IS<インフィニット・ストラトス> ―偽りの空―
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第三十八話 歪んだ世界
『それ』が彼女と出会ったのは偶然だった……いや、その後のことを鑑みればまさに奇跡と言ってもいい。意識や思考はあれども伝える術を持たなかった『それ』と、読み取り具現化することが出来た彼女との邂逅は文字通り世界を変えた。
彼女にとっても、この出会いは転機となった。
もともと周囲から浮いており、友人と呼べる人間なんて一人しかいなかったし彼女自身はそれでも構わなかった。むしろ、自分に近寄ってくる邪魔者が減ったおかげで無駄な時間を使わずに済むと清々していたぐらいである。
そんな折に出会ったのが『それ』であり、以降の彼女の生き方は決まってしまった。そして、『それ』は彼女の唯一の友人も巻き込んだ。だが、彼女らは後悔などしていない。何故ならこの出会いがなければ、彼女らは守れなかったかもしれないからだ……何より彼女らにとって大事なものを。
まさしく運命的な出会い……とはいえ、実際には血生臭い事実があるのだが、そんな出会いを経て彼女らは『それ』と一心同体となった。
日本では史上稀に見る大量の流星が観測されたことで世間を賑わした、ある夜のことだった。
◇
結局、トーナメントは楯無さんとデュノアさんのペアが優勝した。
話を聞く限り、鬼気迫る楯無さんによってフォルテさん達は為す術もなく敗北したらしい。デュノアさんも決勝ではやることがなかったとぼやいていた。
ボーデヴィッヒさんの話を聞く限り、僕の看病するために急いでくれたのかな……なんて思うのはさすがに自惚れが過ぎるかな。
でもせっかくの楯無さんとの試合の機会、またしても不完全燃焼になってしまった。まぁ、だいたい僕に原因があるんだけど……そうはいっても、ここまで彼女との試合にばかり何かが起きるとそういう運命なのかと考えてしまう。
それに、今回は僕だけでなく簪さんのこともあるし……彼女は気にしていないと言ってくれたけれど。
そういえば彼女は楯無さんと仲直りできたらしい。仲直り、と言ってもまだお互いどうやって接したらいいのかわからず微妙な距離らしいけれど、以前のように一方的に敵視するようなことはなくなったようだ。
何がきっかけで仲直りできたのか聞いてみたけれど、そこははぐらかされてしまった。
一方、ボーデヴィッヒさんに関しては特にお咎めなしだ。もともとVTシステムの発現に関しては完全に秘匿できたみたいだし、彼女自身に非がある訳でもない。その後の千冬さんからの聞き取りにも素直に応じていたみたいだし、僕や織斑君に対する態度もいくらか軟化した。
ただし秘匿したことによって、諸悪の根源であるドイツに対して表だった抗議はできていない。これに関しては仕方ないけれど、こちらで証拠データや映像は保存しているのでいざというときのカードとしては使えると思う。
いろいろと問題が起こったトーナメントだけれど、結果だけを見れば簪さんやボーデヴィッヒさんとの和解もあったり、楯無さんともより仲良くなれたりと良いことも多かった。
これでしばらくは安心できると思ったのだけれど……。
「ねぇ、紫音さんと簪も一緒に水着買いに行かない?」
今、僕は鈴さんに買い物に誘われている……しかも水着の。
というのも、僕ら一年生はもうじき臨海学校がある。そこでは特に水着を指定されていないため、それぞれが好きな水着を持って行く。良い機会だからと新しい水着を買いに行く人も多いみたいで、僕のクラスでも同様の話題が多かった。
「えっと、それはもしかして織斑君も一緒に?」
「あ~、いや。さすがに男子と一緒に水着選ぶのはまずいでしょ? ま、まぁ私としては一夏に選んでもらうのも構わないっていうかむしろ嬉しいんだけど、紫音さんとかセシリアとかの水着姿を見せるのは……」
