闇を祓う者~他人の恋愛見てニヤニヤし隊~
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原作開始前
ニヤニヤし隊、出動
前書き
お待たせいたしました。部活が休みなのでやっと書き上げました。
……課題をやりつつ。
一つ話を投稿するごとに、お気に入りが増えていく! 嬉しいわぁ
今回はタイトル通り、ニヤニヤし隊が出動します。
どうも、姉が二人増えた彼方です。只今、六歳。めでたく小学校に入学しました。はい、一年経ってるね。
いや、この一年はいろいろ大変だったんだよ。主に二人の姉のせいで。どんな風だったかって? しょうがない、聴かせてやろう。
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「かぁぁああくぅぅううん!」
「見える!《ギュピーン!》」
「へぶっ!」
束姉さんのダイナマイト(特に胸が)抱きつきを華麗に回避する俺。身体は子供、精神は思春期真っ最中なコナン状態なのが俺な訳で、束姉さんのあの大きさの胸がダイレクトアタックするのは俺の精神衛生上、非常に良くない。体の一部が反応しないだけ、安心と言える。何処とは言わないけど。
「まったく、束も懲りないな《ギュム》」
「そういう千冬姉さんも懲りてないよな……」
千冬姉さんはあの一件以来、俺をことあるごとに抱き上げるようになった。まあ、それはいいとしよう。それはいいんだよ。でもな? 千冬姉さんはしっかりと後ろから抱きついてくるから、束姉さんとほぼタメを張る大きさであるところの千冬姉さんの母性が俺の背中に密着する。これも、俺の精神衛生上よくない。束姉さんの抱きつきを受ければ束姉さんの母性が、避ければそれを待っていた千冬姉さんに抱きつかれて千冬姉さんの母性が俺に当たる。俺は一体どうすればいいんだぁぁぁあああ!
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と、まあこんな感じの生活が一年間続いたわけだ。え? 羨ましいなってか? いや、俺も体験する前は同意見だったよ。でも、見てるのと体験するのとじゃ全然違うわ。よく耐えてるなラブコメ主人公。
「かぁぁああくぅぅううん!」
「あんたは、同じ登場のしかたしか出来ないのか!」
一年前から同じ突進のしかたで飛んで来る束姉さん。今回は周りが危ないので受け止める。流石に怪我をしてしまうのは困る。
「エヘヘ、ありがと。かーくん」
「いや、別に気にしてないよ」
あ、この一年で姉さん達に対しての敬語は止めた。何故なら千冬姉さんに、
「姉に対して敬語は変だろう?」
と言われ、束姉さんに、
「敬語なんて堅いよ、かーくん!」
と、サムズアップで言われたためだ。千冬姉さんのは正論なんだが、束姉さんのは……何だろう。ルナと同じ感じのノリな気がする。
「それで束姉さん、今回はどういう用事ですか?」
「ん? いや、特にな「はい?」うん、ゴメンね。嘘ついた。だからそんな目でお姉ちゃんを見ないで!」
なんか、ふざけた束姉さんをジト目で見つめてやる。すると、「効果はバツグンだ!」てな感じに束姉さんが狼狽える。これ、楽しい。じゃなくて。
「ほんとにどういう用事ですか?」
「うん、かーくん。宇宙(・・)は好き?」
「? うん、まあ、人の手が届かないあの場所に一度でいいから行ってみたいてのはあるよね」
「そっか! じゃあ、かーくんにその夢を実現できるものを見せてあげるよ!」
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そして、つれてこられたのは束姉さんの研究所。人影が見える。どうやら、先客がいるらしい。よく見てみると、千冬姉さんだった。千冬姉さんも束姉さんにつれてこられたらしい。そして、さっきまで千冬姉さんで隠れて見えなかったけど、後ろには白い騎士が佇んでいた。どこか機械的なフォルムをした騎士だ。もしかして……、
「束姉さん、これは?」
「束さんが開発した宇宙空間での活動が可能なマルチフォームパワードスーツ、『インフィニット・ストラトス』通称IS!」
「インフィニット・ストラトス《無限の成層圏》か……」
やはり……。これはこの世界の始まりとも言えるイベントな訳だ。……まさか立ち会うとはね。そして、これが全てのISの始まり、『白騎士』か。
「なあ、束。本当にこれで宇宙に行けるのか?」
「あー、ちーちゃん疑ってるね? 私に不可能はないんだよ!」
「姉さん、姉さん。あの人は一応天災だった」
「そういえばそうだったな」
