混沌の魔術師と天空の巫女
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第6章 無限時計編
戦いの不協和音
「にょほほほほ!」
「ふざけた野郎め!テメェなんざ漢じゃねえ!!」
エルフマンさんはジャックポットに向かってそう言う。
というか、あれは人なのか・・・?
「お前は後だ!タコ野郎!!」
ナツさんはただ遠くから見ているだけのレギオン隊の司令塔、バイロに向かってそう言う。
「・・・・・・。」
「(ただ見ているだけですね・・・。)」
「にゃほー!よそ見とはまぁー、余裕ですねぁー!」
ジャックポットはスロットを回し始めた。
「おらああああ!!」
「でっせぇぇぇぇ!!!」
ナツさんは火竜の咆哮をエルフマンさんは右腕だけを接収し、
ジャックポットに向かって攻撃をした。
「来たぁーーーーーーーーーーー!!!!魔導、カリカリくぅ~~ん!!!」
しかし、それより先に、奴のスロットの方が速かった。
上から巨大なアイスが現れ、ナツさんの火竜の咆哮を防いだ。
じゅぅぅぅぅ!!
アイスは溶け、水蒸気となって、視界が見えなくなってしまった。
「ぬ、あ・・・!」
「何も、見えねえ!!」
ドン!!
「がぁ!!」
「あ・・・。」
エルフマンさんが間違ってナツさんを殴ってしまった。
「何しやがる!!」
「え・・・わ、悪い・・・!」
ナツさんに謝るエルフマンさん。
「ちょっと、待って!ややこしい相手だし、ここはチームワークで乗り切らなきゃ。」
「ルーシィさんの言う通りです!」
ルーシィさんと俺はナツさんとエルフマンさんに向けってそう言った。
「っしゃぁ!」
「わーってるよぉ!」
「キャンサー、お願い!!」
ルーシィさんは星霊を召喚した。
人の容姿に似ているが、背中にはカニの足が、髪の一部がカニっぽかった。
「任せろ、エビ!」
「(何で・・・エビ・・・?)」
俺は心の中で疑問に思った。
「漢ぉぉぉ!!!」
「火竜の翼撃!!!」
「それじゃあ俺も!!」
俺達は攻撃を開始しようとした。
「ウィー!!来たこれ!!!」
しかし奴が先にスロットを揃えた。鉄の板の様だが・・・
「鋼鉄の壁!!!」
上から6枚の鉄の壁が落ちてきた。
「まずい!!」
俺はそれを避けるが、ナツさん達は避けれず、6枚の鉄の壁が3人を囲んだ。
ドォーーーーー!!!
「うわあああ!!」
「あっつぅ!!」
「エビィ!!!」
「ナツ、テメェ!!」
「料理して食うエビ!?」
「俺のせいかぁー!?」
「あ、あら・・・。」
「喧嘩してる場合じゃないですよ!!!」
俺の言葉に3人はジャックポットの方を向く。
「ん?」
「?」
しかし・・・突然・・・
「何睨んでやがる!テメェから殴んぞ!!」
「その髪型、カットしたいエビ!」
「ああっ!?」
「俺のせいかぁー!?」
「エビィー!!」
「ちょっとぉぉぉ!!」
「仲間割れしないで下さい!!」
しかし、ルーシィさんと俺の言葉は3人には届かなかった。
「相性良くないみたい・・・。」
ミッシェルさんがそう言う。本当にそうです・・・。
「でも・・・今回のチームはカナの占いで決めたから、
その組み合わせも行き先も、相性よい筈なんだけどな・・・。」
「どう見ても悪いです。」
ルーシィさんの言葉に俺はそう言う。
一方、グレイとフリードのチームは・・・
「「・・・・・・・・・。」」
「(沈黙・・・・・・(汗))」
何も言わない・・・静かすぎる・・・。
一方、エルザとエバーグリーンとマックスのチームは・・・