なにやらブツブツと言っている鈴さんだが、どうやら今回、織斑君は一緒ではないらしい。あ、ということはデュノアさんもか。そういえば、彼女水着はどうするんだろう……いや、僕も束さんが以前に用意してくれた水着が無かったら危なかったんだけれど。
「私、実はもう水着は用意してありまして……ただ、旅行に必要なものは買いに行こうと思っていました」
「あ、うん。水着だけじゃ無くてそういったものも買いに行く予定だから」
「そうですか、でしたらご一緒させてください。簪さんも一緒に行きましょう?」
「……はい、行きます」
本当は行くのは躊躇われた。だけど、僕が行かなかったらなんとなく簪さんも行かない気がした。
事実、僕が誘っても少し迷ったような素振りをしていた。せっかく鈴さんが彼女も誘ってくれたのだし、彼女の交友関係が広げる良い機会だ。クラスでは今までの素っ気なかった態度もあってか、急に仲良くなろうとするのが躊躇われるみたいだし、その点では鈴さんと一緒なら幾分かは気が楽だろう。
「それじゃ決まりね! ん~、なんだか臨海学校って楽しみね。あれ? そういえば、紫音さんって去年も参加したんだっけ?」
「いえ、ちょうどその直前にテロに巻き込まれまして……」
「あ……そっか。ごめん」
本当に楽しみ、といった風だった鈴さんだったが、自身の失言でその表情が曇った。でも、僕自身はそれほど気にしている訳では無い。
「いえ、だから私も楽しみなんですよ。それに、留年も悪いことばかりでは無いです。鈴さんや簪さんともこうして出会えたんですから」
「あ~、う~。その笑顔でそんな台詞は卑怯じゃない。男だったら一発で落ちるわよ……簪もそう思うわよね」
「……ん」
せっかくイベントを楽しみにしている鈴さんに水を差すのが嫌だったから、フォローのつもりで出来るだけの笑顔にしたんだけど……きっと僕の今の顔は引きつっているんだろうな。
それから数日が経ち、買い物当日になった。
奇しくも、その場所は一年前に楯無さん達とも水着を買いに来たショッピングモール『レゾナンス』だった。ここは交通網の中心にあるおかげで地下鉄やバスの便も充実しているし、和洋中を網羅したレストラン街や、老若男女のあらゆるジャンルを全てカバーする幅広い品ぞろえを誇る専門店街がある。そのあまりの充実ぶりたるや『ここで無ければ市内のどこにも無い』と言わしめるほどで、自然と学園の生徒の利用率が高くなるから被るのも当然かもしれない。
そんなことを考えながら簪さんと一緒に部屋を出て待ち合わせ場所に向かうと、既にそこには鈴さんとオルコットさんがいた……のだが、何故か織斑君にデュノアさん、さらには箒さんやボーデヴィッヒさんまでいる。巷で織斑ファミリーなんて言われているメンバーが勢揃いだった。
「おはようございます、お待たせしました」
「……おはよう」
予想外のメンバーに少し面食らったものの、そういえば去年もいつの間にかみんなが合流していて大所帯になっていたなぁ、と僕はすこし懐かしい気分になりつつ挨拶をする。
一方の簪さんはいきなり人数が増えてしまったことで少し気後れしたのか声に力が無い。
みんなそれぞれに挨拶を返してくれる中、箒さんは浮かない表情だ。
僕と一緒なのが嫌なのかな、なんて考えていると鈴さんがこちらに寄ってきて何やら耳打ちしてくる。
「ごめんね、紫音さん。本当はセシリアだけ誘ったはずだったんだけど……話しているのを一夏に聞かれちゃって。しかも、一夏は一夏で箒と行く予定だったみたいで断る訳にいかないでしょ? そしたらシャルルやラウラまで声かけてこんな状態よ……」
「ふふ、せっかくの外出ですしたまにはいいんじゃないでしょうか。ね、簪さん」
「……そう、ですね」
織斑君の性格を考えると、なんとなくこの状況にも納得してしまった。
鈴さんも、織斑君と箒さんが二人で買い物に行くのを見過ごすのが嫌だったんだろう。箒さんが不機嫌なのは、もしかしたらデートを邪魔されたような気分になっているのかもしれない。