「あれ? 何故だろう褒められてる気がしない」
改めて白騎士を見る。形はアニメで見ていたから覚えている。……何だろう。何かが足りない気がする。
「ねぇ、束姉さん。これは完成してる?」
「まだなんだよね。ちょっとしっくり来なくて」
「ちょっと見せて貰っていい?」
「いいけど……、分かるの?」
「前世の記憶があるってのは悪いことばかりじゃなくてさ。どうやら、俺ロボットとかにも乗ってたみたいでさ。整備もしてたんだ」
いや、あのときは燃えたな。ロボットってさ男のロマンだよな。……整備から自分でするとは思わんかったけど。
「……そっか。無理はしないでね?」
「大丈夫だよ、ありがとう束姉さん」
あの日以来、この二人の義姉は俺が前世に関する話をするのを嫌っている。あの時泣きながら血が滲むほど手を握りしめていたのが結構辛いものがあったらしい。
「お前が悲しそうな表情をすると、私達も辛くなってくるからな」
「分かってるよ、千冬姉さん」
宥めつつ、束姉さんにデータを見せて貰う。ああ、なるほど。こうなってるのか。てことは、ここがちょっと違うな。あ、ここはこうだな。
~ちょっと待ってね♪ by束~
「ふうー……。こんなもんでどうよ? 束姉さん」
「本当に思うんだけどさ、かーくんってやっぱり天才だと思うんだ。私は」
「私も束と同意見だ」
「だから、俺は良くても秀才。天才っていうのは姉さん達のこと。今、こう出来たのも前世の記憶があったからだしね」
むうう、と唸る姉さん達。全く……アンタら高校生でしょうが。
「まあ、唸っててもしょうがないや! ちーちゃーん!」
「なんだ?」
「動きのデータがとりたいからさ、手伝って!」
「正直、今まで手伝えるものがなくて若干申し訳無い気分でいたからな。いくらでも手伝ってやるさ」
「さっすがちーちゃん! じゃあ、こっちに来て」
「分かった」
束姉さんが千冬姉さんを連れて行った。ここは俺の出番は無いな。……そういえば、一夏が束姉さんは一人でISを造り出した天才だ。って原作では言ってたな。思わぬ所で原作ブレイクしてしまった。いや、でも千冬姉さんは確実に関わってるはずだしなぁ。どうなんだろう? そこんところ。
そんなことを考えつつ時間は過ぎていった。
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時は過ぎて、今は学校で掃除の真っ最中。勿論、学校に通っている訳で只今こんな状況だ。正直つまらんな。だって、俺死んだとき17だよ? 高校2年だよ? 小1の勉強なんて余裕過ぎるわ。
「なあ、彼方」
「うん? どうした一夏」
掃除をしてると、同じ班である一夏が話しかけてきた。
「千冬姉の弟になったって聞いたんだけどさ、なんでそんなことになったんだ?」
「あー、まあいろいろあってな」
それはもういろいろと。一夏に話せないことがほとんどだけどな。そう思いながら視線を逸らすと、黒髪の女の子を3人の男子が取り囲むように立っていた。一夏もそれに気付いたようで険しい表情をしている。
黒髪の女の子は箒だな、どう見ても。
「おい、男女。今日は木刀持ってきてねぇのかよー」
「……竹刀だ」
「わっかんねーし、そんなこと!」
「お前みたいなのには武器がお似合いだよなー」
あれか、これは箒フラグ発生イベントか。てことは俺のこの先の楽しみのためにも出過ぎた真似は出来ないな。まあ、俺が何かやらなくても、
「彼方」
「分かってるよ。まあ、ほどほどにな」
「大丈夫だって」
そういう一夏。さてこっちも暗躍しますかね。
「おい、お前ら掃除の邪魔だ。てか、クラス違うだろさっさと帰れ」
「なんだよ、織斑。お前、男女の味方すんのかよ!」
「そういえば、お前ら仲良いよな」
「きっと夫婦なんだぜこいつら!」
思った以上に腹立つなこれ。一夏じゃなくても止めにいくな。聞くに耐えん。
「しかもこいつ、この間リボンなんかしてたんだぜ? 男女のくせにs「っ!」……ぶっ!」
一人の言葉に一夏が手を出した。キレイな右ストレートだ。世界を狙えるな。……じゃなくて。
「あ? お前なに言ってんだ。超似合ってただろうが。白いリボンが黒髪に映えて。良いセンスしてたじゃねぇか。お前の目はどうなってんだ」
……何だろう。どこから突っ込めばいいんだろうか。
①、「どの観点から見てんだ、お前はドン●西か!」
②、「あれ? 一夏お前、そんなファッションとか分かるんだ……」
どっちも優先順位高いな。……ふざけてる場合じゃないだろ。
「お前、殴ったな! 父さんにも殴られたこと無いのに!」
え!? そのネタこの年代に通じるの!? ちょっと感激なんだけど!