「はぁー・・・相性、かぁ・・・。」
マックスさんがそう言う。ここのチームの相性はどうも・・・。
「ああ~ん、もう!足痛いんだけどぉ~。」
「ヒールで山登るかぁ、普通?」
「靴を変えればいいだけですのに・・・。」
エバーグリーンさんの言葉に、マックスさんと俺はそう言う。
「だってぇ~・・・妖精何ですもの。」
「意味わかんないし・・・」
「関係ないでしょ・・・。」
マックスさんと俺はそうツッコミを入れる。
「あ~・・・痛い痛い痛い・・・」
「黙って歩け。」
エルザさんが厳しく言う。
「何よぉ~!足痛いって言ってるでしょぉ!!」
エルザさんの言葉にエバーグリーンさんはそう言う。
「ちょっとは心配してよぉ~。」
「それだけ騒げるのなら。甘えず、前進する事に集中すればいい。」
「・・・っ。」
エバーグリーンさんは歩くのを止めた。
「ヤダヤダ。リーダー面しちゃって、だーれが決めた訳よ?」
エバーグリーンさんの子の言葉にエルザさんが振り向き・・・
「何か、言ったか?」
怖い顔でそう言った。
「べっつにぃ~。」
「あ~あ、めんどくせぇよなこの組み合わせ。
何でこんな組み合わせなんだよ?」
「カナさんの占いの結果です。」
マックスさんの言葉に俺がそう言う。
一方、ナツ達の方では・・・
「きたぁ~!!稲妻ボーナス!!!!」
ジャックポットがまたスロットを回し、今度は稲妻を出して俺達に攻撃をした。
「「「「うわあああああ!!!!」」」」
「くっ!!!」
俺は何とかかわすが、ナツさん達は攻撃を受け、飛ばされた。
「姉さん、大丈夫!?」
ミッシェルさんがルーシィさんの安否を心配する。
「う、うん・・・あんまり大丈夫じゃないかも・・・」
ルーシィさんはそう言う。
「にょー!私のスロット魔法にかかれば、あなた達などムシケラ以下!
目まぐるしく変化する可能性に翻弄されるがよいですなぁー!!」
ジャックポットはそう言う。
「この野郎!」
「これじゃあ埒があかねえぞ。」
ナツさんとエルフマンさんは起き上がってそう言う。
「どうする?」
「そうですね・・・」
「どうもこうもねえ!!やる事は1つ・・・」
ま、まさか・・・
「「ぶん殴る!!!!」」
やっぱりーーーー!!!
「ちょっと!そこの2人!!!!」
俺は声を掛けるが、遅かった。
「ほい。あ、激安、もじゃもじゃプール!」
ジャックポットがスロットを回し、3つ揃った。
そしたら上から茶色いもじゃもじゃが振ってきて、俺達全員身動きが取れにくくなった。
「今こそ、俺の見せ場、エビ!!!」
そう言い、キャンサーさんはハサミでもじゃもじゃを切った。
「バラッパ、バラッパ、バラッパ!キャンサー、キャンサー・・・!」
うん、確かに切れたけど・・・・・・
「「余計な事するな!!!」」
俺達全員、さっきのもじゃもじゃを体に纏わりつけさせてしまったのだった。
いや・・・纏わりつけさせるように切ったのかな・・・?
「エビ・・・ついつい・・・」
ドン!
「んぅ!?」
「「あが!?」」
「「ああ!?」」
「っと!」
ガシ!
「たらい?」
上から落ちてきたのは金ダライだった。しかもたくさん落ちてきた!
「うわあ!!」
「「ぎゃああああ!!!」」
大量の金ダライはナツさんとエルフマンさんの所に落ちてきた。
「ほほほ、うほ、うほっほ!」
ジャックポットは笑っていた。
「ああ~・・・!」
「チームワークどころか、これじゃあ・・・」
「バラバラですね・・・。」
これは一体どうなっているんだ・・・?