でも箒さん、きっと僕らが合流しなかったとしても、彼ならきっとデュノアさんを連れていったと思うよ……うん。だから申し訳ない気はするけど、そんなに睨まないでほしいな。
「シャルルは水着買わないんだっけ? 二人しかいない男子なんだし、せっかくだから一緒に選ぼうと思ったんだけどなぁ」
「え!? あ、そ、その。そうだね、僕はもう用意してあるから、大丈夫だよ!」
……若干、織斑君がデュノアさんに近すぎる気がする。男同士で水着買いになんてそうそう行かないよね? 本人は二人きりの男子だと思っているからどうしても依存しそうになるのもわかるけれど、これじゃデュノアさんも可哀そうだな……他人事じゃないし、できるだけフォローしてあげよう。
ボーデヴィッヒさんは、どういう心境の変化だろうか。トーナメント以降のやり取りで僕や織斑君とのわだかまりは減っているとは思うけれど、まさか買い物に彼と一緒に来るとは思わなかった。でも、あれだけ敵意剥き出しで軍人然としていた彼女がこうして日常を楽しむ機会を受け入れてくれるのなら嬉しいかな。
なんて、少し穏やかな気分になっていたんだけど、そんな時間は長くは続かなかった。
「お、お姉様、一夏さん。こんな水着はどうでしょう?」
「あんた……臨海学校にそんな際どい水着で参加してどうするつもりなのよ。一夏やシャルルだっているのよ! って、一夏! なに鼻の下伸ばしてんのよ!」
「い、いや。違うって!」
「一夏! お、お前というやつは!」
「ふむ、布の面積が若干少ない気がするが戦闘時には動きやすそうだな」
「そ、それは何か違うと思うよ……?」
「……騒がしい」
まるで去年の再現みたいだ……。シーズンが近いということもあって水着売り場はそれなりに人がいるにも関わらず、大騒ぎになってしまっている。
おかしいな、僕のイメージだと女性というのはもう少しお淑やかな存在だったはずなんだけど、この学園に入ってからどんどん崩れていっているよ?
「どうしたのだ、そんな引き攣った顔をして」
目の前のあんまりな光景に絶望していると、意外なことにボーデヴィッヒさんが話しかけてきた。誤解はなくなったといっても、それ以降で直接会話したことはほとんどなかった。
「そ、そんな顔してましたか?」
「見た目は笑顔だったが、表情筋の一部がピクピクしていたぞ。まぁ、一般人にはわからんだろうがな」
軍人だからな、と何故か得意げに話すボーデヴィッヒさんを見て、微笑ましいものを感じてしまった。
「ふっ、今のは自然だったぞ」
「そう……ですか。ふふ、ボーデヴィッヒさんも以前に比べたら自然に笑えていますね。キリッとした軍人然とした姿もカッコいいとは思いますが、今のほうが私は好きですよ」
「む、そ、そうか……?」
あれだけ刺々しかった彼女が、こうして普通に話しかけてくれて笑いかけてもくれるのだから嬉しくもなる。そう、素直に伝えたんだけれど照れたのか顔を真っ赤にして目を逸らしてしまった。
なんだろう、素直に可愛いと思ってしまうのは楯無さんの影響なのだろうか。女の子として、というよりこう、守ってあげたいような。これが、母性……って違うよ! なんか前にもおんなじこと言ってた気がするよ!?
「百面相しているところ悪いが、聞きたいことがある」
「は、はい?」
いつの間にか立ち直っているボーデヴィッヒさんが、急に真面目な表情になって問いかけてくる。改まって聞きたいことって何だろう、そして僕はどんな表情だったんでしょうか……。
「お前は……」
聞きづらそうに、それでも真っ直ぐ僕を見る彼女に僕は思わずゴクリと唾を飲み込み続きの言葉を待つ。しかし……。
「セシリア・オルコットの姉だったのか?」
「……は?」
出てきた言葉は全く想定外で、思わず素で聞き返してしまった。
え、なんでそう思ったの?
