真夏のＳｕｍｍｅｒ　ｇｏｏｄ　ｊｏｂ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　真夏のＳｕｍｍｅｒ　ｇｏｏｄ　ｊｏｂ
　夏になった、遂に。
　僕の待ち望んでいた夏だ、その夏になってだった。
　僕は嬉しかった、それでこう皆に言った。
「いや、夏になったから」
「海だな」
「それにプールだな」
「うん、そしてね」
　その海にプールにだった。
「女の子達がいて」
「水着だな」
「それだな」
「うん、水着だよ」
　それでだとだ、僕は皆に言い続けた。
「水着の季節だよ」
「青春だな」
「まさにな」
「そう、青春の夏だよ」
　その時になったとだ、僕は夏の暑い日差しを感じながら笑顔でいた。
　そしてクラスの女の子達、今は夏の制服の彼女達を見て目を細めさせた。
「あの娘達だってね」
「海とかプールだとな」
「やっぱりな」
「水着だよな」
「水着になってな」
「そうしてな」
「夏を楽しむんだな」
　皆も自然にだった、笑顔になっている。そして。
　僕はその皆にだ、こうも言った。
「だから今度の日曜日ね」
「皆でか」
「女の子達も誘って」
「そう、海に行こう」
　こう提案した。
「そうしよう」
「女の子が来るかね」
　一人が笑ってその僕に言ってきた。
「果たして」
「そのことだね」
「だってな、はっきり言ってな」
「下心が見え見えだから」
「正直御前もそうだろ」
「うん、まあね」
　僕もこう彼に答えた。
「それは僕もね」
「そうだろ、どうして海に行くかっていうと」
「水着だよな」
「水着は神の作った最高の服じゃない」
　僕は心からそう信じている、水着は下着そのままだけれど下着じゃない。海せその格好をすることは当然だ。
　クラスの女の子の水着姿を見たい、それでだった。
　僕は提案するのだった、けれどそこにあるものは。
「下心剥き出しだろ」
「うん、そう言われるとね」
「それで水着見てだよな」
「まあそこはね」
「夜にだな」
「こっそりとね」
　高校生なら当然のことだった、青春の中では。
「だから僕夏好きなんだよ」
「そうだよな、それでそれはな」
「女の子達もだね」
「わかってない筈ないだろ」
「まあそうだよね」
「向こうも同じ歳だからな」
　それでわかっていない筈がなかった、絶対に。それは僕もよくわかっている。僕達が考えていることは相手もだ。
「わかってない筈ないだろ」
「それじゃあ」
「ああ、若し誘いをかけてもな」
「特に御前はな」
　僕は、というのだった。