「バラバラだよ!!」
そう言うのはハッピーだった。
ここにはハッピー達エクシード達と闇分身が1人います。
「しかたないじゃない。」
「好み人それぞれ!」
「いや、お前等エクシードだろ・・・。」
ミントの言葉にツッコミを入れる俺。
「だってさぁ~・・・オイラは魚、シャルルはダージリンティー、
ミントは甘いものなら何でも・・・リリーは・・・キウイ?」
ハッピーはどうやらみんな好みが違う事を言っていたらしい・・・
しかしリリーの好みがキウイとは・・・
「皮ごとかぶり付くのが、いいのだ。」
リリーはそう言い、キウイを本当に皮ごと食べた。
そしてリリーは涙を流し、喜んでいた。
「それって正しい食べ方なの?」
「リリーだけだと思う・・・。」
シャルルの言葉に俺はそう言う。
「口の中に広がる酸味とほのかな甘さ、そして皮の食感!
うまい!たまらん!!!」
こんなリリー初めて見た・・・・・・(汗)
「皮の食感って・・・」
「それがいいの・・・?」
ハッピーとんミントはそう言う。
「・・・ん?」
何か匂う・・・。
「何かしら、この香り?」
シャルルがそう言う。
「僕はやっぱりこれだね・・・茸のバターソテー。」
そう言ってきたのは・・・
「サミエル!?」
レギオン隊にいるエクシードのサミエルであった。
「ああ!!テメェもいたのか!!」
「この声・・・」
「さぁ!お嬢さん会わせろ!!!」
1番嫌いな奴がいた・・・。
「確かロリコン野郎・・・」
「サブだ!サァーブ!!!!あと俺はロリコンじゃない!
ただ単に歳下で可愛い女の子が好きなだけだ!」
ミントの言葉に奴はそう言う。
「それを一般的にロリコンて言うんだよ!!」
俺はそうツッコミを入れる。
「サブ、少し落ち着いてよ。
君のせいでレギオン隊は冷たい目で見られてしまう可能性があるんだから。
ダンもだけど・・・。」
サミエルはそう言う。
「やあ兄さん。それにハッピーにシャルル、ミント・・・そして君はコージだね。」
「俺達の名前を知ってる様だな・・・。」
「ちょっと話があるんだけど。」
「・・・?」
一方、再びナツ達の方では・・・
「にょほほ!まぁ~他愛もないガキ共ですねなぁ~!」
ジャックポットはそう言う。今、ここでは雨が降って来た。
キャンサーさんは閉門したそうです。
「また来るぞ!」
ジャックポットがまたスロットを回し、エルフマンさんがそう言う。
「雨・・・・・・雨!?そうだ!!」
ルーシィさんが何かを思いついたらしい。
「開け、宝瓶宮の扉!アクエリアス!!!」
渦潮が現れ、そこから瓶を持った人魚が現れた。
「呼んだか小娘、ああん?」
小娘って・・・口悪・・・。
「しかも、まぁーたこんな泥水に呼びだしておいて。
ええ、上等じゃねえか!」
「ご、ごめんなさい・・・。」
この星霊、大丈夫なのか・・・。
「って、凄んでないで!あの機械お化け、何とかして!!」
「何でいっつもいっつもデート中に呼びだすんだか?悲願だ?」
「違います・・・。」
ダメだこりゃ・・・。
「まあいいさ!ちゃっちゃと片付けてやらぁ!!」
「おおっ!!」
アクエリアスさんは持っている瓶から大量の水を出して攻撃をした。
「漢ぉぉぉ!!」
「あっ!!ずりいぞ!!!俺が先に殴るんだぁぁぁ!!!」
「ちょ、ちょっと2人とも!!!」
だが遅かった。
「はい、ぐるりと、方向が変わりまーす。」
ジャックポットはもうスロットを揃えてしまい、
アクエリアスさんの攻撃がこっちに帰って来た。
「ご、わあ!!」
ナツさんが先に帰って来た水の攻撃を受けてしまった。
「え・・・?」
ドン!
