原作に介入=生 不介入=死 何だ!この世界は!
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25話
前書き
今回でStrikerSが終了します。vividは原作が完結していないのでどこまで書けるかわかりませんが書けるだけ書いてみます。
JS事件から3週間が経過し、六課が急ぎでしなければならない後処理がようやく一息ついた。あの後、病院に入院となったメンバーもいたが、三週間がたった今では皆、退院している。
そして
「皆さん。JS事件では本当にお疲れ様でした。これより、事件の解決を祝った細やかな打ち上げを始めようと思います。今日だけは仕事を忘れ、大いに楽しんでください。失礼ながら部隊長である私が開始の音頭を取らせていただきます。皆さんグラスを片手にお手持ちください」
六課の食堂は様々な飾り付けがされ、六課の部隊員とスタッフの全員がそろっていている。はやてがその中央にて話をしている。打ち上げが行われようとしているのだ。形式としては立食パーティーの形だ。
「事件解決を祝って………乾杯!」
「「「「「「「「「乾杯!」」」」」」」」
はやての音頭に合わせて、全ての六課メンバーがグラスを高く上げる。 打ち上げの開始だ。
夕は打ち上げの会場である食堂で料理を食べながら、引っ切り無しにやってくる人達の相手をしていた。
「夕さん。あの時は六課を守ってくれて本当にありがとうございました!」
「魔法なしで隊長逹と渡りあえるって化け物ですね」
「今度、私にも武術を教えてください」
など引っ切り無しにやってくる。
補助スタッフの訪問者が減ってくると今度はフォワード陣がやってくる。最初に来たのはティアナ。
「お疲れ様です。夕さん」
「ティアナこそ。お疲れ様。事件では戦闘機人、3人を捕まえる大手柄だったらしいな。やるじゃないか」
ティアナはディード、ノーヴェ、ウェンディの三人を一人で倒したらしい。
「いえ、あの子逹がもっと多彩な連係を出来ていたなら。危なかったのは私の方です。もっと強くならないといけません。観の目もまたまだ不完全ですしね。これからもご指導お願いします」
笑顔でそう言っているティアナの目には強い自信と向上心が見えた。今回の事件で何か得られるものがあったようだ。
「任せろ。六課運用期間が終わるまでには実戦で使えるように厳しく指導していくつもりだ。だが、今日だけはそれも忘れて楽しもう」
夕はティアナの肩を軽く叩きながらそう言う。
「はい!。なのはさん逹にも挨拶に行きたいんでこれで失礼します」
「ああ」
ティアナは離れていった。
次に来たのはスバル。片手にすごい量の料理が乗った大皿を持っている。
「楽しんでいるかスバル?」
「はい。楽しんでます!。夕さんの作ってくれた料理も美味しいです!」
美味しそうに料理を頬張っているスバル。
「そいつは良かった。足りなくなったらいいな。材料が有る限りは作ってやるよ」
「は~い」
スバルは公開意見陳述会のときにさらわれて洗脳されたギンガと戦い、彼女を魔力ダメージで倒して正気に戻して見せた。ギンガは一時的に入院こそしたが、今では完全復帰している。今回の事件でスバルの中にあった必要以上の甘さが無くなったようだ。もとから才能のあった彼女のことだ。更に強くなることだろう。
「ほら、俺のことはいいから。他の人にも挨拶してきな」
「はい。失礼します!」
スバルは夕の隣のテーブルで新たな料理を皿に乗せた後、離れていった。三番目に来たのはエリオとキャロ。仲良さげに並んでやって来た。
「「夕さん!事件ではお疲れ様です」」
「おう、お疲れ。あの召喚士の子は元気か?」
エリオとキャロは召喚士の女の子、ルーテシアとその召喚獣と戦った。ルーテシアは母親を人質に取られるような形でスカリエッティに協力させられていたらしい。戦いの中、エリオとキャロはルーテシアの心を開いてもらうことに成功した。事件後も時間があるとルーテシアに会いに行っている。母親も無事に保護され、治療を受けているそうだ。彼女が立ち直るのも時間の問題だろう。
「そう言えばルーちゃんが夕さんに会いたいって言ってましたよ」
キャロは新しい友達の話をするのが楽しくて仕方ないって顔をしている。
「俺にか?」
夕としては問答無用でガリューを倒して、ルーテシアの気絶させたので恐れられている考えている。
「はい。倒された時は恐かったらしいですけど、僕達が夕さんのことを話すうちに興味を持ったらしいんです」
俺の話ってこの子らはいったいどんな話をしたんだろ?