「先生に言うからな!」
「うーん、言ってもいいけど、怒られるのお前らだよ?」
「「「え?」」」
俺、参上! ここしかタイミングは無いな。
『おい、男女。今日は木刀持ってきてねぇのかよー』
「「「っ!」」」
「俺はその時これを先生に聞かせるから」
ボイスレコーダーに念のため録音しておいた。効果はばつぐんだ! いじめっ子達は悔しそうに逃げていった。さあて、掃除の続きだ。
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「お前らはバカだな」
唐突に箒が言ってきた。
「あれ? 知らなかった?」
「いや、彼方。認めちゃダメだろう、そこは」
「あんなの、相手にせず放ってばいい」
「気に入らないんだよ。男だの女だの言って差別する奴。それに、お前のこと放っておけなかったしな」
「っ! そうか……」
決まったぁぁぁああ! どっかのフラグが見える奴じゃないけど、箒の頭に攻略済みフラグが見える気がする! 無自覚でフラグを立てるとは、これが一級フラグ建築士の実力か! 爆ぜればいいのに。
「どうした? 篠ノ之。顔が赤いけど」
「な、何でもない!」
「ん、そっか。じゃあな、篠ノ之」
「箒だ。父さんも、姉さんも同じ篠ノ之だし、分かりにくいだろう」
「そうだな、じゃあ俺も千冬姉がいるから一夏な」
「わ、分かった」
まさか、そう切り返されるとは。って感じの顔だな。
「それじゃあな、箒!」
「ああ、一夏」
こいつら俺がいること忘れてるな。まあ、都合が良いからこのままで。
「まったく、あいつは……」
箒は一人だと思って優しい声音で声をだす。ふぅ、と息を漏らすと
「一夏、私はお前のことがーー」
「ーー好きになっちゃったか?」
「っ! キャァァァアア!」
絶好のタイミングで口を挟む。すると、箒は可愛らしい声で悲鳴を挙げる。驚き過ぎだろ、おい。
「賀狩? なんで……」
「ああ、彼方でいいよ、俺も。なんでって、俺が居るのに、お前ら二人だけの世界をつくるもんだから」
「な、な、な……」
驚き過ぎて、"な"しか口に出てない。なんで"な"? 面白すぎなんだけど。
「それで? すっかり乙女の顔の箒ちゃん? 一夏に惚れちゃったのかな?」
確実に今の俺の顔はニヤニヤしてる。そんな感じで訊くと、箒は顔を真っ赤にしている。
「ああ、大丈夫。言ったりしないから。手伝ってやろうかな、とは思ってるけど」
そう言うと、箒が若干復活した。
「そ、そうだ。私は一夏に惚れた」
「そっか、じゃあ何かあったら俺に相談してくれればいい」
「分かった。ありがとう」
「いや、じゃあな箒」
「ああ」
ふふふ、楽しくなってきたー!
後書き
はい、とまあこんな感じです。
一夏の建築士っぷりにイラッと来た方は感想に「爆ぜろ、一夏」と書いて下さいませw
次回は白騎士事件を予定してます。
ではではー
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