「がぁ!」
ドン!
「ああああああっ!!!」
ドーーーン!!
エルフマンさんは飛ばされて来たナツさんにぶつかり、
2人はそのまま後ろに飛ばされ、後ろにいたアクエリアスさんにぶつかる。
「あはぁ~、激安でございます。」
「この!ブラッディクロス!!」
俺はブラッディクロスを放った。
「はいはーい。」
しかしまたスロットを回した。
「バリアー!!」
バリィン!!
ジャックポットの周りにバリアが張られ、ブラッディクロスを防いだ。
「くそ!」
「邪魔すんな!」
「お前こそ邪魔すんな!」
後ろではナツさんとエルフマンさんが言い争いを始めようとしていた。
「うっせぞ、テメェら!!!」
アクエリアスさんは持っている瓶で2人を殴る。
「がはっ!」
「ぐはぁ!」
「ああー!!何でこうなるのぉ!!?」
「ぜんぜん咬みあってないわね!」
ルーシィさんとミッシェルさんはナツさん達の状況を見てそう言う。
「(本当にこれが正しいのか・・・!?)」
俺は疑問に思ってしまう。
一方、ガジル達の方では・・・
「俺と組まされたのが、そんなに嫌か?」
ガジルさんがジュビアさんにそう尋ねる。
「そんな事はないけど・・・」
「嫌なら、裸野郎のところに行ってもいいんだぜ。」
「ガジル君は嫌いじゃないわよ。でも・・・でも・・・グレイ様と・・・」
「あの・・・」
「何だ?」
2人の会話に俺は入る。
「幽鬼の支配者って7年も前に解散したギルドと聞きますが・・・
お2人はそのギルドに入っていたのですか?」
「ああ・・・まあな。前は妖精の尻尾のギルドを壊した事があるぜ。」
「え・・・。」
「今はもうんな事しねえよ。」
「そ、そうですか・・・。」
ガジルさん達の意外な事を聞いてしまったな・・・。
「そんな感じなの・・・。」
ジュビアさんが突然そう言ってきた。
「ああ?訳わかんねえぞ。メンドくせえなぁ・・・。」
「ジュビアはそういう女なの・・・。」
何かわからないけど・・・妄想で何かあったかもしれない・・・聞かないけど・・・。
一方、ビックスローとウェンディの方では・・・
「「大丈夫かウェンディ?」」
俺とビックスローさんがそう言う。今俺達は山を登っている。
「大丈夫、頑張ります!」
ウェンディはそう言う。
「この峠を越えれば、目的地はもうすぐだぜ。」
「そうですね。」
「はい!」
ビックスローさんの言葉に俺とウェンディは返事をする。
「「「?」」」
突然、晴れていた空に黒い雲が覆った。
「何だありゃ?」
「雨か・・・?」
「嵐・・・。」
「山の天気は変わりやすいっつうが・・・」
「いや、そこまで変わるモノでは・・・」
ゴォオオオオオ!!!
「「ごわぁ!?」」
「っ!!」
「何だこりゃ!?」
突然、突風が俺達を襲う。
「ただの風じゃない・・・これは・・・」
「昨日の空模様は・・・思い出せない。」
「「「!!」」」
上を見上げると、岩の上に新生六魔将軍の1人、グリムリーパーがいた。
「グリムリーパーとかっていう奴か!歩く異常気象だなまるで。」
「新生六魔将軍の1人・・・。」
「元鉄の森の1人、エリゴールさん、らしいですよ。」
俺達はグリムリーパーを見て、そう言う。
「鉄の森・・・エリゴール・・・知らんな。」
「何だよテメエは?物忘れが過ぎるんじゃねえか?」
「・・・?」
何だこの感じ・・・?遺跡の時は戦いに夢中で気が付かなかったけど・・・何かおかしい?