「そうか…今度、何か作って面会に行ってみるか」
「そのときは私逹も行きます」
「空いてる日があったら教えてくださいね」
2人は俺とルーテシアを早く会わせたいらしい。これは早いうちに時間を作って会いにいったほうがいいな
「それじゃあ僕達は失礼しますね」
二人はフェイトのいるテーブルに向かって歩いていく。次にやって来たのは小さな訪問者だった。
「ゆ~う」
ヴィヴィオが足に抱きついてくる。
「ヴィヴィオか、体は大丈夫か?」
「うん。元気!ヴィヴィオご飯もたくさん食べてるよ」
手をブンブンふって元気であることをアピールしてくる。
「それは何よりだ」
ヴィヴィオの口の周りを拭いてあげる夕。ヴィヴィオは変身能力を持つ戦闘機人、ドゥーエによりレリックを体に入れられたことで聖王モードとなってしまった。おまけに入れられたレリックに洗脳の効果が付与されていたため、なのはを結界に引きずりこんで戦うことになってしまった。
洗脳の大部分は、制御していたクワットロを剣が倒したことで解けたらしいが、洗脳の一部が解けきらずに残って暴走しかけた。最後の手段としてなのはが使ったのがスターライトブレイカーによる魔力ダメージでレリックが壊わすことだった。それは成功しヴィヴィオは基の姿に戻ることができた。
(仕方なかったとはいえ、スターライトブレイカーをくらうことなったヴィヴィオには深く同情し、退院してから一週間のヴィヴィオの我が侭を可能な限り聞いてあげた夕だった)
「ほれ、あっちにケーキ があるから行ってきな」
「ケーキ~!」
ヴィヴィオは走りさっていった。その後は三人娘や守護騎士の相手をしてパーティーは終わりをつげる。
そして皆が寝静まったころ、二人の男が六課の屋上にいた。
「ようやく終わったな」
夕は屋上の手すりに背中を預けながら言う。
「そうだね。予想外のこともあったけど、無事に事件が終結してくれて本当に良かったよ」
剣も手すりに両手を起き、体重をかけている。
「初めにお前に手伝いを頼まれたときは何の冗談かと思ったぞ。原作介入どころか原作の存在をうっとうしいと思うようになっていた俺が、原作に介入するように言われたんだからな」
夕は懐かしむように空を見上げた。
「でも君が協力してくれたからイレギュラー。皇焔のクローンに原作、いやフェイトや他の皆を殺されずに済んだ」
夕が動かなければ、皇焔のクローンはフェイトを倒し、他の人達の命も危険にさらした可能性が高い。
「あの馬鹿は死んでまで迷惑かけやがって。死後に会うことがあったらタコ殴りにしてやる」
拳を握って空に向かって突き出す夕。
「あはは、僕も会うことがあったら氷漬けにしたあと、消し炭にすることにするよ」
笑顔で言っているが剣もそうとう怒っているようだ。
「確かお前の原作知識は六課の解散までだったよな?」
「うん。そこから先がどうなるかは、もう僕にもわからない。………正直、不安だよ」
屋上から見える剣の顔は僅かな不安が映っていた。無理もない。今まで原作知識がおかげでずっと先が見えていたのだ。それが見えなくなれば不安になるのは当然だ。だがそれに対する夕の答えはあっさりしたものだった。
「それでいいんじゃないか。先が見えない不安は誰もが抱えている問題だ。それがまた面白い。それが人の人生だ」
剣は夕の言葉を腕を組んで考える。
「それが人生か………そうだ。僕は本当に忘れていたんだね。先が全く見えない不安と…楽しさを」
どうやら良い面も思い出せたようだ。
「楽しさを思い出せて何よりだ。どうせ、原作が終わっても俺達はこの世界で生きて行かなきゃいけないだ。何よりせっかく貰った第2の人生だ。知識なんかに縛られずに楽しく行こうぜ」
夕は空を見上げながら言う。
原作知識をもっているからこそ。縛られ行動を制限されてきた。それがなくなったこれからが剣の本当の人生の始まりなのかもしれない。
「うん。楽しく生きよう。君を見てるとそう思うよ。六課に来てからの君もそうだったしね」
夕が六課に入る条件として出したのは、はやてが夕に真実を話すこと、もう一つが六課襲撃以外の原作知識を自分に教えないことだった。どうせ原作に関わるなら好きに動きたかったからだ。
「これからは僕も皆と同じで先の見えない人生を楽しく生きていくよ」
そういう剣の表情はとても晴れやかだった。
「さて、話は終りだ。俺は戻る。明日も仕事だからな」
夕は出口に向かって歩き出す。それを剣は呼び止める。
「夕」
「まだ、何かあんのか?」
夕が振り返ると、
「手伝ってくれて本当にありがとう」
剣が頭を下げていた。
夕は一瞬、止まったがすぐに、にっと笑ってこの言葉を発した。
「どういたしまして」
「これからも助けてくれるかい?」
「いいけど、面倒事は出来るだけ遠慮したいな」
二人は笑い合う。
事件の容疑者についての報告
ジェイル・スカリエッティ、ウーノ、トーレ、クアットロ、セッテ、クローンの6名は捜査の協力を拒否したため軌道拘置所に収容される。
ルーテシア・アルピーノ、アギト、チンク、セイン、オットー、ノーヴェ、ディエチ、ウェンディ、ディードの9名はは罪を認め、捜査に協力的であったため海上隔離施設で更生プログラムを受ける事となる。
ゼスト・グランガイツ、ドゥーエは事件の最中に死亡が確認された。
JS事件後、大きな事件が起こることなく時間が過ぎ、六課は解散した。フォワード陣もそれぞれが自分の目指す道を進んでいった。
原作第3期がここに終結する。
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