「む、違うのか? オルコットがお前のことを『お姉様』と呼んでいるからてっきり姉妹なのだと思ったが」
「あ、ち、違いますよ。私と彼女は……」
「姉妹よりも深い絆で結ばれているのですわ!」
突然、会話に割り込んでとんでもないことを言ってくるオルコットさん。
って、せめて着替えてからこっちにきてよ! なんでまだ水着姿なのさ!
「ふむ、絆とは?」
「えぇ、いいでしょう。あなたには以前からお姉様の素晴らしさをぜひとも調教……もとい刷り込まねばと思っていました。こちらでゆっくりじっくり語ってさしあげますわ!」
「お、おい、ちょっと待て。お前のその眼は嫌な予感が……き、聞け!」
目の前の状況についていけずに惚けていると、オルコットさんがボーデヴィッヒさんを強引にどこかに連れて行ってしまった。というかオルコットさん、ちゃんと着替えてくださいね?
ふと我に返って周囲を見渡すと、鈴さんと簪さんは二人で何やら真剣に水着を探し始めており、箒さんは姿が見えない。織斑君とデュノアさんは……あ、いた。売り場の隅のベンチで座って項垂れている……疲れたんだね。
あれ? いつの間にか僕が一人余っている状況に……。
僕が一抹の寂しさを感じていると、織斑君達のところに二人組の女性が向かっているのが見えた。二人の反応を見るに、知り合いではない……それに、あれは何か嫌な感じがする。
少し気になった僕はそのまま彼らの近くに行くことにした。
「あなたたち」
女性のうちの一人が声をかける。
織斑君たちはやはり知り合いではないらしく、キョトンとしている。
「はぁ、あんたら以外に誰がいんのよ。ちょっとあたしらの荷物、車まで運んでよ」
もう一人の女性が、そういって大量の荷物を指さす。
やっぱりそういう類だったか。
女尊男卑の世の中で大量発生することになった……残念な人たち。勘違いも甚だしい。
「は? 人に頼むならもう少し言い方ってのがあるだろ? なんで見ず知らずの人に命令されなきゃなんないんだよ」
「い、一夏」
そう、彼が正しい。でも、それが通らないのが今の世の中。おそらく、このままだと彼は……。
「あんた、自分の立場が分かっていないようね。ちょっと、警備員呼んできて」
「ん、了解。まったく、男は黙って女の言うこと聞いていればいいのに」
そう言い、一人が立ち去ってしまう。
はぁ……仕方ない。
「私の友人が何かしましたか?」
そう言い、割って入ると女性と目が合った。人を見下したような……腐った目だ。
「なに? あんたの男? 二人も侍らせていいご身分ね、躾ぐらいしっかりしなさいよ。ま、もう遅いけどね」
「ですから、私の友人があなたに何をしたかと聞いているのです」
いい加減、身勝手な女の言い分に僕の頭の中がザワついているのが分かる。自然と語気も荒くなってしまう。
「さ、西園寺さん?」
後ろで織斑君が僕のいつもと違う態度に戸惑っているみたいだけれど、もう止まらない。
「な、なによ。そいつらが私らの言うこと聞かないから……」
「何故、彼らがあなたの言うことを聞かなければいけないのですか?」
「そんなの、男だからに決まってるじゃない! 男なんて女の」
「お黙りなさい!」
「ひっ!」
もう、聞くに堪えない。
今までは自分がその対象だったから耐えられたけれど、それが織斑君やデュノアさんにまで及ぶのを見て、平然といられるわけがなかった。
「なぜ、男だからというだけで女の言うことを聞かなければいけないのですか?」
「あ、ISが動かせるからに決まっているでしょう!」
「なるほど、ではあなたはさぞ上手にISを動かせるのでしょうね。是非ご教授いただきたいのですが」
「え、そ、それは……」
言葉を詰まらせる女性のもとに、先ほど離れたもう一人が戻ってくる。
「美紀、警備員呼んできたわよ……って誰よこの子」
「あ、遅いじゃない! こ、こいつらに暴力を受けたの、連れて行って警察に引き渡してちょうだい!」
信じられないけれど、これでも男側が一方的に有罪になることがあるのが今の世の中。
あまり気分がいいものではないけれど、それも一つの世の中の流れだ……でも、それが僕の周囲に牙を剥くのなら……許さない。