「だが次の気象はわかる・・・上方からの突風!!!」
その言葉と共に、上から突風が俺達に襲い掛かるが、かわす。
ドーン!!
「時々、横からの竜巻!!」
竜巻が俺達に襲ってくるが、ビックスローさんが何とか防ぐ。
ドン!!
「「「っ!!」」」
防げたが、俺達は少し飛ばされる。
「自然現象に抗うとは、蝿でもそんな真似はせんだろうな。」
「コイツ・・・。」
「少し厄介ですよ。」
「ビックスローさん、闇分身。」
「おい、闇分身でお兄ちゃんと読むな。」
俺は闇分身とはいえ、つい突っ込んでしまう。
「サポートします!」
ウェンディは俺とビックスローさん、そして自分自身にアームズなどを掛ける。
「よっしゃぁ!俺達は蝿じゃねえ!!」
「はい!妖精の尻尾の魔導士!!」
「舐めんじゃねえぞ!!」
俺達はグリムリーパーに接近する。
「下方からの、強風!!」
下から強風が俺達に襲い掛かる。
「っ!」
「ぐっ!」
「・・・っ!」
「ふん!」
グリムリーパーは持っていた鎌を振り下ろす。
「おわぁ!?」
強風はさらに強くなって襲いかかって来た。
「どわぁ!?」
「あああああ!!」
俺達はそのまま後ろへ飛ばされてしまった。
「(まずい!後ろに岩が・・・!!!)闇の巨手!!!」
俺は岩がぶつかってしまうのを防ぐため、闇の巨手を出し、
俺達3人をダメージを受けない様にキャッチする。
「ふぅ~、何とかなった。」
「ありがとう!」
「助かったぜ!」
2人は俺に礼を言う。
「ん!?」
「「!?」」
グリムリーパーは鎌を上に向ける。
「妖精の尻尾・・・思い出せん・・・だが、次の気象はわかる・・・。」
突然、風が強くなる。
「嵐だ、嵐だ!!前方からの嵐!!!!」
グリムリーパーは鎌を振りおろすと、雷を混ぜた竜巻を出し、俺達に向けた。
「食い止めるぞ!」
「うん!」
「闇竜の・・・」
「天竜の・・・」
「「咆哮!!!!!」」
俺とウェンディは前方から来た竜巻を咆哮で撃ち消したのだ。
「あいつの魂、何だありゃ?」
「わかりますか?」
ビックスローさんはどうやら気付いた様でした。
あの人、何かあると思ったけど・・・やはりか・・・まだ詳しい事はわかっていないけど。
「のち、後方からの雷!」
そう言うと、俺達の後ろから雷が襲いかかって来た。
「フン!」
しかしビックスローさんが操っている人形達でガードをしたのだ。
ドーン!
「「「っ!」」」
ガードはしたが、人形達は落ちた。
「かかったな!」
「え!?」
「!?」
「すでに別の人形に魂を移しておいたぜ!」
いつのまにか、グリムリーパーの周りに人形達がいたのだった。
「喰らいやがれ!ゼロ距離バリオ・フォーメーション!!」
ビックスローさんの言葉と同時に、
人形達は青色の稲妻となり、ビームを放った。
しかし・・・
「そんな!?」
「飛べるなんて卑怯だぞ、コラァ!!!」
「くそ・・・こんな時翼が使えれば・・・!!」
俺達はそんな事を言い、グリムリーパーは俺達の後ろにある岩の上に降りた。
闇分身である俺でも使えない事もないが、
今回の戦闘で闇の魔力がかなり消費するので、使うに使えない状態である。
「そのようだな・・・忘れていた・・・ところでお前達は誰だ?」
「おいおい・・・」
「もう忘れられていますよ、私達・・・」
「下手したら病人だぞ・・・。」
グリムリーパーの言葉に俺達はそう言う。
「いや待て・・・・・そうだ、貴様を思い出した・・・。」
グリムリーパーは俺を見てそう言う。
「歯車・・・そうだ、歯車だぁ・・・!!!」
「!?」
「歯車を壊せなければ!!!はぁ!!!!」
グリムリーパーは鎌を振り下ろし、竜巻を俺に向かって放った。
「させない!天竜の翼撃!!!」
ウェンディが両腕に風を纏い、振り払う様に動き、
グリムリーパーの出した竜巻を消した。
さらに天竜の翼撃で発生した風はグリムリーパーに向かい、襲い掛かる。
「気象を司る俺に風系統の魔法で挑むとは、身の程を知るがいい。」
グリムリーパーは風を操り、天竜の翼撃で発生した風を俺達に向けた。
「っ!」
「くっそ・・・!!」
風が強い・・・!!!
