寝ればいいじゃんよ~!」
「 ────私も別室で、武器の手入れといくか」
「インクズまで~? 1人にしないでくれお~っ」
「知らん、置いてあった物を不用意に飲んだお前が悪い、1人で酔いを醒ましてろ。……それと、"クズ"ではないからな」
「んじゃあ、グズグズ~?」
「 ────もう勝手に云ってろ」
「わあん、行かないでくれお~!───うっぷ、吐きぞぉ゙っ」
「何……? ちょ、ちょっと待て、何か容器を────ゴミ箱、これを使え」
「うぅ゙~……っ」
「ほら、ベッドの方に座れ。……背中、摩ってやる」
「う~ん………やさすぃ~なぁぐずぐずはっ」
「 ────もう何とでも云え」
「 むにぃ~~っ 」
「おい………人の頬を両手でつまむなッ」
「笑えよぉ、イングス~、いっつもムッツリしてないでさぁ?」
「……いらぬ世話だ、手を放せ」
「 ぐりぐり~♪ 」
「 ────いいだろう、こちらもつまみ返してやる」
「んなっ……?! こんなろ~!」
「 ……… フフ 」
「あ……、今わりゃった??」
「 ────笑ってない、お前が頬をつまんでるせいだ」
「ぬ~……、なりゃこれでどおだ! くすぐりの刑~~っ」
「………笑えんな。罰として、くすぐり返し」
「うひゃひゃひゃ!? やっ、やめ……っ! ぎぶ、ぎぶ~~~?!」
「 フフ ……… 」
「ひぃ、ひぃ……やっぱ、笑ってるだろ……っ」
「 ───笑ッ、てない」
「イジはるなよぉ」
「………何故そこで私の頭を撫でる」
「イングズはエラいな~と思ってさぁ、いっつも冷静でいられて………おれにはマネできねー」
「 ────今の私が冷静に見えるなら、お前の目は節穴だ」
「 へ……? ぬあっ、なんで片手横にしておれの両目覆うんだ??」
「お前はもう寝ろ、これ以上戯れていると────酔いが醒める所ではなくなりそうだ」
「う~ん、おれは遊び足りねーなぁ」
「いいからベッドに横になれ。ほら………お休み、ルーネス」
END ────展開異なるオマケ ↓
私的用事で1人宿屋を離れて戻って来たら………
3人で1つの部屋に集まり、何故か酔っぱらっていた。
「あ~、おかえりなさぁい! 見てよこれぇ、宿屋のご主人から差し入れ~、ぶどうジュースだって~。先に1本3人して飲んじゃったけど~、まだ2本残ってるからあなたの分もあるわよ~。────いけるわねぇこれ!」
………ジュース? にしては、何かおかしい。
「あ~レフィア、もう1本開けちゃって………ズルいよ~、ぼくにももっと飲ませて~!」
「 ────よっしゃあ! ならおれも、ビンごと飲んじゃる……! がぶがぶっ」
「あ゙ぁ~?! それじゃなくなっちゃうじゃないかー! もう……、追加でもらって来ちゃおうかな~僕」
────皆の顔が紅い。そして部屋に漂うこのムッとした香り………?
ジュースじゃない、それは酒か!
宿屋の主人が不用意に少年少女に酒瓶を3本も差し入れるとは────いや、もしや主人にとって葡萄酒はジュース感覚も同じ……?
「 ……ちょっと君、どいてよ? ぶどうジュースの追加、頼んでくるから」
アルクゥの目つきが悪くなっている……、行かせる訳にはいかないな。
「 ────それはジュースじゃない、酒だ。追加で頼むなど以ての外だろう」
「うるさいなー! イングズは説教くさくていけないよっ。僕らはお酒なんて飲んでないし、ぶどうジュースなんだってば!」
よ、酔いが回ったせいかアルクゥが怒りっぽくなっている。………珍しい。
「ほらアルクゥ~、少し残してあげたわよ~、これ飲んだらぁ? ────は~ぁ、何かあたし暑くなってきちゃった……。脱ごうかしらね~」
何……? レフィアが、男3人いる中で脱ぐだとッ。け、けしからん。
「よせレフィア、脱ぐつもりなら別室へ行くべき─────」
「な~によ、グズってばあたしに近寄っちゃって………脱がしてくれるのっ?」
レフィアが、妖しい微笑を浮かべてこちらを上目遣いしてくる。………何か、危険だッ。
「おれもなんか暑いから、脱いじゃおーっと………よっ!」
「僕もそうしようかなぁ、この首に巻いてるのジャマだし………えいっ」
ルーネスとアルクゥは上着を脱いで薄着になった。それはあまり問題ではないが────
「あたしも脱ぐ~~!!……ここでっ」
「いや、駄目だッ。……レフィア、お前は自分が"女性"である事を自覚してくれ」
「え……? じゃあなたは、あたしの事女だと認めてくれるわけっ?」
「それは………そうだ、ろう」
「ふ~ん。じゃあ何も遠慮はいらないわ、それぇっ!」
────レフィアは唐突に上着を脱いで、下着姿同然になってしまった……。直視、出来ない。
「ちょっと~、あたしの事見なさいよ~? サラ姫の巨乳いっつも見てたくせに、あたしのは小っさいからって見れないわけっ?」
そ、そういう訳では────そもそも、姫様を巨〇呼ばわりなどッ………
「まぁ………あれだよレフィア、君も女性としてもっと成長すれば、サラ姫近くにはなれるんじゃない?」
「そうかぁ? おれは無理だと思うね! あの巨乳にゃ勝てないだろ、レフィアはせいぜい貧乳止まりだろうな~?」
────酒が入っているせいか、アルクゥもルーネスも云いたい放題だな。
「云ってくれるじゃないのルーネス………ならあたしはサラ姫を超えてみせるわ、いつか!!」
何故"そこ"で張り合うんだ、……女心は判らん。
「もうこうなったら相手はあなたでいいわっ、ねぇ………わたしを、抱いて……!」
レフィアが不意に、抱き締めてきた……?! な、何がしたいと云うんだッ。
「は、放してくれ。私には、相手に出来ない」
「イクジないなぁ、だからグズグズなんだよ君は! ……レフィア、僕でもよかったら相手になるよ?」
いつになく積極的だな、アルクゥ………。
「おれはいらないな~、正直キョーミない」
ルーネス、それはそれでどうなんだ。
「そう………じゃいいわ、グズグズなあなたを────あたしがオトコにしてあげる……!!」
「ちょっと待てよ! レフィアだけにやらせるくらいなら、おれも……!」
「……だったら僕も、入れてもらおうかなぁ?」
ルーネスとアルクゥも含め、3人は危険な顔つきでベッドの方まで追い詰めてくる────
あぁ、これは観念した方が────
姫様、申し訳ありま────ッ
そういう訳にいくものか!?
(その直後シーフにジョブチェンジした彼は、"とんずら"したとかしないとか)
END
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