「……君たち、ちょっといいかな」
警備員たちが問答無用で僕らを連行しようとする。
彼らも本当はどちらが悪いかなどわかっているのだろうけれど、下手をすれば自分たちがクビになる可能性がある。だから僕に彼らを責めることはできない。
「ご苦労さまです。私たちはIS学園の生徒です、こちらが学生証ですね。あ、ちなみにあちらの二人もですよ、ご存知ですよね。現在世界でたった二人の男性操縦者です。えぇ、そちらの女性たちに一方的に絡まれまして、困っておりました。特に彼はフランスの代表候補生ですし、下手をしたら国際問題になってしまいますね」
状況を理解したのだろう、警備員の顔が真っ青になる。すぐさま、残りの警備員にも声をかけて逆に彼女らを取り押さえた。
僕らが話しているのが聞こえていなかったのか、勝ち誇ったような顔をしていた女性たちの表情が変わる。
「ちょ、何してるのよ!」
大声で捲し立てるが、警備員が僕たちのことを説明するとその顔から血の気が失っていくのがわかった。
「あなた方のような存在が、この世の中をおかしくしているのです。男性だって、ISの開発や整備に携わっているのですよ? ただ、女性というだけであなたが偉いはずありません。それに、ISも動かせることなんて大したことではないんです。大事なのは……それで何を成すかです」
僕の言葉に、彼女らは項垂れてそのまま連れられていった。
去り際に、警備員の方々が軽く敬礼のようなポーズをしていたのが照れくさかった。
ガラじゃない、自分でもそう思う。
IS学園の生徒という立場を利用して説教じみたことを言い、彼女らを必要以上に辛い立場に追いやってしまったかもしれない。
それでも……束さんが作ったISがあんな連中のせいで穢されているようで、いい気分ではなかったんだよなぁ。ましてや、デュノアさんや織斑君がその対象になっちゃうと……ね。
「あ、あの。西園寺さん! ありがとう、あと巻き込んでごめんなさい!」
「僕からも……ありがとうございます」
「いえ……お恥ずかしいところをお見せしました。ですが、織斑君。あなたが先ほど彼女に対して言っていたことはまったく正しいのですが、残念ながら今はそれが認められるとは限りません。下手をすればデュノアさんを巻き込んでいました」
彼は知らなかったとはいえ、下手をしたら彼女の素性がバレていたかもしれない。まぁ、それを抜きにしても彼の対応はお世辞にもよかったとは言えない。
……我を通す意志は好ましく思えるし、羨ましくもあるのだけれど。
「そ、それは……」
「間違っているとは言いません……ですが、あなたが自分の意志を貫きたいのなら、力をつけてください。世界中があなたを知り、男女の優劣なんて存在しないことを証明してください。ね」
「は、はい!」
このままだと、彼がいつか潰れてしまう気がしたから、これは僕のお節介。
ちょっと顔が赤い気がするけれど、大丈夫? ちゃんと理解してくれただろうか。
「うわぁ、鞭とアメって調教とか洗脳の手口じゃ……。それにあんなにカッコイイところ見せられて、僕だって今一瞬、男としてドキっとしちゃったよ」
デュノアさんが何かブツブツと呟いているけど、全部聞こえているよ、失礼な! それに男としてってどういうこと!? あなた女性でしょう、せめて女の子としてドキッとしてほしいんですけど!
いろいろあったけれど、その後は何事もなくみんなと合流して水着選びを再開した。
オルコットさんに何を吹き込まれたのかボーデヴィッヒさんの様子がおかしかった気がする。特に水着を褒めたときは不自然なくらいの反応だった。
……オルコットさん、本当になにしたの?
後書き
遅くなりました。
まだ不定期ですが、少しずつ投稿再開しますのでよろしくお願いします。
追記
大変申し訳ありません! なぜか三十三話が消えていたので再投稿しています。
ページNoは話数とあっているのに……。混乱させてしまい申し訳ありません。
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