「ウェンディ、コージ!!危ねえ!!!」
「!?」
ビックスローさんが大声でそう言った。俺とウェンディは上を見た。
「あ、あわわ・・・!!」
「牛!!?」
グリムリーパーの風によって、大量の牛が飛んでいた。
「強風による飛来物に注意!」
そう言うと、大量の牛を落とした。
「コージ、ウェンディを!」
ビックスローさんは俺をウェンディの方に向けて押した。
「はい!!ウェンディ!!!」
「ひゃん!」
俺はウェンディをお姫様抱っこして移動した。
ドーン!!
「おがっ!ぎゃあ!!ぎふぅ!!!獣臭えぇぇっ!!!」
ビックスローさんの真上から、大量の牛が落ちてきた。
「「ビックスローさーん!!」」
俺とウェンディは叫んでそう言った。
一方、ハッピー達の方で・・・
「くっそがきゃぁ・・・!!!!」
「このロリコン野郎・・・!!!!」
「この2人は、ほっておきましょ。」
「闇分身だけど、こんなコージ初めて。」
闇分身のコージとサブの睨み合いを見て、シャルルは話を進めようとし、
ミントは今のコージの光景に見た事もないという表情をしていた。
「無限時計が完成し、六魔将軍に奪われた。」
リリーがそう言う。
「そんな今、何を目的に動いている訳、あんた達は?」
シャルルがサミエルに尋ねる。
「僕の計算によると、事態は当初の予測を超えて、より複雑になっているのだよ、兄さん。」
サミエルは本を開いて、そう答える。
「計算が追い付かないさ。」
サミエルは開いてた本を閉じて、そう言う。
「わかった!オイラ達に力を借りたいんだね!エクシード同士だし!!」
ハッピーがそう言う。
「ご推察の通りさ。下手をすれば、人間には対処不可能な状態になりかねないからね。
ま、サブの方はそこにいる闇分身が何とかしてくれるから安心するよ。」
サミエルはそう言うのだった。
「そこも計算に入れてたんだ・・・。」
ミントがそう言う。
「何よ今さら!あんたには、ゼントピアの教えが全て何じゃないの?」
シャルルがそう言う。
「教義も大事だけど、こだわっている場合じゃないんだ。」
サミエルはそう言う。
「成程な。」
「で、オイラ達は何をすればいいの?」
「悪いけど、魚の事しかないハッピーとお馬鹿なミントに、
脳みそ筋肉な兄さんには解決できない。」
「失敬な!!」
「女の子に失礼だよ!!」
「喧嘩を売りに来たのか、お前は!!!」
サミエルの言葉に怒鳴るハッピーとミント、リリー。
しかしサミエルはそんな事を無視し、シャルルに尋ねた。
「シャルル・・・君は予知能力とやらで、何か感じなかったか?」
サミエルはシャルルの予知能力を知っており、それについて尋ねた。
「・・・・・・ハッキリしないイメージが色々見えたけど、それも不吉な・・・。」
「星空の鍵、からは?」
「ええ。」
サミエルの言葉に頷くシャルル。
「あれは多分、警告だったと思う。」
シャルルはそう言う。
「時計を集めてはいけなかった。あれは元々、ゼントピアの物であったらしい。
そして今、僕達は理解不可能な任務を与えられている・・・・・・
しかもあいつ等も・・・・・・。」
「あいつ等?」
ミントはその言葉を聞き、言う。
「いや、今はその事はよそう。」
サミエルはミントに向かってそう言う。
「未来を知りたいのか、サミエル?」
リリーはそう尋ねる。
「何よりも不吉なのは、
ゼントピアの評議が悪用されているかもしれないって可能性なんだ。」
サミエルはそう答える。
一方、ガジル達の方にて・・・
「どうなってんだよ、こりゃ?」
「教会が・・・!」
「間に合わなかった?」
俺達が見た光景は、教会が火事になっていた事であった。
「!?誰か出てくる!!」
燃え上がっている教会の中から1人の人が出てきた。
「あの人は、レギオン隊の・・・」
確かヒューズっていう人だったな・・・。
ドサッ
その人は出てきてすぐに、その場に倒れた。
「何で・・・ウチらが・・・・・・教会を襲わなきゃ、いけない訳・・・。」
「!?」
どういう事だ一体!?
「すっげぇ・・・意味わかんない・・・。」
「うっ!」
「「「!?」」」
また燃えている教会の方から、誰かが出てきた・・・・・・・・・
人には見えない・・・・・・何か、キリンのような形をした緑色の生物だった・・・。
首が長いせいで、頭辺りに、レンガが当たった様だ。
「聖下の下されたミッチォンでちゅよぉ~!何を躊躇することがあるんかぁ!?」
「これは・・・!?」
「念話だぁ?」
「六魔将軍・・・じゃない、あれはレギオン隊?」
俺達はそう言うが、明らかに何かがおかしい。
ヒューズって人をあの謎の生物は踏んでいるし。
「ギルドの魔導士、でちゅか?」
奴は俺達の方を見てきた。
「ゼントピアのモンかテメェ?」
「これは何があったんですか?」
「仲間割れ・・・?」
ガジルさんと俺は謎の生物に質問をし、ジュビアさんは思った事を言う。
「何で・・・司祭を・・・よくも・・・」
「聖下の言葉は大将の言葉、つまり行儀でちゅよぉ。
それが壊せと言えば、壊すのが、レギオン隊!
教義には忠実に、疑う事はなかれ。」
「こいつ・・・」
「(何だかおかしい・・・・・・いやおかし過ぎる!!)」
俺は心の中でそう思う。そして謎の生物はヒューズって人を蹴った。
ドン!
「ああっ!」
「反信者が、飛び散りな!!」
謎の生物は左腕を上げ、手から魔法陣の様なモノを出した。
その魔法陣の様なモノはヒューズって人の所にも2つ出現し、体の全体を黒緑で覆った。
「やめ・・・」
ドーーン!!
「ぐあああああっ!!!」
突然、その人の体の全体を黒緑が消え、爆発したかのように飛んだ。
「何だ!?」
俺達は飛んでかわした。
「爆発・・・いや、違えなあ・・・。」
「破裂・・・でしょうか・・・?」
「ガジル君、コージ君、気をつけて!!」
ジュビアさんは倒れたヒューズって人を抱え、俺とガジルさんにそう言う。
「ええ、もちろん!」
「気に食わねえなあ、テメエは!!」
ガジルさんは腕を鉄の棍棒の様にし、謎の生物に向かって伸ばして攻撃した。
ドーーン!!
謎の生物はその攻撃をかわした。
「3人とも、体内の魔力が大変高いようでちゅねぇ・・・おや?」
謎の生物は俺の方を見る。
「あなたは人間ではないようでちゅねぇ・・・。」
「!?」
「魔力だけで作られた分身でちゅねぇ~。」
「(気付かれた・・・!?)」
コイツ、俺が闇分身だとなぜわかったんだ!?
「まぁ、これはこれで好都合。」
謎の生物は左腕を上げ、また手から魔法陣の様なモノを出した。
今度はそれを俺達の方に出現させた。
「!」
「・・・!」
「こいつは・・・!」
今度は俺達にもか!そして、遅かった。
ドン!!ゴォォォ!!
「おわああああっ!!」
「あああああっ!!!」
「のわあああっ!!」
ボオン!
「綺麗な光!いいラプチャーでちゅねえ~!」
「何だ、こいつは・・・!」
倒れたガジルは少し起き上がってそう言う。
「こんな魔法、ジュビア、知らない・・・
あと、コージ君の闇分身消えちゃいました・・・。」
倒れているジュビアはそう言う。
「破裂魔法・・・ラプチャーマジック・・・
相手の体内の魔力を瞬時に膨張させて、暴発させる。
ガットマン・キューブリック、別名・・・掃除人ガットマン・・・。」
ヒューズはそう説明をしてくれた。
「飛び散りな!塵のごみ!!」
ガットマンは左腕を上げ、また手から魔法陣の様なモノを出し、
それをガジルとジュビアの魔力を膨張させ、破裂させた。
ドォン!!
「のわあ!!」
「うああ!!」
2人は破裂した自分の魔力により飛ばされた。
ドン!
「ぐぅ!」
飛ばされたガジルは近くの岩に背中をぶつけた。
「ジュビア!負けんじゃねえぞ!!」
しかしすぐにジュビアはそう言う。
「わかってるわよ、ガジル君!」
ジュビアはすぐにそう言う。
「体内の魔力がある限り、君達はそうやって躍り続ける、でちゅ。」
ガットマンはまた自分の魔法で2人の魔力を膨張させ、破裂させた。
ドォン!!
「おわあああ!!!」
ドン!!
ドォン!!
「ああっ!」
ドン!!
「あああ!!」
2人は破裂した自分の魔力により飛ばされ、2人とも近くの岩にぶつかった。
「痛いでちゅかぁ!?その痛みをしっかり受け止めるといい・・・。」
ガットマンの姿は黒く、赤い目をした悪魔の様に見えていた。
「大司教様・・・何故こんな奴を解放したのですか?」
ヒューズはそう言う。
「これが・・・ゼントピアの教え何て・・・」
ヒューズはそう言い、気を失う。
一方、1人だけのコージは・・・
「1人だけ言うな!!」
俺はそう叫ぶ。
「しっかし・・・ここでいいのか?」
俺は目的の場所につく。そこは何もない草原だった。
家や街どころか、教会の1つもない。
「本当にここでいいのかな・・・・・・ガジルさん所の闇分身消えたみたいだし・・・。」
コージはガジル達の所にいる闇分身が消えた事を知ってそう言う。
「一応持って来て正解なのか・・・?」
俺は荷物からある物を取り出した。
数時間前、妖精の尻尾 ギルドにて・・・
「え?歯車を持ってった方がいい?」
俺はカナさんに向かってそう言う。
「あたしの占いではそう出てるんだよ。」
「でも、それだともう1つの絵本でもし必要なら・・・」
「大丈夫だよ!」
そう言ったのはレビィさんであった。
「そうですか?」
「心配しないで、この絵本の文字の方は任せて!」
「はぁ・・・。」
「だからなぁ・・・。」
俺は歯車を見てそう言う。
「(でも、これが無限時計をどうにかできるものだからな・・・)」
俺は心の中でそう思い、座り込む。
「しばらく待つか・・・。」
俺はそう言う。
しかし、コージはこの後、大変な戦いなる事を思ってもいなかった。
後書き
どうも、白鋼です!今回の話し、結構長くなりました。
おまけに、ガットマンの喋り方に問題があって、何を言ってるのかよくわからなくって大変でした。
違っていましたら、報告をお願いします。
あと、少しギャグを入れてみましたが、いかがでしょうか?次回もお楽しみに~!
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